計算内容 - 東京デンコー

壁麻呂3
RC 造壁式構造一貫処理システム
概
改正建築基準法
要 書
19年6月20日対応
構造計算概要書対応
東京都中央区八丁堀4−3−7
株式会社 東京デンコー
TEL 03(3523)2750
FAX 03(3523)2971
http://www.denco.co.jp
e-mail:[email protected]
C.構造計算プログラムの適用範囲
(1)建築物の規模・形状等
①
建築物の構造種別
壁式鉄筋コンクリート造の構造計算を行う。
( 国 土 交 通 省 告 示 平 成 13 年 第 1026 号 に 準 拠 す る 。 但 し 、 壁 式 プ レ キ ャ ス ト 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 は
適用範囲外とする。)
②
建物の規模
1)建築延べ床面積
5∼ 10000 ㎡ 以 内 と す る 。
2 ) 階 の 高 さ は 3.5 m 以 下 と し 、 軒 の 高 さ が 20 m 以 下 の 建 築 物 に 適 用 す る 。
3)階数は、地上階数5階以内とする。
4)スパン数は、X方向スパン数、Y方向スパン数共に100スパン以内とする。
③
建築物の形状
a)架構形状
・壁が傾斜したセットバックにおいて、傾斜角度が15度をこえる場合は、適用範囲外
とする。傾斜角度をワーニングで出力し、15度を超えた場合は、適用範囲外なので
出力のヘッダーから認定番号等の出力を削除する。
傾斜角度
GL
5
・床に傾斜のある建物について、傾斜角度が15度をこえる場合は、適用範囲外と
する。床の傾斜角度をワーニングで出力し、15度を超えた場合は、適用範囲外
なので、出力のヘッダーから認定番号等の出力を削除する。
傾斜角度
GL
b)平面形状
・平面的に壁が傾斜している形状については、傾斜角度が15度をこえる場合は、適用範囲
外とする。平面の傾斜角度をワーニングで出力し、15度を超えた場合は、適用範囲外な
ので、出力のヘッダーから認定番号等の出力を削除する。
傾斜角度
④
使用部材の制限
・はりとして登録する部材リストの数は、
・耐力壁として登録する部材リストの数は、
・床として登録する部材リストの数は、
⑤
部材の断面形状について
はり、及び耐力壁の断面形状は矩形とする。
6
192種類
192種類
192種類
(2)使用上の制限
①
使用材料の規格及び、制限事項
1)コンクリート種別
普 通 コ ン ク リ ー ト : FC18、 FC21、 FC24、 FC27 と し 、 任 意 に 材 料 強 度 を 入 力 す る 。
軽 量 コ ン ク リ ー ト : FC18、 FC21、 FC24、 FC27 と し 、 任 意 に 材 料 強 度 を 入 力 す る 。
※ 軽量コンクリートは、1種∼2種です。
2)鉄筋種別(異形鉄筋)
SD295 SD345 SD390
②
扱える荷重及び外力について(特殊荷重を含む)
扱う荷重は、長期時荷重、地震時荷重、風荷重及び、積雪時荷重とする。
特殊荷重については、一つの壁、壁はりに最大4種類の特殊荷重を配置することができる。
特 殊 荷 重 は 、最 大 1 9 2 種 類 登 録 す る こ と が で き る 。
③
応力解析法について
長 期 、 積 雪 時 応 力 に つ い て は 、 梁 の C 、 M o、 Q o を 用 い て 、 左 右 の 固 定 端 モ ー メ ン ト 、 中 央
モーメント、及び左右のせん断力を求める。
地震時応力については、平均せん断応力度法により求める。
平均せん断応力度法は「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針
セ ン タ ー ) の 「 7.3.5 応 力 解 析 法 」 ( P . 42) に よ る 。
④
1996 年 版 」 ( (財 )日 本 建 築
基礎について
基礎については、当プログラムの適用外とする。
⑤
旧法第38条認定の建築材料又は構造方法について
旧法第38条認定の建築材料又は構造方法には対応していません。
⑥
耐力壁の条件
耐力壁の条件は、上下に連続して設けることを原則とする
1)耐力壁の長さ
耐力壁の長さLは、45cm以上かつ、同一長さを有する部分の高さhの30%以上とし
ます。
L
L
h
h
耐力壁の長さ
L
L
h
h
L
h
L ≧ 0.3h か つ L ≧ 45 ㎝
7
h
L
耐力壁の長さが高さ方向で変化する壁の場合は、
耐力壁の長さL、高さhを上図のように取り扱います。
2)最小壁厚
耐力壁の厚さ
耐力壁の厚さは、表1に示す数値以上とする。
表1耐力壁の厚さ
階
地上階を除く階数が1の建築物
地
〃
2の建築物
上
地下階を除く階数 最 上 階
階
