X線分析の進歩 第 40 集(2009)抜刷 Advances in X-Ray Chemical Analysis, Japan, 40 (2009) アグネ技術センター ISSN 0911-7806 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 編著者:石井真史,栗崎 敏,高山 透,谷田 肇,永谷広久,中野和彦,沼子千弥, 林 久史,原田 誠,前尾修司,松尾修司,村松康司,森 良弘 Reviews on X-Ray Analysis Literatures 2008 The editorial staff: Masashi ISHII, Tsutomu KURISAKI, Toru TAKAYAMA, Hajime TANIDA, Hirohisa NAGATANI, Kazuhiko NAKANO, Chiya NUMAKO, Hisashi HAYASHI, Makoto HARADA, Shuji MAEO, Shuji MATSUO,Yasuji MURAMATSU and Yoshihiro MORI (社)日本分析化学会X線分析研究懇談会 © 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 総 説 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 編著者:石井真史 *1 ,栗崎 敏 *6 *2 *7 ,高山 透 *3 ,谷田 肇 *8 中野和彦 ,沼子千弥 ,林 久史 ,原田 誠 * 11,# * 12 * 13 松尾修司 ,村松康司 ,森 良弘 *4 *9 ,永谷広久 , 前尾修司 *5 , * 10 , Reviews on X-Ray Analysis Literatures 2008 The editorial staff: Masashi ISHII * 1, Tsutomu KURISAKI * 2, Toru TAKAYAMA * 3, Hajime TANIDA *4, Hirohisa NAGATANI* 5, Kazuhiko NAKANO* 6, Chiya NUMAKO * 7, Hisashi HAYASHI * 8, Makoto HARADA * 9, Shuji MAEO * 10, Shuji MATSUO * 11, #, Yasuji MURAMATSU * 12 and Yoshihiro MORI * 13 *1 Synchrotron X-ray Group, Quantum Beam Center, National Institute for Materials Science *2 Department of Chemistry, Faculty of Science, Fukuoka University *3 Corporate Research & Development Laboratories, Sumitomo Metal Industries, Ltd. *4 Experimental Facilities Division, Japan Synchrotron Radiation Research Institute *5 Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Nagasaki University *6 Department of Applied Chemistry & Bioengineering, Graduate School of Engineering, Osaka City University *7 Faculty of Integrated Arts and Sciences, Tokushima University *8 Department of Chemical and Biological Sciences, Faculty of Science, Japan Women's University *9 Graduate School of Science and Engineering, Tokyo Institute of Technology *10 Department of Applied Chemistry, Osaka Electro-Communication University *11,# Physical Analysis and Evaluation Center, Electronics Division, KOBELCO Research Institute, Inc. 1-5-5 Takatsukadai, Nishi-ku, Kobe, Hyogo 651-2271, Japan *12 Graduate School of Engineering, University of Hyogo *13 ISO/TC201/WG2 # Corresponding author (Received 25 December 2008, Accepted 5 January 2009) The X-ray analysis-related literatures and the related information, which are published in 2008, are summarized. The lists are important literatures of X-ray analysis selected by each editorial staff. We commented on some literatures in the list to give useful information to the scientists and engineers related to the X-ray analysis. [Key words] Reviews 2008, X-ray analysis * 1 物質・材料研究機構量子ビームセンター * 2 福岡大学理学部化学科 * 3 住友金属工業株式会社総合技術研究所 *4 財団法人高輝度光科学研究センター利用研究促進部門 * 5 長崎大学工学部応用化学科 *6 大阪市立大学大学院工学研究科化学生物系専攻 * 7 徳島大学総合科学部 * 8 日本女子大学理学部物質生物科学科 X線分析の進歩 40 Adv. X-Ray. Chem. Anal., Japan 40, pp.21-43 (2009) * 9 東京工業大学大学院理工学研究科 * 10 大阪電気通信大学応用化学科 * 11# 株式会社コベルコ科研技術本部エレクトロニクス事業部物 理解析センター 兵庫県神戸市西区高塚台 1-5-5 〒 615-2271 * 12 兵庫県立大学大学院工学研究科 * 13 ISO/TC201/WG2 # 著者代表(連絡先) 21 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 2008年に出版された X線分析関連文献と X 線分析に関連した情報をまとめた.集録した X線分析関連の文献 は各編集者の裁量により厳選された.その一部の文献に対してコメントを付し,X 線分析を利用する技術者お よび研究者に有益な情報を提供した. [キーワード]総合報告,2008 年,X 線分析 DOI について: 一部の雑誌の論文リストには DOI(Digital Object Identifier)名も付した.この DOI 名を DOI システム( http://www.doi.org/ )に入力する,もしくは,本誌の PDF 版で は DOI 名をクリックすると,目的とする文献の WEB ページにアクセスできる. ○ 本稿で使われる主な略称一覧 XRF:蛍光 X 線分光,TXRF:全反射蛍光 X 線分光,XAS:X 線吸収分光,XAFS:X 線吸収微細構造,XANES: X 線吸収端近傍構造,EXAFS:広域 X 線吸収微細構造,XPS:光電子 X 線分光,XES:X 線発光分光,XRD ま たは XD:X 線回折,XRR:X 線反射率,RIXS:共鳴非弾性 X 線散乱,GIXS:斜入射 X 線散乱,SAXS:小角 X 線散乱,XMCD:X 線磁気円二色性分光,PIXE:粒子線励起 X 線発光分光,EDS または EDX:エネルギー 分散型 X 線分光,EPMA:電子プローブマイクロアナライザー,XFEL:X 線自由電子レーザー (担当:松尾修司) 金属,Vol.78 (2008) 争振出へ(1) 古九谷青手の分析―宇田応之,石崎温 可搬型の XRD,XRF,および XRD + XRF 装置を用 史,477-482. いた遺跡, 文化財の分析から歴史をひもとく大変興味 3)ポータブル型複合 X 線分析装置による遺跡・文化 深いシリーズが 2006 年 4 月から掲載されている.本 財の分析−これで歴史はかわるか?−(32) :法隆寺 年の注目は,古九谷焼の分析結果を6回に分けて説明 五重塔心柱伐採年代振出へ―宇田応之,1103-1110. し, 古九谷焼の産地としての有田説が有力視されてい る産地論争に一石を投じた「古九谷論争振出へ」であ ),(2008) (担当:高山 透) 日本工業規格( ( JIS) る. その他にエジプトの彩色木棺の色の分析や法隆寺 工場敷地などにおける土砂類中に含まれるすべての 五重塔心柱の伐採年代特定についての論文が掲載され 形態のヒ素及び鉛を,エネルギー分散方式蛍光X線分 ている.このシリーズ全体を通して XRD の結果が丁 析装置によって定量する方法が新たに制定された. ま 寧に説明されており,XRD の見方を養うには一般の た,一般的事項が制定されている蛍光X線分析通則も 専門書より実践的で実用性が高いと思われる. 以下に 9 年振りに改正され,用語の見直し,定量分析の項目 本年の主なタイトルを記す. への「半定量分析」の追加,元素マッピングの項目の 1)ポータブル型複合 X 線分析装置による遺跡・文化 追加などが行われた.さらに,チタン合金の蛍光X線 財の分析−これで歴史はかわるか?−(23) :4000 分析方法も新たに制定された. 年の眠りから覚めたエジプトの彩色木棺 鮮やかな 建材製品中のアスベスト含有率を測定する方法 (基 色の秘密(1)―宇田応之,吉村作治,石崎温史,馬 底標準吸収補正法によるX線回折定量分析方法など) 場匡浩,165-172. についての規定も,製品中アスベスト含有率基準が 2)ポータブル型複合 X 線分析装置による遺跡・文化 1% から 0.1% に規制強化(労働安全衛生法施行令,石 財の分析−これで歴史はかわるか?−(26) :古九谷論 綿障害予防規則など) されたこと及び特定のアスベス 22 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 ト(バーミキュライト)の前処理方法が確立されたこ 年 7 月 20 日制定,日本規格協会・日本チタン協会. とを受け,制定から 2 年で改正された. 一方,JIS Z 4702:1999「医用 X 線高電圧装置通則」 日本鉄鋼協会関連雑誌, ,(2008) (担当:高山 透) に適合する医療用の X線管装置(医用X 線装置,コン X 線分析に関して「鉄と鋼」誌に掲載された論文は ピュータ断層撮影装置,乳房撮影装置及び一体形X線 1 報,“ISIJ Int.” に掲載された新たな論文は無かった. 発生装置の構成部品)の安全に関する制定が行われ, 「鉄と鋼」誌に掲載された論文は,放射光を用いて鋼の 医用 X 線 CT 装置に関する規格などの改正,制定も行 溶接過程を in-situ X 線回折で測定するもので,放射光 われた. による高輝度の利用に加え,高感度な 2 次元検出器が 1)JIS Z 4330 γ線検出形水モニタ―1987年制定,2008 活用されていた.この他,材料解析のために汎用的に 年 1 月 20 日改正,日本規格協会・日本電気計測器工 X 線回折,SEM/EDS,EPMA,TEM/EDS が用いられて 業会. いる論文は多数あったが,新たなものでは無かった. 2)JIS Z 3107/AMENDMENT 1 チタン溶接部の放射線 透過試験方法(追補 1)―1973 年制定,2008 年 3 月 20 日改正,日本規格協会・日本チタン協会. (鉄と鋼,Vol.94 (2008)) 1)放射光を用いた溶接における凝固・変態過程のそ の場観察の新手法―小溝裕一,寺崎秀紀,1-5. 3)JIS K 0470 土砂類中の全ひ素及び全鉛の定量−エ ネルギー分散方式蛍光 X 線分析法―2008 年 3 月 20 (2008) )(担当:前尾修司) 分析化学, ,Vol.57( 日制定,産業技術総合研究所. 