【2016年 3月号】 医 薬 品 情 報 2016年 2月 26日発行 1.採用医薬品〈1月薬事委員会における採用〉 2016年 3月 2日(水)より処方して下さい。 ① イオプロミド 300 注シリンジ「FRI」100mL イオプロミド 370 注シリンジ「FRI」100mL -------------------------1 ② 酸化マグネシウム錠 330mg「ヨシダ」-------------------------------4 2. 採用取り消し候補医薬品 -------------------------------------------5 3.後発医薬品の変更について ------------------------------------------5 4.限定採用薬に関する医薬品情報の提供 --------------------------------6 5.医薬品添付文書の改訂(2016 年 1 月, DSU No.246)---------------------7 6.医薬品・医療機器等安全性情報(No.330 2016 年 2 月) ----------------16 7.医療安全情報(2016 年 2 月, No.111 )-----------------------------17 【パニック値の緊急連絡の遅れ】 8.使用期限間近の医薬品リスト---------------------------------------19 9.医薬品情報 SGLT2阻害薬について-----------------------------21 問い合わせ先:独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 薬剤部医薬品情報管理室 内線2727 非イオン性尿路・血管造影剤 イオプロミド 300 注シリンジ 100mL 薬価収載日 薬 価 イオプロミド 370 注シリンジ 100mL 2010年11月 6,893円/300注 8,076円/370注 Iopromide Injection Syringe FRI(富士フィルム RI ファーマ) 一 組 般 名 イオプロミド 成 イオプロミド(mg/mL) イオプロミド 300 注 シリンジ 623.4 ヨード含有量(mg/mL) 内容量(mL) 1 シリンジ中のヨード含有量 (g) 効能・効果 イオプロミド 370 注 シリンジ 768.9 300 100 370 100 30 37 イオプロミド 300 注シリンジ:脳血管撮影、胸部血管撮影、腹部血管撮影、四肢 血管撮影、ディジタル X 線撮影法による静脈性血管撮影、ディジタル X 線撮影法 による動脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影 イオプロミド 370 注シリンジ:血管心臓撮影、胸部血管撮影、腹部血管撮影、四 肢血管撮影、ディジタル X 線撮影法による静脈性血管撮影、ディジタル X 線撮影 法による動脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮 影 用法・用量 通常、成人 1 回下記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜 増減するが、複数回投与する場合の総投与量は 260mL までとする。 脳血管撮影 イオプロミド イオプロミド 300 注シリンジ 370 注シリンジ 5~15mL - 血管心臓撮影 - 3~40mL 胸部血管撮影 5~50mL 5~50mL 腹部血管撮影 5~50mL 5~50mL 四肢血管撮影 10~50mL 10~40mL ディジタル X 線撮影法に 20~40mL 20~40mL 3~30mL 3~30mL よる静脈性血管撮影 ディジタル X 線撮影法に 1 よる動脈性血管撮影 コンピューター断層撮影 50~100mL 50~100mL 50~100mL 50~100mL における造影 静脈性尿路撮影 警 告 ⑴ ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。 ⑵ 本剤は尿路・血管用造影剤であり、脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用 が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと。 禁 忌 (次の患者には投与しないこと) ⑴ ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者 ⑵ 重篤な甲状腺疾患のある患者 〔ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず、 症状が悪化するおそれがある。〕 【 原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重 に投与すること)】 ⑴ 一般状態の極度に悪い患者 ⑵ 気管支喘息の患者 〔類薬で副作用の発現頻度が高いとの報告がある。〕 ⑶ 重篤な心障害のある患者 〔重篤な心障害患者においては、症状が悪化するおそれがある。 冠動脈造影により徐脈、心室細動、心停止を起こすおそれがある。〕 ⑷ 重篤な肝障害のある患者 〔症状が悪化するおそれがある。〕 ⑸ 重篤な腎障害のある患者 〔本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では 急性腎不全等の症状が悪化するおそれがある。〕 ⑹ マクログロブリン血症の患者 〔類薬において、静脈性胆囊造影で血液のゲル様変化、 沈殿を起こし死亡した例が報告されている。〕 ⑺ 多発性骨髄腫の患者 〔多発性骨髄腫の患者で特に脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こ す おそれがある。〕 ⑻ テタニーのある患者 〔血中カルシウム低下により、症状が悪化するおそれがある。〕 ⑼ 褐色細胞腫のある患者及びその疑いのある患者 〔血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがあるので造影検査は 避けること。やむを得ず検査を実施する場合には、静脈確保の上、フェン トラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断 薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備 を行い、慎重に投与すること。〕 重要な基本的注意 ⑴ ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。 