19 - 石川慎一郎

AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
巻頭言
第 4 回年次大会報告
講演
研究発表
目次
1
田口 孝夫
大谷
山岸
遠藤
堀本
濱崎
2
3
5
6
7
泰照
勝榮
雪枝
文子
敦弘
研究発表
第 18 回例会予告
総会報告
会則
事務局だより
岩永 孝幸
芝垣 茂
馬場 千秋
8
9
10
12
18
21
AJELC とは
“The Association for Japanese and English Language and Culture”
(日英言語文化学会)の略です。
日英の言語文化に関心のある方々が集まり、研究活動を行っています。
文化と翻訳
田口
孝夫
言語はその国の文化と切り離せない。翻
ここでは母が娘を疑っているのである。庭
訳をするときは、そのことを考慮しないと
の置き物が壊れており、娘が熊手をもって
いけない。たとえば、ジュリア・アルヴァ
立っている。娘は熊手で不審人物をおっぱ
レズのエッセイで‘My mother asked, eyes
らったというのだが、その熊手で置き物を
narrowed.’という文に出くわす。これを「母
壊してしまったのではないか。母は娘に「じ
は目を細めて尋ねました」と訳してみる。
ゃあ、どんな男だったんだい」と<目を細
それから、待てよと思う。この訳文は誤解
めて>尋ねる。母の視線は<疑念のまなざ
をまねくかもしれない。ふつう、日本で「目
し>であるはずだ。そう、ここは「疑わし
を細める」と言えば、うれしそうな様子、
そうに」という意味なのだ。
イーディス・ウォートンの『歓楽の家』
あるいは愛情を暗示する。祖父は孫の顔を
に‘My father and mother used to live like
みて、「目を細める」わけである。しかし、
1
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
fighting cocks on their income.’という一
られている。キーンが腰をかがめて田植え
文があり、邦訳では下線部は「闘鶏のよう
に精出す百姓の姿をイメージできなかった
にがみがみ暮らしていましたよ」となって
はずはない。彼は西欧の読者を想定し、あ
いるそうである(成瀬武史『英日日英・翻
えてミレーの<種まく人>のような西欧的
訳入門』
)。われわれは確かに闘鶏のような
な田園風景に変えたのではなかったか。彼
暮らしといえば喧嘩や口論を連想する。し
が言語と文化を読み替えたとすれば、これ
かし、英語の文化においては「ぜいたくに
は翻訳ではなくて翻案ということになりは
暮らす」ということである。文化の差異の
しないか。
落とし穴である。
芭蕉の「田一枚
ちなみに、キーンは10月18日(土)、
植えて立ち去る
柳
小生の勤務する大妻女子大学にやってくる。
かな」は多様な解釈を許す奥のふかい句で
創立100周年記念行事の一環として講演
あるが、これをドナルド・キーンは‘They
が予定されているのである。演題は「日本
sowed a whole field, / And only then did I
文化と女性」であるが、文化と翻訳の問題
leave / Saigyo’s willow tree.’と訳している。 について、直接、この日本通から話を聞く
「彼らは畑全体に種をまいた。そこでよう
機会があるのではないかと今から楽しみで
やく私は西行の柳の木から立ち去った」ほ
ある。
どの意味になるだろうか。もとの句の曖昧
(大妻女子大学教授)
さは薄れ、小さく区切られた田一枚分の田
植えが(広大な?)畑の種まき風景に変え
第 4 回年次大会 報告
2008 年 6 月14 日(土)於:明治大学駿河台校舎
講演
日本人の言語文化意識を考える
大谷
Ⅰ.わが国の異言語教育の動向
泰照
に至ったとみなければならない。英語一辺
幕末から今日までの 140 余年間、わが国
倒の「親英」的段階と、一転して英語に拒
の異言語教育は、とかく直線的・上昇的に
否的反応を示す「反英」的段階との 2 つの
進展してきたかのように思われがちである。 対立する極の間を、ほぼ 40 年のサイクルで
しかし、わが国の異言語教育の推移を仔細
3たび往復して、あらためて今、われわれ
に検討してみると、むしろ、回帰的・反復
は 4 度目のサイクルに足を踏み入れようと
的な一種の往復運動を繰り返しながら今日
していると考えられる。さらに、そんなサ
2
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
イクルからサイクルへの転換点となったの
に否定したイミは大きい。これは、20 世紀
は、いずれも異文化との決定的な衝突、す
も前半までの尺度では考えられもしない画
なわち軍事的もしくは経済的「戦争」であ
期的な言語教育政策である。
ったことも見逃すべきではない。
Ⅲ.新時代の異言語教育のあり方
Ⅱ.第 2 次世界大戦の教訓
20 世紀は、たしかに歴史上例をみない
世はいまや英語の時代であり、英語なし
「戦争の世紀」であった。しかし、同時に
では 21 世紀は生き残れないとさえ、とくに
20 世紀はまた、歴史上例をみない「戦争修
日本では考えられがちである。しかし今日、
復の世紀」であったことも見落とすべきで
少なくとも学校教育の世界では、英語を唯
はない。かつては自国語で押し通して、外
一の lingua franca とはみなさない新しい
国語の教育など顧みることもなかった旧欧
動きも、また目立って増大しているという
米宗主国が、いまや国をあげて外国語の修
事実を見落としてはならない。
復教育に力を入れるまでになった。そんな
本来、戦争再発防止のための組織として
「戦争」の時代と「戦争修復」の時代、そ
出発した EC(今日の EU)は、ハイスクール
の劇的な分水嶺となったのが 20 世紀の 70
卒業までに、少なくとも母語以外の 2 言語
年代から 80 年代であったと考えることが
を身につけようとする Lingua Programme を、 できる。
ヨーロッパ統合実現のためのいわば必要不
21 世紀のわが国の異言語教育のありよう
可欠の言語教育政策として、全加盟国の満
を考えるにあたっては、少なくとも、この
場一致で可決した。途上国が先進国のこと
ような歴史軸と国際軸の 2 つの視点を欠く
ばを学び、小国が大国のことばを学ぶ、い
ことはできないと思われる。
わば「ことばは低きに流れる」という、従
(名古屋外国語大学教授・大阪大学名誉教
来は至極当然のこととみなされていた言語
授)
に対する姿勢を、Lingua Programme が明確
講演
日英言語文化研究―私の場合
山岸 勝榮
日英言語文化研究における私の基本的態度
の庭に眠る廷臣たちを求めて―日英言語文化
は、
「言語と文化の不可分性」を追究し、証明
研究ノートから」(『日英の言語・文化・教育
することである。こうした態度は、35、6
―多様な視座を求めて』三修社、2008、所収、)
年前に出合った Owen Barfield: History in
はそうした言語と文化の不可分性を証明した
English Words (1953) と 、 Edward Sapir:
ものの 1 例である。
Language (1921)の二書に由来する。「眠り姫
日英言語文化研究の必要性をさらに強く感
3
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
じたのは、N. Moss: What‫׳‬s the Difference?