2008年の分析化学(Vol.57)に掲載されたⅩ線分析 4)JIS K 0119 蛍光 X 線分析通則―1969 年制定,2008 に関連する論文は 10 報であった.第 6 号では「分析 年 4 月 20 日改正,日本規格協会・日本分析機器工 の信頼性とバリデーション」特集号が刊行され,標準 業会. 物質に関するものが多く見られた. またその他には装 5)JIS A 1481 建材製品中のアスベスト含有率測定方 置開発, 装置の工夫による新たな試みに関する研究成 法―2006 年制定,2008 年 6 月 20 日改正,日本規格 果が報告され,なかでも 1)のナノスケールでの化学 協会・建材試験センター. 結合状態のマッピング測定は興味深い. これは放射光 6)JIS Z 4751-2 診断用 X 線源装置及び X 線管装置― と光電子顕微鏡を組み合わせたもので, 化学結合状態 安全―2008 年 6 月 25 日制定,日本規格協会・日本 に依存したマッピング測定を行うものである. 論文で 画像医療システム工業会. は試料として Si 基板上に作成した SiO2 のマイクロパ 7)JIS Z 4751-2-44 医用 X 線 CT 装置−安全− 2004 年 ターンの測定事例が紹介されており, 原子価の違いに 制定,2008 年 6 月 25 日改正,日本規格協会・日本 よる鮮明なマッピング像が得られている.さらにリア 画像医療システム工業会. ルタイムで試料が変化していく様を測定できるため, 8)JIS Z 4752-2-9 医用画像部門における品質維持の 加熱による Si-SiO2 界面の化学結合状態変化について 評価及び日常試験方法−第 2-9 部:不変性試験−間 の報告もされている. このような測定手法は同一元素 接透視及び間接撮影用 X 線装置―2008 年 6 月 25 日 のマッピング測定には有力であり, 材料の機能を決定 制定,日本規格協会・日本放射線技術学会. する化学結合状態のマッピング測定を行うことは今後 9)JIS Z 4752-3-5 医用画像部門における品質維持の も重要で,様々な分野での応用を期待する. 評価及び日常試験方法−第 3-5 部:受入試験−医用 1)放射光軟X線と光電子顕微鏡を組み合わせたナノ X線CT装置―2008年6月25日制定,日本規格協会・ メートルスケールの化学結合状態マッピング ―平尾 日本画像医療システム工業会. 法恵,馬場祐治,関口哲弘,下山 巖,本田充紀,41- 10)JIS H 1631 チタン合金−蛍光 X 線分析方法―2008 X線分析の進歩 40 47. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.41] 23 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 2)ハンディー全反射蛍光X線分析装置による清涼飲 Anal. Chem., Vol.80 (2008) (担当:栗崎 敏) 料水,環境水,プラスチック製玩具の浸出水中の微量 X 線分析を主な研究手法として利用した論文は 17 元素分析―国村伸祐,渡辺大輔,河合 潤,135-139. 報であった.2008年度の傾向はXRFを利用した微量成 [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.135] 分分析法の開発や,絵画などに含まれる元素の同定な 3)有害金属成分分析用汚染土壌認証標準物質 JSAC どに関する論文が多く報告されている.また,XPS, 0461 ∼ 0466 の開発―中村利廣,浅田正三,石橋耀 SAXSやPIXEを用いた生体試料の分析や装置開発に関 一, 岡田 章,川瀬 晃,中野和彦,濱本亜希,坂東 する論文や,新しい XAFS 測定法の開発についても報 篤,村上雅志,小野昭紘,吉原 登,柿田和俊,坂 告されている.4)の論文ではアセトニトリル溶液中の 田 衞,瀧本憲一,191-198. ウラニル錯体の構造解析を,UV-vis 分光法,密度汎関 [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.191] 4)平行ビームX線回折法による管状A型ゼオライト 数法及び XAFS 法を用いて行っている.UV-vis 分光法 から,溶液中の錯体種の種類を推定し,その結果を用 膜の格子定数測定―京谷智裕,齋藤準二,中根 堯, いて,XAFSスペクトルの因子解析を行い,混合状態の 339-344. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.339] EXAFSスペクトルから個々の錯体種に相当するEXAFS 5)日本分析化学会における標準物質の開発―保母敏 スペクトルの抽出を行い,DFT 計算の結果から得られ 行,飯田芳男,石橋耀一,岡本研作,川瀬 晃,中村 た構造を用いて詳細な解析を行っている.その結果,四 利廣,中村 洋,平井昭司,松田りえ子,山崎慎一, 種類の錯体種がアセトニトリル溶液中で存在している 四方田千佳子,小野昭紘,柿田和俊,坂田 衛,滝本 ことが報告されている.この様に,XAFS法と他の手法 憲一,363-392. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.363] を組みあわせることで,溶液中に混合状態で存在する 6)有害元素蛍光X線分析用粉末状ポリエチレン標準 金属錯体の構造解析を行うことが可能となり,基礎化 物質の開発―木村匡志,中野和彦,中村利廣,411- 学の分野だけではなく,工学的な応用が期待される. 415. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.411] 7)RoHS 指令対応重金属分析用 ABS 樹脂ペレット認 1)Early calcifications in human coronary arteries as determined with a proton microprobe―R.B.Roijers, 証標準物質の開発―大畑昌輝,倉橋正保,日置昭治, R.K.Dutta, J.P.M.Cleutjens, P.H.A.Mutsaers, J.J.M.de 417-426. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.417] Goeij, G.J.van der Vusse, 55-61. [DOI: 10.1021/ac0706628] 8)臭素成分蛍光X線分析用プラスチック認証標準物 2)X-ray photoelectron spectrometry depth profiling of 質JSAC 0651-0655の開発―中野和彦,中村利廣,中 organic thin films using C60 Sputtering―Y.-Y.Chen, B.-Y. 井 泉,野呂純二,川瀬 晃,長谷川幹男,石橋耀一, Yu, W.-B.Wang, M.-F.Hsu, W.-C.Lin, Y.-C.Lin, J.-H.Jou, 稲本勇,須藤和冬,古崎 勝,鶴田 暁,坂東 篤,小 J.-J.Shyue, 501-505. [DOI: 10.1021/ac701899a] 野昭紘,柿田和俊,滝本憲一,坂田 衛,469-475. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.469] 9)蛍光X線分析用有害金属含有土壌標準物質の開発 ―柴田康博,巣山潤之介,濱本亜希,吉原 登,鶴 田 暁,中野和彦,中村利廣,477-483. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.477] 3)Reconstruction of thickness and composition of stratified materials by means of 3D micro X-ray fluorescence spectroscop―I.Mantouvalou, W.Malzer, I.Schaumann, L.Lühl, R.Dargel, C.Vogt, B.Kanngiesser, 819-826. [DOI: 10.1021/ac701774d] 4)Structural determination of individual chemical species 10)法科学的異同識別を目的とした 3 次元偏光光学系 in a mixed system by iterative transformation factor analysis- 高エネルギー蛍光X線分析装置を用いる布粘着テー based X-ray absorption spectroscopy combined with UV- プの微量元素分析―後藤彬子,保倉明子,中井 泉, visible absorption and quantum chemical calculation― 699-706. [DOI: 10.2116/bunsekikagaku.57.699] A.Ikeda, C.Hennig, A.Rossberg, S.Tsushima, 24 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 A.C.Scheinost, G.Bernhard, 1102-1110. [DOI: 10.1021/ac7021579] scattering—A.F.Thünemann, J.Kegel, J.Polte, F.Emmerling, 5905-5911. [DOI: 10.1021/ac8004814] 5)Characterization of pousão pigments and extenders by 14)Visualization of a lost painting by vincent van gogh micro-X-ray diffractometry and infrared and raman using synchrotron radiation based X-ray fluorescence microspectroscopy ―A.M.Correia, M.J.V.Oliveira, elemental mapping—J.Dik, K.Janssens, G.van der Snickt, R.J.H.Clark, M.I.Ribeiro, M.L.Duarte, 1482-1492. [DOI: 10.1021/ac701887p] 6)Determination of beryllium by using X-ray fluorescence Spectrometry—B.Zawisza, 1696-1701. [DOI: 10.1021/ac702015a] 7)Characteristics of picoliter droplet dried residues as L.van der Loeff, K.Rickers, M.Cotte, 6436-6442. [DOI: 10.1021/ac800965g] 15)Principal component analysis: a versatile method for processing and investigation of XPS spectra—K.M.Mc Evoy, M.J.Genet, C.C.Dupont-Gillain, 7226-7238. [DOI: 10.1021/ac8005878] standards for direct analysis techniques—U.E.A.Fittschen, 16)Measuring and interpreting X-ray fluorescence from N.H.Bings, S.Hauschild, S.Förster, A.F.Kiera, E.Karavani, planetary surfaces—A.Owens, B.Beckhoff, G.Fraser, A.Frömsdorf, J.Thiele, G.Falkenberg, 1967-1977. M.Kolbe, M.Krumrey, A.Mantero, M.Mantler, A.Peacock, [DOI: 10.1021/ac702005x] 8)High-energy polarized-beam energy-dispersive X-ray M.