外国書講読Ⅰ 和 知 賢太郎

外国書講読Ⅰ
和 知 賢太郎
―英国憲法改革の行方(1)―
1 年
2 単
位
水曜日 1時限
前 期
授業のねらい
本講義では、英国の憲法改革を主要テーマに取り挙げ、関連する英語文献の講読を行う。憲法改革の中でも、
英国の上院改革は2
0世紀を通じての主要テーマでもあった。戦後、1
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4
9年に行われた1
9
1
1年の議会法(Parliament
Act)の改正、1
9
5
8年の一代貴族の導入、1
9
6
8年の包括的な上院改革の失敗などの流れが挙げられる。しかし、近
時、その上院改革を求める流れは加速しており、1
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9
6年、労働党政権は民主制、代表制という観点から、改めて上
院改革を打ち出した。1
9
9
9年1月、政府は上院改革案を議会に提出し、1
1月に両院を通過し、世襲議員が自動的に
議席を世襲し、投票権をもつという仕組みを改め、過度期の上院に残る9
2名の議員を除く世襲議員が上院を去るこ
とになった。さらに、2
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0
0年1月にはウェーカム(Wakeham)卿を議長とした王立委員会によって、
「A House for
the Future」と題する報告書が議会に提出された。同報告書は将来を見据えた上院機構に関する提案を行ったが、
これを受けて、同年1
1月、政府は「The House of Lords-Completing the Reform」と題する白書を発表し、リポー
トの大部分の提案を支持した。さらに2
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7年には白書「The House of Lords : Reform」、同年、緑書「The Governance of Britain」を公表し、また、20
0
9年1
0月には、2
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5年の憲法改革法(Constitutional Reform Act)に基づい
て、貴族院上訴委員会が有していた終審裁判所としての権限が、新たに設置された連合王国最高裁判所(Supreme
Court of the United Kingdom)に移管された。
本講義では、上院改革を始めとした広範な憲法改革の中から、英国憲法の法典化の議論をテーマに選ぶことにし
た。2
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1
0年に下院の政治・憲法改革委員会は「Mapping the path to codifying - or not codifying - the UK's Constitution」という調査を開始し、2
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1
2年、それに対するロンドン大学キングズ・カレッジの政治・憲法研究センターの
報告書が公表されており、英国憲法改革の動向を引き続き探る。
授業方法
下記の文献を中心にして講読し、必要に応じてコマンド・ペーパー等に触れることとする。ネット上には膨大な
情報があり、その中で有益な情報を選択して、有効に活用するためにも、インターネットを利用したイギリスの関
連資料の収集を行う。
授業計画
1 Introduction
2 The existing constitution
3 Codifying of not
4 The Uncodified Constitution and its Implications
5 Definition and causes of the uncodified constitution (1)
6 Definition and causes of the uncodified constitution (2)
7 Characteristics of the uncodified constitution (1)
8 Characteristics of the uncodified constitution (2)
9 Characteristics of the uncodified constitution (3)
1
0 Possible arguments both in favour and against the nature of UK constitution (1)
1
1 Possible arguments both in favour and against the nature of UK constitution (2)
1
2 Public opinion being taken into account
1
3 Overall polling on the `written constitution' issue
1
4 Key features of the UK constitution
1
5 総括講義
評価方法
受講状況および報告・質疑応答(5
0%)
、提出レポート(5
0%)によって総合的に評価する。
テキスト・参考書(講義時に資料等は配布する)
Centre for Political & Constitutional Studies, King' College London “Codifying - or not codifying - the United Kingdom Constitution : the Existing constitution (Series paper 2) " (2012)
―1
0
5―
外国書講読Ⅱ
和 知 賢太郎
―英国憲法改革の行方(2)―
1 年
2 単
位
水曜日 1時限
後 期
授業のねらい
外書講読Ⅰで明らかになったように、英国憲法は法典化された憲法(憲法典)という形式の憲法ではないため、
不文(不成典)憲法の特質とその議論を踏まえて、外書講読Ⅱでは、法の支配などの現行憲法の主要な憲法原理お
よびその憲法習律などの法源について考えてみる。
これまでの講義を3区分すれば、第一期(2
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8∼1
0年)は、
「イギリスのコマンド・ペーパーを読み解く」(Command Paper には、White Paper、Green Pater、Government Responses to Select Committee、Enquiry Report
などがある)という副題で、緑書「The Governance of Britain」を中心に講読し、さらに第二期(2
0
1
1∼1
2年)は
「英国憲法改革の行方」という副題で、Rodney Brazier『Constitutional Reform Reshaping the British Political System』(第3版、2
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8年、オックスフォード出版局)を中心に、憲法改革に関する数多くのテーマの中から英国議
会の上院(貴族院)改革を取りあげてきた。その間に、2
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0年には改革を牽引してきた労働党政権に代わり、保守・
自民連立政権が成立して、上院改革は現在進行形である。2
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1
3年度の講義からは第三期目に入り、2
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7年度も憲法
改革行方を考える。
授業方法
下記の文献を中心にして講読し、必要に応じてコマンド・ペーパー等に触れることとする。ネット上には膨大な
情報があり、その中で有益な情報を選択して、有効に活用するためにも、インターネットを利用したイギリスの関
連資料の収集を行う。
授業計画
1 Introduction
2 Representative democracy (1)
3 Representative democracy (2)
4 The rule of law and individual rights (1)
5 The rule of law and individual rights (2)
6 A Constitutional Bill of Rights (1)
7 A Constitutional Bill of Rights (2)
8 Multinational state and its tiers of government (1)
9 Multinational state and its tiers of government (2)
1
0 The doctrine of parliamentary sovereignty (1)
1
1 The doctrine of parliamentary sovereignty (1)
1
2 Constitutional Sources- Constitutional conventions
1
3 Royal Prerogatives
1
4 Acts of Parliament and Judicial decisions
1
5 総括講義
評価方法
受講状況および報告・質疑応答(5
0%)
、提出レポート(5
0%)によって総合的に評価する。
テキスト・参考書(講義時に資料等は配布する)
Centre for Political & Constitutional Studies, King' College London “Codifying - or not codifying - the United Kingdom Constitution : the Existing constitution (Series paper 2) " (2012)
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