が3以上の建築物 その他の階
地 下 階
最 小 壁 厚 (cm)
12
15
15
18
18
3)壁開口の包括について
開口包括は設計者が指定するもので、包括部分は開口として認識する。
実際の耐力壁の開口
耐力壁
壁開口
モデル化した耐力壁の開口
耐力壁
開口としてモデル化した壁開口
8
(3)準拠する基規準等と関連告示
当プログラムは、建築構造に関する法令及び、下記の基規準等に準拠し、壁式鉄筋コンクリート造
の計算を行います。
・建築基準法
・建築基準法施行令
・ 2001 年 版 建 築 物 の 構 造 関 係 技 術 基 準 解 説 書
・ 壁 式 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 設 計 施 工 指 針 1996 年 版
・ 壁 式 構 造 関 係 設 計 規 準 集 ・ 同 解 説 1997 年 版
・ 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 構 造 計 算 規 準 ・ 同 解 説 1999 年 版
・ 壁 構 造 配 筋 指 針 1989 年 版
・ 国 土 交 通 省 告 示 平 成 13 年 第 1026 号
・ 建 設 省 告 示 昭 和 55 年 第 1790 号
・ 建 設 省 告 示 昭 和 55 年 第 1792 号
・ 建 設 省 告 示 昭 和 55 年 第 1793 号
・ 建 設 省 告 示 昭 和 55 年 第 1794 号
9
国土交通省
国土交通省
国土交通省住宅局指導課
(財 )日 本 建 築 セ ン タ ー
日本建築学会
日本建築学会
日本建築学会
国土交通省
建設省
建設省
建設省
建設省
§2.仮定条件と計算理論
壁麻呂の許容応力度計算処理時の流れは下記とします。
形状認識
荷重、軸力計算
地震用荷重集計
地震力計算
壁量の計算
壁のせん断補強筋比の計算
梁の剛性計算
水平剛性計算
応力計算
壁梁断面検定
壁柱断面検定
剛性率・偏心率
保有水平耐力
(1) 荷重及び外力の計算
1)部材毎の単位重量
単位重量とは、壁、床及び、梁などの重量の計算を行う前に、各部材の面積当たり、もしくは
長さ当たりの単位で重量を表すものです。
<床>
床には、積載荷重と固定荷重があり、各設計用途により積載荷重が異なりますが、当プロ
グラムでは、下記の4種類の積載荷重について取り扱います。
1.床用及び、小梁設計用積載荷重
2.架構用(直圧及び、長期応力計算用)
3.地震用(地震力算出用)
4.積雪荷重(雪荷重計算用)
以 上 の 積 載 荷 重 と 固 定 荷 重 を 組 み 合 わ せ 各 計 算 に 用 い ま す 。 単 位 : N/ ㎡
<壁>
壁 の 単 位 重 量 は 、 壁 自 重 ( 重 さ 、 比 重 に よ り 求 め る ) に 仕 上 げ 荷 重 ( N/ ㎡ ) を 加 え た
重 量 を 単 位 重 量 と し ま す 。 単 位 : N/ ㎡
<梁>
梁 の 単 位 重 量 は 、 梁 の サ イ ズ ・ 比 重 に よ る 重 量 と 、 各 仕 上 げ 荷 重 ( N/ ㎡ ) よ り 求 め ま す 。
10
2)C,Mo,Qo計算用梁長さ
C,Mo,Qo計算用梁長さは、下記の2種類の方法とします。
(①の方法、n=4を標準値としています。)
①開口長さに梁せいの1/nの距離を加えた長さを梁の長さとする方法
②開口長さを梁の長さとする方法
梁長さ①
梁せいの1/ n
梁せいの 1/n
開口長さ
梁せい
梁長さ②
3)直圧(軸力)の計算
直圧の計算は自動計算又は、直接入力された追加荷重等を元に、直圧を伝達する壁に伝えます。
梁にかかる部分については、毎々支配に応じた荷重を伝えます。
下層に直接伝達する壁がない場合は、梁を通して壁に伝えます。この場合、指定角度の範囲に
入る壁の部分は、直接下層に伝えます。
(θ=45度を標準値としています。)
θ
θ
※θについては入力
するものとします。
梁を通して壁に伝えます
伝達角度については、ワーニングメッセージに出力されます。
45度以下に指定された場合は、適用範囲外とし、出力の各ページに出力される認定番号等は
出力しません。
11
4)地震力の計算
地震力荷重は、地震用積載荷重を用いる以外は、壁の直圧計算と同様に算出します。
<地上部分の地震力>
・PH部分は、PH用震度を用いて下記のように算出します。
PHQi = Wi × PH震度
PHQi:PH階の地震層せん断力
Wi:算出しようとするi階が支える固定荷重と積載荷重の和
PH震度:ペントハウス階の地震時設計用震度
・地上部分の地震力は次のようにして算出します。
Qi=Wi・Ci
Qi:i階の地震層せん断力
Wi:算出しようとするi階が支える固定荷重と積載荷重の和
Ci:i階の地震層せん断力係数
