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平成28年度
水 稲 生 育 診 断 情 報 No.2
(平成 28 年 6 月 23 日)
(情 報 作 成 )滋 賀 県 農 業 技 術 振 興 センター
(次回は 7/8 頃の予定)
近江八幡市安土町大中 516 (TEL:0748-46-4391)
現在の生育状況
◎生育は全般に旺盛で、平年よりやや早い。
◎「コシヒカリ」では、5月 10 日移植の幼穂形成期は、 7月2日頃 と
予測される。
管理のポイント
◎穂肥の施用にあたっては、必ず幼穂を確認して、適期に適量
を施用する。
◎茎数過多となっているほ場では、倒伏や玄米品質の低下が心
配されるので、生育に応じて、穂肥時期・量を調整する。
◎出穂期前後各3週間は常時湛水を行う。ただし、水管理はこ
まめに、無駄な入水がないよう留意する。
☆ =「み ず か が み 」栽 培 だ よ り = (P5 ~ 6 ) も ご 覧 く だ さ い 。
1 気 象 の経 過 と予 報
( 1 ) 気 象 の 経 過 ( 近 江 八 幡 市 安 土 町 大 中 で の 観 測 、 平 年 は 過 去 10 年 間 の 平 均 )
要素
最高気温
最低気温
日照時間
降水量
上旬
やや低い
平年並
平年並
平年並
中旬
やや高い
高い
少ない
やや多い
期間
6月
※近畿地方の梅雨入りは6月4日頃であった(平年より3日早い)。
(2)地温、土壌窒素の推移
■日 平 均 地 温 は 、 5 月 中 旬 か ら 下 旬 は 平 年 よ り 高 い 日 が 多 か っ た 。 6 月 に 入
り 平 年 よ り 低 い 日 も あ っ た が 、 概 ね 平 年 よ り 高 か っ た 。 5 月 17 日 か ら 6 月
20 日 ま で の 積 算 地 温 は 平 年 よ り 31.3℃ 高 か っ た 。
■ 土 壌 中 ア ン モ ニ ア 態 窒 素 量 は 、 窒 素 施 肥 区 で は 1.74mgN/100g と 平 年 並 の 範
囲 で あ り 、 無 窒 素 区 で は 0.53mgN/100g と 平 年 値 を 下 回 っ た 。
( 3 ) 近 畿 地 方 1 か 月 予 報 【大阪管区気象台6月 23 日発表 ( http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/106_00.html)】
■平年に比べ曇りや雨の日が多い。
■ 向 こ う 1 か 月 の 平 均 気 温 は 、 平 年 並 ま た は 高 い 確 率 と も に 40% 。
■ 日 照 時 間 は 、 平 年 並 ま た は 少 な い 確 率 と も に 40% 。
■ 降 水 量 は 、 平 年 並 ま た は 多 い 確 率 と も に 40% 。
2 生育状況
【農業技術振興センター 水稲作況調査(6月 20 日時点)による。表1および後掲グラフ参照。】
■ 草 丈 は 、 「コ シ ヒ カ リ 」、 「 秋 の 詩 」 と も に 平 年 よ り 約 1 割 長 か っ た 。
- 1 -
■茎数は、両品種ともに平年並であった。
■ 葉 数 は 、 「 コ シ ヒ カ リ 」 が 0.8 枚 、 「 秋 の 詩 」 が 0.5 枚 平 年 よ り 多 か っ た 。
6月 20 日時点の「コシヒカリ」
茎数 697 本/㎡(31.4 本/株)
表1
平 成 28 年 (2016 年 )
6月 20 日時点の「秋の詩」
茎数 625 本/㎡(28.2 本/株)
水稲作況調査
生育調査結果
滋賀県農業技術振興センター(近江八幡市安土町大中)
基準日
月/日
5/31
品種名
比
前年 本年 平年
比
葉 色(SPAD 値)
前年 本年 平年
比
主稈葉数(枚)
前年 本年 平年 較差 前年
24.1
106
26.1
290
193
150
331
-
-
-
-
6.0
5.3
0.7
5.8
20.2
21.2
95
20.6
271
172
157
282
-
-
-
-
5.8
5.1
0.7
5.5
コシヒカリ 33.4
29.8
112
31.8
481
415
116
547
41.8 39.9 105 40.6
8.0
7.3
0.7
7.3
28.4 25.0
114
25.1
478
