l OSU O.H. Hinsdale Wave Research Laboratory ユーザ事例紹介 波の再現 MTSは大規模なシミュレーションを通じて、津波対策の強化に努める 波動力学研究者をサポートしています。 お客様の課題 世界中で海岸沿いの居留区が増加するにつれ、人命や生活を守るために波動力 学をさらに深く理解することが急務となっています。海上での大地震に続いて起こ る津波は、ハリケーンに付随して起こる高潮と同じように、計り知れない破壊力を 持っています。問題はそれが本当に起こるのかどうかではなく、いつ起こるかなの です。 それ故に、備えが人間にとって最大の防御となりますが、 これは波や浸食に よる海岸構造の開発と、 より優れた避難計画により可能となります。 「NEES TRFでの変化において、MTSのテ クノロジーおよび担当者は本当に貴重な 役割を果たしてくれました。 」 オレゴン州立大学 工学部 海洋および構造工学 教授 O.H. Hinsdale Wave Research Laboratory ディレクター代理およびNEES 主席調査官 Solomon Yim 博士 オレゴン州立大学工学部O.H. Hinsdale Wave Research Laboratory (HWRL) にお ける、George E. Brown, Jr.の地震工学シミュレーション津波研究施設ネットワー ク (NEES TRF) のミッションはこの目的を達成することです。 これは、海岸および海 洋工学、沿岸付近の科学的調査や革新のために設けられた世界最大且つ最も高 度な施設の一つです。HWRLは1971年に波のシミュレーション技術を開発し、 そ れ以来、国際的な研究団体をサポートしてきました。NEES TRFの研究は、人がどこ に住み、 どのように沿岸生態系を維持し、 またどのようにエネルギーを生み出す かなど、人と海の関わり方に影響を及ぼしています。 一般的な流体力学研究、特にNEES TRFにとって設備のスケールは、今なお続く課 題と言えます。波動力学および海岸浸食の研究の多くは、小型モデルから正確に 拡大することが難しいため、研究者の間では常に大規模な施設で、可能な限り実 寸大に近い試験を実施したいという要望がありました。 スケールを拡大すると、試 験をサポートする高度な施設や技術、能力の拡大やコストなどの問題が発生しま す。 「大規模な試験施設がなかったため、 この分野においては津波や高潮に共通し た長期波動を発生させるような試験が欠如していました」 と、OSUの海洋および 構造工学部教授であり、HWRLのディレクター代理およびNEES主席調査官である Yim Solomon博士は述べています。 「より有効な試験モードを利用できるように 拡張し続けることが、私たちのゴールであり、 そして課題でもあったのです。 」 MT S ソリューション MTSとHWRL/NEES TRFは過去40年間にわたり、いくつかの施設の拡大に取り組 んできました。Yim博士によると、MTSは設備計画からハードウェアおよびソフトウ ェアの仕様、 システム統合、継続的なメンテナンスまで、各施設の拡大において重 要な役割を果たしてきたと言います。 be certain. ユーザ事例紹介 「MTSは制御室に必要なアルゴリズム や配線、制御および作動スキーム設定ま で、 まさにその中核業務を担っていまし た」 とYim博士は語っています。 「MTSは 特に、津波の調査においては重要要件で ある大型波用水路による長期波動の能 力を備えるうえで、優れたサポートを提 供してくれました。 」 現在、2つの大規模な最先端試験システ ムはNEES TRFでのアクティビティをサポ ートしています。1つは大型波用水路で、 浅水暴風条件、津波、長期波動、長期的 な海岸浸食の正確なシミュレーションを 可能にします。 もう1つの津波用水槽は 高度な津波シミュレーションをサポート し、研究者は複雑な3次元の特性をさら に理解できるようになります。NEES TRF は海岸および海洋エンジニアリング研究 における世界最大かつ技術的にも最新 式のラボの1つであり、年間何千もの訪 問者が足を運んでいます。 大型波用水路は長さ104メートル (342フ ィート)、幅3.7メートル（12フィート） 、深 さ5メートル（15フィート） で、1972年に MTSおよびHWRLにより共同で開発され ました。2009年には高度なピストンタイ プの油圧アクチュエータ アッセンブリが 取り付けられ、1972年にMTSが作ったオ リジナルのヒンジ型造波装置に取って 代わっています。新しいアクチュエータ アッセンブリは最大で毎秒4メートル（13 フィート）のストロークおよび速度を生み 出します。 北米最大の大型波用水路 「ここでは海の中の数マイル先の状況 現在の津波用水槽は長さ48.8メートル のシミュレーションから、海岸線、内陸 (160フィート)、高さ26.5メートル (87フィ の状況のシミュレーションまで、幅広い ート)、深さ2.1メートル (7フィート)で、30 」 と 台のMTS油圧アクチュエータと29基のパ 関連調査を行うこともできるのです。 Yim博士は語ります。 「NEES TRFでの変 ドルを搭載し、最大ストロークおよび速 化において、MTSのテクノロジーおよび 度で毎秒2メートル（6.6フィート） を実現 担当者は本当に貴重な役割を果たして します。 くれました。MTSからはNEESを通じて定 Yim博士はそれぞれの拡張においては 期的なメンテナンスをしていただいて 資金調達が最終的な決定要素であった います。 これは我々の試験システムや稼 と言います。 「我々が提案書を書いた時、 働時間をピークに保つことで、 コストを 拡張により海外の研究者をサポートし、 有効管理できるようにしてくれているの 最終的には国民の利益につながるとい です。 」 うことを論証するためには、MTSの技術 Yim博士は将来的に、NEES TRFのさらな 的な見識や設備計画の専門知識がより る拡張を考えています。特に沿岸地域の どころでした。 」 と博士は言います。 「私た 津波の影響を理解するための継続的な ちの徹底した提案事項がこれまでの財 調査の必要性を感じています。 務面でのサポートにつながったのだと 思います。 それは立て続けに2つの大型 NSF機器および設備への助成金を含み ますが、 これは滅多にないことです。 」 お客様のメリット l エムティエスジャパン株式会社 〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル 8階 Tel: 03-6658-0903 Fax: 03-6658-0906 E-mail: [email protected] Internet: www.mts.com/japan ISO 9001 Certified QMS ©2011 MTS Systems Corporation 100-255-027 OUSmakingWaves Printed in U.S.A. 5/11 NEES TRFが試験施設の規模や精巧さを 改善し続けることで、世界中のエンジニ アは前例のない波動力学への洞察や、 海洋イベントが人間に及ぼす潜在的な 影響を検証できるようになり、 またこれ はより耐久性の高い構造物やより効果 的な避難計画を策定するうえでも役立 ちます。 「波動力学は沿岸に近づくほど非線形 になり、 スケール モデルの効果を下げる ことになるため、我々の試験システムを さらに大規模にする必要があると思って います。 」 と博士は言います。 「その時が 来たらMTSに提案書作成のサポートを 求め、更なる拡大につなげたいと思い ます。 」 MTS は米国 MTS Systems Corporation の登録商標で す。この商標は他の国でも保護されている場合がありま す。 RTM No. 211177.
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