Q19(自己破産) 質問:本人は、精神障害者(2級)で、作業所に通所していますが、消費者金融 などから約200万円の借金があり、毎月年金の半分を返済にあてている状 態です。生活がかなり苦しいため、自己破産を申請したいと思いますが、ど のような手続が必要でしょうか。また、手続を弁護士に依頼する費用がない 場合、何か方法はありますか。 自己破産した場合のメリット、デメリットについても教えて下さい。 回答:自己破産の申立をする場合、債権者一覧表、財産目録、借金が増えた経緯 についての陳述書などを準備し、居住地の地方裁判所に申立をします。申立 をする際、申立費用として収入印紙(1,500円分)と郵券(債権者数分 の官製はがき等)及び予納金(名古屋地方裁判所の「同時廃止事件(後述)」 の場合、10,290円)を納める必要があります。 破産手続開始決定を受けると、一定の職業(会社の取締役、保険外交員、 警備員など)に就任することができなくなりますが、免責決定を受ければこ の制限も解かれます。資産がなく破産管財人も選任されない「同時廃止事件」 の場合、すぐに破産手続が終結して、免責決定(浪費等の一定の不許可事由 のない場合)が受けられます。 破産手続開始決定を受けたことは、官報に掲載されますが、戸籍・住民票 には記載されませんし、選挙権・被選挙権にも影響ありません。 ただ、いわゆる金融機関の信用情報に登録されますので、一定期間はカー ドなどを使って新たな借入ができなくなることは言うまでもありません。 なお、本件の場合、精神障害者で判断能力が十分でないということであれ ば、家庭裁判所で保佐決定もしくは補助決定を受けてから、自己破産の申立 をすることも検討する必要があるでしょう。 ところで、これらの手続を全てご自分でできそうもないときは、弁護士に 依頼することになりますが、一定の弁護士費用が必要です。弁護士費用が用 意できない場合には、日本司法支援センター(愛知事務所:電話050−3 383−5461、三河事務所:電話050−3383−5465)で弁護 士費用を立て替えてくれる民事法律扶助制度があります。 この制度を利用するには、まず、同センターに法律相談援助の申込をし、 資力が一定基準以下であることを条件に無料で法律相談を受けられます。相 談の結果、具体的に弁護士に依頼する必要があって、審査をパスすれば弁護 士費用の立て替え援助を受けることができます。その審査では①資力が乏し いこと、②勝訴の見込みがないとはいえないこと、③民事法律扶助の趣旨に 19 適することが援助要件とされています。立替金については、同センターに原 則として月額1万円づつ分割で返済していけばよいことになっています。詳 しくは、同センターにご確認下さい。 相談者:社会福祉協議会 20
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