研修会で寄せられたご質問に対する回答

研修会で寄せられたご質問に対する回答
平成23年11月
日本司法支援センター札幌地方事務所
平成23年8月1日に札幌弁護士会主催のもと開催された「民事扶助業務に関する研
修会」の際に、皆様から寄せられましたご質問にお答えいたします。
1
扶助手続に関するご質問
【FAX配転について】
・ 相談者配転の際「~事務所の~弁護士」まで相談者に話して頂いておりますか?うちの
事務所名はボス弁の名前しか入っていないためイソ弁あての相談の際「~事務所です」
と電話に出るとまちがって電話をかけたのではないかと相談者がすごく戸惑います。も
し事務所名・弁護士名どちらか一つしか相談者に伝えていないのであれば両方伝えて頂
けるととても助かりますがいかがでしょうか?
⇒
ご指摘ありがとうございます。ご案内の方法を改善いたします。
・ 各弁護士に相談を配転する前に相手方の氏名を確認しておいてほしい。相談者から連絡
があった際に利益相反が発覚してお断りすることがある。
⇒
受付の段階で、相手方の名前を確認するということは、事件の内容に立ち入るこ
とになりますので、難しいですし、相応しくないと考えます。ご理解いただきたく
存じます。
・ FAXにより配転して頂きますがFAXだけでTELが全くこなかったりアポイントを
入れても来なかったりする場合があります。以前はアンケートの形で回答をしていたが
今はありません。配転した案件の追跡はしないのでしょうか。立ち消えになってしまっ
ている案件もあります。
⇒
現在は、追跡はしていません。申込者から連絡がない場合は、終了として下さい。
その後申込者から連絡があった場合、相談可能であれば相談いただき、相談不可で
あれば法テラスにて再度の紹介を求めるよう伝えて下さい。
【資力要件について】
・ 法律相談の資力要件はレジュメ6ページの(1)
(2)の一方ではなく、両方の条件を満
たしている必要がありますか?
⇒
両方の条件を満たしている必要があります。
1
【私選受任関係について】
・ 援助決定前に委任状を出しても構わないことは分かったが答弁書、準備書面、訴状、調
停申立書の提出は構わないか?駄目になる限界はどの手続までか?
⇒
少なくとも事件が終結していないことが必要です。終結しているかどうかは、代
理援助決定した場合に、受任弁護士・司法書士による訴訟行為が必要かつ可能な段
階であるかどうかであると考えます。通常の訴訟事件であれば、結審した後は原則
的には、援助できません。ただし、本人訴訟で終結になったが、代理人が就くこと
で、再開の可能性があるようなケースでは、援助決定できる可能性はあります。
・ なぜ札幌事務所では私選受任承認の取扱いを、これまで厳格にしてこなかったのか?他
の事務所との連携は不足しているということか?何度か研修に出席してきたが今回初め
てこの制度をきちんと知り驚いています。現在、私選受任をしてしまっている場合はど
うすればよいか?
⇒
札幌では、扶助協会時代、扶助予算が不足していた関係で任意整理を援助の対象
にしていませんでしたし、法テラスに移行した当初も、しばらくは、原則として任
意整理に対しての援助決定を行っていませんでした。そのため、任意整理事件など
を中心に、私選受任で受けていただくしかなかった事情もあり、私選受任の承認手
続については、しばらくは、あまり厳格に運用していませんでした。
しかし、任意整理の援助が行われるようになり、私選受任の必要性が少なくなっ
たことに加え、扶助相談を配転したケースで「高額な着手金を請求された。」「扶助
のことについて説明してくれなかった。」などの苦情やトラブルが多く発生するよう
になり、また、本部から「私選受任率が高いにもかかわらず、承認を受けているケ
ースが少ない。」との指摘を受けることとなっことから、札幌地方事務所としても、
私選受任の要件である地方事務所長の承認の手続を厳格に運用することとしたもの
です。
尚、既に私選受任をしているという場合に、扶助の制度について説明し、依頼者
も了解の上で、私選受任となったのであれば、そのまま続けていただくのも止むを
得ないと思います。
【援助申請書について】
・ 扶助申込書は本人に書いてもらうべき書類なのでしょうか。
⇒
ご本人に自書いただいてください。
障がい等やむをえない事情により、援助申込者の自書ができない場合は、自書で
きない事情を、援助申込書の余白又は別紙に明記してください。
2
・ 援助申込書の家族への伝言チェックについて1人暮らしの場合は、どちらにもチェック
つけないで良いですか?
