「ACE許容」から「ACE許容2」への変更内容

「ACE許容」から「ACE許容2」への変更内容
建築基準法改正に伴う変更と、国土交通大臣認定プログラムの認定制度の改定に伴ってプログラム
の修正を行いました。(平成19年5月18日告示、2007年版建築物の構造関係技術基準解説書等)
計算内容について、
許容応力度法に基づく設計に関しての変更点は下記とします。
① RC造及びSRC造部材における設計用せん断力の算出方法が計算ルート毎に設定
(国土交通省告示第593、595号)
② 壁量柱量のコンクリート強度による割り増し方法(α)(国土交通省告示第593号)
③ 冷間成形角形鋼管が指導マニュアルから告示になりました。(国土交通省告示第593号)
④ 鉄骨造においてルート1がルート1−1とルート1−2になりました。
ルート1−1は、前建築基準のルート1に相当します。チェック項目を下記に示します。
・令第82条第一号から第三号までに規定する許容応力度計算を行う際に、地震力の算定に
当っての標準せん断力係数を0.3以上にすること。
・水平力を負担する筋かいの端部及び接合部を保有耐力接合とすること。
・冷間成形角形鋼管を使用している場合はルート1の応力割増をすること。
ルート1−2は、階数2以下としてスパン長の緩和6m→12mとし、ルート2の部分
チェックを加えた計算ルートとしています。チェック項目を下記に示します。
・延べ面積が2階建ての場合は500㎡以内とし、1階建ては3000㎡以内であること。
・令第82条第一号から第三号までに規定する許容応力度計算を行う際に、地震力の算定に
当っての標準せん断力係数を0.3以上にすること。
・水平力を負担する筋かいの端部及び接合部を保有耐力接合とすること。
・冷間成形角形鋼管を使用している場合はルート1の応力割増をすること。
・偏心率が0.15以下であることを確認すること。
・柱及びはり材が局部座屈によって急激な耐力低下をもたらさないこと。
実質的には、ルート2の幅厚比の規定値を満足すればよい。
・柱及びはりの士口部は、保有耐力接合とすること。
・柱継手部及びはり継手部は、保有耐力接合とすること。
柱継手部及びはり継手部は、保有耐力接合とすること。
・はりは保有耐力横補剛を行うこと。
・柱脚部と基礎との接合部は作用する力に対して破壊しないよう十分な強度とするか、
あるいは十分な靭性を確保するものとすること。
(ルート2と同等の設計)
⑤ 耐力壁の水平力負担率(国土交通省告示第594号)
壁の負担率が50%を超えた場合に、支配面積当りの負担せん断力が0.25以下の柱を割増して
設計を行う。自動で割増率を算定し、指定により割増しを行います。
⑥ 冗長性の低い建築物(国土交通省告示第594号)
当該階の柱の軸力負担率を出力します。
地階を除く階数4以上または高さ20m超の建築物で軸力負担率が20%以上の柱を架構の端部に
設ける場合、張り間方向及びけた行方向以外に水平力の作用を考慮する必要があります。
上記20%以上の負担がある場合はメッセージを出力する。
告示596号は保有耐力について
⑦ 層間変形角の算定(国土交通省告示第594号)
層間変形角算定時の階高を床版上面間とします。(階高の補正は剛性率用を用いる
変位は加力方向の水平成分とします。
⑧ 入力データのチェックに、片持ち床が取り付く場合で 2.0mを超えた場合については、メッ
セージの出力を行います。
⑨ 必要保有水平耐力の算出に用いる Ds 値については、崩壊形(全体崩壊、部分崩壊、局部崩壊)
を確認し、
部材種別を決定することで求める Ds 値算定用最大層間角と保有水平耐力算定用変
形角の入力を行います。
⑩
Ds 算定の根拠となる部材の種別算定については、曲げヒンジが発生している梁、柱、壁に
Qu/Qm の耐力比率によってせん断破壊と判断します。係数は、柱、梁、壁毎にセットし
ます。
梁:Qu≧Qo+nQm(両端ヒンジの部材:n≧1.1、左記以外:n≧1.2)
柱:Qu≧nQm(両端ヒンジの部材:n≧1.1、左記以外:n≧1.25)
壁:Qu≧nQm(n≧1.25)
⑪ 柱・はり接合部の検討方法を「2007 年版建築物の構造関係技術基準解説書」の改定で、柱と
はりの接合状態が L 字の場合は次式の hc を0としています。
Qcu = 2( Mb・lb / L + Mb・
' lb' / L' ) /( hc + hc' )
hc, hc' :柱はり接合部に接合する上下の柱の階高
⑫ 冷間成形角形鋼管を使用して、保有水平耐力を計算した場合の崩壊形の確認し、BCR,BCP に
ついては崩壊形が局部破壊の場合に強度を低減する。
⑬ ルート3におけるSTKRを用いた場合は柱脚をルート2と同等設計を行います。
⑭ RC造のはり(Qb)、柱(Qc)、壁(Qw)の終局せん断耐力式は下記をデフォルト式とします。
 0.068 pt 0.23・(Fc + 18)

+ 0.85 Pw・σ wy ・b・j
Qb = 
 M / (Q・d ) + 0.12

Qc = Qb + 0.1σ ・
0 b・j

 0.068 pte 0.23・(Fc + 18)
Qw = 
+ 0.85 Pwh・σ wh + 0.1σ 0 ・t・
e j

 M / (Q・D ) + 0.12
⑮ 搭状比(アスペクト比)を入力し、4を超える場合は下記のイロに掲げる層せん断力のいず
れかが作用するものとします。また、作用する層せん断力によって基礎及び地盤が壊れない
ことを確認することとします。(メッセージを出力)但し、ロについては、保有水平耐力計
算と考えます。
イ)令第88条第1項に規定する地震力について標準せん断力係数を0.3以上として計算し
た層せん断力。
ロ)令第82条の3第1号の規定によって計算した保有水平耐力に相当する層せん断力が生ず
る場合に各階に作用するものとした層せん断力
⑯ 壁の開口が複数ある場合の基本が、包括開口になりました。
⑰ 耐力壁の設計時及び耐力算定時の開口低減にho/hが加えられました。
⑱ 耐力壁の高さとして一般階については、上はりと下はりの中心間高さとしますが、基礎はり
が取り付く階は、上階はりの上端から下階はりの上端までの高さとします。
⑲ ピロティ階及び柱の指定を行います。(指定された柱は、別途ピロティ柱の検討を行う)
軸力の検討、必要保有水平耐力計算時の割増係数、部材係数の算出時の軸力判定と、ピロ
ティ柱のせん断検討を行います。
計算書出力について
計算書出力については、業務方法書に従って書式及び出力内容を変更しました。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
各出力項目に設計方針の出力を追加しました。
チェックリストを電算出力としました。
軸組図にスリット印を加えました。
断面リスト図を追加しました。
応力図にモーメント図を追加し、壁のモデル化図も作図するようにしました。
柱はりの検定比軸図に長期、短期の出力を設定するようにしました。
保有水平耐力時メカニズム時応力図にモーメント図と、壁のモデル化図を追加しました。
(Ds算定時と、耐力算定時の出力を追加)
⑧ ヒンジ図についてもDs算定時と耐力算定時の出力を追加しました。
⑨ 耐力壁設計の出力を許容2部分に追加しました。
⑩ S造柱脚の出力を許容2に追加しました。