世帯数配布 学校だより№9 のびゆく東丘 校訓: 人を大切に 物を大切に 夢を大切に 平成28年9月21日 名古屋市立東丘小学校 9月17日は、初めての土曜参観でした。土曜日に授業参観を設定したのは、子どもた ちの夏休みの成果をぜひたくさんの保護者の方に見ていただきたいという考えからです。 その中で、5・6年生とその保護者の皆様を対象とした「命の大切さを考える講演会」 を行いました。3年前に最愛の息子さんをいじめによる自死で失ったお母さんにお越しい ただき、言葉の大切さや命の大切さについてお話いただきました。 親にとって、我が子を失うということは、言葉に代 えることができないほど辛いことでしょう。そんなお 母さんが、辛い気持ちを押して、子どもたちの前に立 たれたのは、ひとえに我が子と同じように苦しんでい る子どもを一人でも救いたい。自分と同じような思い をこれ以上多くのご両親に味わわせたくないという強 い思いがあってのことです。 今回の講演会の内容を多くの保護者の方に知ってい ただきたく、その一部ではありますが紹介をさせてい ただきます。 命の大切さを考える講演会 「うざい」「キモイ」「死ね」「消えろ」っていう言葉、普段の生活の中で、何気なく使ってますよね。 たぶんその言葉って、別に人を傷つるつもりで言っているのではなく、何となく自分の心の中がもや もやしているとか、何となくむしゃくしゃしているときに何かの言葉の最後に「うざい」「キモイ」って言っ てしまうんですよね。でもね、そんな何気なく使ってしまうその言葉、「死ね」という言葉が、それが息 子を「死」という世界へ向かわせてしまったんです。人の心って、弱ってくると、普段何でもない言 葉でも、相手の心の中にね、グサグサって、鋭いナイフみたいに突き刺さってしまうんです。突き刺 さってしまってね、時には言葉が人の命を奪うことだってあるんです。 みなさん、「言霊」っていう言葉を聞いたことありますか。言葉にはね、魂があるんだよね。言葉 は、魂をもっているから、一度口から出すとね、どんどん自分で勝手に一人歩きしちゃうんです。 一人歩きして、相手の心の中にどんどんどんどん入っていってしまうんです。(人に掛ける言葉を) どんな言葉がいいのかなって迷っちゃったりしたら、笑顔になる、相手の子が笑顔になる言葉を選 んで、口から出してあげるのがいいのかなと思います。 息子のことを経験してね、強く思ったこと、「あなたの命は、あなたの物であっても、あなただけの 物ではないんだよ」ということです。あなたは、たくさんの人に守られて生きています。決して一人で 生きてきたわけじゃないんです。あなたのことを大切に思っている人はたくさんいるんです。あなた は、決して一人じゃないんです。辛くって、それを抱えて頑張って、心が折れちゃって、もし、突然命 を絶ってしまったとしたら、あなたの周りの人は、あなたを大切に守ってくれている人は、どんなに悲し むでしょう。あなたの周りの人、あなたを大切に思っている人を、決してそんな気持ちにさせないで 下さい。今、あなたが生きているということが本当にかけがえのないすばらしいことなんだからね。 なんか辛いなあっていうことがあったら、私は笑顔っていうのを大事にしています。笑顔を大事 にして、嫌なことがあったって何か笑っているとね、みんなが笑顔になってくれるの。ムスッとしている よりニコッてした方が、人生明るくなって元気が出ます。だから、もし、辛いことがあったりとかしたら、 誰かに話したりとか、ニコッて笑ってみたりするとか、そういうこともいろいろ試してみて下さい。 (講演内容を一部抜粋) 講演を聴いて 5年生 ・ 言葉は、相手の心が弱っているときは、相手の心に突き 刺さるナイフのようになることが分かった。 ・ 命は自分だけの物ではない。つらい時も笑顔で毎日を送る。言葉には魂がある。この 三つの言葉を思いながら、日々、楽しい毎日が送れるといいなと思った。 ・ 「あなたの命であってもあなただけのものではない」ということを思いながら生きて いこうと思った。もし、友達が死を選ぼうとしたときは、「自分だけじゃないよ」と止 めてあげたい。 ・ 軽く言った言葉がこんなにも人を傷つけることがあると思うと、これからは、自分が 人に対して言う言葉には気をつけたいと思った。 ・ その子は、家族にも言わずにつらいということをかくして亡くなってしまったので、 「つらいときには、だれかを頼っていいんだよ」という講師の言葉が心に残りました。 ・ これからは、みんなのいいところを見付けて、みんなが笑顔になるような言葉をいっ ぱい言っていきたいなと思った。 6年生 ・ ふだん何気なく使っている言葉でも相手を傷つけてしまう言葉かどうか、しっかり考 えて、相手を喜ばせられるような言葉をかけてあげられるようになりたいと思った。 ・ 普通に何気なく言っている言葉が相手を死に追い込むことがあれば、 「ありがとう」 「か っこいいね」という言葉で予想以上に相手を喜ばせることができることが分かった。 ・ 「自分の命は、自分の物だけど、自分だけの物じゃないよ」という言葉がすごく心に 残った。自分がいなくなると悲しむ人がどれだけいるのかということを改めて知った。 ・ 私もたまに「死にたいな」とか「この世から消えたいな」と思います。でも、どんな につらく苦しくても笑顔でいようと今日の講演で思いました。 ・ 命とは、宝石やお金とは決して変えることができないということを改めて思った。自 分が生きているということは、とてもすごいことだと実感した。 ・ 思わず言った言葉が相手を傷つけてしまうかもしれないと いうことがよく分かった。相手を傷つける言葉を言っていた かもしれないので、これからは、言葉に気をつけていきたい と思った。 保護者 ・ 何気ない普段通りの生活が一変してしまった辛さ、言葉 に尽くせないことと思います。日々の生活を大切にしよう。「あなたを大事に想っている よ」という言葉を伝えたいと思います。 ・ 今日は、胸に響くお話をありがとうございました。子どもに「大好きだよ。大切だよ」 と伝えることがいかに大切なのかを感じました。なかなか言葉に出して言うことはできて いませんでしたので、少しずつでも伝えていけたらと思いました。 ・ 心に響きました。言葉の重みをしっかり感じながら、子どもと接していきたいと思いま した。辛い気持ちを抑えながら講演していただいて、とても素晴らしく、この活動を続け ていただきたいと思いました。 ・ とても心に響くお話でした。体験を基に辛いことでも伝えてもらうことで共有できまし た。いじめ等、学校生活で重要な問題について考える機会になり、子どもたちも考えても らえると良いなと思いました。
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