私はまた、日本人的表現、英語人的表現に
―a British / American Dictionary(1973)
注目し、それらを通じて言語と文化の不可分
を訳編書(
『えい・べい語考現学―どこがどう
性を追究してきた。たとえば、
「子供の頃嘘を
違う?』(1977)として刊行した時である。こ
ついて母に灸をすえられた」という日本語を
れにより、英語の同一語句・表現でも英米両
I once had moxa burned (on the back of my
国で意味や含みが異なることがあり、それが
hand) by my mother as a punishment for
各国の文化と深く関係していることを知った。
telling a lie when I was a child.と訳すこ
また、日英言語文化差に通じなければ、英米
との問題点に気づいた。英語人がこの英訳を
語の語句・表現も十分には理解できないとい
見た場合、
「母親による我が子の虐待」と解釈
うことも実感した。
する恐れがあるであろう
言語と文化の不可分性をいっそう強く感じ
さらに日本の童謡・唱歌を英訳すること
たのが、『ニューアンカー和英辞典』(1991)
を通じて、日英言語文化の異同を探求してき
を編纂した時である。それ以前の我が国の和
た。たとえば、
「茶摘み」に出てくる「夏も近
英辞典には「甘え」「いじらしい」「いちゃつ
づ く 八 十 八 夜 」 の 「 八 十 八 夜 」 を the
く」
「恩」
「義理(がたい)
」など、日本文化に
eighty-eight night と直訳することの問題点
深く根差した語句を適切に処理したものはほ
を指摘しなければならない。これは Summer is
とんど存在しなかった。現在でも、不適当な
drawing near: the finest time for picking
訳語を多く並べている和英辞典が存在する。
tea と表現することで解決できる問題である
「売名行為 」に self-promotion の訳語を挙
が、我が国の「茶文化」を知らなければ、the
げている辞典も問題である。なぜなら、日本
eighty-eight night と直訳しても無意味とい
文化では売名行為は否定的に解釈されること
うことである。
が多いのに対して、英語圏文化では
結局、我々は英語の単語・句・文の
self-promotion は自己の重要性を訴える事と
denotation と connotation との関係、日本語
捉えられ、肯定的に捉えられるのが普通だか
の単語・句・文の「明示的[辞書的]意味」と
らである。中には、英和辞典をひっくり返す
「明示的[文化的]意味」との関係をよく研究
ことによって作ったと思われる和英辞典も存
する必要があるという事だ。そうしてそれら
在するが、それは多くの例で言語と文化の不
2 点をよく比較対照し、その成果を各方面に
可分性を無視したものとなっている。たとえ
活かさなければならない。さらに語用論的観
ば、英和辞典に収録されていたらしい「pray
点からの日英語比較も重要である。たとえば、
to God for help [to help me] 神頼みをする」
年長者に何かを頼む場合や、購入した商品に
という句例を、和英辞典の「神」または「神
不具合があった場合のクレームの付け方や店
頼み」の用例として逆利用し、
「神頼みをする
員の客への反応の違いなどを比較検討する必
pray to God for help [to help me]」を例示
要がある。そう考えながら日英言語文化研究
することは好ましくない。たいていの日本人
を行ってきている。
(明海大学大学院教授)
にとって「神」は God ではないからである。
4
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
研
究
発
表
第1発表
1.空間前置詞の選択に関して―on か in か―」
遠藤
雪枝
本発表では、英語話者 170 人と日本語話
した。これは、私たちが目にする湖・川・
者 288 人に対して行った on/in 使用に関
海は人間の視野に入るには大きすぎてその
するアンケート調査結果の詳細を提示し、
境界線や輪郭を明確に定めることができな
空間前置詞の選択・決定には言語使用者の
いため、水面が板のような何か平たいもの
主観的判断がかなりの程度関与しており、
と捉えられ鳥を支える表面として概念化さ
その人が空間関係をどのように認知するか
れていると考えられる。
によって選択する前置詞が異なることを述
次に、A bird is ( ) the grove. のよ
べた。
うに、Bの部分に the grove/woods/forest
アンケート調査では、被験者に絵を見せ、
その絵を言い表すのに適切な前置詞を
/bush/tree/branch のような樹木が入る
A
場合だが、A bird is ( ) the tree. とい
B.という事例文に入れて
う事例で興味深い結果が得られた。英語話
もらった。B の部分には①the water/pond/
者の 73%が in のみを選択した一方で、日
lake/river/sea/waves のような流動体、②
本語話者の 80%は on のみを選択した。こ
the grove/woods/forest/ bush/tree/
れは、英語話者は、枝の上にいる鳥を“鳥
branch のような樹木、③ the field/grass/
は木の幹から伸び出る複数の枝全体を包含
garden/lawn の よ う な 草 地 、 ④
the
する輪郭の中にいる(木は容器として概念
hand/hair のような可塑性を持つ対象物な
化され、鳥は幾何学的イメージによって作
どを設定し調査した。その結果、ある空間
りだされた一定空間内に位置づけられてい
関係では、使用される前置詞は一つではな
る)”と見なしたのに対し、日本語話者は絵
is 空間前置詞
く時には大きく二つに分かれることがあり、 に描かれている状況をそのまま言い表した
また、国籍によって使用する前置詞が異な
と思われる。このように、日本語話者が添
る場合とそうでない場合があることが分か
付の絵を見てそのイメージに忠実に回答し
った。
たと考えられる事例は A bird is ( ) her
まず、A bird is (
) the water. のよ
hand.や A fly is ( ) her hair. 、Grass-
うに、Bの部分に the water/pond/lake/
hoppers are (
river/sea のような流動体が入る場合では
られた。絵を見て前置詞を選択する場合、
on と in の両方の前置詞が使用可能だが、
日本語話者は絵がもたらすイメージに頼る
調査結果では on を選択した回答者が in
のに対し、英語話者は絵を参照しつつも自
を選択した回答者の 1.2 倍ないし 2 倍に達
らの母語としての英語体験に基づいて判断
5
) the field. などでも見
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
し 回 答 し た と 言 え る だ ろ う 。
(明治大学兼任講師)
2.蘭学から英学へ-津田仙を通して-
堀本
文子
江戸時代には、西洋の学術・文化・技術
識人はどのようにして英語を学んだか?