-G.Pia, D.Pullan, U.G. Schneider, G.Ulm, 8398-8405. [DOI: 10.1021/ac8009627] fluorescence analysis combined with activated thin layers 17)Optically detected X-ray absorption spectroscopy for cadmium determination at trace levels in complex measurements as a means of monitoring corrosion layers environmental liquid samples—E.Marguí, C.Fontàs, K.Van on copper—M.G.Dowsett, A.Adriaens, G.K.C.Jones, Meel, R.Van Grieken, I.Queralt, M.Hidalgo,, 2357-2364. N.Poolton, S.Fiddy, S.Nikitenko, 8717-8724. [DOI: 10.1021/ac7018427] [DOI: 10.1021/ac800895n] 9)Depth profiling of organic films with X-ray photoelectron spectroscopy using C60+ and Ar+ co-sputtering—B.-Y.Yu, Anal. Chim. Acta, Vol. 606-630 (2008) (担当:沼子千弥) Y.-Y.Chen,, W.-B.Wang, M.-F.Hsu, S.-P.Tsai, W.-C.Lin, Y.- X線分析を用いている論文は21報あり,その内訳は, C.Lin, J.-H.Jou, C.-W.Chu, J.-J.Shyue, 3412-3415. XRF 4 報[1)∼ 4) ],XAS 2 報 [5) ,6) ],XPS 1 報 [DOI: 10.1021/ ac702626n] 10)High-throughput small angle X-ray scattering from [7) ],XRD 8 報[8)∼15) ] ,EPMA 2 報[16) ,17) ] , SEM-EDS 4 報[18)∼ 21) ]であった.2008 年度では, proteins in solution using a microfluidic front-end— 生体試料や環境試料,文化財,機能性材料など多岐に K.N.Toft, B.Vestergaard, S.S.Nielsen, D.Snakenborg, わたる対象試料に対して,上述の既存のX線分析を他 M.G.Jeppesen, J.K.Jacobsen, L.Arleth, J.P.Kutter, 3648- の分析の前分析または付帯情報を得るための分析に用 3654. [DOI: 10.1021/ac800011y] いている報告が多かった.その中で 1)の論文ではエ 11)Two-dimensional X-ray photoelectron spectroscopy ネルギー分散型蛍光X線分析を活用し,現在市販され for composite surface analysis—S.Suzer, H.Sezen, ているサンスクリーンに対して非破壊で酸化チタンの A.Dâna, 3931-3936. [DOI: 10.1021/ac702642w] 定量分析を行い,さらに紫外線の遮蔽能を示すSPF値 12)X-ray spectrometry—K.Tsuji, K.Nakano, H.Hayashi, について,TiO2 の含有量及び共存元素・共存有機物量 K.Hayashi, C.-U.Ro, 4421-4454. [DOI: 10.1021/ac800678s] との相関について検討を行っている.また7)では,白 13)Superparamagnetic maghemite nanorods: analysis by 金触媒上に修飾した多層カーボンナノチューブに対し coupling field-flow fractionation and small-angle X-ray て,XRD を用いて結晶の大きさの評価,XPS を用い X線分析の進歩 40 25 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 て表面の特性の評価を行っている.これらのように, [DOI: 10.1016/j.aca.2008.02.064] 特定の物理的機能が発現する材料に対して非破壊でX 8)Spectroscopic study of the degradation products in the 線分析を行うことにより, 材料の特性と構成元素との holy water fonts in Santa Maria della Steccata Church in 関係を明らかにする試みは, 他の分野でも活用されう Parma (Italy)―D.Bersani, E.Campani, A.Casoli, P.P. Lottici, るアプローチであり, 今後工業界での実用的な分析法 I.-G.Marino, 610, 74-79. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.01.041] として X 線分析が発展してゆくことが期待される. 9) Zinc oxide nanoparticles-chitosan composite film for 1)Titanium dioxide determination in sunscreen by energy cholesterol biosensor―R.Khan, A.Kaushik, P.R.Solanki, dispersive X-ray fluorescence methodology ―F.L. A.A.Ansari, M.K.Pandey, B.D.Malhotra, 616, 207-213. Melquiades, D.D.Ferreira, C.R.Appoloni, F.Lopes, A.G.Lonni, [DOI: 10.1016/j.aca.2008.04.010] F.M. Oliveira, J.C.Duarte, 613, 135-143. 10)A novel gaseous pinacolyl alcohol sensor utilizing [DOI: 10.1016/j.aca.2008.02.058] cataluminescence on alumina nanowires prepared by 2)Analysis of a coloured Dutch map from the eighteenth supercritical fluid drying―C.Yu, G.Liu, B.Zuo, Y.Tang, century: The need for a multi-analytical spectroscopic T.Zhang, 618, 204-209. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.05.002] approach using portable instrumentation―K.Castro, 11)Self-modeling curve resolution (SMCR) analysis of N.Proietti, E.Princi, S.Pessanha, M.L.Carvalho, S.Vicini, near-infrared (NIR) imaging data of pharmaceutical tablets D.Capitani, J.M.Madariaga, 623, 187-194. ―K.Awa, T.Okumura, H.Shinzawa, M.Otsuka, Y.Ozaki, [DOI: 10.1016/j.aca.2008.06.019] 619, 81-86. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.02.033] 3)New application of microwave digestion–inductively 12)Vibrational spectroscopic characterisation of salmeterol coupled plasma-mass spectrometry for multi-element xinafoate polymorphs and a preliminary investigation of analysis in komatiites―D.Nna-Mvondo, M.P.Martin- their transformation using simultaneous in situ portable Redondo, J.Martinez-Frias, 628, 133-142. Raman spectroscopy and differential scanning calorimetry [DOI: 10.1016/j.aca.2008.09.008] 4)Synthesis, characterization and evaluation of ionic- ―H.R.H.Ali, H.G.M.Edwards, M.D.Hargreaves, T. Munshi, I.J.Scowen, R.J.Telford, 620, 103-112. imprinted polymers for solid-phase extraction of nickel [DOI: 10.1016/j.aca.2008.05.009] from seawater―J.Otero-Romaní, A.Moreda-Piñeiro, P. 13)Synthesis of nano-pore samarium (III)-imprinted polymer Bermejo-Barrera, A.Martin-Esteban, 630, 1-9. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.09.049] 5)Novel analytical methods for characterising binding media and protective coatings in artworks―M.T.Doménech -Carbó, 621, 109-139. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.05.056] for preconcentrative separation of samarium ions from other lanthanide ions via solid phase extraction―S. Shirvani-Arani, S.J.d.Ahmadi, A.Bahrami-Samani, M.Ghannadi-Maragheh, 623, I82-88. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.05.071] 6)Characterisation and quantification of organic phosphorus 14)The stucco decorations from St. Lorenzo in Laino and organic nitrogen components in aquatic systems: A (Como, Italy): The materials and the techniques employed Review―P.J.Worsfold, P.Monbet, A.D.Tappin, M.F. by the “Magistri Comacini”―L.Rampazzi, B.Rizzo, C. Fitzsimons, D.A.Stiles, I.D.McKelvie, 624, 37-58. Colombo, C.Conti, M.Realini, U.Bartolucci, M.P. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.06.016] 7)Preparation and electrocatalytic activities of platinum nanoclusters deposited on modified multi-walled carbon nanotubes supports―S.Kim, S-J.Park, 619, 43-48. 