⇒
空欄のままで構いません
【援助申請について】
・ 差押をする場合、本訴が扶助決定出ていて差押する場合、新たに申請が必要ですか?そ
れとも報告書での報告のみで足りますか?また実費はすべて追加支出いただけるのです
よね?また、差押のみ扶助を利用せず実費のみもらうというのはだめですか?
⇒
執行事件として新たに援助申請が必要となります。関連事件の援助申請の際に提
出した資力証明書、戸籍謄本、住民票、自動払込利用申込書は、変更がない場合は
再度の提出は求めません。尚、執行事件について、援助決定をせずに、実費の立替
のみをすることはできません。
・ 副所長の説明で、早期の活動(たとえば時効援用内容証明発信)で代理人弁護士として
活動が終結してしまうケースで実際には処理しているのに「これからやります」と書い
て扶助申請するのはやむを得ないものとして認められますか?
⇒
事件が継続中であれば援助申請は可能ですが、時効援用の内容証明を出す場合(代
理人名義)は、援用した時点で終了と考えられますので、原則的には時効援用通知
を出した後の援助申請はできないといわざるをえません。
尚、時効援用後も相手方が時効完成自体を争ったり、請求行為を継続する場合に
は、事件は終了していないと思われますので、示談交渉事件等として、援助申請す
ることは可能であると考えます。
【緊急案件について】
・ 相続放棄事件で緊急案件として申請した際、
「どうして緊急案件なのですか?」と法テラ
スから連絡があったのですが、相続放棄との記載だけではダメなのでしょうか。
緊急案件の取扱の変更については、本年4月22日、6月 3 日付ご連絡させてい
⇒
ただきましたとおり、「緊急案件」を、DV保護命令事件、仮差押・仮処分事件、時
効完成が迫っている事件など、事件の性質・内容などから客観的に「緊急」と判断
される案件に限定させていただいております。そのため、事件名に加え具体的な期
日などについても記載いただけますと、適切な審査日をお伝えすることができます。
・ 緊急案件を持ち込む場合、以前の書式のようにその旨を記入する欄はありますか。
⇒
現在の書式には記入欄はありません。緊急審査を希望する場合には、その旨、記
載していただくとともに、事前に事務局まで電話連絡いただきますようお願いいた
します。
3
【訴訟救助申し立てについて】
・ 訴訟救助の申立に法テラス援助決定が出ている書面を添付するが、決定書の中に、その
書面を入れてほしい。
⇒
事務処理の都合上、決定書に同封することは難しい状況です。必要な方はお申し
出いただければお渡しします。
【取立金精算について】
・ 取立金精算に関して破産申立を急がなければならない事情があり、過払金和解を行わな
いで申立をした場合、その後に和解した過払金が免責決定よりずっと後に返還されるよ
うな時には、返還まで終結報告を待つことになるのか?そうしなければ取立金精算がで
きないのか?
⇒
武富士の場合は、過払金回収を待たずに終結としています。会社更正手続による配当
があった場合、法テラスでは精算はしませんので、報酬の金額や支払方法は受任者と被援
助者の間で、合意して決めていただくことになりますが、報酬金額は、訴訟によらない回収
の場合:15%+税、訴訟により回収した場合:20%+税としてください。
尚、償還金については配当額が小額となる可能性が高いこと、配当が確定的でないこと
から 25%償還は求めていません。但し、被援助者が配当金受領後、免除申請される場合
には、25%償還が必要です。
・ 終結決定に基づいて、立替金の残額を司法支援センター指定口座に振り込む際の送金手
数料は立替金より差し引いて良いのでしょうか?(以前は、窓口に持参としていました
が先日の決定書には振込先の記載があったので・・・)
⇒
受任者からセンターに送金する際に要する送金費用については、着手金とともにお
支払いする「費用」に含まれておりますので、その中から支払っていただくことにな
ります。
尚、この点について明確にするため、代理援助契約書に明記することが予定されて
おります。
【償還について】
・ ゆうちょ銀行の口座を持っていない人が口座開設せずに法テラスへ毎月償還金を支払う
ことは可能なのでしょうか?