Ci=Z・Rt・Ai・Co
Z :地域係数
Rt:振動特性係数
Co:標準せん断力係数
T<Tcの場合
Tc≦T<2Tcの場合
2Tc≦Tの場合c
Rt=1
R t = 1 − 0.2( T / T c − 1 )
R t = 1.6 T c / T
Tc:地盤固有周期
T :建物一次固有周期
T = 0.02 h
h
:建物高さ
Ai=1+
1
αi
2T
−αi ・
1+3T
Ai:地震層せん断力分布係数
αi=Wi/ΣW
αi:建築物のAiを算出しようとする階が支える固定荷重と積載荷重の和
を当該建築物の地上部分の全固定荷重と積載荷重の和で除した数値
12
・地下部分の地震力は次のようにして算出します。
地下部分の水平震度
k = 0.1 − 1 −
h
40
・Z
k:地下部分の水平震度
但 し 、 1 階 床 の 水 平 震 度 は k = 0.1 Z と し ま す 。
H:建築物の地下部分の各階構造芯の地盤面からの深さ
但 し H > 20 m の 時 は 、 H = 20 m と し ま す 。
0.1 Z
k
20 メートル
GL
H
0.05 Z
地下部分の水平震度分布
13
(2) 応力解析の方法
1)壁量の計算
壁量の計算は、それぞれの方向につき、当該耐力壁の長さの合計を、その階の床面積に(表1)に
掲 げ る 数 値 を 乗 じ た 数 値 以 上 と し ま す 。 「 国 土 交 通 省 告 示 平 13 第 1026 号 に よ る 」
この場合の床面積は、その階の床面積にその上階のバルコニー又は、ベランダなどの面積の半分を
加えたものとします。
(表1)壁量
階
最上階から数えた階数が4及び5の階
その他の階
地 下 階
地 上
階
壁 量 (㎝ / ㎡ )
15
12
20
次のイからハまで該当する場合にあっては、表1に掲げる数値から5を減じた数値を限度として、イ
からハまでのそれぞれに掲げる数値を表1に乗じた数値とする。
イ.耐力壁の厚さがの表2に掲げる数値を超える場合、表2の数値に耐力壁の長さの合計を乗じ
た数値を、耐力壁の厚さに当該耐力壁の長さを乗じた数値の和で除した数値
ロ.令第八十八条第一項に規定するZの数値(以下「Zの数値」と言う)が1未満の地域の場合
Zの数値
ハ.耐力壁に使用するコンクリートの設計基準強度が一平方ミリメートルにつき十八ニュートン
を超える場合 十八を使用するコンクリートの設計基準強度(単位 一平方ミリメートルに
つきニュートン)で除した数値の平方根の数値(当該数値が二分の一の平方根の数値未満の
ときは、二分の一の平方根の数値)
但し、耐力壁の厚さが(表2)に示す最小壁厚より大きい場合には、それぞれの方向につき、当該
耐力壁の長さに当該耐力壁の厚さを同表に掲げる数値で除した数値を乗じた数値の合計を、その階
の床面積に(表1)に掲げる数値を乗じた数値以上とします。
(表2)耐力壁の厚さ
階
地上階を除く階数が1の建築物
地
〃
2の建築物
上
地下階を除く階数 最 上 階
階
が3以上の建築物 その他の階
地 下 階
最 小 壁 厚 (cm)
12
15
15
18
18
建 設 省 告 示 昭 55 第 1790 号 五 の ロ に 基 づ く 壁 量 の 確 認 。
Σ 25Aw ≧ Z・W・Ai
上記の式を満足することを確認します。
耐力壁の長さLは、45cm以上かつ、同一長さを有する部分の高さhの30%以上とします。
L
L
h
h
耐力壁の長さ
L
L
h
h
L
h
L≧0.3h かつ L≧ 45 ㎝
2 ) せ ん 断 補 強 筋 比 の 計 算 ( 国 土 交 通 省 告 示 平 成 13 第 1026 号 に よ る )
耐力壁に配置する横方向せん断補強筋の鉄筋比(コンクリートの鉛直断面積に対する鉄筋断面積の
割合)は、下記に示す表の数値以上とします。
14
地
上
階
階
地下階を除く階数が1の建築物
最上階
地下階を除く階数が
最上階から数えた
2以上の建築物
階数が2の階
その他の階
地
下
階
鉄筋比(%)
0.15
0.15
0.20
0.25
0.25
3)梁の剛性計算
梁の剛性計算は、下記の様に計算します。
・梁、壁梁
梁は、壁データ・開口データから壁梁と認識される梁と、梁配置することで梁とする場合があ
り、いずれについても剛性計算が行われます。
梁せいの取り方は、左図のようにスラブの下からを梁せ
梁せい
梁せい
いとする場合と、腰壁を含めた梁のせいとする場合の
2通りから指定出来ます。
梁幅
・I(断面二次モーメント)の算定
スラブによる剛度増大率は、入力により決定します。尚腰壁のある場合は中立軸とスラブ位置
関係を考慮して入力する必要があります。断面二次モーメントの計算は下記のIとします。
<精算のI>
S
A
e=
e:重心位置
S:断面一次モーメント
A:断面積
D
 Dw

