処方せん医薬品 エストリオール製剤 (腟用) − 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。− 「使用上の注意」等改訂のお知らせ この度、 厚生労働省医薬食品局安全対策課 事務連絡 (平成21年8月7日付) 及び自主的変更により、標記製品の 「使用上の注意」 等を改訂いたしましたのでお知らせ申し上げます。 ご使用に際しましては下記改訂内容をご参照くださいますようお願い申し上げます。 改訂内容につきましては、 医薬品安全対策情報 (DSU) No.182 に掲載される予定です。 2009 年 8 月 製造販売元 1. 改訂内容 ( 部 事務連絡による改訂、 改 訂 後 部 自主改訂) 改 訂 前 【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと) 【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと) 1. エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌,性器癌)及び 1. エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌,性器癌)及び その疑いのある患者 その疑いのある患者 [腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある.] [腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある.] ←新規 2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 「妊婦 , 産 3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性( 「妊婦 , 産 2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性( 婦 , 授乳婦等への投与」 の項参照) 婦 , 授乳婦等への投与」 の項参照) 【使用上の注意】 【使用上の注意】 2. 副 作 用 2. 副 作 用 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確とな 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確とな る調査を実施していない (再審査対象外) . る調査を実施していない (再審査対象外) . (1)重大な副作用 (頻度不明) (1)重大な副作用 (頻度不明) ←新規 1)ショック,アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあ るので, 観察を十分に行い, 発疹 , 潮紅 , 呼吸困難, 血圧低下等の異常が認められた場合には投与を 中止し, 適切な処置を行うこと. 血栓症:卵胞ホルモン剤の長期連用により,血栓症 2)血栓症:卵胞ホルモン剤の長期連用により,血栓 が起こることが報告されているので,異常が認めら 症が起こることが報告されているので,異常が認 れた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと. められた場合には投与を中止し適切な処置を行 うこと. 【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】 あすか製薬株式会社 くすり相談室 〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目 5 番 1 号 TEL 03-5484-8339 FAX 03-5484-8358 【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】 あすか製薬株式会社 くすり相談室 〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目 5 番 1 号 TEL 0120-848-339 03-5484-8339 FAX 03-5484-8358 ☆ 「使用上の注意」の全文は、添付文書(2009 年 8 月改訂)をご覧ください。 −1− 2. 改訂理由 (1)禁 忌 <事務連絡> アナフィラキシー反応が疑われる副作用症例が報告されたことから、 「禁忌」の項に「本剤の成分 に対し過敏症の既往歴のある患者」 を追記いたしました。 (2)副作用 重大な副作用 <事務連絡> 本剤投与との因果関係が否定できない「ショック」及び「アナフィラキシー様症状」の副作用症例 が集積されたことから、 「重大な副作用」 の項に 「ショック、アナフィラキシー様症状」 を追記し、 併せて、 発疹、 潮紅、 呼吸困難、 血圧低下等の前駆症状についても記載いたしました。 (3)文献請求先・製品情報お問い合わせ先 <自主改訂> くすり相談室のフリーダイヤルを追記いたしました。 今回の改訂の根拠となった「ショック」及び「アナフィラキシー様症状」の症例概略(症例 1 ∼症例 3) を紹介いたします。 