を得る窓口は長崎とオランダ語だった。だ
(3) 津田仙にとって英語習得はどのような
が、時代はやがて、開国を契機として、蘭
意味を持ったか?の 3 つの疑問を軸にして、
学から英学へと移っていく。
津田仙を通じて当時の英語学習法と英語修
本稿では、当時の時代背景を考えながら
得の持つ意味について考察した。
外国語の習得が津田仙(1837-1908)に与
津田仙は、1837 年、下総国佐倉城内で藩
えた影響を検証した。津田仙は、女子高等
士小島良親の4男として生まれた。開進的
教育に貢献した津田梅子の父であり、7 歳
な藩主堀田正睦の影響もあり、西洋に対す
の娘梅子をアメリカに留学させたことで知
る関心を深めたが、特に、藩が導入した西
られるが、日本史における知名度はそれほ
洋の砲術に強い関心を示している。だが、
ど高くない。しかし、仙は、福沢諭吉と同
仙にさらに大きな衝撃を与えた西洋との出
じ時代を生きた知識人であり、時代に先が
会いは、1853 年 6 月ペリー提督率いる黒船
けて英語を学び、農学者として当時の社会
を目にしたことである。このとき仙はまだ
に大きな影響を与えた。福沢が慶応義塾を
17 歳の若さだったが、米国艦隊の非常にす
設立したように、仙も学農社農学校を設立
ぐれていることを知り、海外の事情を学ぶ
している。福沢が国権論や脱亜論を唱えて
ことの必要性を痛感した。
いたとき、仙は、農業の近代化と地方の経
青雲の志を抱いて江戸に上り、まず蘭学
済の発展に尽力し、朝鮮の農学者やキリス
を学ぶが、時勢が蘭学よりも英語に推移し
ト者との交流を通じて朝鮮人との相互理解
ていることを感じ、英語を学ぶことを決意
に努力した。また仙は、筆者が現在住む千
する。しかし、そのころ江戸にはまだ英語
葉県酒々井町にあった佐倉藩出身の郷土の
を教える者がいなかった。当時英書を読む
先覚者でもある。
ことができたのは、漂流してアメリカ人に
現在のように辞書が充実しているわけで
助けられ、アメリカで勉強して帰国した中
はなく、また英語を教える者もあまりいな
浜万次郎だけだった。彼がアメリカから持
かった時代に英語を学ぶことはどのような
ち帰った英語の小文典『初等英文法問答』
ものだっただろう。仙の涙ぐましい努力を
を仙はたまたま入手し、それを全部手写し
調べることは、語学を教える者にとって非
た。そして、ピカードの英蘭対訳の辞書を
常に興味をそそられることである。
頼りに解読しようと格闘する。
本稿では、(1) なぜ蘭学から英学に移った
幕末の動乱時代に身分制度が次第に崩れ
のか? (2)津田仙をはじめとする当時の知
てきて、下級武士でも能力のある者は、語
6
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
学の修得などを通じて頭角を現したが、津
林統計協会、1953 年
田仙もそうした知識人の1人である。津田
金文吉『津田仙と朝鮮:朝鮮キリスト教受
仙は、梅子の父親というだけでなく、時代
容と新農業政策』世界思想社、2003 年
に先がけて英語を学び、世界に目を開き日
高崎宗司『津田仙評伝』
本の近代化に貢献した明治の知識人の一人
高梨健吉『英学ことはじめ』角川書店、1965
であると言える。
年
都田豊三郎『津田仙:明治の基督者』日本
主要参考文献:
キリスト教団九段教会、1972 年
伊村元道『日本の英語教育 200 年』大修館
古木宜志子『津田梅子』清水書院、1992 年
書店、2003 年
山崎孝子『津田梅子』吉川弘文館、1962 年
内田儀久『明治に生きた佐倉藩ゆかりの
吉川利一『津田梅子伝』改訂版、中央公論
人々』聚海書林、1997 年
社、1990
小倉倉一『近代日本農政の指導者たち』農
(東京経済大学非常勤講師)
第 2 発表
1.中学校での英語ことわざ教育・・・文法教材としての効用について
濱崎
敦弘
東京都内の8つの公立中学校において 20
わざが文法教材としても優れた格好の教材
数年間に亘り、英語の諺教育を実践してき
であることの証となった。
たが、その主な教育的意義と効用は、以下
本研究発表では、はじめにことわざの文法
の 3 つであった。すなわち、1)英語のこと
教材としての教育的な意義と効用について
わざの比較文化的側面の効用、2)文法教材
具体例を示しながら論述し、次に、具体的
としての効用、3)人格形成の一助としての
な指導実践例を示しながら、ことわざの文
効用であった。本研究発表では、上記のこ
法教材としての教育的意義と効用について
とわざ指導の 3 つの効用の中の 2)英語のこ
考究した。
とわざの文法教材としての効用について考
(1)ことわざの文法教材としての効用
察した。従来より中学生にとって英文法の
本論では、まず、ことわざの文法教材とし
学習は他の学習分野に比べ最も敬遠され、
ての効用について具体例を示して、英語の
多くの生徒が最も苦手とする学習分野の 1
ことわざの文法教材としての効用を説いた。
つであるのは周知の通りであるが、発表者
例.Time flies. ・・・
「光陰矢の如し」
は、この点に着目し、20 数年前から中学生
(3 人称単数現在形)
の文法学習に英語のことわざを導入し、実
They who lose today may win tomorrow.
