時間26メートルで割りました

食品中の放射性物質に関わる行政の調査結果及び関連情報
(7月4日~7月10日の情報)
1.行政による放射性物質検査
福島第一原発事故が発生して以降、行政による検査が継続的におこなわれています。7月4日から7月10日
までに5021件の検査がおこなわれました。基準を超えたものは1件でした(厚生労働省のホームページから
報告されている放射性物質検査の結果の概略から)。以下特徴についてまとめています。
2.検査結果について
(1)検査結果の概要
表1.検査結果の抜粋(7月4日~7月10日に検査された検査結果)です。
※検査を全国の都道府県で実施されていますが、ここで公表するのは福島県に隣接する県、もしくは、その
週に基準を超えたものが発表された都道府県とします。
都道府県名
検査数
基準超
今週基準を
合計
超えたもの
都道府県名
検査数
基準超
今週基準を超
合憲
えたもの
福
農産物
182
0
―
栃 農産物
39
0
―
島
畜産物
0
0
0
0
0
1
木 畜産物
県 水産物
1004
0
3
0
0
25
0
0
0
0
0
0
―
水産物
331
220
8
0
31
134
―
県
483
0
4
0
0
0
―
0
3
10
53
0
0
0
0
―
19
0
0
0
―
0
0
―
牛乳乳児用食品
野生鳥獣肉
飲料水、その他
宮
農産物
城
畜産物
県
水産物
牛乳乳児用食品
野生鳥獣肉
飲料水、その他
茨
農産物
城
畜産物
県
水産物
牛乳乳児用食品
野生鳥獣肉
―
―
牛乳乳児用食品
―
野生鳥獣肉
―
飲料水、その他
タケノゴ
群 農産物
馬 畜産物
県 水産物
120
92
5
0
0
0
―
―
牛乳乳児用食品
0
1
12
474
0
0
0
0
―
野生鳥獣肉
―
飲料水、その他
15
1
0
―
―
千 農産物
―
葉 畜産物
0
0
―
県 水産物
―
牛乳乳児用食品
0
―
野生鳥獣肉
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
飲料水、その他
―
1
0
0
0
表2.福島県で採取された沿岸魚の検査結果の傾向(2013年3月26日の検査結果とここ最近の検査結果の比較)
飲料水、その他
検査結果判明日
2013年3月26日
2016年 2月 7日
2016年 2月14日
2016年 2月21日
2016年 2月29日
2016年 3月 6日
2016年 3月13日
2016年 3月20日
2016年 3月27日
2016年 4月 3日
2016年 4月10日
2016年 4月17日
2016年 4月24日
検出限界以下となった割合
52.6%
92.9%
86.9%
93.8%
93.7%
94.2%
92.1%
96.2%
91.4%
92.7%
94.3%
93.1%
95.1%
基準は超えていないが、何らか
の数値が検出された割合
基準を超えた割合
41.4%
7.1%
13.1%
6.3%
6.3%
5.8%
7.9%
3.8%
8.6%
7.3%
5.7%
6.9%
4.9%
5.9%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
2016年 5月 1日
2016年 5月 8日
2016年 5月15日
94.8%
100 %
88.0%
5.2%
0.0%
12.0%
0.0%
0.0%
0.0%
5月22日
5月29日
6月 5日
6月12日
6月19日
97.2%
93.1%
93.3%
95.1%
94.8%
2.8%
6.9%
6.7%
4.9%
5.2%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
2016年 6月26日
96.6%
3.4%
0.0%
2016年 7月 3日
2016年 7月10日
(2015年6月平均)
96.7%
96.9%
(87.4%)
3.3%
3.1%
(12.6%)
2016年
2016年
2016年
2016年
2016年
0.0%
0.0%
(0.0%)
基準を超えた沿岸魚はみつかりませんでした。これで66週連続、基準を超えた魚介類が見つかっていません。
検出限界以下の割合は約96%台と継続して安定しています。何らかの数値が検出されている魚種と地域で
す。①いわき市(コモンカスベ、シロメバル、マゴチ)②富岡町(シロメバル、ウスメバル)でした。
(2)検査について基準を超えたものについて
①宮城県で採取されたタケノコ、ワラビについて基準値を超える放射性セシウムが検出された旨公表されまし
た。
ア.宮城県丸森町:タケノコ(240ベクレル/キログラム)
宮城県丸森町で採取されたタケノコについてはすでに県から出荷自粛要請がでているため市中には出回っ
