日本農業市場学会 Newsletter

日本農業市場学会 Newsletter No.66(2016 年 6 月 7 日)
日本農業市場学会 Newsletter
●発行:日本農業市場学会事務局 〒060−8589 北海道札幌市北区北 9 条西 9 丁目
北海道大学農学部農業経済学科 気付
TEL/FAX:011−706−2463(直通)
Mail:[email protected]
日本農業市場学会 2016 年度大会(徳島大学) 案内
1.大会日程
7 月 1 日(金) 7 月 2 日(土) 各種委員会 16:00~17:30
理 事 会 17:30~19:00
シンポジウム打ち合わせ
13:30~15:30
大会シンポジウム 9:00~17:00
(総 会) 12:50~13:50
(特別講演:韓国食品流通学会) 13:50〜14:35
懇 親 会 17:30~19:30
7 月 3 日(日) 個別報告・セッション報告 9:00~15:00
(コーヒー・ブレイク) 11:30~12:00
2.大会会場:徳島大学常三島キャンパス(徳島県徳島市南常三島町 1 丁目)
大会シンポジウム・総会 常三島けやきホール(地域連携プラザ) 懇親会 大学生協食堂 ダイニング きらら(キャンパス南側)
個別報告・セッション報告 総合科学部 1 号館 3 階(6 会場)
理事会 第 2 会議室(総合科学部 1 号館 2 階)
各種委員会 企画委員会 第 2 会議室(総合科学部 1 号館 2 階)
編集委員会 第 3 会議室(総合科学部 1 号館 2 階)
学会賞委員会 3M19 号室:公共政策コース共同研究室(総合科学部 1 号館 3 階)
シンポジウム打ち合わせ 第 3 会議室(総合科学部 1 号館 2 階)
3.参加費用
大会参加費(資料代含む) 一般会員:4,000 円、学生会員:3,000 円
会 員 外:4,500 円(開催地域関係者:1,000 円)
、会員外(学生)
:3,500 円
懇親会 一般・会員外:4,500 円、学生会員:3,500 円
4.参加申し込みについて
同封のはがきに必要事項を記入の上、6 月 17 日(金)までに投函ください。
☆昼食について:大会両日はともに学内の食堂は営業しておりません。また、大学周辺の飲食店も多く
はありませんので、各自でご用意ください。なお、2 日(土)に限って、弁当(600 円)を用意します
ので、希望者は同封のはがきの該当欄に○をしてください。
5.大会実行委員会(徳島大学生物資源産業学部)
実行委員長:玉 真之介 事務局:橋本 直史 TEL:088−656−5204(直通) Mail:[email protected]
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6.大会プログラム
●大会シンポジウム 7 月 2 日(土)9:00~17:00
徳島大学常三島キャンパス 常三島けやきホール(地域連携プラザ)
・受付(けやきホール入口 1 階) 8:30~9:00
・会長挨拶 9:00~9:05
・大会実行委員長挨拶 9:05~9:10
テーマ:農産物輸出の意義と現段階の成果・展望
座長:福田 晋(九州大学)
1)座長解題 9:10~9:20
2)報告 第 1 報告 石塚 哉史(弘前大学農学生命科学部) 9:20~10:00
「農産物・食品輸出の現段階的特質と展望」
第 2 報告 砺波 謙吏((公社)中央畜産会経営支援部) 10:00~10:40
「これまでの日本畜産物輸出振興の取り組みと今後について」
第 3 報告 山本 祐次(徳島県農林水産部もうかるブランド推進課) 10:40~11:20
「拡大する世界の食市場への挑戦!~徳島県における農林水産物の輸出促進の取組み~」
第 4 報告 神代 英昭(宇都宮大学農学部) 11:20~12:00
「日本産加工食品輸出の意義と現段階」 ・昼食休憩 12:00~12:50
・総会、学会賞表彰式及び理事選挙 12:50~13:50
・特別講演 イ ビョンソ(大韓民国農村振興庁農産業経営課) 13:50〜14:35
「韓国における農食品輸出政策の現況及び課題」
3)コメント
①豊智行(鹿児島大学農学部) 14:35~14:45
②菊地昌弥(東京農業大学国際食料情報学部) 14:45~14:55
4)総合討論 14:55~16:45
5)座長総括 16:45~16:55
・閉会・副会長挨拶 16:55~17:00
