第 73 回日本産業衛生学会東北地方会開催にあたって 大会長 中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座) 第 73 回日本産業衛生学会東北地方会を青森市で開催させていただきます。前回の平 成 20 年から 6 年ぶりの開催となります。 もう 30 年も前、私の恩師臼谷三郎先生(当時弘前大学公衆衛生学講座教授)が青森 市で日本産業衛生学会(全国大会)を開催されました。その時のお手伝いで参加したの が本学会との馴れ初めです。そのときはまだ内科に所属した私でしたが、直後の平成元 年に衛生学講座(主任教授は菅原和夫先生)に移りました。そしてすぐに本地方会をお 世話させていただくこととなりました。その当時の演題は環境保健、環境測定系が多か ったように思います。本学会が通常の学会と異なる点はなんといっても事業所見学があ ることです。その時は、レンズの“タムロン”と部品の“航空電子” (いずれも弘前市) にお世話になりました。 それから大略 6 年おきに回ってくる開催県の役目を務めさせていただきました。事業 所見学では、六ヶ所村の原燃施設におじゃましたこともあります。遠いため宴会開始が 大幅に遅れたことを思い出します。前回(第 67 回)は新幹線の新青森駅の工事現場で した。その新幹線も今や青森を通り越して北海道での工事が進んでいます。 正直、本学会は小ぶりです。しかし、和気あいあいとした暖かさがあります。しかし、 その中にも科学や社会正義のど真ん中に突き進む真面目さがあります。先の東日本震災 で本学会員が相応の活躍をされたことを知り、本学会の意義を再認識しました。 また、私は平成 23,24 年度の地方会の会長と全国学会の理事を務めさせていただきま した。全国の理事会で東北代表として発言される広瀬俊雄先生の知識の広さと見識の高 さに驚きました。その背景にある東北地方会の歴史の重みを感じました。 青森県は、いま人口過疎と高齢化、経済の停滞と原発という多くの社会問題を抱えて います。濃淡はあれ状況は東北 6 県同じだと思います。本大会のテーマは「東北地方の 職域における健康づくり」です。このテーマを語り合うことで、本学会の意味を再確認 する契機にしたいと意気込んでおります。 皆様のおこしを心よりお待ちしております。
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