第12回岐阜県診療放射線技師医療情報研究会 2008/7/5 2008年度診療報酬改定と 放射線部フィルムレスへの影響 2008年度 診療報酬改定 東芝メディカルシステムズ株式会社 SI事業部 医用ソリューション担当 相田 聡 1 2 2008年度 診療報酬改定 2008年度 診療報酬改定 • 画像診断管理加算の見直し • 放射線画像データのデジタル保存(電子画像管理加算) 臨床診断の基礎となる画像診断報告の質を確保する体制に付いて見直す 読影医の 報酬になります。 3 4 2008年度 診療報酬改定 ■ 2008年度診療報酬改定「電子画像管理加算」 ・09年度までの経過措置。2010年度からは廃止へ。 ・09年度までフィルムと合わせた算定が可能。 ・ただし「電子画像管理加算」と合わせた算定は不可。 ∼2007年度 2008年度∼ デジタル映 コンピュー デジタル映 電子画像管 *3 像化処理 タ画像処理 像化処理 理加算 *1 *2 *1 加算 加算 加算 X線撮影 単純撮影の場合 特殊撮影の場合 造影剤使用の場合 乳房撮影の場合 60点 64点 72点 60点 核医学診断 コンピュータ断層撮影 ― ― ― ― 60点 60点 15点 ― ― フィルムレス化の判断は? 60点 64点 72点 60点 120点 120点 *1 一連の撮影につき加算。 *2 一連の撮影につき1回/月で加算。ただし、フィルム費用は算定不可。 *3 名称変更。算定基準は*2と同じ。 5 経済性評価の考え方 6 フィルムレス化の判断は? 収入の観点 • 従来 期待効果の分類 フィルム代(差益) フィルム代(差益) デジタル映像化 デジタル映像化 処理加算 処理加算 コンピュータ 画像処理加算 併算定が可能 収入(売上) 収入(売上) のアップ のアップ 収入 + 発生コスト 発生コスト の抑制 の抑制 発生コスト + プロセス プロセス の改善 の改善 業務プロセスの改善 ▼安全性の向上 ▼患者様満足度向上 ▼患者様満足度向上 ↓ 数値化が難しいが IT化による最大の メリット IT化による最大のメリット = 算定不可 効果 効果 同額で移行 • これから 経済効果 フィルム代(差益) フィルム代(差益) デジタル映像化 処理加算(15点) 収入比較 収入比較 電子画像管理加算 電子画像管理加算 どちらか一方のみ算定可能 7 8 A病院に於けるシミュレーション フィルムレス化の判断は? コストの観点 • 従来 フィルム代(差益) フィルム代(差益) デジタル映像化 デジタル映像化 処理加算 処理加算 コンピュータ 画像処理加算 併算定が可能 内容省略 算定不可 同額で移行 • これから フィルム代(差益) フィルム代(差益) デジタル映像化 処理加算(15点) 収入比較 収入比較 電子画像管理加算 電子画像管理加算 どちらか一方のみ算定可能 08年度診療報酬改定による収益増分 約 ¥X,000,000 -/年 フィルム関連コスト フィルム関連コスト フィルム、現像、保管、運搬 フィルム、現像、保管、運搬 コスト比較 コスト比較 9 IT関連コスト IT関連コスト システム減価償却、保守、運用 システム減価償却、保守、運用 10 フィルムレスによるコスト削減効果は? • • 現状(フィルム運用) ①フィルム購入費用(ここでは薬価差益で考慮済み) ②フィルム袋(大袋/小袋)(診療・検診合わせて) ③フィルム搬送費(人件費)(合計人件費想定) ④フィルム保管スペース(放射線科/各科) ⑤フィルム廃棄費(紙カルテ等含め一括廃棄) ⑥ドライイメージャ運用費(年間保守) ⑦検診/ドックで発生するフィルム費用 など フィルムレスによる 収支は? これから(フィルムレス運用) ①画像管理システム導入費用(サーバ/高精細モニタ/大型液晶モニタ等) ②画像管理システム保守費(年間保守) ③ドライイメージャ運用費(年間保守) ④フィルム出力費用(他院からの検査依頼結果返し) など A病院の例では、フィルムレス運用によるコスト削減効果は 約 ¥Y,000,000 -/年 ※人件費は含まれておりません。 11 12 A病院に於けるシミュレーション フィルムレス化の判断は? • 従来 08年度診療報酬改定による収益増分 約 ¥X,000,000 -/年 フィルム代(差益) フィルム代(差益) フィルムレス運用によるコスト削減分 約 ¥Y,000,000 -/年 業務効率の観点 デジタル映像化 デジタル映像化 処理加算 処理加算 コンピュータ 画像処理加算 併算定が可能 算定不可 ※不明確な為、人件費は含まれておりません。 同額で移行 • これから フィルム代(差益) フィルム代(差益) デジタル映像化 処理加算(15点) 収入増分と削減費用を合計した収支は、 収入比較 収入比較 電子画像管理加算 電子画像管理加算 どちらか一方のみ算定可能 フィルムレス運用による増収 約 ¥Z,000,000 -/年 フィルム関連コスト フィルム関連コスト コスト比較 コスト比較 フィルム、現像、保管、運搬 フィルム、現像、保管、運搬 になります。 