2 ⑵ 投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある。本剤に よる ショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるも のとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては 必ず救急処置の準備を行うこと。 ⑶ 投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発 現に注意し、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、直 ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ⑷ 重篤な遅発性副作用(ショックを含む)等があらわれることがあるので、 投与中及び投与後も、患者の状態を十分に観察すること。 ⑸ 外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より 1 時間~数日後にも遅発 性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、発疹、蕁麻疹、 そう痒感、丘疹、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、発熱などの副作用と思われる 症状が発現した場合には、速やかに主治医に連絡するように指示するなど 適切な対応をとること。 重大な副作用(頻度不明) 1) ショック(遅発性を含む)により失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、 心停止等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に 応じ適切な処置を行うこと。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展す る場合があるので、観察を十分に行うこと。 2) 呼吸困難、チアノーゼ、咽・喉頭浮腫、眼瞼浮腫、顔面浮腫、気管支喘息 様発作等のアナフィラキシー(遅発性を含む)があらわれることがあるの で、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。 3) 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ 適切な処置を行うこと。また、発見が遅れると慢性腎不全に移行すること があるので、観察を十分に行うこと。 4) 肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切 な処置を行うこと。 5) 痙攣発作があらわれることがあるので、このような場合にはバルビタール 等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。 6) 心室細動があらわれることがあるので、このような場合には必要に応じ適 切な処置を行うこと。 7) 血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切 な処置を行うこと。 8) AST(GOT)、ALT(GPT)、Aℓ-P、LDH、γ-GTP の上昇等を伴う肝機能障害 や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切 な処置を行うこと。 9) ショックを伴わない意識障害、失神があらわれることがあるので、検査終 了後も意識レベル等の観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこ と 同 効 薬:イオパミロン注、オイパロミン注、オムニパ-ク注、ビジパーク注 3 酸化マグネシウム製剤 酸化マグネシウム錠 330mg「ヨシダ」 薬価収載日 薬 価 2015年12月 5.6円/錠 Magnesium Oxide Tablets 一 般 組 名 酸化マグネシウム製剤 成 有効成分(1 錠中):日本薬局方酸化マグネシウム 330mg 効能・効果 下記疾患における制酸作用と症状の改善 胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能 異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む) 便秘症 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防 用法・用量 制酸剤として使用する場合酸化マグネシウムとして、通常成人 1 日 0.5~1.0g を 数回に分割経口投与する。 緩下剤として使用する場合酸化マグネシウムとして、通常成人 1 日 2g を食前又 は食後の 3 回に分割経口投与するか、又は就寝前に 1 回投与する。 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合酸化マグネシウムとして、 通常成人 1 日 0.2~0.6g を多量の水とともに経口投与する。 なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。 重要な基本的注意 *本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。 特に、便秘 症の患者では、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な 転帰をたどる例が報告されているので、以下の点に留意すること。 (「 副作 用 重大な副作用」の項参照) (1) 必要最小限の使用にとどめること。 (2) 長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を 測定するなど特に注意すること。 (3) 嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止 し、直ちに受診するよう患者に指導すること。 重大な副作用 高マグネシウム血症(頻度不明):本剤の投与により、高マグネシウム血症が あらわれ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。悪心・嘔 吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意 するとともに、血清マグネシウムの濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、 異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(処置法は 「過量投与」の項参照) 同一成分薬:酸化マグネシウム細粒 83%「ヨシダ」、マグミット錠 330mg 同 効 薬:ピコスルファートナトリウム内用液 0.75%、センノシド錠、アローゼン顆粒 4 2.