382
125
472
43.3 41.3 105 42.5
7.6
7.0
0.6
6.8
44.2
110
43.7
697
691
101
788
43.6 41.8 104 42.6
9.7
8.9
0.8
8.9
39.8 36.4
109
33.7
625
613
102
684
41.9 43.4
9.1
8.6
0.5
8.3
秋の詩
6/20
本年 平年
茎 数(本/㎡)
コシヒカリ 25.6
秋の詩
6/10
草 丈(cm)
コシヒカリ 48.5
秋の詩
97
43.5
移植日:5月 10 日(播種日:4月 20 日)、栽植密度:22.2 株/㎡、植付本数:4本/株
基肥 :N 成分 3kg/10a、追 肥:N 成 分2 kg/10a(「コ シ ヒカ リ」 6月 10 日 、「 秋 の詩 」6月 20 日施 用)
3 今 後 の管 理
(1)生育に応じた穂肥の施用
■幼穂形成期の生育に応じて、穂肥の施用時期および施用量を調整する。登熟期におけ
る栄養不足を回避するため、適期に必要量を確実に施用することが重要である。
■本年は、早植えのほ場を中心に茎数過多となっているところが多く見られるので、
「コシヒカリ」や「秋の詩」等では、倒伏や玄米品質が低下しないよう、特に留意が
必要である。
■ 「 コ シ ヒ カ リ 」 の 場 合 、 幼 穂 形 成 期 7 日 後 (出 穂 18 日 前 = 幼 穂 長 10mm)と 14 日 後 (出
穂 11 日 前 )の 分 施 体 系 を 基 本 と し 、 幼 穂 形 成 期 の 生 育 が 標 準 量 で あ れ ば 、 1 回 目 と 2
回 目 の 施 用 量 は 均 等 分 施 ( 2 kgN/10a×2 回 、 「 2 - 2 体 系 」 ) と す る 。
■ただし、幼穂形成期の生育が標準量を超えた場合、籾数過多による品質低下が心配さ
れ る た め 、 2 回 目 の 穂 肥 施 用 に 重 点 を 置 き 、 1 回 目 に 1 kgN、 2 回 目 に 3 kgN の 分 施
体系(「1-3体系」)とする(表2)。
■「秋の詩」については、倒伏が心配される(葉色が濃く、株張りが大きい)ところで
は 、 穂 肥 の 施 用 を 幼 穂 形 成 期 か ら 1 週 間 遅 ら せ 、 出 穂 18 日 前 と 11 日 前 の 2 回 に 分 施
す る (表 3 )。
- 2 -
出穂期の
予測日
5/10 移 植 の場 合 、出 穂 期
は 7/27 と予 測 される
幼穂形成期
(幼 穂 長 1mm)
の予 測 日
5/10 移 植 の場 合 、幼 穂 形
成 期 は 7/2 と予 測 される
図1
「 コ シ ヒ カ リ 」 の 幼 穂 形 成 期 ( 幼 穂 長 1mm) お よ び 出 穂 期 の 予 測 日
( 近 江 八 幡 市 安 土 町 大 中 、 6/21 時 点 )
【グラフの見方】
( 例 ) 5/10 移 植 の 場 合 、 幼 穂 形 成 期 は 7/2、 出 穂 期 は 7/27 と 予 測 さ れ る (点 線 矢 印 参 照 )。
※農業技術振興センター作況調査における「コシヒカリ」の幼穂形成期の平均値(過去 10 年間)は 7/6。
(注)○6/21 までの生育状況に基づく予測で、今後の気象によって前後する。特に、移植日が遅い場合は
誤差が大きい。
○近江八幡市安土町より気温が高い地域はこれよりも早くなり、低い地域はこれよりも遅くなる。
表2
「コシヒカリ」の穂肥施用基準
表3
「 秋 の 詩 」 の 穂 肥 施 用 基 準 ( 窒 素 成 分 /10a)
施肥方法
標
準
倒伏軽減
出穂25日前
出穂18日前
2 kg
2 kg
2 kg
- 3 -
出穂11日前
2 kg
(2)適正な水管理
《出穂前後各3週間の常時湛水》
■出穂期前後は、水稲の一生の中で最も多くの水を必要とする時期であり、水が不足す
ると稲が十分に光合成できず、白未熟粒の発生や籾の充実不足が助長されるため、出
穂前後各3週間は常時湛水管理を行う。
■湛水管理はカドミウムの吸収を抑制させることができる。
※用水利用にあたって、掛け流しや深水管理等、必要以上の取水にならない
よう、こまめな水管理を徹底する。
☆ 環 境 保 全 型 農 業 直 接 支 払 交 付 金 制 度 で 「長 期 中 干 し 」技 術 を 選 択 さ れ る 場 合 は 、