フィルム運用 フィルム運用 効率比較 効率比較 13 IT関連コスト IT関連コスト システム減価償却、保守、運用 システム減価償却、保守、運用 フィルムレス運用 フィルムレス運用 14 フィルムレスによる業務の効率化は? • • フィルムレスによる 業務の効率化は? • • ・ ・ ・ 患者 - 院内をフィルムを持って歩く必要が無い。 - 診察室に於いて、モニタによる臨床医からの説明を受けられる。 (※拡大/縮小/階調変更などモニタ上での操作により、より詳しく) - 必要に応じて、検査画像を電子データとして提供してもらえる。 臨床医 - 以前の画像との比較読影が容易となるため、レポートの質と効率が向上する - 検査終了後、すぐ検査画像の確認ができる。 - 同一患者の検査画像を複数ドクターが同時参照/観察することができる。 - 検査画像をデジタルデータとして活用できる。(bmp/jpegファイル) 放射線部 - フィルム保管が不要。 - フィルムの貸し出し管理が不要。 - フィルムの廃棄が不要。(保存と廃棄の区分け作業なども軽減。) 事務 -フィルムのように探して運ぶ作業が不要なため、患者への直接サービスに 集中できる。 15 16 フィルムレスによる業務の効率化は? • • • • フィルムレス化を 成功させるには? ・・・ 患者 - 院内をフィルムを持って歩く必要が無い。 - 診察室に於いて、モニタによる臨床医からの説明を受けられる。 (※拡大/縮小/階調変更などモニタ上での操作により、より詳しく) より良い医療を! より良い医療を! - 必要に応じて、検査画像を電子データとして提供してもらえる。 臨床医 - 以前の画像との比較読影が容易となるため、レポートの質と効率が向上する - 検査終了後、すぐ検査画像の確認ができる。 - 同一患者の検査画像を複数ドクターが同時参照/観察することができる。 より多くの患者に! より多くの患者に! - 検査画像をデジタルデータとして活用できる。(bmp/jpegファイル) 放射線部 - フィルム保管が不要。 - フィルムの貸し出し管理が不要。 より安く! より安く! - フィルムの廃棄が不要。(保存と廃棄の区分け作業なども軽減。) 事務 -フィルムのように探して運ぶ作業が不要なため、患者への直接サービスに 集中できる。 17 フィルムレス化を成功させるためには? 18 事例1 ありがちな考え方 「求める効果を実現するために業務プロセスを どのように変えることが必要か」 を 関係者で十分にディスカッションし 設計することが重要です 19 モニタ配置の例 • 従来のフィルムベースの運用に合わせ、 • これまで診断してきた場所に • 診断するデータにあわせた精細度のモニタを配 置する 20 事例2 極端な事例 モニタ配置の例 IT導入によるプロセス変革の例 ∼電子決裁∼ 従来の紙運用による稟議 従来の紙運用による稟議 院長のトップダウン • 予算が無いので高精細モニタは集中配置する! • 読影するときは読影ルームに来ること! • 不便は承知! 電子化によるスピードアップ 電子化によるスピードアップ しばらく運用して、それでもモニターの 要求が継続している部門のみ追加を 検討する BPRによるスピードアップ BPRによるスピードアップ 21 22 フィルムレスに必要なシステムは? • 検査画像管理システム(画像サーバ) CT 一般撮影 検査画像管理システム (画像サーバ) サーバ容量 フィルムレスに必要な システムは? 物理2TB 超音波 検査画像保存 検査画像保存 X-TV 検査画像保存 検査画像参照 23 検査画像保存 検査画像参照 24 フィルムレスに必要なシステムは? • フィルムレスビュアー(画面イメージ) 高精細モニタ/参照用液晶テレビ 1M 2M 超音波や内視鏡の検査画像も カラーモニタで確認できます 5M 3M 一般撮影検査画像 CT検査画像 〔会議室やオペ準備室(液晶テレビを使用)〕 ※32、37、42インチなど ※可能な限り大きい画面でカンファレンスや 打合せなどで検査画像の参照を行います。 〔医療現場で使用されるモニタ種〕 5Mピクセル(2560×2048) 3Mピクセル(2048×1536) 2Mピクセル(1600×1200) 1Mピクセル(1280×1024) 胸部X線、マンモグラフィなど 胸部X線、胃部X線など 胃部X線、血管造影など X線CT、MRI、核医学検査など 25 まとめ 2008年度診療報酬改定を受けて、フィルムレスの流れ が加速しています。 具体的な導入計画を固めるためには、 フィルム vs ITシステムの収入・コスト比較を行うとともに、 大きな投資対効果を期待できる院内業務プロセス改革の 視点と、 それを実現するためのツールとしてのシステム設計 が重要です。 27 マーゲン検査画像 26
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