採用取り消し候補医薬品 ① オイパロミン 300 シリンジ 80mL ・オイパロミン 370 シリンジ 80mL [イオプロミド 300 注シリンジ「FRI」100mL・イオプロミド 370 注シリンジ「FRI」 100mL 採用に伴い] ② マグミット錠 330mg [酸化マグネシウム錠 330mg 採用に伴い] 3.後発医薬品の変更について 下記医薬品は3月から在庫がなくなり次第、変更となります 変更前 先発医薬品 ケラチナミンコーワクリーム 20% (興和創薬) ロペミンカプセル(ヤンセンファーマ) ロペミン小児用細粒 0.05% ブレディニン錠 50 変更後 後発医薬品 尿素クリーム 20%「SN」 (ファイザー) ロペラミド錠 1mg「EMEC」 (エルドメッドエーザイ) ロペラミド塩酸塩細粒小児用 0.05% (テバ製薬) ミゾリビン錠 50mg「ファイザー」 (旭化成ファーマ) クレメジン細粒分包 2g (マイラン=ファイザー) 球形吸着炭細粒「マイラン」 (田辺三菱製薬) ボルタレンゲル 1% (マイラン=扶桑) ジクロフェナク Na ゲル 1% (ノバルティスファーマ) アンプラーグ錠 100mg (日本臓器) サルポグレラート塩酸塩錠 100mg (田辺三菱製薬) ワイパックス錠 0.5 (ファイザー) ビソルボン注 4mg (サンド) ロラゼパム錠 0.5mg (沢井製薬) ブロムヘキシン塩酸塩注射用 4mg (日本ベーリンガーインゲルハイム) セロクラール錠 20mg (テバ製薬) イフェンプロジル酒石酸塩錠 20mg (サノフィ) (東和薬品) 5 4.限定採用薬に関する医薬品情報の提供 2月新規の限定採用薬基本情報 1)<ビオプテン顆粒> 1 一般名 サプロプテリン塩酸塩顆粒 2 薬効分類名 天然型テトラヒドロビオプテリン製剤 1. ジヒドロビオプテリン合成酵素欠損、ジヒドロプテリジン 還元酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(異型高フェニ ルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下 3 適応症 2. テトラヒドロビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化 酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(テトラヒドロビオ プテリン反応性高フェニルアラニン血症)における血清フェニ ルアラニン値の低下 1. 異型高フェニルアラニン血症 通常、サプロプテリン塩酸 塩として 1 日 2~5mg/kg を 1~3 回に分割経口投与するが、血 清フェニルアラニン値が正常域に維持される用量をもって、 有効維持量とする。 2. テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症 通常、サプロプテリン塩酸塩として 1 日 10mg/kg(1~3 回に分 割経口投与)から投与を開始し、臨床症状等の観察を行いなが ら、年齢に相応した血清フェニルアラニン値の目標値に維持 される用量をもって、有効維持量とする。 4 用法・用量 6 使用部署(診療科) 小児科 7 製薬会社 第一三共 8 薬価 36,900 円/g 2)<ムルプレタ錠 3mg> 1 一般名 ルストロンボパグ錠 2 薬効分類名 経口血小板産生促進剤/トロンボポエチン受容体作動薬 3 適応症 4 用法・用量 通常,成人にはルストロンボパグとして 3mg を 1 日 1 回,7 日間経口投与する。 6 使用部署(診療科) 内科 7 製薬会社 塩野義製薬 8 薬価 16,107.6 円/錠 待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血 小板減少症の改善 6 5.医薬品添付文書の改訂 (DSU No.246 より) ★:警告、◎:投与禁忌、併用禁忌、○:重要な基本的注意、重大な副作用 1)アイミクス配合錠HD (大日本住友製薬=塩野義製薬) ○:重大な副作用(一部改訂) 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPの上昇 等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴 とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合 には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不 全の発症に注意すること。 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少:無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわ れることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 2)アザニン錠(田辺三菱製薬) ◎:禁忌(一部改訂) 本剤の成分又はメルカプトプリンに対し過敏症の既往歴のある患者 フェブキソスタット又はトピロキソスタットを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕 ◎相互作用の併用禁忌(一部改訂) フェブキソスタット、トピロキソスタット〔臨床症状・措置方法:骨髄抑制等の副作用 を増強する可能性がある。 機序・危険因子:本剤の代謝物6-メルカプトプリン(6-MP) の代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼが阻害されることにより、6-MPの血中濃度が 上昇することがアロプリノールで知られている。フェブキソスタット及びトピロキソス タットもキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。 3)アジルバ錠(武田薬品) ○:重大な副作用(追記) 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、 脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与 を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意 すること。 