●懇親会 7 月 2 日(土) 大学生協食堂 ダイニング きらら 17:30~19:30
●個別報告・セッション報告 7 月 3 日(日) 9:00~15:00 徳島大学 総合科学部1号館3階(6会場)
コーヒー・ブレイク(総合科学部1号館3階設置休憩室) 11:30~12:00
・個別報告プログラムにつきましては、6 月中旬頃に学会ホームページで公開します。
※個別報告・セッション報告を申し込まれた方へ ・個別報告は各報告、発表時間20 分、質疑10 分です(セッション報告の場合は異なりますので、後日
公表される報告一覧表でご確認ください)。
・個別報告でプロジェクターを使用する場合、使用するファイルを個別報告前日(7月2日)の12:00~
15:00 に受付に提出してください。前日の提出が困難な場合は、6 月28日(火)までに大会実行委員
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会事務局([email protected])に添付ファイルにて送信してください。受信した
ことをお知らせするメールを返信いたしますので、必ずそれをご確認ください。
・当日会場で用意するソフトウェアは「Microsoft PowerPoint Viewer」と「Adobe ReaderX」です。
・「Microsoft PowerPoint Viewer を使用すると、PowerPoint 97 およびそれ以降のバージョンで作成
されたプレゼンテーションを忠実に再現して表示することができます。」(Microsoft 社ホームペー
ジ)とありますが、事前に必ず当該ソフトウェアを用いて画面の崩れがないか動作確認を行って下さ
い。「Microsoft PowerPoint Viewer」は、以下のアドレスから無料で入手できます。
(マイクロソフト公式ダウンロード・センター)
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=13
・不慮の事故によるデータ損失を防ぐため、2 個以上の電子媒体(例えばUSB メモリ2 個)にファイル
を保存してご持参ください。
──────────────────────────────────────────────── 【大会シンポジウム・座長解題】
農産物輸出の意義と現段階の成果・展望
1.はじめに
政府は、我が国の高品質な農林水産物・食品の輸出を一層促進するため、関係者が一体となった取組を推
進することを目的に、平成 17 年 4 月に「農林水産物等輸出促進全国協議会」を設立した。以降、様々な輸
出拡大のための支援措置を行ってきた。そして、平成 26 年 8 月には、輸出戦略に基づく取組の検証やオー
ルジャパンでの実効性ある輸出拡大に向けた取り組み体制等について議論を行うため、同協議会の下に各重
点品目の団体等で構成する輸出戦略実行委員会を設置した。これらの成果もあり、農林水産物・食品の輸出
は、3 年連続で伸びており、平成 27 年は 7,451 億円となって 28 年度 7,000 億円という中間目標を一年前倒
しで達成している。
中長期的に我が国の少子高齢化社会の到来を予測すると、
日本国内のマーケットは縮小する見込みであり、
他方、海外には今後伸びていくと考えられる有望なマーケットが存在している。さらに、TPP等貿易枠組
みの変化、アジア諸国等における経済発展に伴う富裕層の増加、世界的な日本食ブームの広がりを考慮する
と、輸出による需要拡大は実践的にも、市場ニーズに合った需要拡大という学術的観点からも重要な課題で
ある。
輸出等による需要拡大により、農林水産物・食品の新たな販路拡大、所得の向上、国内価格下落に対する
リスクの軽減、海外輸出を通じた国内ブランド価値の向上、経営に対する意識改革、地域経済の活性化など、
産地・地域にとってのメリットがもたらされることが期待される。また、生産量の増加による食料自給率の
向上、食料安全保障への貢献、我が国の輸出入バランスの改善、日本食文化の海外への普及、国民経済全体
にとってのメリットが期待できる。
しかしながら、今日まで日本農業市場学会はもとより農業経済学関連の学会においても、輸出の課題を正
面から取り扱ったことはない。また、体系的な研究成果がいまだ少なく、石塚・神代[1〕
、福田[2]らの
共同研究が刊行されている。前者は、農産物輸出の現段階と課題を解明するために、農産物輸出支援政策及