⇒
可能な限り、ゆうちょ銀行の自動振替によってください。どうしても難しい場合に
は、法テラスの指定する銀行に振込送金する方法もありますが、払込手数料は、被援
助者の負担となります。
4
【償還猶予について】
・ 事件処理の途中で生活保護受給者となった場合に償還猶予の申請を行いますが「一般事
件は可能だが、自己破産事件では不可能」とのことでした。自己破産事件では援助申込
時点ですでに生活保護受給者であるか、事件終結の時点で生活保護受給者でなければ猶
予や免除の申請はできないということか?
⇒
生活保護受給者であれば、事件進行中の猶予は可能です。
【準生保免除について】
・ 準生活保護の場合で、現在63歳か64歳で年金の段階受給中の時、65歳で満額受給
となったら収入基準を超える可能性があるが、同居者のアルバイトの収入が下がり範囲
内におさまる可能性もある場合、準生活保護要件の今後1~2年で資力回復が乏しい場
合に該当しますか?(なお病気により今後就労することは不可能です。)また、社会保険
事務所で満額受給金額を調べ収入が範囲内におさまる旨報告書を出せば何とかなります
か?
⇒
償還免除を受ける要件としては、資力の回復の見込みがないことが必要です。も
し、年金受給額が増額して、資力回復する見込みであれば、免除の要件には該当し
ないと考えられます。ただし、65歳になった時点で、予想に反して収入が少なく
免除要件に該当する場合には、その時点で免除を受けることは可能です。
・ 生活保護受給者による償還免除申請は、『生保+年金(障害年金)』の場合はどちらにな
るのですか、準生保保護要件になりますか。ちなみに相談者は生保13万、年金85,
000円もらっている人でした。
⇒
2
生活保護受給者として免除可能です。
事件調書に関するご質問
【事件調書について】
・ 破産事件用の事件調書について、破産に至った事情は収まるように。とのことでありま
したが依頼者の中には昭和から取引があり、かつ免責不許可事由が多少見受けられるケ
ースが結構あります。範囲に収まるようにすると、かなり至った事情がシンプルにする
必要がありますが今回の改訂では「それでいい」ということなのでしょうか?
⇒
事件調書で収まる範囲で結構です。
・ 個人再生事件用の事件調書について、弁護士・司法書士の所見の1再生の可能性の<改
善策>は再生可能であっても記載するという理解で正しいですか?
⇒
新書式で改訂を予定しています。
5
・ 事件調書の下部の弁護士名記入欄は弁護士の自署でなければならないか?(ゴム判+職
印では足りないか)
⇒
わかればどちらでも結構です。
・ 使用すべき書式について、損害賠償請求の他にも請求内容がある場合に使用すべき書式
はどれなのか?建物明渡と損害賠償請求がある場合、法律構成として不当利得と損害賠
償を付記する場合等
⇒
建物明渡と損害賠償が実体として一つの紛争に基づく場合(賃貸借契約違反を理由
とする解除を原因として、建物明渡と契約違反の損害賠償を請求する場合など)は一
般事件調書に一つの事件として記載してください。全く別の事件の場合(たとえば建
物明渡と交通事故による損害賠償請求)は、事件ごとに別々の事件調書に記入(この
場合「建物明渡」は一般用事件調書、「損害賠償」は損害賠償用事件調書)してくだ
さい。
・ 事件調書の「破産に至った事情の概要」欄を「別紙のとおり」としてワープロで作成し
た書面を添付してはダメでしょうか。ワープロで作成した方が早いのですが。
審査事務の迅速化のため、事件調書 1 枚に記載するようにお願いします。
⇒
・ 扶助相談から受任する場合、援助申込書の裏面に書く事案の概要と事件調書の事案の概
要はほぼ同じです。どちらかを省略していいのでしょうか。
⇒
援助申込書の裏面の相談票の記載は、簡単で結構ですので、事件調書に詳しく記
入してください。
・ 離婚等家事事件用の調書は相続でも使用すると言われたと思いますが、記載の項目は離
婚事件ないし、それに関連するもののみと思えます。家事事件全般に使用するのであれ
ば記載を再検討した方がいいと思います。
⇒
ご指摘はそのとおりだと思いますので、改訂予定の事件調書では、家事事件の調書
を使用するのは婚離婚関連の事件のみとし、相続の場合には、一般事件の調書に記載
していただくことにします。
・ 離婚等家事事件用の事件調書について、訴額欄は非財産上の請求の場合も記載不要なの
か?離婚プラス慰謝料の場合は、慰謝料額のみでよいのか?婚費分担の場合も訴額記載
不要でよいか?調停から審判に移行した場合、調停を終結して審判を一事件として新た
に申し込むのか?面会交流の申立ても調停から審判に移行した場合も同様か?離婚で調
停不調で訴訟になった場合も同様か?遺産分割の場合は、相続財産全部の価格を記載す
6
るのか、それとも依頼者の相続分を算出してそれのみを記載するのか?
