自動追尾型ウェブカメラにおける 音響情報の利用に関する検討 0422144 佐々木 貢, 0422272 馬淵 指導教員 1. 目的 哲也 新井 浩志 准教授 ベルが大きいほうにウェブカメラを向かせることにする。 本研究では、パソコンと連動させたウェブカメラに動体 音量レベルの判断にあたっては 2 つのことに注意をする 検知による自動追尾機能をもたせ、監視範囲を拡大する。 必要がある。まず、通常の使用環境においては背景雑音が さらに監視範囲外の侵入者を検知し、その方向へカメラを あるため、これによってカメラの方向が決定されるような 向けて対象を監視できるようにする。そのために本研究で ことがあってはならない。また、波形は 8kHz でサンプリ は音響情報に着目する。侵入者が監視範囲外で何らかの音 ングしており、瞬間値で判断をすると正しく音源の方向を を発生させた場合、音源の方向を検出してカメラを向ける 判定できない。そこで、あらかじめ背景雑音を計測してお 機能の実現を目指す。 き、採取したデータが背景雑音のレベルを超えている場合 のみカメラの方向を変えることとする。さらにこのレベル 2. 概要 を超えた瞬間から一定の時間の平均値で左右の音量データ 本研究のシステム構成を図 1 に示す。 を比較し、ウェブカメラを向かせる方向を決定することに した。サンプルデータで左右を判断した結果を図 2 に示す。 マイクロフォン ウェブカメラ 左マイク USB パソコン サーボモータ RS-232C PIC モータ制御回路 図 1 自動追尾システム構成 本研究を行うにあたって、まず従来行われていた自動追 右マイク 認識結果 尾型ウェブカメラの研究成果を再確認した。この結果、以 下の 2 点の修正が必要であることがわかった。 まず、従来はステッピングモータを用いていたが、モー タ制御を容易にするため、ステッピングモータからサーボ モータへ変更した。この変更により、モータ制御回路を一 新し、PIC のモータ制御プログラムを作成した。 背景雑音として認識 今回設定した 左として認識 背景雑音レベル 右として認識 図 2 左右の判断結果 3. 結果と今後の課題 新規にモータ制御回路を作成し、サーボモータを動作さ また、従来は画像キャプチャプログラムで DirectShow せることができた。また、画像キャプチャプログラムは を用いていた。しかし現在の Direct X ではこのフレームワ Microsoft Platform SDK と Direct X SDK を使用し、起動 ークが存在しない。そこで本研究では Microsoft Platform することができた。 SDK と Direct X SDK を使用して動作させる。 音響情報の利用では採取した音に基づいて左右の判断す 音響情報の利用に当たっては、まずウェブカメラの左右 ることができた。しかし、対象を監視するためにカメラを にステレオマイクロフォンを装備し、採取した音を WAV 何度回転させれば良いかを正確に判断できない。よって前 ファイルとしてパソコンに保存した。WAV ファイルのデー 後の判断を行えるようにすることが必要になる。 タをもとに、左右の音量レベルに差がある場合には音量レ
© Copyright 2024 Paperzz