S = Dw・tw・
+ D + B・D・
2
 2

A = Dw・tw + B・D
2
2
B・D3 tw・Dw 3  Dw

D

+
+
+ D − e  ・Dw・tw +  − e ・B・D
12
12
 2

2

I1 =
B・D3
× (φ− 1.0)
12
I = I1 + I2
I2 =
I
B
D
Dw
tw
I1
:断面二次モーメント
:梁幅
:梁せい
:腰壁高さ
:腰壁厚さ
:腰壁を考慮した断面二次モーメント
I2
:スラブによる剛度増大率を考慮した断面二次モーメント
φ
:スラブによる剛度増大率
15
4)壁の水平剛性
剛性率・偏心率・ねじれ補正等の計算をする前処理として、水平剛性を下記の式より算出します。
Qw
δ
Q・h
δ =
G・As
kw =
kw
Qw
Q
δ
h
As
G
:壁の水平剛性
:壁の負担せん断力
:層せん断力
:層間変位
:層階高
:層の全せん断断面積
;せん断弾性係数
5)応力計算
長 期 、 積 雪 時 応 力 に つ い て は 、 梁 の C 、 M o、 Q o を 用 い て 、 M L 、 M R 、 M C 、 Q L 、 Q R を 求 め ま す 。
1.接合条件(両端剛、片側ピン、両端ピン)を基に固定法の原理より、ML、MRを求めます。
2.ML、MRの差を用いてモーメント勾配による移動分せん断力を求めます。
3.求められたせん断力を左端、右端のせん断力に加えてQL、QRを求めます。
4.両端の曲げ(ML、MR)を用いて、M o より両端の立ち上がり分を差し引いてMCを求めます。
5.以上の作業により長期、積雪時のML、MR、MC、QL、QRが求められます。
ML:梁の左端部の曲げモーメント
MR:梁の右端部の曲げモーメント
MC:梁の中央部の曲げモーメント
QL:梁の左端部のせん断力
QR:梁の右端部のせん断力
地震時応力については、平均せん断応力度法により求めます。
・平均せん断応力度法
平均せん断応力度法は、耐力壁の平均せん断応力度τを求め、τに耐力壁の断面積を乗じてせん断
力を求めます。求めたせん断力と、入力された反曲点位置により壁頭モーメント、壁脚モーメント
を算出します。この壁頭モーメント、壁脚モーメントを梁に振り分けることで応力計算を行います。
反曲点高比
尚、反曲点高比の入力については、「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針 1996年版」
( (財 )日 本 建 築 セ ン タ ー ) の 「 7.3.5 応 力 解 析 法 」 ( P . 42) を 参 考 と し て 、 設 計 者 の 判 断 に
より入力します。
16
・平均せん断応力度法において注意する点
下 階 の 壁 芯 と の 位 置 が 4 5 cm 以 上 離 れ る 場 合 、 壁 脚 モ ー メ ン ト の 振 り 分 け は 行 い ま せ ん 。
(この場合、壁脚モーメントについては他の部材に伝達しないものとして処理し、ワーニング
メッセージに出力します。尚チェックリスト等にも記述する。)
下階の耐力壁の壁芯と45cm
壁脚モーメントを振り分けない
以上のずれるがある場合
6)剛性率・偏心率
建 設 省 告 示 昭 和 55 第 1792 号 に よ る 剛 性 率 ・ 偏 心 率 の 確 認
剛性率・偏心率の計算は、「建築基準法施行令 82条の3」に基づき計算します。偏心率・剛性率
は、耐力壁の水平剛性を用いて、計算、検討を行います。
・剛性率の計算及び、層間変形角の計算
剛性率の計算は、下記の式によって計算します。尚、それらの剛性率が10分の6以上である
ことを確認します。
Rs =
rs
rs
h
δ
Q
δ=
Σkw
Σrs
rs=
n
rs =
Rs
:剛性率
rs
:層間変形角の逆数
rs
:層間変形角の逆数の平均値
h
:当該階の構造階高
δ
:層間変位
Q
:一次設計用地震力
Σkw:耐力壁の各計算方向の水平剛性の集計
n
:地上階数
層 間 変 形 角 は 、 1/2000 以 内 で あ る こ と の 確 認
・偏心率の計算
偏 心 率 の 計 算 は 、 下 記 の 式 に よ っ て 計 算 し ま す 。 尚 、 そ れ ら の 偏 心 率 が 100 分 の 15 を 越 え な い
ことを確認します。
Re =
e
re
Re
:偏心率
e
re
:構造耐力上主要な部分が支える固定荷重及び、積載荷重の重心と、剛
心をそれぞれ同一水平面に投影させて結ぶ線を計算しようとする方向
と直交する平面に投影させた線の長さ(偏心距離)
:弾力半径
gx
gy
N
x
y
:基準点からの重心距離(X方向)
:基準点からの重心距離(Y方向)
:長期荷重による軸力
:上記軸力部材の基準点からの距離(X方向)
:上記軸力部材の基準点からの距離(Y方向)
ex = Lx − gx
ey = Ly − gy
・重心
Σ(N・x )
ΣN
Σ(N・y )
gy =
ΣN
gx =
17
・剛心
)
Lx
Ly
Dx
:基準点からの剛心距離(X方向)
:基準点からの剛心距離(Y方向)
:耐力壁のX方向の水平剛性
Σ(D x・y )
ΣD x
Dy
:耐力壁のY方向の水平剛性
x
y
:上記D値の基準点からの距離(X方向)
:上記D値の基準点からの距離(Y方向)
(
Σ D y・x
Lx =
Ly =
ΣD y
・ X , Y 方 向 別 の re ( 弾 力 半 径 )
(
) (
)
(
) (
)
rex =
Σ D x・Y 2 +Σ D y・X 2
Kr
=
ΣD x
ΣD x
rey =
Σ D x・Y 2 +Σ D y・X 2
Kr
=
ΣD y
ΣD y
Kr
X
Y
18
:ねじり剛性
:剛心からの距離(X方向)
:剛心からの距離(Y方向)
(3) 許容応力度に基づく検証法(断面検定)
1)梁断面検定
断面検定個所としては、両端部・中央の3ヶ所とします。
端部検定位置としては、壁の面を検定位置とします。
下 記 式 等 は 、 「 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 構 造 計 算 規 準 ・ 同 解 説 1999 年 版 」 日 本 建 築 学 会 の 「 13 条 梁 の 曲 げ
に対する断面算定」より引用します。
① 引 張 り 鉄 筋 比 ( Pt )
は、耐力壁の
Xn
ac
d
D
at
dt
b
Pt =
Pt
at
dt
②
at
d = D − dt
bd
:引張り鉄筋比
:引張鉄筋断面積
:曲げ材の引張縁から、引張鉄筋重心までの距離
許容曲げモーメント
M = Cbd 2
※
③
④
Cは下記式のC1、C2のうち、小さい方による。
はり許容曲げモーメント係数
C1 =
nPt f c
{(1 − xn1 )(3 − xn1 ) −γ(xn1 − d c1 )(3d c1 − xn1 )}
3xn1
C2 =
Pt f t
{(1 − xn1 )(3 − xn1 ) −γ(xn1 − d c1 )(3d c1 − xn1 )}
3(1 − xn1 )
d c1 =
dc
d
中立軸比