⇒
訴訟の場合は、訴額をもって、費用・着手金を決定するので、裁判所に提出する
訴額と同額を記入してください。示談、調停等の場合は、訴額で費用が決定しない
ので、慰謝料等の請求額が明示されていれば、訴額は記載しなくても結構です。
調停から審判に移行の場合は、継続して行われるので、新たな申立は不要です。
調停不調により訴訟となる場合は、新たに費用が発生するので訴額の記載は必要で
す。遺産分割の場合は、費用は、目的物で決定するので、依頼者の相続分の記入で
判断できますが、事件の概要を知るため、相続財産全部の価格も記載してください。
・ 援助申込書の裏面の相談票に記載する欄に事件調書記載の通りと記載すれば足りるの
か?ここにも同じように記載する必要ありますか?
⇒
事件調書の記入で足ります。
・ 離婚事件等の「1つの事件につき1つの調書」とされているが「1つの事件」とは何か、
事件番号の付き方と同じか?離婚と婚費請求、不貞相手への慰謝料を請求した場合はど
うか?
⇒
離婚と不貞行為の相手方に対する慰謝料は同一の手続きで行われるのであれば、1
つの事件として取り扱います。離婚と婚姻費用の請求は別事件として、別々の調書
に記載してください。
・ 「訴額」は交通事故で相手が一定割合の責任を認めている場合は、争いのある額でなく
請求額であるのか。
⇒
訴訟事件の場合には、援助開始の段階では、請求額全額が「訴額」になると考え
られます。ただし、報酬算定にあたっては、争いのある部分を基準にして算定する
ことになります。
・ 事件調書の中で(離婚等一般他)必要な手続は一つしかチェックできないのですが、交
渉→調停・・・と流れていくのが手続の進行としては通常だと思います。報告書で手続
が移行したことを報告することで、申請を簡素化できないのでしょうか?手続毎の申請
では住民票等の費用のかかる書類を何度も取得することになり、費用負担も多くなりま
す。
⇒
手続きごとに新たな申込が必要です。ただし住民票等は変更がなければ前回のコ
ピーで結構です。
7
・ 事件調書(離婚等家事事件用)のⅠ事件の概要6項の要求事項が離婚事件だけを前提に
しているので、遺産分割、面会交流、監護者指定のときチェックできるものがありませ
ん。「その他」でもいいので項目を作って下さい。
⇒
新書式で改訂を予定しています。
・ 事件調書(離婚等家事事件用)について~(離婚用)と(その他家事事件用)と書式を
別にする予定はないのか?例えば相続事件だと本書式に従うと書きにくいし、しっくり
こない。そもそも例がないから例を作ってほしい。~他に例えば既に離婚済で面会交流
調停申立する事件は事件調書Ⅰ-6本人からの要求は何も書かなくてもよいのか?