ていません。
(3)京都の空間線量(7月4日~7月10日)
京都市の空間線量は(16.9 メートル地点)、0.037~0.043 マイクロシーベルト/1 時間、1 メートルの高さの推
計値は 0.044~0.051 マイクロシーベルト/1 時間となっています。福島市の空間線量は(2.5 メートル地点)は
0.13 マイクロシーベルト/1 時間(1メートル地点は 0.17 マイクロシーベルト/1 時間)となっており、原発事故以
降、最低値になっています。2012年の同時期が 0.8 マイクロシーベルト/1 時間となっており、今はこの時の
5 分の1くらいになっています。過去の平均は 0.037~0.046 マイクロシーベルト/1 時間(2.5 メートル地点)と
なっておりまだまだ高い空間線量となっています。ただ、岐阜県や愛媛県といった日本でも放射線量の高い
地域と比較した場合、倍くらいの値となっています。
(4)京都府の検査について(7月4日~7月10日)
京都府で採取された農水産物の検査結果です。トウガラシ、トマト、ナスで検査が行われました。結果は不検
出(検出限界は 18~24 ベクレル/キログラム)でした。
3.関連情報
(1)内部被ばくと土壌汚染「関係ほぼない」 坪倉氏ら研究チーム論文(福島民友ネットより)
東京電力福島第1原発事故に伴う南相馬市民の内部被ばく量と、市民の居住地の放射性物質による
土壌汚染のレベルを比較した結果、両者はほとんど関係していなかったとする研究成果を、南相馬
市立総合病院などに勤務する坪倉正治医師らの研究チームがまとめた。30日、英国医学雑誌のオ
ンライン版に発表した。
旧ソ連チェルノブイリ原発事故では、周辺の汚染地帯で内部被ばく量は土壌汚染レベルに強く相関
すると報告されているが、研究チームは「食品の検査体制が整備された日本では、土壌汚染があっ
ても高い内部被ばくを生む状況にはないことが示された。チェルノブイリとの決定的な差の一つだ」
と指摘している。
研究では2013(平成25)年3月~14年3月にホールボディーカウンターで内部被ばく検査
を受けた市民7987人のセシウム137の内部被ばくデータと、当時の居住地の土壌汚染のデー
タを比較した。多くの人は検出限界以下だったため、特別なモデルを用いて分析した。
結果、土壌汚染が1平方メートル当たり1万ベクレル上昇すると、内部被ばく量が1.03倍にな
るなどの解析結果が得られた。内部被ばく量を踏まえれば非常に小さなレベルの相関関係であり、
研究 チームは「内部被ばく量と土壌汚染はほとんど関係しないと言うことができる」としている。
(2)県産農産物「安心」5割超 県風評調査(福島民報より)
県は県産農産物に関するアンケートを首都圏、阪神圏、中京圏、北海道、沖縄県の5地域で行い、「安
心して食べられる」との印象を持つ消費者は51.9%だった。一方、安全対策のコメの全量全袋検
査を「知らない」とする回答は39.4%だった。安全対策を取っていることを理解すると購入意欲
が増すことも明らかになり、県は地域別に新たな農産物の情報発信事業を進める。
東京電力福島第一原発事故の風評を地域別に把握するため2月に初めて調査した。福島からの距離と
風評の相関関係を調べられるよう、県産農産物の流通量が多い全国の5地域を選定。日常的に買い物
をする20代から60代の女性1834人にインターネットで回答してもらった。比較対象として県
内の女性53人にも協力を依頼した。
県産農産物を「安心して食べられる」との印象があるかどうかを調べた結果は【グラフ】の通り。
5地域の「そう思う」「ややそう思う」との回答を合計すると952人で50%を超えた。地域別の
比率を見ると、首都圏が55.5%(481人)に上る一方、中京圏は50.2%(155人)、阪神
圏は48.8%(237人)と、西日本は東日本よりも若干低い傾向が見られた。最も遠い沖縄県は
43.4%(49人)と一番低かった。
野菜や魚などの品目別に放射性物質検査への理解を調べたところ、全地域で3割~5割の人が「知
らない」と回答した。コメの全量全袋検査は722人が認知しておらず、首都圏は306人で
35.3%だったのに対し、中京圏は141人で45.6%と約10ポイント高かった。
検査などの情報を知らせた上での購入意欲の変化も調べた。全袋検査をしていることを知らせると、
県産のコメを「買いたい」「買っても良い」と回答した人は全地域で1割以上増えた。特に、沖縄県
は提示前は56.6%だったが、提示後は81.4%まで大幅に伸びた。
県農産物流通課は「風評の解消が進む一方、地域ごとの本県への理解の差など新たな課題が出てい
る。イメージの改善に向けた情報の重要性も明らかにできた」と分析している。
以上