2
(1 +γd c1 ) − (1 −γ)
xn1 = nPt  (1 +γ)2 +
nPt


⑤
長期荷重時について
長 期 荷 重 時 に 、 正 負 最 大 曲 げ モ ー メ ン ト を 受 け る 部 分 の 引 張 鉄 筋 断 面 積 は 0.004 b d 又 は 、
存在応力によって必要とする量の4/3倍のうち、小さい方の値以上とします。
19
⑥
梁 の せ ん 断 補 強 計 算 (1999 年 版 「 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 構 造 計 算 規 準 ・ 同 解 説 」 日 本 建 築 学 会 に 準 拠 )
< 短 期 ( 地 震 時 ) 梁 の 設 計 用 せ ん 断 力 ( Qd ) >
梁の設計用せん断力は下記の 2 種類から選択します。
Qd1 = Qo +
ΣM y
L'
Qd 2 = QL + m・QK
Qo
:単純梁とした時の長期荷重によるせん断力
My
: 梁 端 部 の 降 伏 曲 げ モ ー メ ン ト = 0.9・at・σy・d
L'
QL
:梁の内法スパン長
:長期応力時によるせん断力
QK
:地震時応力によるせん断力
m
: QK の 割 り 増 し 係 数 ( m ≧ 2.0)
at
σy
:引張り鉄筋断面積
:鉄筋の降伏強度
d
:梁の有効せい
但し、長期及び、積雪時の設計用せん断力は、存在応力(応力解析結果)とします。
< 梁 の 許 容 せ ん 断 力 ( QA ) と Pw >
梁の許容せん断力は下記の式とします。
QA = b・j{α・fs + 0.5w f t (Pw − 0.002)}
b
j
d
fs
:梁幅
: 応 力 中 心 間 距 離 で 7/8 d と す る 。
:梁の有効せい
:コンクリートの許容せん断応力度
Pw
: あ ば ら 筋 比 で 、 1.2% を 超 え る 場 合 は 1.2% と し て 計 算 す る 。
Pw =
aw
bx
aw
α=
:1 組みのあばら筋面積
x
w ft
:あばら筋間隔
:あばら筋のせん断補強用許容引張応力度
α
:シアスパン比による割り増し率
4
M
+1
Q・d
か つ 1.0≦ α ≦ 2.0
(QE )
ME
M、Qの採用位置は下記のようにした。
またdは各々の値の有効せいとする。
MC
(Q C )
梁端部
端部
Q = QE
M = max (M E , M C )
中央
中央
Q = QC
M = MC
20
⑦
付 着 及 び 、 定 着 長 さ (2001 年 版 建 築 物 の 構 造 関 係 技 術 基 準 解 説 書 に 準 拠 )
・周長とせん断力
ψ=
Q
f・
a j
ψ
Q
fa
j
:引張り鉄筋の周長の和
:設計用せん断力で、せん断補強計算と同じ。
:許容付着応力度
: 応 力 中 心 間 距 離 で 7 /8 d と す る 。
・上記付着長さが満足しない場合
Ld ≧
σt
σ・
t a
0.8・f・
a j
:鉄筋の引張応力度で、ここでは許容引張り応力度とする。
a
:鉄筋の断面積
Ld : 算 定 位 置 か ら 鉄 筋 端 ま で の 定 着 長 さ
2 ) 耐 力 壁 断 面 検 定 (1999 年 版 「 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 構 造 計 算 規 準 ・ 同 解 説 」 日 本 建 築 学 会 に 準 拠 )
耐力壁の断面検定は指定により行います。
断面検定位置としては、壁頭・中央・壁脚とします。
<断面検定をしない場合>
主筋(端部曲げ補強筋)及び、せん断補強筋(縦筋・横筋)は、階別の必要鉄筋鉄筋表
(規準及び、指針による)により配筋を行います。
<断面検定をする場合>
上記、階別の必要鉄筋により断面検定を行い、満足しない場合は算定を行い、必要鉄筋
量を算出します。
①
引張鉄筋比Pt、許容曲げモーメント、軸力との関係
N/bD
A:断面内に、引張応力を生じない。
B:断面内に、圧縮応力と引張応力が
存在し、圧縮応力によって決まる。
0. 9n・ f c
f t +n・ f c
X n1 =1.0
f c /2
XB =
fc
・ XnB
2
B
C:断面内に、圧縮応力と引張応力が
存在し、引張応力によって決まる。
X n1 =X n B
XB
D:断面内に圧縮応力を生じない。
XnB =
A
X n1 =0
C
D
M/bD 2
21
A、B、C、Dの範囲の算出式
A:
N
f
= c {x n1 − 0.5 + n Pt (2 x n1 − 1)}
bD x n1
M
bD 2
B:
bD 2
=
2
2