溝 切 り が 必 須 な の で 、 原 則 10aに 1 本 以 上 の 溝 切 り を 行 う 。
(3)病害虫防除
6 月 21 日 発 表 の 「 病 害 虫 発 生 予 報 第 5 号 」 (http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/yoho/
yoho28/yoho03.html)
を参照
予報第5号より抜粋
葉いもち(発生時期:平年並、発生量:平年並)
①余剰苗周辺から発生しやすいので、余剰苗を早急に処分するとともにほ場を
よく見回り、発病に注意する。
②育苗箱施薬または移植時に側条施肥田植機による薬剤を施用した場合、
葉いもち防除の必要性は低い。
③多肥田や晩植田、「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」、「秋の詩」、「滋賀羽
二重糯」では特に発生しやすいので注意する。
④ほ場をよく見回り、発生を認めたら薬剤を散布する。なお、例年いもち病の
発生が多いほ場では、発病前に粒剤を散布する。
⑤耐性菌を生じやすいので、穂いもちの防除も考慮して同一グループ薬剤の連
用を避ける。
紋枯病(発生時期:やや早、発生量:やや多)
①前年発生の多かったほ場では特に注意する。
②防除の目安は、極早生・早生品種では発病を認めた場合、中生・晩生品種で
は 出 穂 20 日 前 の 発 病 株 率 が 15~ 20% 以 上 。
③生育の旺盛なほ場で発生が多いので注意する。
④病勢進展初期(幼穂形成期~穂ばらみ期)に株元までよくかかるように薬剤
を散布する。
- 4 -
◎「みずかがみ」では、穂肥施用時期となっている。
◎幼穂形成期を迎えたほ場では、速やかに穂肥を施用する。
<4月下旬~5月上旬移植の場合>
幼 穂 形 成 期 は 6 月 27 日 前 後 の 見 込 み 。
<5月中旬移植の場合>
幼穂形成期は6月末~7月初旬の見込み。
◎玄米タンパク質含量を上げないため、以下に注意して施用する。
☆今後の「みずかがみ」の栽培管理対策
<穂肥>
■ 穂 肥 の 施 用 時 期 は 、 幼 穂 長 が 1mm に な る 幼 穂 形 成 期 が 適 期 。
■ ほ 場 に よ っ て 生 育 の 進 み 方 が 異 な る た め 、 必 ず 幼 穂 長 1mm を 確 認 し て か ら 施 用 す る 。
■ 施 用 量 の 基 準 は 、 窒 素 成 分 で 3 kg/10a。
■ 大 豆 跡 ほ 場 で は 、 水 稲 跡 基 準 の 半 量 以 下 ( 窒 素 成 分 で 1.5 ㎏ /10a 以 下 ) と す る 。
■ 全量基肥タイプの肥料を施用した場合、穂肥の施用は不要。
<水管理>
■ 品質・食味向上のために、出穂前後各3週間は常時湛水管理を行う。
<カメムシ類対策>
■ カメムシ類による着色粒を防止するため、出穂2~3週間前と出穂期の2回連続け
い 畔 草 刈 り を 実 施 す る (「 み ず か が み 」 は 他 の 品 種 よ り 出 穂 期 が 早 い た め 、 草 刈 り 時
期 が 遅 れ な い よ う 注 意 )。
「みずかがみ」の生育調査結果(近江八幡市安土町大中)
平成28年(6/21調査)
【参考】平成27年(6/19調査)
移植日
茎数
茎数
草丈
葉色
草丈
葉色
5月2日
5月16日
(㎝) (本/㎡) (本/株) (SPAD)
57.8
559
30.1
45.4
49.2
490
26.8
44.3
(㎝) (本/㎡) (本/株) (SPAD)
47.5
536
29.5
40.8
42.7
511
28.1
44.7
1)栽植密度:18.2株/㎡(60株/坪)、施肥量:全量基肥7㎏N/10a。
2)平成27年は、移植日:5月1日・5月15日、栽植密度:18.2株/㎡(60株/坪)、施肥量:基肥4kgN/10a+穂肥3kgN/10a。
「みずかがみ」の幼穂形成期予想と過去のデータ(近江八幡市安土町大中)
【参考】 過去の幼穂形成期
幼穂形成期予想
移植日
平成28年
平成25年
平成26年
平成27年
5月2日
6月27日
6月27日
6月27日
6月24日
5月16日
7月4日
7月3日
6月30日
7月4日
1)幼穂形成期は、葉齢進展と過去の試験結果により予測。
