№90 『愛を身につけなさい』 2015 年 12 月 30 日 酒匂キリスト教会 牧師 勝俣慶信 【今週のみことば】 そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全なもので す。 (コロサイ人への手紙 3 章 14 節) 2015 年 12 月 28 日、韓国との間に根深く横たわっていた『慰安婦問題』に対し、政治的 な和解と合意の締結がなされました。世界の国々も、画期的・歴史的合意と評価しました。 ニュースを見ていた筆者の胸も熱くなりました。 「和解」には感動があります。 そして、恨み、憎しみ、不信に終止符を打つことは、(理由はともあれ)そのような感情に 人を縛ってきた「罪の力」に終焉宣言を突き付けることです。 日韓関係において、 「いつまでも、憎しみと不信の力に縛られていてはいけない」と、誰 でも頭では分かっていました。でも感情面(世論)がついてきません。 これは、自分の日々の体験でもそうで、状況の打開を一方では祈りつつ、感情面がどう にも伴わずに苦しむということが起こります。しかしそれは、もはや相手の問題ではあり ません。私自身の心の内の葛藤であり問題です。縛られているのは私自身です。 そこで、私を縛っている「罪の力」に思い切って終焉宣言を与えることが必要なのです が、そのために私を跳躍させてくれる出来事やタイミングが必要な場合が多いのです。 日韓関係においても『国交正常化 50 年』という、今年を逃してはダメというタイミング が備えられていました。 心の中で考え続け、祈り続けているだけではどうにも解決できないことがあります。で も神様は、私たちの祈りをちゃんと聴いていてくださり、私たちが自分を超えていける跳 躍の「時」も備えて下さいます。 コロサイ人への手紙 3 章 12 節~14 節に次のようにあります。 3:12 それゆえ、神に選ばれた者、聖なる、愛されている者として、あなたがたは深い同情心、慈愛、 謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。 3:13 互いに忍び合い、だれかがほかの人に不満を抱くことがあっても、互いに赦し合いなさい。主が あなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。 3:14 そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全なものです。 ここに挙げられた、深い同情心、慈愛、謙遜、柔和、寛容さなどの性質は、イエス様に 見られる、神の御子としての御性質です。と同時に、イエス様を心に信じ、いただいてい る私たちに、既に育ちつつある性質です。ここで、身に着けなさい。と言われているのは、 「衣服などを着る」という意味のことばで大切です。私たちが毎朝、その日の天気や場面 を考えて衣服を選んで着るように、きょう、どんな場面にも対応し得るイエス様の御性質 を着て過ごさせていただこうと、自覚的に着させていただく御性質です。 しかしイエス様の御性質を自覚し、自分に向けて宣言しても、それだけでは何も起こり ません。聖書は、 「それらに愛を着けなさい」と命じます。 日韓の『慰安婦問題』も、謝罪の言葉や償いの金額は提示され、形は整いました。しか しそこに、両国の「心」が注入されるかどうかが鍵です。外面を装っても、相手を真に大 事にしようとする愛の心が働かなければ真の平和をつくることはできません。 そして、相手を大事に思う愛は、イエス様を通して神様から与えられた、罪人の私を包 み込んで下さった温かいコートのような神様の慈愛のことです。神様の愛をしっかり着さ せていただき、内に養われていくキリストの御性質を目標に生活させていただきましょう。 新しい年、神様の愛とキリストの御性質を、新鮮な思いで着させていただきましょう。
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