4)アムロジピンOD錠2.5mg・5mg「トーワ」 (東和薬品) ○:重要な基本的注意(一部改訂) 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を 伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 7 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少:無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわ れることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 ○:重要な基本的注意(追記) 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、 脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与 を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意 すること。 5)イトリゾールカプセル・イトリゾール内用液(ヤンセンファーマ) ○:重大な副作用(追記) 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の 異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等 の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、適切な処置を行うこと。 ◎禁忌(一部改訂) ピモジド、キニジン、ベプリジル、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、 ニソルジピン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴ メトリン、バルデナフィル、エプレレノン、ブロナンセリン、シルデナフィル(レバチ オ)、タダラフィル(アドシルカ)、アスナプレビル、バニプレビル、スボレキサント、 アリスキレン、ダビガトラン、リバーロキサバン、リオシグアトを投与中の患者〔「相 互作用」の項参照〕 ◎相互作用の併用禁忌(追記) アスナプレビル〔臨床症状・措置方法:アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝臓に関 連した副作用が発現、重症化するおそれがある。 機序・危険因子:本剤のCYP3A4に対す る阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。〕 バニプレビル〔臨床症状・措置方法:バニプレビルの血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐、 下痢の発現が増加するおそれがある。 機序・危険因子:本剤のCYP3A4に対する阻害作用 により、これらの薬剤の代謝が阻害される。〕 スボレキサント〔臨床症状・措置方法:スボレキサントの作用を著しく増強させるおそ れがある。 機序・危険因子:本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代 謝が阻害される。〕 6)エックスフォージ配合OD錠(ノバルティスファーマ) ○:重大な副作用(一部改訂) 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれる ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な 処置を行うこと。 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特 徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場 8 合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎 不全の発症に注意すること。 7)エフピーOD錠(エフピー) ◎:相互作用の併用禁忌(一部改訂) セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキ セチン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩)〔臨床症状・措置方法:両薬剤の作用が増強 される可能性があるので、本剤の投与を中止してから選択的セロトニン再取り込み阻害 剤、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、選択的ノルアドレナリン再取り 込み阻害剤及びノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤の投与を開始するには少 なくとも 14 日間の間隔を置くこと。また本剤に切り換える場合にはフルボキサミンマ レイン酸塩及びベンラファキシン塩酸塩は7日間、パロキセチン塩酸塩水和物、セルト ラリン塩酸塩、アトモキセチン塩酸塩、ミルタザピン及びエスシタロプラムシュウ酸塩 は 14 日間、ミルナシプラン塩酸塩は2~3日間、デュロキセチン塩酸塩は5日間の間 隔を置くこと。〕 8)エリキュース錠(ブリストル・マイヤーズ=ファイザー) ★:警告(追記) 〈静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制〉 「脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経 の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。静脈血栓塞栓症を発症した患者が、硬膜 外カテーテル留置中、もしくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤 の投与を控えること。 ◎:禁忌(一部改訂) 〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉 腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min 未満)の患者〔使用経験がな い。〕 ◎:禁忌(追記) 〈静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制〉 重度の腎障害(CLcr30mL/min 未満)の患者〔使用経験が少ない。