fc  x n13 
dc  
D − d c  
N

+
x
−
+
x
−





・n p t  + (0.5 − x n1 )
 n1
n1
x n1  3
D
D
bD








 x 2

N
ft
=
−  n1 + n Pt (2 x n1 − 1)
bD
 d

2

n 1 − c − x n1  
D


M
bD2
D:
2
2

fc  2
1 
dc 
N
 D − d c  

 ・n p t  + (0.5 − x n1 )
x n1 − x n1 + +  x n1−  + x n1 − 
x n1 
3 
D
bD
 D  




N
f  x 2
= c  n1 + n Pt (2 x n1 − 1)
bD x n1  2

M
C:
=
M
bD2
=
2
2
x 3 

ft
dc  
D − d c  
N
 n1 

+
−
+
−
x
x





・n p t  + (0.5 − x n1 )
 n1
n1
D
D
bD
 dc
 3







− x n1  
n 1 −
D


dc  N 
d 

= Pf
+
 0.5 − c 
t t 1 − 2
D  bD 
D

dc
b
d’
ac
dt
at
g
fc : コ ン ク リ ー ト の 許 容 圧 縮 応 力 度
ft : 鉄 筋 の 許 容 引 張 応 力 度
Xn1: 柱 の 中 立 軸 比 ( Xn/D)
n : コ ン ク リ ー ト と 鉄 筋 の ヤ ン グ 係 数 比 n=15
dt : 曲 げ 材 の 引 張 縁 か ら 引 張 鉄 筋 重 心 ま で の 距 離
dc : 曲 げ 材 の 圧 縮 縁 か ら 圧 縮 鉄 筋 重 心 ま で の 距 離
中立軸
Xn
D
②
せん断補強計算
<短期(地震時)設計用せん断力(Qd)>
Qd1 =
ΣM y
h'
Qd 2 = m・QK
( m ≧ 2.0)
m : Q k と の 割 り 増 し 係 数 ( m ≧ 2.0)
h’ :内法高さ
ΣM y :壁頭・壁脚の終局曲げモーメントの絶対値の和
この場合、壁頭の終局曲げモーメントの絶対値よりも、壁頭に連なる梁
( 壁 梁 ) の 終 局 曲 げ モ ー メ ン ト の 絶 対 値 の 和 の 1/2 が 小 さ い 場 合 に は 、
小さい方の値を壁頭の終局曲げモーメントとしてよい。
但 し 、 最 上 階 の 耐 力 壁 で は 上 記 の 1/2 を 1 と す る 。
22
耐力壁の終局曲げモーメントは下記の式によります。(「鉄筋コンクリート造構造計算規準・同
解説」による)
(
)
(
)
Mu = Σ at・σy・L'+0.5Σ a w・σwy・L'+0.5 N・L'+ Me
at
σy
L’
aw
σwy
N
:引張鉄筋の断面積で終局曲げモーメントに有効な直交壁内の縦筋を含む。
ここで、終局曲げモーメントに有効な直交壁の範囲は片側につき、直交壁
の 厚 さ の 6 倍 又 は 、 隣 り 合 う 耐 力 壁 ま で の 内 法 ス パ ン 長 さ の 1/4 及 び 開 口
端部までの長さのうち、最小の値とする。
: 同 上 鉄 筋 の 規 格 降 伏 点 強 度 の 1.1 倍
:両端に直交壁がある場合は、その中心間距離。その他は、耐力壁の長さL
の 0.9 倍 の 値
:耐力壁の中間部にある縦筋の断面積の和で、中間部に直交壁が取り付く場
合は、終局曲げモーメントに有効な範囲内の直交壁内の縦筋を含む。
: 同 上 鉄 筋 の 規 格 降 伏 点 強 度 の 1.1 倍
:耐力壁に作用する軸方向力(引張りのときは負とする。但し、軸方向引張
耐力を越えない)で、次の式による。
N=NL+NE+NWT
NL :耐力壁の長期荷重時軸方向力
N E : 耐 力 壁 の C o≧ 0.2 に 対 す る 水 平 荷 重 時 軸 方 向 力
NWT:直交壁の軸方向力のうち、耐力壁の終局曲げモーメントに関する
軸 方 向 力 ( kg) で 、 下 図 の よ う な 場 合 に は 次 の よ う に 算 定 す る 。
・ 耐 力 壁 W 1 に 対 し て 、 N W T = 0.25 N 1
・ 耐 力 壁 W 2 に 対 し て 、 N W T = 0.25( N 1 + N 2 )
・ 耐 力 壁 W 3 に 対 し て 、 N W T = 0.25 N 2
但し、N1、N2は直交壁の長期軸方向力である。
Me:NWTによる偏心モーメントで、次式で与えられる。
Me=NWT・e
e:耐力壁心と直交壁との距離で、直交壁が耐力壁の引張り側に取り付く
場合に正の値(圧縮側に取り付く場合には負の値)とし、直交壁が耐
力壁の中央に取り付く場合には0とする。
耐力壁W
N 1
1
直
e
交
耐力壁W
壁
N
2
耐力壁W
23
2
3
< 短 期 許 容 せ ん 断 力 ( QAS ) > ( 「 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 構 造 計 算 規 準 ・ 同 解 説 」 に よ る )
短 期 許 容 せ ん 断 力 式 に は 、 下 記 の 2 式 ( QAS 、 QAU を QAS と す る ) が あ る 。 但 し 、
設 計 用 せ ん 断 力 の 式 の Q K 割 り 増 し 係 数 が 2.5 未 満 の 場 合 は 、 QAU は 適 用 で き な い 。
QAS = r・j{fs + 0.5wft (Pw − 0.002)}
r
j
L
fs
wft
: 小 開 口 に 対 す る 低 減 率 で 、 下 式 の r1 と r2 の 内 、 い ず れ か 小 さ い 方 の 数
値とする。
: 応 力 中 心 間 距 離 で 、 0.8L と し て よ い 。
:耐力壁の長さ
:コンクリートの短期許容せん断応力度
:耐力壁の横方向せん断補強筋(以下、横筋という)の短期せん断応力度
Pw : 耐 力 壁 の 横 方 向 せ ん 断 補 強 筋 比 ( 以 下 、 横 補 強 筋 比 と い う )
( P w の 値 が 0.002 以 下 の 場 合 は 0.002 と し 、 0.012 以 上 の 場 合 は 0.012
として、許容せん断力を計算する。)
r1= L− Lo/ L
r2=
h
L
ho
Lo
ho・ Lo/ (h・L)
: 階 高 (cm)
: 耐 力 壁 の 長 さ (cm)
: 小 開 口 の 内 の り 高 さ (cm)
: 小 開 口 の 内 の り 長 さ (cm)
 0.053・P 0.23 (F + 18)

