ガイオ倶楽部 2003/04号

製品 GUI バーチャルモデルの
賢い利用方法とは
のみでなく、「
操作性」
、「
GUI
表示デザ
イン」などを含めて、総合的にHMI
を担
当させ、 技術サイドの仕事から切り離す
ケースが多くなっているようです。
デザイン部署も競争の時代
組み込み機器の GUI
最近の組み込み機器では、 LCD パネ
ルへの文字表示、ビットマップ表示など、
当たり前になってきました。 組み込み機
器の操作性を考える上では、この表示デ
バイスを有効に利用して、ユーザーが使
いやすい機器を提供することが必須となっ
ています。
一昔前の組み込み機器の4ビット、 8
ビットマイコンは、 周辺にぶら下がった
ハードウエアをコントロールするする事が
主な目的で、 簡単なLED のみを表示物
として搭載しているものがほとんどでした。
現在では、ネットワーク接続機能など、機
能そのものをソフトウエアで実装するケー
スが多くなり、 組み込み機器の機能その
ものが巨大化しています。
複雑な機能を分かり易くするためには、
製品に実装してきたと思います。
今では携帯電話を筆頭に、 あらゆる機
器に、「
アイコン」なるビッマップが採用さ
れるようになっています。 この表示物は
「
絵」ですから、もはやエンジニアがシコ
シコ作成するようなものではなく、工業デ
ザイナー側のデザインスキルを必要として
います。
このビットマップの作成については、
「
お絵かき屋」
であるデザイナーの仕事で
あることははっきりしているのですが、 そ
の機器の操作性、HMI(
ヒューマン・マ
シン ・インタフェース)の部分について
は、技術サイドなのかデザイナーサイドな
のかはっきりしません。というより、両者に
またがる内容を含んでいます。
エンジニアはその機器のハードウエア仕
様を良く知っていますから、 その操作に
大手メーカーでは、 従来から、 そのほ
とんどに 「
デザインセンター」なる部署が
存在し、社内製品のデザインを一手に手
がける体制をもっています。 しかしなが
ら、 最近ではここでも分社化の流れが進
み、一般のデザイン会社と同じ立場に立
たされるケースもでてきました。要は、社
内の仕事は必ずデザイン部に回ってくると
は限らず、 特に競争の激しい携帯電話
の分野では、デザイン専門の会社がその
意匠デザイン、HMI設計を行う例も多くあ
ります。
デザイナーは、社内の重要な製品のデ
ザインを手がけるためには、 同じカンパ
ニーであるメリットを生かして、 一般のデ
ザイン会社にはできない内容を打ち出し
ていかなければ、外部のデザイン会社に
勝てないと言うわけです。
GUI の実装が不可欠となっています。
ついての設計も出来ると思われがちです。
操作性については、エンジニアも 「
一般
動きを伴うデザイン ・使いやすさ
GUI の設計は技術の仕事?
のユーザーに優しい」とか 「
使いやすい」
とかを考えて設計しているのでしょうけれ
ど、そのシステムに慣れてしまっているエ
ンジニアが設計した場合の多くは、 一般
表示デバイスへのグラフィカルな表現
GUI をもつ機器の開発で、最初に問題
となるのが誰がこの仕様を作成するかで
す。5年ほど前、LED だけだった製品か
らLCDによる文字表示に発展した段階で
は、製品の表示物の設計はほとんどが技
術サイドで行われていたようです。 表示
物、文字と言っても、「
Play」とか 「
Stop」
とか、「
使用中」
、「
○○を押して下さい」
ユーザの考える使いやすさとは、確実な
ギャップを生じさせるようです。
このような問題を克服するために、最近
の会社の開発体制では、 「
デザイナー」
の役割の中に、 従来の 「
意匠デザイン」
プログラミング
とか簡単なメッセージですから、問題なく
どちらが担当する?