⇒
新しい事件調書では、それらの項目も記載できるように改訂を予定しています。
・ 債務事件の申請の際、事件調書に記載する“総負債額”は引き直し計算済の負債額を記
載するべきでしょうか?
⇒
既に引き直し計算ができている場合(本人が履歴の開示を受けている場合や、扶
助申請前に債権調査が終わっている場合など)は、その額を記載してください。
チェック欄等、新書式で改訂を予定しています。
・ 扶助不相当・勝訴の見込みなしにチェックを付ける場合はあるのでしょうか。
⇒
自己破産免責申立事件で裁量免責も見込めない場合、訴訟事件で、請求自体が失当
である場合、必要な立証がおよそ見込めない場合、請求を否定する明らかな反対証拠
がある場合などは、「勝訴の見込みなし」とされる可能性があります。また、前記の
とおり、扶助の趣旨に適合しない場合などは、扶助できませんので、そのような場合
には扶助不相当と記載する場合もありうると思います。
・ 代理援助・書類作成援助事件調書(Ⅱ扶助の趣旨)について、扶助の趣旨に反する事情
がある場合の具体例を教えてください。
⇒
例えば、単に相手方への嫌がらせや自己宣伝、報復感情等、社会正義や法に照ら
し容認できない目的のためであるようなケースです。
3
添付資料に関するご質問
【資力証明書について】
・ 課税証明書は発行後3ヶ月以内のものを添付することになっていますが、前年度分が証
明されていることに変わりはないと思うので、3ヶ月以内にこだわる必要はないと思う
のですがいかがでしょうか。証明されている内容は1年間変わらないのではないでしょ
うか。(同じ趣旨の質問がほかにも2件ありました。)
8
課税証明書は、発行後3ヶ月以内ではなくても結構です。研修レジメの記載は誤
⇒
りですので、訂正いたします。
・ 生活保護受給証明書につき、申立人の名前が記載された証明書を提出するとのことでし
たが、子ども手当受給証明書も同様でしょうか。
⇒
子ども手当受給証明書は添付不要です。資力基準の算定にも加えていません。
・ 生活保護受給証明書について申込者妻で世帯主が保護受給の場合、証明書+申込者の課
税証明書ではダメか?
⇒
生活保護受給者は、予納金の立替や償還猶予を行っている為、申込者本人の名前
が入った証明書が必要となります。
・ 同居人の収入を証明できるものがない場合は「収入に関する報告書」に類するものを提
出するべきか?
⇒
資力を証明するものがない場合は、「収入に関する報告書」を提出下さい。
・ 資力証明書について色々な書類があがっていますがすべて必要なのでしょうか。
⇒
すべては必要ありません。現在の収入状況がわかる書類があれば結構です。
・ 資力基準該当について弁護士の側では資力証明書のどの欄の記載をみて判断すればよい
のでしょうか。
⇒
収入は賞与を含む手取り額を基準とします。手取り額とは申込者が自由に処分す
ることができる額であり、税金や社会保険料を控除した額となりますが、例えば任
意で会社の積立や生命保険、個人年金の支払いを行っている場合などは(その支払
をしなければその職を維持することができないなどの事情がある場合は除きます。)、
その額を加えたものを手取り額と考えます。年金受給者についても税金や社会保険
料を控除した額を手取り額として下さい。
申込者及び配偶者以外の「家族」の収入は、申込者又は配偶者に定期的に支払わ
れている額につき、その全額を加算します。
事業者については、過去一年間の所得(売り上げから経費を引いたもの)から税
金及び社会保険(公的年金・健康保険)を引いたものを12で除した金額を基礎と
します。他方、本来課税されているもののそれを支払っていない場合や、社会保険
等を支払っていない場合は、現実に支払っていない以上控除することはできません。
・ 収入証明書類について相手方と同居している場合には「同居家族の収入証明書類」は提
出するのでしょうか。
9
不要です。
⇒
・ 同居家族がいても家計が別の場合は収入証明を出す必要はありますか?
⇒
必要ありません。
【その他添付資料について】
・ 添付書類について任意整理の場合でも登記簿謄本や車検証は必要でしょうか?