症例 1 患者 性 年齢 投与目的 [合併症等] 女 60 代 老人性腟炎 副作用 1日投与量 投与期間 1mg 1回 経過及び処置 約 5 年前 老人性腟炎のため、エストリオール腟用製剤 1 錠挿 入。 また、 エストリオール経口剤 1mg を 14 日間内服。 約 3 年前 同様の症状のため、エストリオール経口剤 1mg を 60 日間内服。 約 1 年前 同様の症状のため、エストリオール経口剤 1mg を 30 日間内服。 投与日 帯下増加、排尿障害、外陰部瘙痒感あり。報告施設受診。 エストリオール腟用製剤 1 錠を腟内へ挿入し、帰宅。 投与約 1 時間後 自宅でおにぎり (ワサビ、シイタケ、ササミ、マヨネー ズ、梅) を食べ始めた時、全身に瘙痒感と発赤が出現 し、 嘔吐した。 患者より報告施設へ電話連絡があり、 来院を指示。 投与約 2 時間後 患者来院。発汗、息切れあるも、発赤は上肢と腹部の 一部のみ。嘔気、咽頭部違和感あり、大量に嘔吐。 血圧 108/60、脈拍数 80/ 分、 体温 36.6℃。 投与約 2.5 時間後 車イスで移動し、他院受診。 ヒドロコルチゾンコハク 酸エステルナトリウムを点滴静注し、 症状軽減。 投与約 3.5 時間後 報告施設に帰院。悪寒の訴えあり。帰宅させるのは危 険と判断、他院に入院依頼し、救急車で搬送。 到着時、 再度嘔吐。 前胸腹部に発赤出現。 他院入院のうえ、ヒドロコルチゾンコハク酸エステ ルナトリウム 125mg、L−システイン塩酸塩水和物・ グリシン・グリチルリチン酸モノアンモニウム 1A (×2 回)を点滴静注。 投与 1 日後 ヒ ド ロ コ ル チ ゾ ン コ ハ ク 酸 エ ス テ ル ナ ト リ ウ ム 125mg、クロルフェニラミンマレイン酸塩 10mg を 点滴静注。 前胸部に軽度紅斑がみられたが、痒み、発熱、呼吸困 難、嘔気はいずれもなし。 投与 2 日後 退院。 投与 8 日後 他院受診。 DLST エストリオール腟用製剤 陰性 エストリオール経口剤 陰性 IgE-RAST(カニ、エビ、小麦、ソバ、鶏肉、 アニサキス、マルチ食物、マルチカビ):陰性 併用薬:なし −2− 症例 2 患者 性 年齢 投与目的 [合併症等] 女 60 代 萎縮性腟炎 [合併症] 慢性関節リウマチ 副作用 1日投与量 投与期間 1mg 1回 [既往歴] 子宮筋腫 [過敏性素因] ヘアローション、 洗剤 経過及び処置 投与日 約 1 年前より不正性器出血(少量)を認め、心配になり 報告施設初診。 超音波検査では、子宮、卵巣は正常で出 血なし。 臨床的に萎縮性腟炎と診断。エストリオール腟用製剤 を腟内へ挿入。 投与約 5 分後 気分不良。 SpO₂ 98%、脈拍数 98/ 分、血圧 聴診で収縮 期 120 台。 嘔吐あり。 吐物は少量の胃液。 投与約 20 分後 補液 500mL 点滴にてルート確保。 投与約 30 分後 血圧 72/36。発疹はなし。 補液を急速全開で点滴静注。 投与約 45 分後 血圧 117/43 に回復。全身に発赤を認め た。エストリ オール腟用製剤を腟内より抜去しようと試みるも既に 溶けたのか見当たらず、生理食塩液 100mL で腟洗浄を 行った。 投与約 55 分後 ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 500mg +生理食塩液 100mL を点滴静注。 入院管理となった。 入院時の意識レベルは明確。 血圧 114/92、 脈拍数 99/ 分。 投与約 2 時間後 血圧 106/58、脈拍数 88/ 分。 投与約 4 時間後 発赤なく全身状態良好のため、 回復と判断。 投与 1 日後 全身状態良好であることを確認。退院。 投与 12 日後 IgE-R I ST:28.9 IU/mL(基準値内) IgE-RAST (ラテックス、小麦、グルテン、ゼラチン) :陰性 DLST エストリオール 陰性 マクロゴール 6000 陽性 ステアリン酸マグネシウム 陰性 併用薬:オーラノフィン、 ブシラミン 症例 3 患者 性 年齢 投与目的 [合併症等] 女 70 代 老人性腟炎 [合併症] 子宮脱 [既往歴] 高脂血症 [副作用歴] 皮疹 (ペニシリン系薬剤) 副作用 1日投与量 投与期間 1mg 1回 経過及び処置 約 7 年前 報告施設の婦人科を初診。以後、子宮脱のためリング ペッサリーの挿入交換を適宜実施。 投与日 リングペッサリー挿入交換。エストリオール腟用製剤 を腟内へ挿入。 投与約 30 分後 皮膚の潮紅、息苦しさ、目がチカチカするなどの症状が 出現。 投与 1.5 時間後 他院にて、プレアナフィラキシーショック状態のため ステロイド全身投与などが行われ、 症状は軽快、回復。 投与 31 日後 報告施設入院の上、パッチテスト実施。4 日後に退院。 パッチテスト エストリオール腟用製剤 塩化ベンザルコニウム液 陽性 注) 陰性 注)婦人科処置時の消毒薬 投与約 5 カ月後 報告施設入院の上、パッチテスト実施。3 日後に退院。 パッチテスト 併用薬:シンバスタチン −3− エストリオール腟用製剤 陽性 エストリオール 陰性(瘙痒あり) マクロゴール 6000 陰性 ステアリン酸マグネシウム 陰性
© Copyright 2024 Paperzz