践してきた。結果、多くの中学生が、こと
・・・
「今日の敗北は明日の勝利」(関係代
わざは面白いと興味や関心を示し、次第に
名詞)
ことわざに含まれる文法項目を楽しく理解
「健康
Health is better than wealth.・・・
出来るようになった。これは、英語のこと
は富にまさる」
(比較級)
7
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
Seeing is believing.・・・「百聞は一見に如
(3)英語の諺を導入した授業の実践例と評
かず」動名詞)
価
「ローマ
Rome was not built in a day.・・・
本稿では、実際の教案と指導実践の録音を
は 1 日にしてならず」
(受動態の否定文)
提示し、具体的な指導実践例を示した。
以上の例に見られるように、英語のこと
(4)評価
わざには、それぞれ中学校で学ぶ文法教材
最後に、中学生 2、3 年生を対象にした諺指
が豊富に含まれていて、大変有意義であり、
導に関するアンケートを提示した。殆どの
英語の諺が文法教材としても格好の教材と
生徒がことわざに興味や関心をもっており、
いえる。問題は、中学で扱う文型・文法の
諺の文法指導の教育的意義と効用が証明さ
うち、どの程度がことわざを使って教えら
れた。
れるか、教える場合の問題点ー語彙のこと
(5)指導上の課題・改善点
などが今後の課題と判明した。
中学校で文法の用例としてことわざを採用
(2)文法教材としてのことわざの分類と精
するのは、語彙レベルの問題等でやや疑問
選
に思われるかも知れない。しかし、それで
中学校で文法教材としてことわざを導入
も可能な限り、文法教材としてのことわざ
する場合は、あくまで実際の現場の指導を
の効用を今後も発表者は大切に指導したい
考慮して分類、精選する必要がある。この
と考えている。要は、諺の分類、精選や指
ために、実際の教科書に掲載されている各
導法が今後の課題と言える。
学年別の文法項目に従って、中学校での文
(東京都武蔵野市立第六中学校教諭)
法項目に即した英語の諺を分類、精選した。
2.異文化理解の可能性について
岩永
孝幸
異文化理解は英語科を持つ高校で行われ
校は「4技能を活用し、世界の状況を英字
る科目で、検定教科書はなく、雑誌,新聞
新聞、インターネットなどを用い、英語を
などの活用が一般的である。指導要領は目
通して学習する」科目と設定した。授業は
標を「英語を通して、外国の事情や異文化
ALTとJETがすべてを英語で展開しな
について理解を深めるとともに、異なる文
がら英字新聞や guest hour などの教室内の
化をもつ人々と積極的にコミュニケーショ
活動、大使館訪問などの教室外の活動から
ンを図るための能力や態度の基礎を養う」
なる。
とし、
「日常生活、社会生活、風俗習慣」な
教室内の活動例としては英字新聞で発見
どを扱いながら「電子メールの交換や実際
した興味ある記事を発表する world news
の交流などのコミュニケーション体験を通
from newspaper articles、ある国について
して理解を深める」
「日本の日常生活や風俗
Country Information Sheet にまとめて発
習慣などを取り上げる」と示している。本
表する Let's research、調査した国の資料や
8
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
情報からその国についてのポスターを作成
ン能力の育成に取り組んでもきた。
する a poster about a country、ゲストを招
反省点としては、英語力獲得の観点から、
き、質疑応答からある国や文化について学
異文化理解の授業活動が英語力を高めるの
習する guest hour などがある。
にどれほどの効果があったのか判然としな
教室外の活動例としては大使館訪問、博
いことである。アンケートでは比較的好意
物館訪問、海外文化施設訪問(東京ジャー
的な結果が得られたが、英語力アップへの
ミーなど)
、日本の海外派遣団訪問(JIC
効果を示す数値などのデータがない.これ
A)などがある。このような活動では生徒
を測る手段を考える必要がある。また、生
たちは、新聞、雑誌などでは味わえない体
徒がさまざまな異文化交流を重ねることに
験を通してさまざまな情報や知識を得るこ
喜びを感じていることは異文化理解の趣旨
とができる。
からすれば望ましいが、
「次の具体的な一歩
その他の活動としては、学園祭で授業で
は何か」を考える必要がある。異文化を知
得た情報の展示、ハロウィーンでの仮装、
るには多種多様な方法が望ましいことは言
感謝祭のパーティー、クリスマスの Secret
うまでもない。新聞、雑誌、インターネッ
Santa、降誕祭の場面を英語で読むことなど
トだけではなく、異文化に少しでも触れ、
をしながら異文化を体験する機会を創り出
体験し考える機会を高校の段階でより多く
してきた。また、効率よく展開できなかっ
提供し、充実させながら課題に取り組みた
たが、コンピューターによる文通の
“e-pals”
いと考えている。
にも挑戦し、英語によるコミュニケーショ
(文化女子大学附属杉並中学・高等学校教諭)
第3発表
1.
「模倣」と「翻訳」:Johnson の場合
芝垣
茂
Samuel Johnson の「模倣」
(imitation)
葉で的確に言い表す実に驚くべき能力が発
と「翻訳」
(translation)観は John Dryden
揮されている。この詩は、一見、当時の「模
からの影響を受けているようである。そこで
倣詩」として知られるはやりの書き方のもの
Dryden はそれらにどのような態度・姿勢で
であったが、そこには模倣をする人の語学力、
あったのか、Johnson 自身のと比較をするこ
文学的想像力、さらには人生経験などが相俟
とであった。
って働かなければ模倣・創造作品としては仕
Johnson が「模倣」と断わってだした風刺
上がらなかったのである。
詩 『 ロ ン ド ン 』( London, a Poem in
過去において「模倣」を試みた人には John
Imitation of the Third Satire Juvenal,
Oldham, second Earl of Rochester、Dryden、
1738)はユウェナリス(Juvenal)の第三風
それに Alexander Pope などがいたが、
「模
刺詩(Third Satire)の imitation であるが、
倣」としての模範は Pope の Imitation of
translation としての側面をも持ち、原作よ
Horace, Satire I であった。Dryden は既に
りも優れてラテン詩の精神に近く、少ない言
ユウェナリスの「翻訳」を試み、その技術を
9