び関連事業の展開過程、農産物輸出の推進主体、対象品目の差異に留意しながら包括的・総合的な検討を行
っている。後者では、海上輸送システムの可能性について鮮度保持、コスト面で普及可能性のあることを解
明し、それによるマクロ的な経済効果を明らかにしている。さらに、輸出先国市場におけるマーケットリサ
ーチを行い、独自のニーズ把握を行っている。そして、青果物産地の輸出戦略を明らかにし、その問題点と
改善策を提示している。
本シンポジウムでは、今日までの成果を踏まえて、
「農産物輸出の意義と現段階の成果・展望」と題して、
議論し、論点を整理するとともに新たな課題を展望してみたい。
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2.シンポジウムのねらい
テーマの設定に当たっては、以下のような点を考慮した。まず第 1 に、産地にとっての生鮮農産物ないし
加工食品輸出の位置づけである。輸出を通して農家、産地側は何を狙おうとしているのだろうか。もちろん、
政府は輸出拡大による所得の拡大を意図しているわけだが、輸出による農家、産地側の所得増大、付加価値
化につながっているのか、という点は極めて重要な論点である。
第 2 に、輸出主体の戦略としてのジャパンブランドと産地(個別企業)ブランドの妥当性である。多くの農
畜産物においては、地域の差別化が難しく、産地側の意向を反映し難いこと、また現地での海外産との競争
よりもむしろ日本産の産地間競争による価格競争の激化に対する対応が困難であることが指摘され、ジャパ
ンブランドによる販売促進戦略が新たな基本計画でも強く指摘されている。しかし、すべての農畜産物、品
目にジャパンブランドによる販売促進が必要であるのか、販売促進戦略以外の製品戦略、価格戦略、流通チ
ャネル戦略では、どのレベルでの戦略構築が必要であるかという点についても吟味が必要である。 この点に関わっては、食としての販売促進戦略についても検討を要する。品目ごとの販売促進戦略は採用
されているが、輸出に関する専門的知識や情報の不足により,品目・部門を越えた横断的な日本食の提案に
至っていない点も課題である。これは、流通チャネルとして小売店を介して最終的に家庭調理を前提とした
消費者とするか、或いは外食・中食の普及に伴った実需者向けに日本食・和食メニューを提供するかという
戦略にも関わってくる課題である。
アジアを中心としたマーケットでは、
外食における消費が極めて大きく、
実需者のニーズ把握は欠かせない分野である。食べ方の普及という点は、今後も採用すべき点であるが、農
畜産物単品素材としての提供だけではなく、食事メニューとしてのマーケティング戦略も今後の重要な方向
である。 第 3 に、輸出支援施策の位置づけである。政府は、ジャパンブランドを標榜して、部門・品目別に品目部
会を設け、輸出対策に膨大な財政を投下している。一方、それを受けて都道府県、市町村はどのようなスタ
ンスで支援策をとっているであろうか。国の販売促進施策の補完が十分行われているか、あるいは独自の輸
出支援施策がとられているか。これについては、自治体間の格差も指摘されよう。
第4に、加工品の位置づけである。平成 27 年の輸出実績によると、農産物輸出額 4,431 億円のうち加工
食品は 2221 億円と 50.1%を占め、シェアは 26 年の 49.4%から増加している。また、農業における 6 次産
業の進展、農商工連携の深化を考慮すると、加工食品における輸出戦略は極めて重要である。この点を明ら
かにすることは、加工品を輸出するか、海外市場国で生産して販売するかという選択基準を明らかにするこ
とにつながる。
3.報告の概要
第1報告として、石塚氏(弘前大学農学生命科学部)に「農産物・食品輸出の現段階的特質と展望」のテ
ーマで報告していただく。報告では、農産物・食品輸出の現段階を明らかにするために、輸出事業主体や対
象品目等の差異に留意しながら、その特徴と問題点について検討し、①農産物輸出は、加工食品や水産物と
比較すると極めて限定された規模で行われている点、
②各輸出事業主体による輸出のシェアが僅かである点、
③輸出推進事業の増加により、多くの輸出事例が登場したため、産地間競争が発生している点について考察
していただく。
第2報告として、砺波氏(中央畜産会経営支援)に「これまでの日本畜産物輸出振興の取り組みと今後
について」と題して政府の畜産物輸出戦略に基づいた畜産物輸出支援の実績と課題について報告いただく。