・ 多重債務事件で、不動産、車の資料を提出する理由はなんですか?特に任意整理の場合
不要ではないかと思います。
⇒
登記簿謄本や車検証は、任意整理の代理援助の要件である「任意整理の可能性」
(「勝訴の見込み」要件)の判断資料としては必要ありませんが、資力要件として一
定額以上の保有財産の有無を判断資料する資料として必要です。
・ 4よくある添付・記載漏れの(4)多重債務事件では査定書の提出とあるが一般事件の
場合で車を所有している場合は、提出しなくてよいのか?
⇒
4
前記のとおり、資力要件の判断資料としては必要です。
その他のご質問
【生活保護受給者について】
・ 生活保護受給者は費用がかからないと説明していいでしょうか。
⇒
生活保護受給者であっても、自動的には免除になりませんのでご注意ください。償
還免除については、事件が終了し終結決定以降に償還免除申請をしていただき免除決
定を得ることが必要です。
(ただし、終結時に免除が見込まれる場合には「償還猶予」
を受けられる可能性があります。)
尚、事件終結の時点で生活保護者を受給している場合には原則として免除になると
考えて良いですが、援助申請時に生活保護を受給していても、その後生活保護受給者
ではなくなった場合には、免除となりませんので注意してください。
【過払金について】
・ 過払金が発生した場合、回収した過払金から自己破産予納金や個人再生の予納金を捻出
してもよろしいでしょうか。
⇒
取立金や過払金等、相手方から受領した金銭は報酬金、立替金の順に充当するこ
とになっています。報酬金、立替金に充当後の残金を予納金とすることは問題あり
ません。取立金や過払金は、事件終結時に審査にて精算方法を決定しておりますが、
事件進行中に精算を希望の際には、法テラスまでご連絡下さい。
10
【準生活保護要件該当者の管財予納金立替について】
・ 破産事件について、生活保護受給者でなくても管財予納金を用意できない依頼者の方が
何人もいます。そして管財予納金を用意できないため破産申立をできない。あるいは待
たなくてはならない方が何人もいます。今後、生活保護受給者であるか否かという基準
とは別の基準が設けられるか、生活保護を受けていなくても生活保護水準以下であるこ
とを証明すれば管財予納金の追加支出が受けられるというような救済策は講じられてい
るのでしょうか?
⇒
平成22年4月1日付業務方法書改正により、生活保護受給者の自己破産事件の
予納金について立替えることが可能となりましたが、生活保護受給者ではないが、
生活保護水準あるいはそれ以下の方(「準生活保護要件該当者」)については、現在
も、予納金の立替えは認められておりません。
当地方事務所としては、準生活保護要件該当者についても、予納金の立替が認め
られるよう、今後も働きかけて行きたいと考えております。
【仮差押えに係る保証金について】
・ 破産管財人が仮差押に係る保証金(担保金)を立替ていただくことはできますか。
⇒
破産管財人に対する代理援助は予定されておりません。
【扶助電話について】
・ 法テラスへの電話がなかなかつながらないので専用回線を設けてもらえないだろうか?
⇒
扶助専用の電話番号(050-3383-5556)は、今年度専用回線を増設
して対応しております。恐れ入りますが、つながらない場合は代表電話(050-
3383-5555)へお願いいたします。
【破産申立時期について】
・ 相談を受けてから破産申立まで時間のかかる事件では、援助申請と破産申立を同時にす
る方が、用意した資料(給与明細や通帳)が古くなることもないし、着手報告書もスム
ーズに出せると思うのですが、それは可能でしょうか。
「援助決定→破産申立」の順序を
守らなければならないのでしょうか。
⇒
法テラスでは、破産決定前であれば、援助対象事件として援助開始決定をしてお
りますので、援助申請と破産申立を同時にしても支障はありません。
ただし、破産等の処理方針を決定したならば、できるだけ時間をおかず、速やか
に、援助申請をしていただきたいと思います。
11
【書式データについて】
・ 今回改訂された書式のデータはどこかで配布されていますか?できれば申込みさせて頂
く際に、使用させて頂ければ作業の効率化を図れると思うので配布を希望しております。
⇒
札幌弁護士会HPの会員専用ページからダウンロードすることができます。
12