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
自らの経験から、
いて「原詩に対してどの位翻訳したらよい
1.「直訳」
(metaphrase)
:いわゆる「逐語
のかという限界を定めること、そして翻訳
訳」である。原文を一つの言語から他の言語
の適切な規則と例を我々に与えることは、
に「一語一語」
(word by word)
、
「一行一行」
Dryden の た め に と っ て お か れ た 。」 と
(line for line)で翻訳することである、
Dryden を高く称賛していた。Johnson は
2.「意訳」
(paraphrase)
:
「許容範囲の広い
『辞典』
:「直訳」の項でも引用しているの
訳」である。原文にとらわれずに、原文の意
であるが、Dryden から「翻訳は意訳ほど大
味から離れず適当に融通をつけながら訳す
まかな(loose)ものではなく、逐語訳ほど
ことである、
精密な(close)ものではない」と「大まか
3.「模倣」
(imitation)
:原文というものに
な」と「精密な」という相反する意味の語
こだわることはなく、これは極めて自由で、もを対比させて説明している。Johnson が
との語意、文脈を離れ、原文に含まれた文体のDryden の訳し方を尊重したのは、一見原文
意味をもとにして自由に書くことである、
の枠にはまることを嫌っているようである
と三つに分けでいた。
が、反対に、原文にたいへん忠実になりそ
Johnson の翻訳態度・姿勢は、自らが語
の原文の文体を生かすところにあり、危な
学力を高め原作と訳文との間の違いをどの
げなく訳す態度・姿勢をとっていたからで
ように解決し、どんな翻訳がよいものであ
あった。
(東海大学教授)
るか、ということであった。彼は翻訳につ
第
告
予告
会予
例会
第 1188 回
回例
日時:8 月 21 日(木) 14:30-17:00
場所:明治大学駿河台校舎
リバティー・タワー 1115 教室
JR 中央線・総武線 御茶ノ水駅
御茶ノ水橋口下車 徒歩 5 分
内容:
会長挨拶 14:30-14:35
研究発表 14:40-15:30
日本人の言語文化観と異言語教育政策
― 教養英語復権に向けて「英語廃止論」の是非を問い直す ―
拝田 清
昨今の日本の異言語教育政策は,事実上「英
<発表要旨>
語」中心に展開していると言えるだろう。
10
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
このような傾向は英語教育に多少とも携わ
その矛先が「役に立たない」教養英語に向
る者にとっては喜ぶべきことであろう。だ
けられ,徐々に実用重視の傾向を強めてき
が,
「使える英語」を標榜する実用英語偏重
た結果と見ることができる。
の現状には,一抹の不安と不満を禁じ得な
本発表では,日本人の言語文化観の変容
いこともまた事実である。TOEIC の授業で, と異言語教育政策の変遷の相関を明らかに
文法解説を熱心に聞いてくれる学生たちに
するため,代表的な「英語廃止論」を取り
やりがいを感じる一方で,社内メール文や
上げ,その批判的検証を試みる。そして,
広告文の解説には時に空しさを覚える。こ
均衡の取れた言語文化観育成の一助として,
れは,管見するところ,明治期より政治・
「教養英語」の復権について考察してみた
経済上の要請が「英語廃止論」と連動し,
い。
(桜美林大学大学院博士後期課程)
休憩・情報交換 15:30-15:50
講演15:50-16:50
文学教育を考える ― 授業実施に関する報告 ― 「西洋文学」の教室から
久我
<講演要旨>
雅紹
映画、舞台上演記録の CD、DVD、ビデオ等、
社会科学系の学部(経営、経済、法、国
いろいろな角度からの資料を活用している。
際関係)の学生を対象として、教養科目の
若い人たちはあまり本を読まない傾向に
一つである「西洋文学」を担当している。
あり、作家や作品名は知っているが、実際
後期 14 回の授業ではシェイクスピアの『マ
にはほとんど読んだことがないという学生
クベス』
『リア王』
『ハムレット』を取り上
が多いが、
「受講生をシェイクスピア漬けに
げ、時代背景を含め、作家や作品に関する
する」と称して、多様な導入と紹介を試み
資料を出来るだけ提示してシェイクスピア
るとどうなるかということは、興味のある
案内を行い、受講生が自然に作品を読むよ
ところである。西洋文学の授業の現場から、
うに工夫をしている。授業では翻訳を使用
授業実施の記録を報告して、文学教育の可
し、部分的に英文を紹介している。その際、
能性を考える手掛かりとしたい.
音楽、絵画作品、ドキュメンタリー、朗読、
(亜細亜大学教授)
諸連絡 16:50-17:00
懇親会 17:15-
※
懇親会にご出席の方は、予約の関係がありますので、至急、事務局までメールにてご
連絡をお願いいたします。
事務局:E-mail: [email protected]
11
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
総
報告
会報
総会
告
馬場
千秋
2008 年 6 月 14 日(土) 17 時より明治大学駿河台校舎リバテイータワー1114 教室にて、
総会を開催いたしました。議長として、伊部哲氏(元専修大学教授)が選出されました。
<活動報告>
2005 年 6 月以降、2008 年 3 月までの活動報告は下記の通りです。
[例会]
回
年月日
講演・発表
第1回
2005.6.11
講演
奥津 文夫
日英語比較と背景文化
講演
森住 衛
英語教育における<ことばと文化>の扱い
発表
國吉 丈夫
『日英語の比較-発想・背景・文化』を読んで
発表
池内 正直
『日英語の比較-発想・背景・文化』を読んで
発表
村田 年
表層の意味と裏の意図-日英語の談話における
第2回
2005.8.22
講演者・発表者
タイトル
話し手の合図
第3回
2005.10.8
発表
田口 孝夫
時のハエは矢を好む――裏切る翻訳
講演
羽鳥 博愛
擬態語を手がかりとして日本語の動詞中心に迫る
発表
坂井 孝彦
英訳比較:日本人の心の歌―情感の示し方・伝え方
―Greg Irwin・中野一郎・Susan Osborn の各英訳歌詞
から
第4回
第5回
第6回
2005.12.10
2006.3.11
2006.4.23
講演
浅野 博
英文法の指導と文化の問題
発表
河内山 有佐
CALL 教材に見るジェンダーと対立表現
講演
高木 道信
<太った>の同義語と婉曲語法
発表
長谷川 瑞穂
諸外国の外国語教育、日本の外国語教育
講演
池内 正直
フォークナーの新訳の試み―「翻訳の経年劣化」
の観点から
第8回
2006.8.22
発表
根本 貴行
生成文法におけるパラメータの扱いについて
講演
吉村 耕治
状況中心表現と行為者中心の表現―日英語の基
本的相違を探る
第9回
2006.10.15
発表