〕 ○:重要な基本的注意(一部改訂) 抗血小板薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用療法を必要とする患者においては、出 血リスクが増大することに注意すること。これらの薬剤と本剤の併用の可否については、 本剤との併用を開始する前に、リスクベネフィットを考慮して慎重に判断すること。抗血 小板薬2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用 についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、 これらの薬剤と併用すること。(「相互作用」、「その他の注意」の項参照) ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の 投与を中止し、PT-INR が非弁膜症性心房細動患者では 2.0 未満、静脈血栓塞栓症患者で は治療域の下限未満となってから本剤の投与を開始すること。 9 9)オフェブカプセル (日本ベーリンガーインゲルハイム) ○:重要な基本的注意(追記) 中等度及び高度の肝機能障害(Child Pugh B、C)のある患者には治療上やむを得ない と判断される場合を除き、使用は避けること。 10)オプジーボ点滴静注 (小野薬品=ブリストル・マイヤーズ) ○:重大な副作用(一部改訂) 間質性肺疾患:肺臓炎、肺浸潤、肺障害等の間質性肺疾患があらわれることがあるので、 咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等の臨床症状を十分に観察し、異常が認め られた場合には、速やかに胸部X線、胸部 CT、血清マーカー等の検査を実施すること。 間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処 置を行うこと。(「警告」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照) 甲状腺機能障害:甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、甲状腺炎等の甲状腺機能障害が あらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止す るなど、適切な処置を行うこと。 Infusion reaction:発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難、過敏症 等を含む Infusion reaction があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、 異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、重度の Infusion reaction があらわれた場合には直ちに投与を中止して適切な処置を行うととも に、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。 ○:重大な副作用(追記) 神経障害:末梢性ニューロパチー、多発ニューロパチー、自己免疫性ニューロパチー、 ギラン・バレー症候群、脱髄等の神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に 行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 腎障害:腎不全、尿細管間質性腎炎等の腎障害があらわれることがあるので、本剤の投 与中は定期的に腎機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適 切な処置を行うこと。 副腎障害:副腎機能不全等の副腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 脳炎:脳炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 重度の皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘 膜眼 症候群(Stevens-Johnson 症候群)、多形紅斑等の重度の皮膚障害があらわれるこ とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処 置を行うこと。 静脈血栓塞栓症:深部静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症があらわれることがあるので、観 察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこ と。 10 11)カルベジロール錠「サワイ」 (沢井製薬) ○:重要な基本的注意(追記) 心不全を合併する頻脈性心房細動患者では本剤投与により心不全を悪化させる可能性が あるので、臨床症状に注意し、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を行う等、 観察を十分に行うこと。 13)キシロカイン注ポリアンプ (アストラゼネカ) ○:重要な基本的注意(一部改訂) 〈共通(硬膜外麻酔・伝達麻酔・浸潤麻酔・表面麻酔・上肢手術における静脈内区域麻 酔)〉本剤に血管収縮剤(アドレナリン等)を添加して投与する場合には、血管収縮剤 の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確 認すること。なお、静脈内区域麻酔には、血管収縮剤(アドレナリン等)を添加しない こと。 14)サムチレール内用懸濁液(グラクソ・スミスクライン) ○:重大な副作用(追記) 無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察 を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 15)スープレン吸入麻酔液(バクスター) ○:重大な副作用(一部改訂) 肝機能障害、黄疸:肝壊死、肝細胞融解性肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい増 加を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適 切な処置を行うこと。なお、短期間内に反復投与した場合、その頻度が増すとの報告が ある。また、本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されて いる。 