26 Colombini, A.Spiriti, L.Facchin, 630, 91-100. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.09.052] 15)Immobilization of trypsin in polyaniline-coated nanoFe3O4/carbon nanotube composite for protein digestion― X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 S.Wang, H.Bao, P.Yang, G.Chen, 612, 182-189. (CVD)で作成されたものは窒素がほとんど含まれて [DOI: 10.1016/j.aca.2008.02.035] おらず,B-C ボンドを形成しているのに対して,高温 16)Molecular mass concentrations for a powdered SRM 高圧合成法(HPT)では不純物窒素が影響し,ヘキサ sample using a quantitative single particle analysis― ゴナル BN を形成していることを確認している.特に M.S.I.Khan, H.Hwang, H.Kim, C-U.Ro, 619, 14-19. HPTでのXES,XAS測定は今まで成されておらず,生 [DOI: 10.1016/j.aca.2008.03.020] 成方法の違いによるダイアモンドの特性の違いを化学 17)Development of disposable bulk-modified screen- 的根拠から初めて説明している.10)の論文では焦電 printed electrode based on bismuth oxide for stripping 結晶を用いたX 線発生デバイスを用いて,mmレベル chronopotentiometric analysis of lead (II) and cadmium での元素マッピングを簡便に行うことを目的としたも (II) in soil and water samples―R.O.Kadara, I.E.Tothill, のである.発生源の大きさが大きいため,分解能は3.5 623, 76-81. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.06.010] mmとなっているが,非常に簡便な構成で測定が可能 18)Multispectral and hyperspectral image analysis of となっている.分野によっては高分解能より,このよ elemental and micro-Raman maps of cross-sections from うな小型・簡便な装置が望まれることもあるので,今 a 16th century painting―D.Lau, C.Villis, S.Furman, 後の応用研究に期待したい. M.Livett, 610, 15-24. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.12.043] 1)Synchrotron X-ray experiments in pulsed high magnetic 19)Evaluating a Cumaean Sibyl: Domenichino or later? A fields―Y.H.Matsuda, 3-10. [DOI: 10.2116/analsci.24.3] multi analytical approach―S.Daniilia, E.Minopoulou, 2)X-ray microcalorimeter based on superconducting K.S.Andrikopoulos, I.Karapanagiotis, G.A.Kourouklis, transition edge sensors―M.Ohno, H.Takahashi, R.M.T. 611, 239-249. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.01.079] 20)A reagentless amperometric immunosensor for α-1-fetoprotein based on gold nanowires and ZnO nanorods modified electrode―X.Lu, H.Bai, P.He, Y.Cha, G.Yang, L.Tan, Y.Yang, 615, 158-164. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.03.054] Damayanthi, Y.Minamikawa, F.Mori, 11-14. [DOI: 10.2116/analsci.24.11] 3)Lifetime-broadening-suppressed selective XAFS spectroscopy―H.Hayashi, 15-23. [DOI: 10.2116/analsci.24.15] 21)Multiway chemometric decomposition of EEM of fluo- 4)Application of confocal 3D micro-XRF for solid/liquid rescence of CdTe quantum dots obtained as function of pH interface analysis―K.Tsuji, T.Yonehara, K.Nakano, 99- ―J.M.M.Leitão, H.Gonçalves, C.Mendonça, J.C.G.E.da Silva, 628, 143-154. [DOI: 10.1016/j.aca.2008.09.020] 103. [DOI: 10.2116/analsci.24.99] 5)Superiority of K-edge XANES over LIII-edge XANES in the speciation of Iodine in natural soils―Y.S.Shimamoto, Anal. Sci., Vol.24 (2008) (担当:前尾修司) Y.Takahashi, 405-409. [DOI: 10.2116/analsci.24.405] 2008年のAnalytical Sciences(Vol.24)に掲載された 6)Chemical analysis of impurity Boron atoms in diamond X 線分析に関連する論文は 15 報であった.そのうち using soft X-ray emission spectroscopy―Y.Muramatsu, 4 報が review であった.論文としては材料分析,装置 開発についての報告が主であり, 中でも生成方法の違 J.Iihara, T.Takebe, J.D.Denlinger, 831-834. [DOI: 10.2116/analsci.24.831] いによる半導体ダイアモンド中の B の状態分析 6),焦 7)Characterization of Calcium Carbonate polymorphs 電結晶を用いた X 線発生デバイスを利用した 2 次元 with Ca K edge X-ray absorption fine structure spectros- マッピングへの応用についての報告 10) に興味を抱い た.6)の論文では半導体ダイアモンドにドープされ た B,C の化学状態の解明を行っている.気相合成法 X線分析の進歩 40 copy ―S.Hayakawa, Y.Hajima, S.Qia, H.Namatame, T.Hirokawa, 835-837. [DOI: 10.2116/analsci.24.835] 8)Topographic trace-elemental analysis in the brain of 27 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 Wistar Rats by X-ray microfluorescence with synchrotron 7,8) circular dichroism; XMCD) などの構造解析分析である. radiation―R.F.B.Serpa, E.F.O.De Jesus, M.J.Anjos, L.F. 1)SAXS and XAFS characterization of nano-scale De Oliveira, L.A.Marins, M.G.T.Do Carmo, J.D.Correa precipitates in copper base alloys — Y.Takahashi, T.Sanada, Junior, M.S.Rocha, R.T.Lopes, A.M.B.Martinez, 839-842. S.Sato, 38-40. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.38] 2)Atomic-scale structure and morphology of γ-FeOOH [DOI: 10.2116/analsci.24.839] 9)X-ray energy dependence of the properties of the fo- particles formed during corrosion of Fe-based alloys in cused beams produced by polycapillary X-ray lens― aqueous solution—K.Inoue, K.Shinoda, M.Saito, S.Suzuki, A.Matsuda, Y.Nodera, K.Nakano, K.Tsuji, 843-846. Y.Waseda, 49-53. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.49] [DOI: 10.2116/analsci.24.843] 3)Influence of anion coexistence on crystal structure of 10)Spatially resolved X-ray fluorescence analysis with a pyroelectric X-ray emitter―S.Hatakeyama, S.Kunimura, iron oxides deposited from steel surfaces—K.Shinoda, S.K.Kwon, S.Suzuki, Y.Waseda, 60-63. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.60] N.Sasaki, T.Yamamoto, J.Kawai, 847-850. [DOI: 10.2116/analsci.24.847] 4)Investigation of preparation conditions and micro- 11)Kα/Kβ ratios of fluorescence X-rays as an information source on the depth distribution of Iron in a low Z matrix ―T.Trojek, T.Cechak, L.Musilek, 851-854. structure of Mn-N films by reactive sputtering—M.Chiba, S.Naito, 115-118. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.115] 5) Direct observation of valence and conduction states near [DOI: 10.2116/analsci.24.851] the SiO2/Si(100) interface—Y.Yamashita, S.Yamamoto, 12)Surface structure of a neat ionic liquid investigated by K.Mukai, J.Yoshinobu, Y.Harada, T.Tokushima, S.Shin, 209- grazing-incidence X-ray diffraction―Y.F.Yano, H. 212. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.209] Yamada, 1269-1271. [DOI: 10.2116/analsci.24.1269] 6)Oxidation of Cu on ZnO(0001)-Zn: Angle-resolved 13)Recent development of the XANES spectral analysis photoelectron spectroscopy and low-energy electron dif- methods for the structure characterization of metal com- fraction study—K.Ozawa, Y.Oba, K.Edamoto, 226-232. plexes in solution ―T.Kurisaki, S.Matsuo, I.Tóth, [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.226] H.Wakita, 1385-1392. [DOI: 10.2116/analsci.24.1385] 7)CO adsorption effects on the magnetism and surface structure of Fe/Cu(001)—H.Abe, K.Amemiya, J.Miyawaki, e-j. Surf. Sci. Nanotech., Vol.6 (2008) (担当:中野和彦) E.O.Sako, M.Sakamaki, D.Matsumura, T.Ohtsuki, E.Sakai, e-J. Surf. Sci. Nanotech. (Vol.6) に掲載された X 線分 T.Ohta, 233-236. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.233] 析関連の論文は 12 報であった. e-J. Surf. Sci. Nanotech. 8)Spin reorientation transition of Fe ultra-tin films on の傾向として,新規的なX線分析装置および分析手法 Pd(001) studied by X-ray magnetic circular dichroism の開発に関する論文は扱っておらず, 試料表面や界面 spectroscopy—T.Ueno, M.Nagira, S.Tohoda, T.Tagashima, における構造解析の手法として X 線分光を用いてい A.Kimura, M.Sawada, H.Namatame, M.Taniguchi, 246- る.以下に示したのは,X 線分光を主な分析手法とし 250. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.246] て取り扱った論文である.分析試料としては,金属材 9)Determination of band structures of InN/GaN Interfaces 料・および金属材料の腐食や半導体・磁性材料を主な by synchrotron radiation hard X-ray photoemission 分析対象としている.また,その分析手法としては, spectroscopy—Y.Toyoshima, K.Horiba, M.Oshima, J.Ohta, 1) 1,3) 2-4, 10-12) ,軟 X 線 H.Fujioka, H.Miki, S.Ueda, Y.Yamashita, H.Yoshikawa, 9) 分光法 ,硬 X 線光電子分光(HX-PES) ,角度分解 - K.Kobayashi, 254-257. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.254] X 線小角散乱法 ,EXAFS 5) 6) ,XRD XPS(AR-XPS) ,やX線磁気円二色性(X-ray magnetic 28 10)Structural characterization of nanostructured nickel X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 coated carbon fibers by X-ray line broadening—M.Fares, soft X-ray absorption edges using hard X-rays―C. M.Y.Debili, 258-262. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.258] Sternemann, H.Sternemann, S.Huotari, F.Lehmkühler, 11)X-ray Photoelectron Diffraction Study on the Surface M.Tolan, J.S.Tse, 807-813. [DOI: 10.1039/b717441a] and Interface Structure of VO2/TiO2(110) Model Catalyst 5)Non-destructive, depth resolved investigation of corro- —S.Miyasaka, A.Suzuki, M.Nojima, M.Owari, Y.Nihei, sion layers of historical glass objects by 3D Micro X-ray 272-275. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.272] fluorescence analysis―B.Kanngießer, I.Mantouvalou, 12)Surface X-ray Diffraction Study of the Metal-Insulator Transition on the Si(553)-Au Surface—W.Voegeli, W.Malzer, T.Wolff, O.Hahn, 814-819. [DOI: 10.1039/b717286a] T.Takayama, K.Kubo, M.Abe, Y.Iwasawa, T.Shirasawa, 6)Applications of synchrotron-based micro-imaging tech- T.Takahashi, K.Akimoto, H.Sugiyama, H.Tajiri, O.Sakata, niques to the chemical analysis of ancient paintings―M. 281-285. [DOI: 10.1380/ejssnt.2008.281] Cotte, J.Susini, V. A.Solé, Y.Taniguchi, J.Chillida, E.Checroun, P.Walter, 820 - 828. [DOI: 10.1039/b801358f] J. Anal. Atomic Spectrom., Vol.23 (2008)(担当:森 良弘) 7)A combination of synchrotron and laboratory X-ray 2008 年の JAAS には 17 報の X 線分析関連論文が掲 techniques for studying tissue-specific trace level metal 載された.特に Issue 6(page 781-920)は放射光特集 distributions in Daphnia magna―B.De Samber, R.Evens, 号となっており,この号だけで 8 件の論文を数える. K.De Schamphelaere, G.Silversmit, B.Masschaele, T. 分析対象物は生体,植物,絵画,歴史遺産など多岐に Schoonjans, B.Vekemans, C.R.Janssen, L.Van Hoorebeke, わたっている. I.Szalóki, F.Vanhaecke, G.Falkenberg, L.Vincze, 829-839. 2008年の論文から1件ピックアップするなら,Issue [DOI: 10.1039/b800343m] 12の Be分析に関する報告があげられる.Beのような 8)Sodium sulfate heptahydrate: a synchrotron energy- 軽元素は通常の XRF では分析が困難だが,Co と錯体 dispersive diffraction study of an elusive metastable を形成させてこれを分離し XRF にかけることで,Co hydrated salt―A.Hamilton, C.Hall, 840-844. の信号から Be を間接的に定量できるというものであ る.濃縮でなく変換という発想は XRF の新しい用途 につながる可能性がある. 1)The use of teeth as the site for the in vivo or ex vivo [DOI: 10.1039/b716734b] 9)Reference-free X-ray spectrometry based on metrology using synchrotron radiation―B.Beckhoff, 845-853. [DOI: 10.1039/b718355k] quantification of skeletal strontium by energy-dispersive 10)Application of high-energy polarised beam energy X-ray fluorescence spectrometry: A feasibility study― dispersive X-ray fluorescence spectrometry to cadmium E.Da Silva, A.Pejović-Milić, D.V.Heyd, 527-534. determination in saline solutions―K.Van Meel, C.Fontàs, R. [DOI: 10.1039/b717029g] 2)Synchrotron radiation induced TXRF―C.Streli, P.Wobrauschek, F. Meirer, G.Pepponi, 792-798. [DOI: 10.1039/b719508g] Van Grieken, I.Queralt, M.Hidalgo, E.Marguí, 1034-1037. [DOI: 10.1039/b718382h] 11)Micro X-ray fluorescence imaging and micro X-ray absorption spectroscopy of cadmium hyper-accumulating 3)Synchrotron radiation and cultural heritage: combined plant, Arabidopsis halleri ssp. gemmifera, using high-energy XANES/XRF study at Mn K-edge of blue, grey or black synchrotron radiation―N.Fukuda, A.Hokura, N.Kitajima, coloured palaeontological and archaeological bone material Y.Terada, H.Saito, T.Abe, I.Nakai, 1068 -1075. ―I.Reiche, E.Chalmin, 799-806. [DOI: 10.1039/b717442j] 4)The barium giant dipole resonance in barite: a study of X線分析の進歩 40 [DOI: 10.1039/b803602k] 12)Nano-imaging of trace metals by synchrotron X-ray 29 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 fluorescence into dopaminergic single cells and neurite-like における π* および σ* ピークの入射角依存性から,放 processes―A.Carmona, P.Cloetens, G.Devès, S.Bohic, 射光マイクロビームの偏光度を簡便に計測する方法を R.Ortega, 1083-1088. [DOI: 10.1039/b802242a] 提示している.