一昔前までは簡単だった文字表示
組み込み 製品の
総合的なGUI仕 様
は、特に買い換え需要に集中している携
帯電話では、 ユーザーの満足度を上げ
言の整備を、 通常の短い開発期間のな
かで実現していかなければなりません。
ボタン
アサイン
使いやすさ
ダイナミックなものに変化しています。
また、 「使いやすさ」についての考慮
てリピート購入をねらうことが必須事項と
なっており、 分かり易いグラフィック、 文
アイコン
デザイン
操作仕様
エンジニア
は、 アイコンの様なスタティックな表現か
ら、 アニメーションを多用した動きのある
デザイナ
ワープロでの GUI 仕様の作成
の問題点
一昔前の、 機能が簡単であったころの
GUI開発は、ソフトウエア仕様作成と一緒
に扱われており、 エンジニアが書く内部
動作を含めた仕様書に含められて、GUI
表示内容が記載されていました。
最近の組み込み機器はアイコンが多用されている
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GAIO CLUB
HMI仕様を設計 する専門の 部隊
その歴史から、 機能が比べものになら
ないほど複雑になった今でも、 ほとんど
がワープロによる手書き書類で作成されて
います。
ワープロでの製品仕様作成は、デザイ
ナーから届けられたGUI デザイン画を前
に、 仕様作成者が頭の中で動きを組み
立てながら、順次ワープロで書き起こして
行く作業です。
頭の中で動きを想像しながら、 操作の
流れを組み立てている分けですから、 よ
ほどの天才でない限りは、必ず間違いや
仕様の書き忘れなどを起こしてしまいま
そっくりのモデルを作成し、 仕様検討に
役立てています。実際の製品イメージ通
アにとっては、 動くモデルだけ渡されて
も、 全体の仕様構成の把握に時間がか
りのモデルで、 その操作を体験できるた
め、 仕様自体の問題点が具合的な形で
かり、 このシミュレーションモデルは歓迎
されないかも知れません。
発見できます。
また、 製品の使いやすさに関しては、
紙に書かれた仕様情報をいくら睨んで見
ても、 その操作性を体験できなければ、
その評価は絶対にできません。 このよう
に、動くシミュレーションモデルを体験す
ることは、 複雑な動きをする製品の仕様
検討には、 非常に有効です。
シミュレーションと仕様書をセットで
考える
一部の組み込み製品仕様作成用ツール
には、シミュレーションモデルの作成から
その仕様書、 果ては GUI 情報のソース
コード出力が可能なものまであります。
す。
また、全体の操作の整合性の確認や、
肝心の仕様情報は ..
ガイオの 「
プロトビルダー」もその一つ
で、作成したバーチャルな製品モデルの
間違いの確認は、仕様情報が大きくなれ
ばなるほど、 工数が膨れ上がってきま
しかしながら、WEB 系のツールは、時
状態遷移情報から、状態遷移図、チャー
ト、リストなど様々な形式の仕様書を作成
間軸に沿ったアニメーションを作るツール
であり、組み込み機器の状態遷移の考え
できるようになっています。
このように、シミュレーションで実際の動
方とは異なっています。そのため、成果
物として得られるものが、PC で動くシミュ
きを体験しながら仕様情報の検討を重
ね、できあがったモデルから、設計に必
レーションモデルだけであり、 これでは、
せっかく工数をかけて作っても、 仕様情
要な仕様情報を出力すると言う一連の機
能が、 ますます複雑化する組み込み製
報を伝えるには、 このモデルを使って見
る以外に方法がありません。
品のHMI 開発には不可欠となって行くで
しょう。
す。
つまりは、人間が管理しながらワープロ
で間違いのない完全な仕様書を作りあげ
ることは、 物理的にも不可能となってお
り、 より効率的で確実な手法が必要と
なっています。
試作前に 「バーチャルモデル」で
仕様検討 ・確認
仕様情報を渡される側のソフトエンジニ
GUI の動きや、 その操作性を確かめる
ためには、実際に動く「
モノ」が必要で
す。現状の多くは、ソフトエンジニアが仕
様通りにプログラムするのを待って、製品
サンプルができあがった後に、 作った仕
様を確認 ・修正してゆくという方法が採ら
れています。これでは、仕様に間違いが
あった場合や仕様変更を行いたい場合な
ワープロによる
仕様書作成
×
もはや限界
WEB系
オーサリングツール
・実際のイメージので
仕様の確認が可能
・操作性の評価も可能
・モデル作成が難しい
・
動くモデル以外に仕様を
把握する手段がない
・
仕様書は別途作成
組み込み開 発用
製品仕様 作成ツール
・実際のイメージので
仕様の確認が可能
・操作性の評価も可能
・
動作モデルから
必要に応じた仕様
情報を出力
・
仕様書を自動作成
どには、 時間がかかるばかりか、 大きな
コストを強いることになります。
そこで、 実際の製品を作る代わりに、
PC の画面で動作するバーチャルな製品
・仕様情報に抜け、漏れ、
間違いが入ってしまう
・動作の検証もできない
・膨大な工数がかかる
×
◎
「プロトビルダー」は 自信を持って提案できる仕様作成ツールです
を作って検討しようと誰もが考えるはずで
す。
バーチャルモデルを作るツール
特に組み込み製品開発の分野では、
GUI 仕様作成に特化したツールは数える
程しかありません。進んだデザイナーは、
ガイオ ・テクノロジー
流行のWEB 系のアニメーションツールや
オーサリングツールを駆使して、 製品
嶋田 卓尚
営業部
組み込み製品では、ここ2年の間に、例えばデジカメやプロジェクター
など、GUI の要素を持った製品が多く立ち上がってきています。お客様
との面談では、 この GUI 部分の仕様をどのように決めたらよいかにお悩
みの方が増えてきています。
弊社の仕様作成ツール 「
プロトビルダー」はリリースされて3年が経ち
ました。実際にお使い頂いているユーザー様からのご要望を取り入れさ
せていただいており、バージョンは4.0となっています。実際の運用で効
果を上げるために必要な機能は揃っていると思っております。
日本国内のほとんどのメーカー様に既に導入されており、十分な実績
もございます。 自信を持って提案できる仕様作成ツールです。
ご検討の際にはお気軽にご相談下さい。
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