16)ゼローダ錠(中外製薬) ○:重要な基本的注意(一部改訂) 治癒切除不能な進行・再発の胃癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要 性の 高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:カペシタビ ン(進行性胃癌)」等)を熟読すること。 17)ゾシン静注用 (大鵬薬品=大正富山医薬品) ○:重大な副作用(一部改訂) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症: 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれること があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置 を行うこと。 11 18)パーロデル錠(ノバルティスファーマ) ○:重要な基本的注意(追記) 産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、死産や母親の HTLV-1 又は HIV 感染等の医学 的に必要な患者にのみ投与すること。(氷罨法等により乳汁分泌抑制が可能である場合 には投与しないこと。 19)フィブラストスプレー (科研製薬) ○:重要な基本的注意(一部改訂) 本剤は熱傷潰瘍を適用としているので、潰瘍がみられない熱傷に対しては、他の適切な 療法を考慮すること。 20)プロタミン硫酸塩静注「モチダ」 (持田製薬) ○:重要な基本的注意(一部改訂) 本剤又はプロタミン含有インスリン製剤の投与歴のある患者はプロタミンに感作されて いる可能性があり、本剤の投与によりショック、アナフィラキシーを起こしやすいとの 報告がある。本剤の投与に際しては、あらかじめ、過去にプロタミン投与の可能性のあ る心臓カテーテル検査歴や心臓手術歴、インスリン使用歴等について十分な問診を行い、 このような患者に投与する場合には慎重に投与すること。 ○:重大な副作用(一部改訂) ショック、アナフィラキシー:本剤投与直後にショック、アナフィラキシーを起こすこ とがあるので、患者の状態を十分に観察し、血圧低下、脈拍異常、冷汗、呼吸困難、発 赤、意識レベルの低下等、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、血圧の維持、 体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。 21)ヘパリンCa皮下注「サワイ」(沢井製薬)ヘパリンカルシウム皮下注シリンジ「モ チダ」(持田製薬)ヘパフラッシュシリンジ (テルモ)ヘパリンNa透析用シリンジ 「NP」 (ニプロ) ○:重大な副作用(一部改訂) ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが起こることがあるので、 観察を十分に行い、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 22)ベプリコール錠(MSD=第一三共) ◎:禁忌(一部改訂) リトナビル、サキナビルメシル酸塩、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカル シウム水和物、イトラコナゾール、テラプレビル、アミオダロン塩酸塩(注射)、エ リグルスタット酒石酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照) ◎:併用禁忌(一部改訂) リトナビル、サキナビルメシル酸塩、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカル シウム水和物〔臨床症状・措置方法:心室頻拍等の重篤な副作用を起こすおそれがあ 12 る。 機序・危険因子:これらの薬剤のチトクローム P450 に対する競合的阻害作用に より、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予想される。〕 ◎:併用禁忌(追記) イトラコナゾール〔臨床症状・措置方法:本剤の血中濃度上昇により、QT 延長が発現 する可能性がある。 機序・危険因子:これらの薬剤のチトクローム P450 に対する阻害 作用により、本剤の代謝が阻害される可能性がある。〕 テラプレビル〔臨床症状・措置方法:本剤の血中濃度上昇により、重篤な又は生命に危 険を及ぼすような事象が起こるおそれがある。 機序・危険因子:これらの薬剤のチト クローム P450 に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される可能性がある。〕 アミオダロン塩酸塩(注射)〔臨床症状・措置方法:併用により Torsades de pointes を起こすことがある。 機序・危険因子:併用により QT 延長作用が相加的に増強すると 考えられる。〕 エリグルスタット酒石酸塩〔臨床症状・措置方法:併用により QT 延長等を生じるおそ れがある。 機序・危険因子:併用により QT 延長作用が相加的に増強すると考えられる。 23)ペントシリン注射用 (富山化学=大正富山医薬品) ○:重大な副作用(一部改訂) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚 粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行 い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 24)ミカムロ配合錠AP(日本ベーリンガーインゲルハイム=アステラス製薬) ○:重大な副作用(一部改訂) 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γGTP の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、 異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 25)メチロン注 (第一三共) ○:重大な副作用(一部改訂) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮膚炎: これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 26)ユニシア配合錠HD (武田薬品) ○:重大な副作用(一部改訂) 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP の上昇等 を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め られた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 13 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特 徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場 合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎 不全の発症に注意すること。 