協力ゲームと環境問題 1 (湖水汚染ゲーム) 湖水汚水ゲーム (設定) : 湖の周りに工場が n 個ある. 各工場が湖に流す汚水を浄化処理するには B だけ費用がかかる u 個の工場が汚水を処理しないで湖に流すと uC の費用がかかる 各費用の関係 : C < B < nC 全員が浄化装置を付ける場合 : 全体として nB の費用がかかる 浄化費用は 0 となる この状態から, ひとつの工場が浄化装置を付けないことにすると, すべての工場が C の費用が増加→全体として nC 増加する B(ひとつの工場の節約) < nC(社会全体の費用増加) より, すべての工場が浄化装置を付けることは, 社会全体の費用を最も小さく する 個々の企業の合理的行動 : 工場が浄化装置を付けると B だけ費用がかかる.節約されるのは C だけ である. C < B であるから, 個々の企業にとっては浄化装置を付けないほうが よい すべての企業がこのような行動をとる, すなわち浄化装置をつけないの はナッシュ均衡となる このゲームを提携形ゲームと見て, 特性関数を定義する 提携 S , 提携に参加する工場の数 s とすると { v(S ) = −snC, −snC + s(sC − B), i f s ≤ B/C i f s ≥ B/C 提携 S に含まれない工場は浄化装置を「つけない」と考えられる (合理 的).これを考えて, 提携値を考えればよい. sC ≤ B の場合 : 提携 S 全員が「つける」を選ぶと, それぞれ B の費用が かかり, 節約できる浄化費用 sC である.sC ≤ B であるので, 費用 B のほ うが大きいよって提携メンバーは全員「つけない」を選択する sC ≥ B の場合はどうなるか?(各自で考えてみよう) 上の式 : s ∗ (−nC) の費用がかかる 下の式 : sB(浄化装置費用) と s ∗ (n − s)C の費用がかかる 提携メンバー s ≤ B/C のとき, 提携の数が増えるごとに, 提携の利得 は − nC ずつ増えるだけで, 各工場の利得は変わらない 提携メンバー s ≥ B/C であれば, 提携の利得が増えるので提携の効果が はっきり見える コア : 各工場がすべて提携に加わり, その総利得を均等配分 (−B) がコアと なる. v(S) B/C n s -nB
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