実験は Advanced Light Source (ALS) 13)Multiple molecular simultaneous imaging in a live mouse の BL-5.32 で実施された.2)および3)は重元素(73Ta using semiconductor Compton camera―S. Motomura, ∼ 92U)における L 線の蛍光収量を計測し,理論値と Y.Kanayama, H.Haba, Y.Watanabe, S. Enomoto, 1089- ほぼ一致する結果が得られている.なお,後者は外部 1092. [DOI: 10.1039/b802964d] 磁場下での蛍光収量の計測から, 電子遷移確率に関す 14)Direct speciation of metals in copper-zinc superoxide る磁場の影響を解析している.4)はFLASH FEL(独) dismutase isoforms on electrophoresis gels using X-ray において,超高速X線パルスを励起線としたコヒーレ absorption near edge structure―S.Chevreux, S.Roudeau, ント X 線回折から,145 nm 径のポリスチレンナノ粒 A.Fraysse, A.Carmona, G.Devès, P.L.Solari, T.C.Weng, 子の像を単パルスで描くことに成功したと報告してい R.Ortega, 1117 - 1120. [DOI: 10.1039/b802375a] る.第3世代放射光からFELの世代に来ていることを 15) Mapping technique for biodistribution of elements in a model organism, Caenorhabditis elegans, after exposure to 実感する.なお,本誌の論文は ScienceDirect (http:// www.sciencedirect.com)から検索できる. copper nanoparticles with microbeam synchrotron radiation 1)A simple method for determining linear polarization and X-ray fluorescence―Y.Gao, N.Liu, C.Chen, Y.Luo, Y.Li, energy calibration of focused soft X-ray beams―B.Watts, Z.Zhang, Y.Zhao, B.Zhao, A.Iida, Z.Chai, 1121-1124. H.Ade, 162, 49-5. [DOI: 10.1016/j.elspec.2007.08.008] [DOI: 10.1039/b802338g] 2)Measurement of L X-ray fluorescence cross sections 16)Atomic spectrometry update. X-ray fluorescence and relative intensities for some elements in the atomic spectrometry―M.West, A.T.Ellis, P.Kregsamer, P.J.Potts, range 78 ≤ Z ≤ 92―L.Demir, I.Han, M. Şahin , 162, 44-48. C.Streli, C.Vanhoof, P.Wobrauschek, 1409-1437. [DOI: 10.1016/j.elspec.2007.09.003] [DOI: 10.1039/b813039f] 3) The effect of an external magnetic field on the L subshell 17)Indirect determination of beryllium by X-ray fluores- X-ray fluorescence cross sections and L subshell fluorescence cence spectrometry via a complex with cobalt―B.Zawisza, yields in elements 73 ≤ Z ≤ 92 by 59.54 keV photons― R.Sitko, 1628-1631. [DOI: 10.1039/b805683h] D.Demir, Y. Şahin , 162, 8-12. [DOI:10.1016/j.elspec.2007.07.001] J. Electron Spectrosc. Relat. Phenom., Vol.162-167 (2008) 4)Ultrafast soft X-ray scattering and reference-enhanced (担当:村松康司) diffractive imaging of weakly scattering nanoparticles― 2008年のVol. 162-167において, 「X-ray」をキーワー Sébastien Boutet, Michael J. Bogan, Anton Barty, Matthias ドとする論文は 40 件である.この内,半分以上の 21 Frank, W.Henry Benner, Stefano Marchesini, M.M.Seibert, 件が光電子分光またはオージェ電子分光による表面・ J.Hajdu, H.N.Chapman, 166-167, 65-73. 界面分析や電子遷移過程の研究であり,X線を励起線 [DOI: 10.1016/j.elspec.2008.06.004] とする分析手法としての電子分光の有用性がよみとれ る .こ れ に 次 ぐ 分 光 手 法 は X 線 吸 収 分 光( 特 に J. Synchrotron. Rad., Vol.15 (2008) (担当:石井真史) XANES)であり,X線吸収磁気円二色性分光(XMCD) 本誌は隔月発刊で,2008 年は 11 月の時点で Vol.15 を含めて 7 件である.これら物質・材料の分光分析研 の 6 冊が既に刊行されている.本号を見渡したとこ 究の他に,X 線分光計測の観点から興味深い 4 件を以 ろ,個別のテーマで進展はあったと思うが,X 線分析 下に示す.1)は高配向性黒鉛(HOPG)のCK端XANES 全体に大きな進歩をもたらす報告はなかったように思 30 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 う.潜在的なトピックスとして XFEL があるが,各施 設での本格始動を前に,短パルスX線と多層膜や単結 1,22) 晶との相互作用 など問題点は議論されているもの [DOI: 10.1107/S0909049507047966] 2)X-ray spectromicroscopy with the scanning transmission X-ray microscope at BESSY II―G.Mitrea, J.Thieme, P. の, 分析技術として真正面に取り組むには一歩手前の Guttmann, S.Heim, S.Gleber, 26-35. 段階と言える.一方で,実験室のX線装置の高輝度化 [DOI: 10.1107/S0909049507047966] が確実に進んでいることは注目に値する 10,12) .また, 3)High-performance X-ray detectors for the new powder ロボットや依頼分析により測定の効率化を図り, 時間 diffraction beamline I11 at Diamond―N.Tartoni, S.P. 勝負やより広範な利用に対応する技術が取り上げられ Thompson, C.C.Tang, B.L.Willis, G.E.Derbyshire, A.G.Wright, ていることも象徴的である 14,15) . 次にトピックスとして取り上げる論文は,高輝度X S.C.Jaye, J.M.Homer, J.D.Pizzey, A.M.T.Bell, 43-49. [DOI: 10.1107/S0909049507046250] 線への要求という大きな流れとは別に, アイディアが 4)Cost-effective upgrade of a focusing system for inelastic 分析技術を向上させ, あるいは本流をも凌駕するかも X-ray scattering experiments under high pressure―C.-Y. しれないという期待で選んだ. 使い易さや効率を追求 Huang, Y.Q.Cai, N.Hiraoka, C.-C.Chen, S.-C.Chung, Y.-F. することで分析の信頼性を高める技術は, ハイスルー Song, K.-L.Tsang, 50-54. プットと同様に,今後注目すべきテーマと思われる. [DOI: 10.1107/S0909049507055884] 文献 5)は新しいタイプのビーム成形用光学素子の 5)Beam-shaping condenser lenses for full-field transmission 提案である. 見かけはフレネルゾーンプレートに似て X-ray microscopy―K.Jefimovs, J.Vila-Comamala, M. いるが,同心円の層構造ではなく,矩形の領域にわ Stampanoni, B.Kaulich, C.David, 106-108. け, 各領域は同一間隔かつ弧ではなく直線の層構造で [DOI:10.1107/S0909049507047711] 形成する.このユニークな構造は,フレネルゾーンプ 6)Evaluation of two methods to minimize the anticlastic レートの点集光に対して, 矩形の集光を実現するコン curvature of cylindrical bent crystals―L.Feng, L.Kang, デンサレンズとして働く.各実験装置の検出器(そも Z.Li, F.Zhao, C.Xu, 140-143. そも有効検出部は矩形のものが多い) のサイズに合わ [DOI: 10.1107/S0909049507066368] せた設計が容易で, 構造の単純さ以上に有用性が高い 7)An extraction algorithm for core-level excitations in non- と思われる.実際シリコンと金を使って,硬・軟 X 線 resonant inelastic X-ray scattering spectra―H.Sternemann, 用の素子を試作している. ユニークな形状の光学素子 C.Sternemann, G.T.Seidler, T.T.Fister, A.Sakko, M.Tolan, は 9)と 26)の論文にも見られるが,汎用性の高さで 162-169. [DOI: 10.1107/S0909049508001696] 5)が一歩長ずると思われる. 8)Fabrication of high-aspect-ratio Fresnel zone plates by 以下,本誌に掲載されたX線分析に関係する論文を e-beam lithography and electroplating ―Y.T.Chen, 27 報選んだが,広い分野に関連することを条件に抽 T.N.Lo, C. W.Chiu, J.Y.Wang, C.L.Wang, C.J.Liu, S.R.Wu, 出したので, 各分野で優れた論文であっても選ばれて S.T.Jeng, C.C.Yang, J.Shiue, C.H.Chen, Y.Hwu, G.C.Yin, いない場合がある.また,その境界も選者の主観が入 り曖昧であることを申し添えておく. 本誌は一般的な ジャーナルよりもX線に特化されているので,興味あ る方は再検索されることを勧める. 