27)リスモダンカプセル リスモダンR錠(サノフィ) ◎:禁忌(一部改訂) スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩、バルデ ナフィル塩酸塩水和物、アミオダロン塩酸塩(注射剤)、エリグルスタット酒石酸塩 又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕 ◎:併用禁忌(追記) エリグルスタット酒石酸塩〔臨床症状・措置方法:併用により QT 延長等を生じるおそ れがある。 機序・危険因子:併用により QT 延長作用が相加的に増強すると考えられ る。 28)レミケード点滴静注用 (田辺三菱製薬) ★:警告(一部改訂) 感染症 結核:播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)を含 む結核が発症し、死亡例も認められている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化 のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン 検査に加え、インターフェロン-γ 遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸 部 CT 検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。川崎病患者において、 本剤の投与に緊急を要する場合には、少なくとも十分な問診、胸部レントゲン検査等を 行うことにより、結核感染の有無を十分に確認すること。また、結核の既感染者には、 抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。ツベルクリン反応等の検査が陰性の 患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。 ★:警告(追記) 川崎病患者では、本剤の治療を行う前に、免疫グロブリン療法等の実施を十分勘案する こと。また、本剤についての十分な知識と川崎病治療の経験をもつ医師が使用すること。 ○:重要な基本的注意(一部改訂) 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インター フェロン-γ 遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部 CT 検査等を行うこと により、結核感染の有無を確認すること。川崎病患者において、本剤の投与に緊急を要 する場合には、少なくとも十分な問診、胸部レントゲン検査等を行うことにより、結核 感染の有無を十分に確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる 場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原 則として抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。」 本剤治療中は、生ワクチン接種を行わないこと。また、本剤の投与と生ワクチン接種と の間隔は十分にあけることが望ましい。やむを得ず生ワクチン接種から本剤の投与まで 14 十分な間隔をあけることができない場合には、リスク・ベネフィットを慎重に判断した 上で使用すること(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない)。 29)ヴィキラックス配合錠(アッヴィ) ◎:禁忌(一部改訂) 中等度以上(Child-Pugh 分類B又はC)の肝機能障害のある患者 ○:重要な基本的注意(一部改訂) 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。 肝機能障害は主に本剤投与開始4週以内にあらわれやすいので、投与開始初期は必要に 応じてより頻回に肝機能検査を行うこと。肝酵素上昇の有無にかかわらず、血中ビリル ビン値が著しく上昇し、腹水、肝性脳症等を伴う肝不全があらわれることがあるので、 患者の状態を十分に観察すること。肝不全の徴候が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うこと。 ○:重大な副作用(一部改訂) 肝機能障害、肝不全:ALT(GPT)※、ビリルビン※※等の上昇を伴う肝機能障害があら われることがある。また、肝酵素上昇の有無にかかわらず、血中ビリルビン値が著しく 上昇し、腹水、肝性脳症等を伴う肝不全があらわれることがある。肝機能異常が認めら れた場合はより頻回に検査を行い、観察を十分に行うこと。悪化が認められた場合は投 与を中止するなど適切な処置を行うこと。ALT(GPT)が基準値上限の 10 倍を持続的に 超える場合、あるいは肝不全の徴候が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を 行うこと。 ※基準値上限5倍超、※※基準値上限3倍超」 ○:併用禁忌(一部改訂) エチニルエストラジオール含有製剤〔臨床症状・措置方法:エチニルエストラジオー ル含有経口避妊薬を投与した患者において ALT(GPT)上昇が高頻度に認められている。 なお、本剤治療終了の約2週間後から再開できる。 15 6.医薬品・医療機器等安全性情報 オーダリング端末の病院情報システムにログイン後、「医薬品情報」内のフォルダ 「安全性情報」に格納していますので、ご覧下さい。 (医薬品・医療機器等安全性情報(No.330 2016 年 2 月) 16 7.医療安全情報 医療安全情報(No.111 2016 年 2 月)【パニック値の緊急連絡の遅れ】が、日本医療機 能評価機構より、出されました。同情報は、オーダ端末にログイン後、 [医薬品情報]>フォルダ[緊急安全性情報ほか]に格納していますので、ご覧下さい。 17 18 8.