2013 年からオールジャパンでの牛肉輸出振興がスタートしている。まず、その歩みを国別に振り返り紹介し
ながら、今後の方向性を検討する。さらに、いまや日本のすべての産畜産物での輸出振興にまで拡大してい
る。そこで、その活動状況と今後の課題について報告していただく。
第3報告として、山本氏(徳島県農林水産部)に地方自治体の立場から、
「拡大する世界の食市場への挑
戦!~徳島県における農林水産物の輸出促進の取組み~」と題して、徳島県における農林水産業の振興策の
内、攻めの施策として取り組んでいる県産農林水産物の輸出促進について、その輸出戦略と具体的取組み、
得られた成果や推進上の問題点、今後の課題等について報告していただく。
第4報告は、神代氏(宇都宮大学農学部)に「日本産加工食品輸出の意義と現段階」のテーマで報告して
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いただく。加工食品は現時点での輸出実績が大きいとともに、これからの輸出拡大戦略においても寄せられ
る期待が極めて大きい。しかし、これまでの海外展開は,主に民間の大企業中心に進められており、海外で
の現地生産化につながりやすく、国際的知名度の高い一部の食品・食材に限られている。報告では日本産加
工食品の輸出の意義と現段階について、先進事例調査を中心に報告していただく。
以上の4つの報告に対して、2人のコメンテーターからコメントをいただき、総合的な討論を通して議論
を深めたい。
引用文献
[1]石塚哉史・神代英昭編著『我が国における農産物輸出戦略の現段階と展望』筑波書房、2013.7
[2]福田晋編著『農畜産物輸出拡大の可能性を探る-戦略的マーケティングと物流システム-』農林統計
出版、2016.2
──────────────────────────────────────────────── ★徳島大学常三島キャンパス(徳島県徳島市南常三島町1丁目)へのアクセス
※徳島駅→徳島大学常三島キャンパス
①徒歩:2 km 程度 (20~30 分) ②タクシー:700~800 円程度
③バス利用(※ 以下に徳島駅前のバス乗り場と時刻表を掲載)
※徳島空港→徳島大学常三島キャンパス
リムジンバス(徳島バス):「徳島大学前」(後掲地図では◇)
※神戸三宮など→徳島大学常三島キャンパス
高速バス(阪神バスなど):「徳島大学前」(後掲地図では◇)
※関西国際空港~徳島駅前のリムジンバスは「徳島大学前」に 停まりませんので注意ください。
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★徳島大学 常三島キャンパスマップ
コンビニ
シンポジウム会場(7/2)
常三島けやきホール
セブンイレブン
各種委員会・理事会(7/1)
個別報告会場(7/3)
総合科学部 1 号館 2・3F
キャンパス
入口
(※推奨)
会場入口
助任橋・徳島大学前
大学前
懇親会(7/2)大学生協食堂 ダイニング きらら
※ 昼食時に食堂は利用できません。各自昼食をご用意下さい。
◎ 詳細については,徳島大学・交通アクセス・キャンパスマップもご参照ください。
※ ▲で示した助任橋・徳島大学前と大学前は同じ場所です。国道 11 号線沿いの側道にあります。 交通アクセス: http://www.tokushima-u.ac.jp/access/shinkura_josanjima/
※ ▲のバス停を降りると、スーパーマルヨシセンターと道を挟んでキリン堂薬局が見えます。 常三島キャンパスマップ:http://www.tokushima-u.ac.jp/campusmap/josanjima/
※ キリン堂薬局駐車場の奥手に国道 11 号線および大学が見えます。 ( ※ ▲と★は、徒歩 1 分程度の近さです。
) ※ 陸橋か信号を渡ってキャンパス入口を通り、大会会場へお越しください。 ( ※ マップの左上の信号が良いです。
) ◎ 詳細については,徳島大学・交通アクセス・キャンパスマップもご参照ください。
交通アクセス: http://www.tokushima-u.ac.jp/access/shinkura_josanjima/
常三島キャンパスマップ:http://www.tokushima-u.ac.jp/campusmap/josanjima/
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