1)Time-space transformation of femtosecond free-electron laser pulses by periodical multilayers―D.Ksenzov, S. Grigorian, U.Pietsch, 19-25. X線分析の進歩 40 H.M.Lin, J.H.Je, G.Margaritondo, 170-175. [DOI: 10.1107/S0909049507063510] 9)Diffraction theory applied to X-ray imaging with clessidra prism array lenses―L.De Caro, W.Jark, 176-184. [DOI: 10.1107/S090904950800068X] 10)Highly bright X-ray generator using heat of fusion with a specially designed rotating anticathode―N.Sakabe, 31 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 S.Ohsawa, T.Sugimura, M.Ikeda, M.Tawada, N.Watanabe, K.Sasaki, K.Ohshima, M.Wakatsuki, K.Sakabe, 231-234. [DOI:10.1107/S0909049508003993] 378-384. [DOI: 10.1107/S0909049508006420] 20)A twelve-analyzer detector system for high-resolution powder diffraction―P.L.Lee, D.Shu, M.Ramanathan, 11)High-resolution X-ray microdiffraction analysis of natural C.Preissner, J.Wang, M.A.Beno, R.B.Von Dreele, L. teeth―J.Xue, L.Zhang, L.Zou, Y.Liao, J.Li, L.Xiao, W.Li, Ribaud, C.Kurtz, S.M.Antao, X.Jiao, B.H.Toby, 427-432. 235-238. [DOI: 10.1107/S0909049508003397] [DOI: 10.1107/S0909049508018438] 12) Performance of an electron gun for a high-brightness X- 21)Application of a pnCCD in X-ray diffraction: a three- ray generator―T.Sugimura, S.Ohsawa, M.Ikeda, 258-261. dimensional X-ray detector―W.Leitenberger, R.Hartmann, [DOI: 10.1107/S0909049507066769] 13)Development of an X-ray HARP-FEA detector system U.Pietsch, R.Andritschke, I.Starke, L.Strüder, 449-457. [DOI: 10.1107/S0909049508018931] for high-throughput protein crystallography―T.Miyoshi, 22) Diffraction of X-ray free-electron laser femtosecond N.Igarashi, N.Matsugaki, Y.Yamada, K.Hirano, K.Hyodo, pulses on single crystals in the Bragg and Laue geometry― K.Tanioka, N.Egami, M.Namba, M.Kubota, T.Kawai, S. V.A.Bushuev, 495-505. [DOI: 10.1107/S0909049508019602] Wakatsuki, 281-284. [DOI:10.1107/S0909049508006584] 23) A novel multi-detection technique for three-dimensional 14)Mail-in data collection at SPring-8 protein crystallog- reciprocal-space mapping in grazing-incidence X-ray dif- raphy beamlines―N.Okazaki, K.Hasegawa, G.Ueno, fraction ― M.Schmidbauer, P.Schäfer, S.Besedin, H.Murakami, T.Kumasaka M.Yamamoto, 288-291. D.Grigoriev, R.Köhler, M.Hanke, 549-557. [DOI: 10.1107/S0909049507064679] [DOI: 10.1107/S0909049508023856] 15)High-throughput operation of sample-exchange robots 24)Image contrast in X-ray reflection interface microscopy: with double tongs at the Photon Factory beamlines― comparison of data with model calculations and simula- M.Hiraki, S.Watanabe, N.pHonda, Y.Yamada, N.Matsugaki, tions―P.Fenter, C.Park, V.Kohli, Z.Zhang, 558-571. N.Igarashi, Y.Gaponov, S.Wakatsuki, 300-303. [DOI: 10.1107/S0909049507064680] [DOI: 10.1107/S0909049508023935] 25)An access to buried interfaces: the X-ray reflectivity set-up 16)Spatial resolution limits for synchrotron-based of BL9 at DELTA―M.Paulus, D.Lietz, C.Sternemann, spectromicro-scopy in the mid- and near-infrared― K.Shokuie, F.Evers, M.Tolan, C.Czeslik, R.Winter, 600-605. E.Levenson, P.Lerch, M. C.Martin, 323-328. [DOI: 10.1107/S0909049508004524] 17)Differential phase contrast with a segmented detector in a scanning X-ray microprobe―B.Hornberger, M.D.de Jonge, M.Feser, P.Holl, C.Holzner, C.Jacobsen, D.Legnini, D.Paterson, P.Rehak, L.Strüder, S.Vogt, 355-362. [DOI: 10.1107/S0909049508026745] 26)Diffraction of partially coherent X-rays in clessidra prism arrays―L.De Caro, W.Jark, R.H.Menk, M.Matteucci, 606-611. [DOI:10.1107/S0909049508029762] 27) Implementation of a combined SAXS/WAXS/QEXAFS set-up for time-resolved in situ experiments―S.Nikitenko, [DOI: 10.1107/S0909049508008509] A.M.Beale, A.M.J.van der Eerden, S.D.M.Jacques, O.Leynaud, 18)A high-spatial-resolution three-dimensional detector array M.G.O’Brien, D.Detollenaere, R.Kaptein, B.M.Weckhuysen, for 30-200 keV X-rays based on structured scintillators― W.Bras, 632-640. [DOI: 10.1107/S0909049508023327] U.L.Olsen, S.Schmidt, H.F.Poulsen, 363-370. [DOI: 10.1107/S0909049508011370] Phys. Rev. A, Vol.77-78 (2008) (担当:林 久史) 19)X-ray photon correlation spectroscopy under flow― 2008 年の Phys. Rev. A は,Vol. 77 と 78 が刊行され, A.Fluerasu, A.Moussaïd, P.Falus, H.Gleyzolle, A.Madsen, 32 X 線関連の論文は 51 報出版された.ここ数年の傾向 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 通り, 今年も強いレーザー場中での対称禁制のX線非 1) 行された.X 線関連の論文は 452 報に上る.PRB に掲 や,同じく強い 載された X 線関係の論文のうち,半数近い 212 報が X レーザー場中での Ar クラスターからの X 線発光のパ 線回折を材料評価に利用したものである.X線吸収分 弾性(ラマン)散乱に関する研究 2) 3) ルス間隔依存性 ,レーザーが誘起する光電子放出 , 光(113 報)や光電子分光(75 報)を応用した論文も レーザーで整列させた分子の X 線吸収に関する理論 かなり多い一方で,広義の X 線発光(24 報)や蛍光 4) 的な検討 など,レーザーを意識した研究が目につい X 線(9 報)に関係した論文は少ない.これは,PRB た.X線領域でのアト秒パルス生成に挑む研究 5)も興 の X 線分析が磁性材料に傾斜していること(169 報) 味深かった.本誌読者と直接関係する,PIXE 実験の に関係しているのかもしれない. 「磁性」と「薄膜」 (86 基盤を固める研究 6-8) も見うけられた. 報) ,さらに「共鳴」 (59 報)が PRB における X 線材 1)Symmetry-forbidden X-ray Raman scattering induced 料分析のキーワードのようである. by a strong infrared-laser field—Ji-C.Liu, Y.Velkov, Z. 452 報もあると,論文タイトル全てを掲載するのは Rinkevicius, H.Ågren, F.Gel’mukhanov, 77, 043405. 無理である.担当者の個人的興味を特にひいたものだ [DOI: 10.1103/PhysRevA.77.043405] けを提示することをお許し願いたい. 2)Effect of pulse duration on the X-ray emission from Ar PRB で多く見られる論文は,複数の(X 線)分析法 clusters in intense laser fields—C.Prigent, et al., 78, 053201. を組み合わせて(ナノ)磁性材料の性質を探るという [DOI: 10.1103/PhysRevA.78.053201] タイプである.その典型は論文 1)で,HfO2 や ZrO2 3)Laser-assisted photoemission from surfaces—G.Saathoff, のナノ粒子の構造や相転移を NMR,XPS,X 線回折, L.Miaja-Avila, M.Aeschlimann, M.M.Murnane, H.C. 電子線回折などを用いて調べている.論文2)ではYbS Kapteyn, 77, 022903.[DOI: 10.1103/PhysRevA.77.022903] と Yb 金属における 4f 電子の占有数を,光電子分光と 4)Theory of X-ray absorption by laser-aligned symmetric- EELS,反射率測定を結合することで精度良く決定し ている.