鈴木 恭史
Toward Communicative English Learning
講演
矢野 安剛
英語と英米文化再考:英語の国際化の視点から
12
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
発表
長谷川 修治
英語イデ ィオムに使用されるキーワ ードの定
量・定性分析
第 10 回
2006.12.9
講演
伊部 哲
some・any と英語母語話者の数量意識
発表
葉田野不二美
日本人英語学習者の前置詞の習得に関する研究
-どこまで解明されているか-
第 11 回
第 12 回
第 13 回
2007.3.10
2007.4.14
2007.8.20
講演
國吉 丈夫
‘小学校からの英語教育’について
発表
小島 章子
「物語」における時制交替の日英語比較
講演
神保 尚武
アロハ・オエをめぐって
発表
大崎 さつき
日本人英語学習者と電子辞書使用
講演
石川 英夫
日英言語によるコミュニケーションの有効性に
影響を与える
ホスピタリティ・マインドの働き
を内外の実例により検証する
発表
菅野 憲司
習い事始め数え 6 歳 6 月 6 日―『生得的』生命か
ら『経験的』精神への橋渡し
第 14 回
第 15 回
2007.10.6
2007.12.8
講演
村田 勇三郎
中間自動詞と名詞句外置 <現代英語の語彙と構文>
発表
濱崎 敦弘
ことわざ導入の意義
講演
水野 晴光
日本人の特性を活かす英語習得法
発表
桑原 清美
The Old Man and the Sea — Santiago と
Manolin の絆
第 16 回
2008.3.1
ワークショ
仁平 先
ップ
発表
ビデオ映像を用いた英語発音学習法ワークショ
ップ-口と舌の動きに着目した練習法
加藤 忠明
インドにおける英語教育-インド社会を知る
* 第 2 回年次大会を第 7 回としていましたので、第 7 回は上記には記載しておりません。
[年次大会]
回
年月日
種別
講演者・発表者
第2回
2006.6.10
講演
マーク・ピータ
タイトル
日本の学校英語と伝統的文法教育
ーセン
発表
足利 俊彦
インターネット広告における談話分析:
日本語とアメリカ英語の場合
発表
坂井 孝彦
English Literature history,the history of English
Literature および the English Literature history
の用法感覚についての一考察
発表
濱崎 敦弘
中学校英語教育におけることわざ導入の実践例
発表
菅野 憲司
If God Made the Country and Man Made the
13
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
Town, then Who Made the Sound though Man
Made the Letter/Character? Proposing and
Considering “Natural Acquisition
発表
坂内 正
選択科目『日英言語文化比較』の創設と進化(深化) -
言語文化を授業者と学生たちが共に学び合う場として
発表
岩崎 永一
言葉の認知科学と英語教育の関係性とその基本概念
対談
山岸 勝榮
日英言語文化研究を語る
森住 衛
第3回
2007.6.9
講演
行方 昭夫
英語の心を読む
発表
水野 晴光
英語の運用力を高めるバイリンガル・センテン
ス・アナリシス
発表
阿部 芳子
東西の「悪魔」―芥川龍之介「るしへる」と John
Milton, Paradise Lost
発表
仁平 先
ハミングバード英語発音習得法-『発音』する時
の『口と舌』の動きをモデル映像で学ぶ
発表
堀本 文子
明治における女子英語教育 - 近代日本と英語
との出会い -
発表
三宅 美鈴
Mangaにみる日英語比較:数量的分析と転移比較
の観点から
発表
菊地 晃
語の結びつきにおける「傾向」の分析‐rain にか
んする表現を通して‐
対談
浅野 博
日英言語文化学と英語教育について
奥津 文夫
[Newsletter]
号数
刊行日
巻頭言
号数
刊行日
第1号
2005.8.15
奥津
第2号
2005.9.20
池内
第3号
2005.11.20
文夫
第9号
2006.11.25
竹前
文夫
正直
第 10 号
2007.1.25
相澤
一美
博
第 11 号
2007.4.10
杉本
豊久
第4号
2006.2.10
小野
経男
第 12 号
2007.5.20
第5号
2006.4.10
加藤
忠明
第 13 号
2007.8.10
奥津
文夫
第6号
2006.5.20
澤登
春仁
第 14 号
2007.10.5
坂井
孝彦
第7号
2006.7.31
松山
正男
第 15 号
2007.12.5
村田
年
第8号
2006.9.20
五十嵐
第 16 号
2008.2.25
坂内
正
鈴木
康男
14
巻頭言
小谷
悠紀子
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
[論集]
2008 年 3 月 25 日 『日英の言語・文化・教育 ― 多様な視座を求めて』三修社
(5,800 円+税)
第1章
言語と文化 (4編)
浅野 博* 大谷泰照* 奥津文夫 須釜幸男
第2章
言語表現と意味 (4編)
行方昭夫* 村田 年 三宅美鈴 足利俊彦
第3章
言語表現の文法 (6編)
村田勇三郎* 山岸勝榮* 坂井孝彦 遠藤雪枝 根本貴行 小島章子
第4章
言語表現と語彙 (3編)
田中茂範* 吉村耕治* 長谷川修治
第5章
文学 (5編)
池内正直 大須賀直子 桑原清美 横山多津枝 石川慎一郎
第6章
言語教育と文化 (5編)
矢野安剛* 森住 衛 中尾正史 菅野憲司 Eiichi Iwasaki
第7章
英語教育と文化 (6編)
馬場千秋 相澤一美 葉田野不二美 大崎さつき・中山夏恵
河内山有佐 濱崎敦弘
*は招待執筆者
<活動計画>
2008 年度より、各種委員会体制となりました。
総務委員会からは、2008 年 6 月 14 日(土)の理事会・評議員会、総会の実施、会費の納入
方法、事務局体制について、報告がありました。財務委員会からは会計監査報告、予算案
の審議がありました。また、会費については、2009 年度より、一般会員 5,000 円 学生
会員 2,000 円 賛助会員 10,000 円とすることが決定いたしました。
例会委員会からは、2008 年 4 月以降の例会の研究発表者、講演者について報告がありま
した。詳細は下記の通りです。
(既に 2009 年 4 月までほぼ決定していますが、2008 年 10
月分までを掲載いたします。
第 17 回
2008.4.12
講演
村田 年
日本語と英語における情報提示の順序の違い―
それは文化・民族性によるものか,それとも言語
の制約によるものか?