使用期限間近の医薬品リスト 年 月 3 個数 医薬品名 年間 使用量 19664 39328 10 カルベニン点滴用0.5g 4 1484 5936 16 セフタジジム静注用0.5g 「マイラン」 8 414 3312 100 ネオフィリン注250mg 4 92 368 101 レクチゾール錠25mg 19 80 1520 0 2 2830 5660 2 1 4320 4320 0 10 1789 17895 1 グリミクロン錠40mg 18 25 464 659.5 セレジスト OD 錠5mg 20 1107 22148 16 ダントリウムカプセル25mg 100 25 2500 36 トリプタノール錠10mg 378 9 3629 326 フロリネフ錠 30 345 10359 200.4 小児用バクシダール錠50mg 74 65 4877 0 竹じょ温胆湯 54 30 4158 0 3 22207 66621 16 157 37 5919 1395 2 15746 31492 0 ケナコルト-A 皮内用関節腔内用水懸 注50mg/5mL 1 218 218 2 ジゴシン注0.25mg 1 92 92 70 チョコラA筋注 5 万単位 10 126 1260 0 デュファストン 32 38 1216 61 プレドネマ注腸 7 737 5161 0 プロタノールL注0.2mg 4 237 948 58 日赤ポリグロビンN5%静注 2.5g/50mL 乳酸カルシウム水和物「ヨシ ダ」 エンブレル皮下注25mgシリ ンジ 0.5mL 5 在庫金額 2 診断用アレルゲン皮内エキス 「トリイ」アスペルギルス エリザス点鼻粉末200μg2 8噴霧用 28 薬価 エポプロステノール静注用 1.5mg「ACT」 乾燥弱毒生風しんワクチン 4 (2016 年 1 月現在) 19 ベシカムクリーム5% 14 19 2730 4 リーマス錠200 22 20 460 97 111 281 31235 21 塩酸バンコマイシン散0.5g 10 2924 29248 137 香蘇散 78 7 1482 0 レキップCR錠2mg 20 9. 医薬品情報 SGLT2阻害薬について SGLT2(Sodium glucose cotransporter 2)阻害薬は従来の2型糖尿病治療薬とは異なる作 用機序で血糖値を低下させる薬剤です。SGLT2 は近位尿細管でグルコースを再吸収する主要な 輸送体であり、これを阻害することで尿中グルコース排泄を促進し、血糖コントロールを改 善します。SGLT2 阻害薬についてまとめましたのでご参照下さい。 1. 当院限定採用の SGLT2 阻害薬の比較 薬剤名 カナグル®錠 フォシーガ®錠 スーグラ®錠 ジャディアンス ®錠 一般名 カナグリフロジン ダパグリフロジン イプラグリフロジン エンパグリフロジン 約 290 倍 約 610 倍 約 860 倍 約 1100 倍 タンパク結合率 (%) 98 91 94.6~96.5 84.7 T1/2 (hour) 10.2 12.1 14.97 9.88~11.7 副作用発生率 (%) 29.1 17 32.9 15.1 脱水 (%) 0.1 低血糖 (%) 4.8 0.1 0.5 2.3 尿路感染 (%) 0.4 0.8 0.2 0.71 SGLT1 に対する SGLT 2 選択性(IC50 値比 較) 0.1 2. SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation A. インスリンや SU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意し て、それらの用量を減じる。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことか ら特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。 SU 薬に SGLT2 阻害薬を併用する場合には、DPP-4 阻害薬の場合に準じて、以下の様に SU 薬の 減量を検討する。 ・グリメピリド 2mg/day を超えて服用している患者は 2mg/day 以下に減量 ・グリベンクラミド 1.25mg/day を超えて服用している患者は 1.25mg/day 以下に減量 ・グリグラジド 40mg/day を超えて服用している患者は 40mg 以下に減量 B. 高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。脳梗塞は 50 代から 80 代で投与 後数週間以内に起きることが多かった。 21 C. 脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨 されない。また脱水はビグアナイド薬の副作用である乳酸アシドーシスの危険因子であるた め、併用の際は注意が必要となる。 D. 発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合 (シックデイ)には必ず休薬する。 E. 本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中 止し、皮膚科にコンサルテーションすること。症状は投与後1日目から2週間以内に発症し ている。 F. 尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では 質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションするこ と。症状は投与後2, 3日及び2ヶ月経って起こる例もある。 G. 原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。 3. SGLT2 阻害薬による心臓血管系リスクの軽減 心血管疾患の既往のある2型 DM 患者約 7000 名を対象に、プラセボ群とエンパグリフロジン 投与群を比較し、一次エンドポイントを心筋梗塞・脳梗塞・心血管死として評価された。以 下に(A)心血管死と(B)全死亡に関するグラフを示した。 [結果] 心筋梗塞及び脳梗塞においては有意な差はみられなかったが、心血管死について投与 群ではプラセボ群と相対リスク 38%の減少、全死亡は 32%の減少、心不全による入院は 3 5%の減少がみられた。 [参考文献] ・薬局(2015 年 Vol.66) ・SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation (2014 年 8 月 29 日改訂) ・Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes (Bernard Zinman, M.D. The new england journal of medicine, 2015/11) 22 23
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