2)移植日:平成25年は5月2日・15日、平成26年は5月2日・14日、平成27年は5月1日・15日。
- 5 -
「みずかがみ」の穂肥時期、草刈り時期の目安
近江八幡市安土町大中における推定値(6月14日時点)
6月
7月
移植時期 22 23 24 25 26 27 28 29 30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日
穂肥
5月上旬
穂肥
5月中旬
草刈り2回目
(出穂期頃)
草刈り1回目
草刈り1回目
草刈り2回目
(出穂期頃)
※時期はあくまで目安です。
○ 「 み ず か が み 」 の 生 育 状 況 ( 6 月 21 日 時 点 )
5月2日移植
茎 数 : 559 本 /㎡ ( 30.1 本 /株 )
5 月 16 日 移 植
茎 数 : 490 本 /㎡ ( 26.8 本 /株 )
【参考サイト】
農業技術振興センター
http://www.pref.shiga.lg.jp/g/nogyo/
病害虫防除所
http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/
彦根地方気象台
http://www.jma-net.go.jp/hikone/
異常天候早期警戒情報
http://www.jma.go.jp/jp/soukei/
- 6 -
平成28年(2016年) 水稲作期間半旬別気象図(近江八幡市安土町大中)
(℃)
【気温の推移(最高気温、最低気温)】
本年
平年
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
(hr)
【日照時間の推移】
本年:棒線
平年:折線
50
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
(mm)
【降水量の推移】
本年:棒線
平年:折線
160
140
120
100
80
60
40
20
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
注)平年は平成18~27年の平均値.
5月,7月,8月,10月の第6半旬の降水量および日照時間は6日間の合計値.
- 7 -
平成28年(2016年) 水稲作況調査 生育調査結果
農業技術振興センター(近江八幡市安土町大中)
移 植:5月10日 (播種:4月20日)
栽植密度:22.2株/㎡、植付本数:4本/株
注)平年値のエラーバーは標準偏差。 生育調査の平年は平成18~27年(10年間)の平均値。
「コシヒカリ」
150
草丈
葉色
90
60
本年
30
葉色(SPAD値)
草丈(cm)
120
50
平年
40
35
30
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
5/31
7/30
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
15
1,000
茎数
12
葉数(枚)
茎数(本/㎡)
本年
平年
0
800
45
600
400
本年
200
葉数
9
6
本年
3
平年
平年
0
0
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
5/31
7/30
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
「秋の詩」
50
150
葉色
葉色(SPAD値)
草丈(cm)
120
草丈
90
60
本年
30
平年
40
35
30
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
5/31
8/10
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
8/10
15
1,000
茎数
12
葉数(枚)
茎数(本/㎡)
本年
平年
0
800
45
600
400
本年
200
葉数
9
6
本年
3
平年
平年
0
0
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
5/31
8/10
- 8 -
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
8/10