第 18 回
2008.8.21
講演
三浦 俊彦
ポツダム宣言の語用論
講演
久我 雅紹
文学教育を考える-授業実施に関する報告
発表
拝田 清
日本人の言語文化観と異言語教育政策― 教養英
15
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
語復権に向けて「英語廃止論」の是非を問い直す
―
第 19 回
2008.10.11
講演
竹前 文夫
発表
平野 靖雄
大会委員会からは、2008 年 6 月 14 日(土)の第 4 回年次大会について、報告がありまし
た。
第4回
2008.6.14
講演
大谷 泰照
日本人の言語文化意識を考える
発表
遠藤 雪枝
空間前置詞の選択に関して―on か in か―
発表
岩永 孝幸
異文化理解の可能性について
発表
濱崎 敦弘
中学校での英語ことわざ教育-文法教材としての効
用について
発表
堀本 文子
蘭学から英学へ-津田仙を通して-
発表
足利 俊彦
英語教科書における『文化』についての考察-
Oral Communication I を題材として
発表
芝垣 茂
「模倣」と「翻訳」:Johnson の場合
講演
山岸 勝榮
日英言語文化研究―私の場合
広報通信委員会からは、2008 年 4 月以降の Newsletter 発行状況について、報告があり
ました。
号数
刊行日
巻頭言
号数
刊行日
巻頭言
第 17 号
2008.4.5
奥津 文夫
第 18 号
2008.6.3
村田 年
紀要委員会からは、紀要を 2009 年 2 月末(年度内)発行をする方向であること、締め切
りは 10 月末とし、会員への募集は6月末に ML を利用すること、執筆枚数は、400 字詰原
稿用紙 50 枚から 70 枚程度とすることが報告されました。(なお、紀要については、執筆
要領の送付が遅れていますので、日程が多少遅れる可能性があるとのことです。)
また、2008 年度からの組織についての承認がありました。詳細は下記の通りです。
1) 組織・役職
組織:会長、副会長のもと、顧問、理事会、評議員会、事務局、運営委員会
役職:会長、副会長、常任理事、理事、会計監査、評議員、代表幹事、 副 代 表 幹
事、幹事、運営委員
顧問:浅野博、小池生夫、行方昭夫、長谷川潔、羽鳥博愛
16
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
会長:奥津文夫
副会長:村田 年
理事(常任理事)
:奥津文夫、村田年、池内正直、馬場千秋、菅野憲司、
久我雅紹、中尾正史
(理事):石田雅近、加藤忠明、坂井孝彦、神保尚武、杉本豊久、鈴木博、
坂内正、松山正男、三宅美鈴、森住衛、矢野安剛、山岸勝榮、
吉村耕治
代表幹事:池内正直
副代表幹事:馬場千秋
会計監査:鈴木恭史、野原剛
評議員:相澤一美、足利俊彦、石川慎一郎、石川英夫、石丸玲子、北村孝一、
小谷悠紀子、杉浦悦子、高橋正人、田口孝夫、田中英史、寺下敦敏、
長谷川瑞穂、山岸信義
幹事:遠藤雪枝、大崎さつき、須釜幸男、根本貴行、葉田野不二美、横山多津枝
(各委員会委員長が幹事となる。
)
運営委員:伊藤満里、遠藤雪枝、大崎さつき、大須賀直子、桑原清美、須釜幸男、
須田和也、根本貴行、長谷川修治、葉田野不二美、濱崎敦弘、
真野千佳子、山本厚子、横山多津枝
1)
委員会
総務委員会
担当理事:馬場千秋 委員長:葉田野不二美 委員:山本厚子
財務委員会
担当理事:村田年 委員長:横山多津枝
委員:桑原清美、真野千佳子
例会委員会
担当理事:池内正直 委員長:大崎さつき
委員:伊藤満里、大須賀直子、桑原清美、須田和也、
葉田野不二美、濱崎敦弘
大会委員会
担当理事:菅野憲司 委員長:根本貴行
委員:伊藤満里、須田和也、長谷川修治、濱崎敦弘、
横山多津枝
広報通信委員会 担当理事:久我雅紹 委員長:遠藤雪枝
委員:大須賀直子、須釜幸男、真野千佳子
紀要委員会
担当理事:中尾正史 委員長:須釜幸男
委員:遠藤雪枝、根本貴行、馬場千秋
任期は2年とし、重任を妨げない。なお、各種委員会については、人員の入れ替えも適宜
行う。
17
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
日英言語文化学会会則
よ
り
より
2008 年 4 月 1 日施行
(名称)
第1条
本会は「日英言語文化学会」(The Association for Japanese and English Language
and Culture 略称 AJELC)と称する。
(目的)
第2条
本会は日英語比較およびその背景文化に関する研究を行う。
(事業)
第3条
本会は前条の目的を達成するために次の事業を行う。
1.年1回の大会、隔月の例会の開催
2.
「紀要」
「AJELC ニューズレター」等の出版物の発行
3.日英語比較およびその背景文化に関する研究・調査・情報交換
4.その他必要な事業
(会員)
第4条
本会の会員は一般会員、学生会員、賛助会員、及び名誉会員よりなる。
1.一般会員は本会の主旨に賛同する中学校・高等学校・高等専門学校・短期大学・大学
の教員ならびに学生及びその他の個人とする。
2.賛助会員は本会の趣旨に賛同する企業とする。
3.名誉会員は本会の活動に特別に寄与した者、ならびに会長が指名したものとする。
(会費)
第5条
会費の額は別に定めるものとする。会員は会費を年度当初に納める。会費の額を変
更する場合は、総会において同意を得ることとする。
(組織)
第6条
1.本会に本部をおく。本部は理事会、評議員会、運営委員会で構成し、本会全体に関
わる事業を遂行するための機関とする。
2.本会に運営委員会をおく。運営委員会は会長、副会長、正副代表幹事、常任理事、
幹事及び運営委員で構成し、各種事業の企画、遂行にあたる。
(役員)
第7条
1.本会に次の役員を置く。任期は以下のように定める。
会長
1名
1期2年で重任を妨げない
副会長
2名
1期2年で重任を妨げない
理事(常任理事)
若干名
1期2年で重任を妨げない
評議員
若干名
1期2年で重任を妨げない
18
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
2名
1期2年で重任を妨げない
正副代表幹事
各1名
1期2年で重任を妨げない
幹事
若干名
1期2年で重任を妨げない
運営委員
若干名
1期2年で重任を妨げない
会計監査
その他、会長が必要と認めたもの
若干名
2.顧問を若干名置くことができる。
3.総会の承認を要する役員の任期は、当該総会承認年度の4月1日から起算する。