te
c
QAU = 
+0.85 Pwe・sσwy + 0.1σoe 0.8t ・
e L
(
)
L
0
.
12
M
Q・
+


te
:有効な範囲内の直交壁の断面積を加算した全断面積ΣAを、せいをLとし
た等価な長方形断面に置き換えた時の等価厚さ。ここで有効な直交壁の範
囲は片側につき直交壁厚の 6 倍又は、隣り合う耐力壁までの内のりスパン
長 さ の 1/4 な ら び に 、 直 交 壁 の 長 さ の う ち 最 小 の 長 さ と す る 。
但 し 、te = Σ A /L か つ 1.5 t 以 下
Pte
: 100・ at/(te ・ L ) (% )
at
L
Pwe
:引張鉄筋の断面積で、終局曲げモーメントに有効な範囲内の直交壁内の縦
筋を含む。
:耐力壁の長さ
: 等 価 横 補 強 筋 比 = aw/(te /s ) こ こ で a w は 1 組 の 横 筋 の 断 面 積 で 、
sσwy
: 耐 力 壁 の 横 筋 の 規 格 降 伏 点 強 度 で 、 295N/mm2 以 下 と す る 。
σoe
: N /Σ A で 、 N に は 有 効 な 範 囲 内 の 直 交 壁 の 軸 方 向 力 を 含 む 。
s は そ の 間 隔 。 但 し 、 P w e は 0.012( t /te ) と す る 。
M (Q・L ) : M 、 Q は そ れ ぞ れ 計 算 断 面 積 位 置 に お け る 曲 げ モ ー メ ン ト と せ ん 断 力 で 、
Mには直交壁の軸方向力による偏心モーメントを含む。但し、1未満の時
は1、3以上のときは3とする。
24
(4) 保有水平耐力の検証法
1)保有水平耐力計算
・計算の流れ
本システムは、崩壊形を各階の梁端降伏並びに1階壁脚又は、基礎梁端降伏の全体崩壊形を想
定し仮想仕事法により解析を行います。
仮想仕事1
Σ(Qi・hi)を求める
梁の終局曲げモーメントによる
せん断力を用いて壁の軸力を求める
最下層の壁脚終局曲げモーメントを求める
各階(基礎梁を除く)における
梁の節点モーメントを求める
ΣMu=壁脚モーメント+梁の節点モーメント
とする
補正係数αiを求める
αi=ΣMu/Σ(Qi・hi)
仮想仕事1の外力Pmを求める
Pm=αi・Qi
仮想仕事2
壁の負担せん断力を用いて壁脚モーメントに
基礎梁芯までのモーメントを加えて芯モーメントとする
壁脚の芯モーメントと基礎梁の芯モーメントを比較し
小さい方を芯モーメント(MC)とする
Σ M C = 芯 モ ー メ ン ト (M C )+ 梁 の 節 点 モ ー メ ン ト
とする
Σ(Qi・hi)を求める
基礎梁芯までの高さを考慮したhi
仮想仕事2の補正係数αiを求める
αi=ΣMc/Σ(Qi・hi)
仮想仕事2の外力Pmを求める
Pm=αi・Qi
Pmが保有水平耐力となります
<補足>
・各階の梁の終局せん断力と終局曲げモーメントによるせん断力とのチェックを行います。
・各節点に於ける曲げ耐力の比較を行ったフレーム図を出力します。
25
・ 算 定 方 法 ( 1996 年 版 「 壁 式 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 設 計 施 工 指 針 」 (財 )日 本 建 築 セ ン タ ー に 準 拠 )
下 記 の 処 理 方 法 は 「 壁 式 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 設 計 施 工 指 針 」 の P175、 P176 の 文 書 を 引 用 し ま し た 。
1.保有水平耐力は仮想仕事法により算定します。崩壊形は、各階の梁端降伏並びに1階柱脚
又は、基礎梁端降伏の全体崩壊形を想定します。
2.部材の降伏位置は直交材のフェイス位置とし、節点でのモーメントは降伏位置でのモーメ
ントの値を比例させて求めます。
(梁における鉛直荷重によるモーメントの影響は無視します。)
3.降伏ヒンジは、壁梁と壁柱のモーメントを、それぞれの和との比較を行い、小さい方の部
材に発生するものとします。但し、1階壁脚と基礎梁節点まわりの降伏ヒンジを仮定する
場合は下記の方法によります。
1)
2)
3)
4)
便宜的に壁梁及び基礎梁を反曲点で切り離した各壁柱毎の部分架構を作ります。
部分架構に仮想変形1を与え、仮想仕事法により部分架構1階せん断力Q1を求めます。
この場合、外力分布は建築物の必要保有水平耐力の分布とします。
壁 柱 脚 部 の 終 局 モ ー メ ン ト Muc と 1 階 せ ん 断 力 Q 1 よ り 基 礎 梁 軸 線 上 の 節 点 モ ー メ ン ト
Mc を 求 め 、 Mc を 基 礎 梁 に 配 分 し ま す 。 ( 中 柱 で は 基 礎 梁 の 弾 性 剛 性 比 に 分 割 し た )
上記による基礎梁のフェイスモーメントが終局モーメントを超える場合は、降伏ヒンジ
を そ の 位 置 に 想 定 し 、 そ れ に よ っ て 得 た 節 点 モ ー メ ン ト を Mc と し ま す 。
R
P5
h5
P4
h4
P3
h3
P2
h2
P1
h1
5
4
3
θ
θ
2
M uc
Q1
1
Mc
h
仮想変形1
仮想変形2
Mc
部 分 架 構 の 仮 想 変 形 1 に お け る 仮 想 仕 事 量 ( Q1 )
5
外力の仕事
WE = Σ(Qi・hi )
内力の仕事
Wl = ΣMuθ,
WE + Wl = 0
5
Qi = Σ Pm
i =1
より
m =1
ΣMu :節 点 モ ー メ ン ト と Muc の 和
Q1 を 求 め る 。
Q1 = α・P
i
m
αi =
ΣMu
Σ(Qi・hi )
基礎ばり軸線上の節点モーメントMc
−
Mc = Muc + Q1 × h
26
4.建築物の保有水平耐力は、仮想変形2によって求める。この場合、外力分布は必要保有耐
力の分布とする。
外力の仕事
―
5 ―
 ― −
W E = ΣQi・hi θ+ Q1・h・θ
i =1

―
5 ―
Qi = Σ Pm
m =1
―
Pm : 建 築 物 全 体 の 各 層 外 力
内力の仕事
―
W l = −ΣMuθ
ΣMu = 全 節 点 モ ー メ ン ト の 和
―
―
―
――
WE + Wl = 0
より
―
Q1 を 求 め る 。
Q1 = α・
i Pm
―
αi =
ΣMu
― ― 
ΣQi・h i 


5.内力仕事について
梁と壁の芯モーメントを比較し、小さい方を節点モーメントとして採用する。
・内力仕事1
各階(最下層を除く)の節点モーメントの和と最下層壁脚のフェースモーメントを加えた
値を内力仕事1とする
・内力仕事2
内力仕事1に最下層部分(最下層壁脚のフェースモーメントだった)を節点モーメントの
値を採用するのが内力仕事2となる
※注)壁柱が1階壁脚以外で壁柱ヒンジが発生する場合は、部分崩壊になることになるので
設計者がチェックリストに対処方法を記述する必要があります
27