4.役員の辞任により補充された役員の任期は前任者の残任期間とする。
5.役員は辞任または任期満了後でも後任者が就任するまではその職務を行わなければ
ならない。
(役員の任務)
第8条
本会の役員の任務は次の通りとする。
1.会長は本会を代表して会務を総轄する。
2.副会長は会長を補佐し、必要あるときは会長の任務を代行する。
3.理事は理事会を構成し、会長・副会長を助け、本会の事業遂行に関する事項を審議、
決定し、執行する。
4.評議員は評議員会を構成し、会長の諮問に応じ、また本会の活動に関する諸事項を審
議する。
5.会計監査は本会の財務・会計の監査を行う。
6.顧問は本会の活動、運営について運営委員会に出席して意見を述べることができる。
7.正副代表幹事は本会全体の事務を総轄する。
8.運営委員は運営委員会に所属し、各種事業の企画、遂行にあたる。また、総務、財務、
例会、大会、広報通信、紀要担当の各種委員会に所属し、各事業の企画・運営を担
当する。
9.幹事は運営委員の中から推薦され、本会の活動、運営を中心的に推進する。また上記
8項の各種委員会の運営を総括する。
(役員の選出)
第9条
本会の役員は次の方法により選出する。
1.会長・副会長は運営委員会が候補者を選出し、理事会、評議員会を経て、総会におい
て承認を得る。
2.理事・評議員・会計監査は会長が推薦し、理事会、評議員会を経て、総会において承
認する。
3.正副代表幹事及び幹事は会員の中から運営委員会が推薦し、会長が委嘱する。
4.運営委員は会員の中から運営委員会が推薦し、会長が委嘱する。
(会議)
第 10 条
19
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
1. 総会は毎年1回、大会開催時に開く。
2.理事会、評議員会は会長の召集により、随時開くことができる。
3.運営委員会は会長の召集により、必要に応じて、随時開くことができる。
4.本会の会議における議決は出席者の過半数の賛成を必要とする。
(例会)
第 11 条
1.例会の企画・運営は例会委員会を中心にしてこれに当たる。
2.例会は隔月(偶数月)に行うものとする。なお、会場等の都合により、必要に応じて
変更をすることがある。
(大会)
第 12 条
1.大会の企画・運営は大会委員会を中心にこれに当たる。
2.研究発表の選考は会長が指名した者が行う。
(紀要)
第 13 条
紀要については、紀要委員会が編集方針、論文の審査方法、印刷の体裁等、紀要発
行のすべてについて企画し、作業を行う。
(ニューズレター)
第 14 条
AJELC ニューズレターは年6回発行するものとし、メールにて配信すると同時にホ
ームページ上にも掲載する。広報通信委員会が編集方針を定め、発行に伴う作業を
行う。会員への発送は、総務委員会(事務局)が行うものとする。
(会計)
第 15 条
1.本会の会計年度は4月1日より翌年の3月 31 日までとする。
2.本会の決算および予算案は、財務委員会がこれを作成し、運営委員会ならびに理事会
評議員会に諮り、総会の承認を得る。
3.決算は会計監査がこれを監査する。
(事務局)
第 16 条
事務局に関わる業務は総務委員会がこれを担当する。本会は事務局を東京都日野市
程久保 2-1-1 明星大学馬場千秋研究室におく。
(会則の改正)
第 17 条
この会則の改正は運営委員会によって提案され、理事会、評議員会の審議を経た後、
総会の出席者の3分の2以上の賛成を必要とする。
(付則)
1.この会則は 2008 年 4 月 1 日より施行する。
2.その他、本会の運営に必要な事項は別に定める。
20
AJELC Newsletter No. 19
August 18, 2008
事
り
より
だよ
局だ
務局
事務
くなります。また、2009 年 3 月 31 日まで
1.会費納入について
4 月例会、6 月大会にて、多くの会員の
に会費納入がない場合、会員資格がなくな
方々に会費をお納めいただきました。あり
りますので、よろしくお願い申し上げます。
がとうございました。
2.第 1 回理事会・評議員会、総会
2008 年度は前年度同様、一般会員 3,000
6 月 14 日(土)午前に明治大学駿河台校舎
円、学生会員 2,000 円、賛助会員 10,000 円
にて第 1 回理事会・評議員会を開催いたし
です。6月の総会にて会則の変更が生じる
ました。議題は 2007 年度活動報告、会計監
ため、2009 年度からは会費金額が変更にな
査報告、2008 年度活動計画、予算案、会則
る予定です。会費納入方法は次の3通りで
についてでした。理事会、評議員会での審
す。
議事項は、年次大会終了後の会員総会にて
(1) 郵便振替用紙を利用し、
郵便局より所定
ご報告いたしました。詳細は、p12 の総会
の口座に振り込む。
報告をご覧ください。また、会則について
振替口座番号:00100-4-779450
も、p.をご覧ください。
口座名:日英言語文化研究会
3.10 月例会
☆郵便振替用紙をご入用の方は、例会・年次大会の時
10 月例会は 10 月 11 日(土)14 時 30 分
に受付にてお申し付けください。なお、郵便局に備え
より明治大学駿河台校舎リバティータワー
付けの郵便振替用紙のご利用も可能です。
にて開催予定です。講演は竹前文夫氏(目
(2) 銀行口座に振り込む。
白大学教授)、研究発表は平野靖雄氏(明海
銀行口座:三菱東京 UFJ 銀行
大学非常勤講師)です。後期が始まり、お
国分寺支店
普通 1942561
口座名:日英言語文化研究会事務局
忙しい時期だと思いますが、ぜひご参加い
馬場
ただきたくお願い申し上げます。
4.紀要について
千秋
(3) 例会あるいは年次大会時に受付にて直
紀要については、執筆要領等、まもなく
お知らせできる予定です。詳細が決まり次
接支払う。
なお、2008 年度会費の納入がない場合、
第、会員の皆様にはメーリングリストなら
来年度年次大会での研究発表応募(審査が
びに Newsletter にてお知らせいたします。
2008 年度のため)
、紀要への投稿ができな
しばらくお待ちください。
AJELC Newsletter 第 19 号
2008 年 8 月 1 日
発行
発行人:奥津文夫
編集:日英言語文化学会(AJELC)広報通信委員会
久我雅紹、遠藤雪枝、大須賀直子、須釜幸男、真野千佳子
発行所:日英言語文化学会
〒191-8506
東京都日野市程久保 2-1-1 明星大学理工学部(一般教育・英語)馬場千秋研究室内
連絡先:Tel/Fax: 042-591-5035
21
E-mail: [email protected]
22