また本年度は,例えばX線回折を使うにして top molecules—C.Buth, R.Santra, 77, 013413. も,共鳴を利用して「隠されたスピン秩序」を調べた [DOI: 10.1103/PhysRevA.77.013413] 5)Attosecond pulse generation in Thomson scattering with り 3,4),回折線の磁場依存性を測ったり 5),マイクロ phase-controlled few-cycle laser pulses—P.Zhang, Y.Song, Z. ビームを利用して相転移の詳細を調べたり 6),薄膜作 Zhang, 78, 013811.[DOI: 10.1103/PhysRevA.78.013811] 成時の原子の積み上げに伴う乱れを表面敏感な回折で 6)Charge exchange and X-ray emission cross sections for 「一味違った」実験を指向するものが多 追うなど 7), multiply charged ions colliding with H2O—S.Otranto, R. く見うけられた.これらは新しい手法の応用例とし E.Olson, 77, 022709. [DOI:10.1103/PhysRevA.77.022709] て,現場のX線分析担当者にもヒントを与えるかもし 7)K and L X-ray emission from hollow atoms produced 52+ 53+ れない. in the interaction of slow H-like (I ) and bare (I ) ions 本年度のX線吸収に関する論文は,冒頭に述べた全 with different target materials—J.Sun et. al, 77, 032901. 体傾向から推測される通り,X 線円二色性分光 [DOI: 10.1103/PhysRevA.77.032901] (XMCD)に関するものが多かった 8-10).ただ今年は, 8)Effects of multiple ionization on the spectra of L X-rays これまで放射光の専売特許だった XMCD 測定につい excited in heavy-ion collisions—V.Horvat, R.L.Watson, J.M. て,TEMを用いた興味ある代替手段(空間分解能2 nm Blackadar, 77, 032724. [DOI:10.1103/PhysRevA.77.032724] 以下)が提示された 11) ので,今後を注視したい. 本年度の PRB に蛍光 X 線をそのまま利用した研究 Phys. Rev. B, Vol.77-78 (2008) (担当:林 久史) は少ない.X線吸収スペクトル測定用のプローブとし 2008 年の Phys. Rev. B (PRB)は,Vol. 77 と 78 が刊 て使われるか 12),吸収端近傍での共鳴 X 線発光(散 X線分析の進歩 40 33 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 乱)現象として研究されること 13)がほとんどである. 9)X-ray magnetic circular dichroism and photoemission studies しかし皆無というわけではなく,例えば高温(1400 of ferromagnetism in CaMn1-xRuxO3 thin films—K.Terai, K) ・高圧下(20 GPa)における鉄の短距離秩序の喪 et al., 77, 115128. [DOI: 10.1103/PhysRevB.77.115128] 失を FeKβ 線で調べた論文 14) は興味深かった. 1)Structure, phase transformations, and defects of HfO2 and ZrO2 nanoparticles studied by 181Ta and 111Cd per- 10)X-ray absorption and X-ray magnetic dichroism study on Ca3CoRhO6 and Ca3FeRhO6—T.Burnus, et al., 77, 205111. [DOI: 10.1103/PhysRevB.77.205111] turbed angular correlations, 1H magic-angle spinning NMR, 11)Detection of magnetic circular dichroism on the two- XPS, and X-ray and electron diffraction—M. Forker, P.de nanometer scale—P.Schattschneider, et al., 78, 104413. la Presa, W.Hoffbauer, S.Schlabach, M.Bruns, D.V. Szabó, [DOI:10.1103/PhysRevB.78.104413] 77, 054108. [DOI: 10.1103/PhysRevB.77.054108] 12)Speciation of deeply buried TiOx nanolayers with grazing- 2)Combining photoemission and optical spectroscopies for incidence X-ray fluorescence combined with a near-edge X- reliable valence determination in YbS and Yb metal—M. ray absorption fine-structure investigation—B. Pollakowski, Matsunami, et al., 78, 195118. et al., 77, 235408. [DOI:10.1103/PhysRevB.77.235408] [DOI: 10.1103/PhysRevB.78.195118] 3)Resonant X-ray scattering investigation of the multipolar 13)Cu Kα resonant X-ray emission spectroscopy of highTc -related cuprates—A.Kotani, et al., 77, 205116. ordering in Ca3Co2O 6—A.Bombardi, C.Mazzoli, S. [DOI:10.1103/PhysRevB.77.205116] Agrestini, M.R.Lees, 78, 100406. 14)Short-range magnetic collapse of Fe under high pressure [DOI: 10. 1103/PhysRevB.78.100406] 4)Magnetic resonant X-ray diffraction study of europium telluride—B.Díaz, E.Granado, E.Abramof, P.H.O.Rappl, at high temperatures observed using X-ray emission spectroscopy—J.-P.Rueff, M.Mezouar, M.Acet, 78, 100405. [DOI:10.1103/PhysRevB.78.100405] V.A.Chitta, A.B.Henriques, 78, 134423. [DOI: 10.1103/PhysRevB.78.134423] Phys. Rev. Lett., Vol.100-101 (2008) (担当:谷田 肇) 5)Temperature and magnetic field-dependent X-ray powder 2008 年は Vol.100 と 101 が刊行された.タイトルま diffraction study of dysprosium—A.S.Chernyshov, Ya.Mudryk, たはアブストラクトに “X-ray”‚ というキーワードを V.K.Pecharsky, K.A.Gschneidner,Jr., 77, 094132. 含む論文は162 報であった.この中で“Absorption” と [DOI: 10.1103/PhysRevB.77.094132] いうキーワードを含む論文は 24 件,“emission” は 12 6)Micrometer X-ray diffraction study of VO2 films: 件,“photoelectron” は 3 件,“diffraction” は 42 件, Separation between metal-insulator transition and struc- “scattering” は 48 件であった.対象とする試料につい tural phase transition—B.-J. Kim, et al., 77, 235401. て,高圧高温の極端条件下における測定,磁性体や溶 [DOI: 10.1103/PhysRevB.77.235401] 液などの測定, 斜入射配置で測定するなど比較的特殊 7)Stacking dependent disordering processes in Gd/Co/ な試料系を扱う例や in situ 条件下での測定などがあ Pt(111) studied with surface X-ray diffraction—C.Quirós, り,測定手法としても,XFEL のようなコヒーレント I.Popa, O.Robach, D.Wermeille, J.Díaz, R.Felici, S.Ferrer, 光を利用するなどの先端的な物理計測,硬X線及び軟 78, 195406. [DOI: 10.1103/PhysRevB.78.195406] X線の吸収分光,回折,散乱,イメージングなどの例, 8)Soft X-ray absorption spectroscopy and magnetic circular またそれらに共鳴条件下で高分解能化を目論む研究例 dichroism study of the valence and spin states in spinel も多数見られた.それらのごく一部を紹介する.例え MnFe2O4—J.-S. Kang, et al., 77, 035121. ば,水に関する研究として,吸収及び共鳴放射分光1), [DOI:10.1103/PhysRevB.77.035121] 34 スペックル相関 2),酸素 K 端のラマン XAS3),マイク X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 ロ XPS4),NEXAFS5) による報告があり,各種手法に 4)Proton Transfer in a Two-Dimensional Hydrogen-Bonding よる研究が盛んなことが伺われる. 上記の水に関する Network: Water and Hydroxyl on a Pt(111) Surface—M. 研究以外に共鳴条件を用いた例では,共鳴X線回折顕 Nagasaka, H.Kondoh, K.Amemiya, T.Ohta, Y.Iwasawa, 微分光によるイメージング 6,7) ,軟 X 線共鳴磁気反射 8) 率を用いた磁性体試料の深さ方向の研究 ,オージェ 9) 100 , 106101(4).[DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.106101] 5)Accurate Density Functional Calculations of Near-Edge 散乱モードを利用した寿命フリー X A F S ,偏光 X-Ray and Optical Absorption Spectra of Liquid Water RIXS10),サイズ選択に適用した例 11)など多くの応用 Using Nonperiodic Boundary Conditions: The Role of 例も報告されている.また,斜入射配置では,固液界 Self-Interaction and Long-Range Effects—G.Brancato, 12) 面の生体膜の研究 , レーザーによる格子運動の深さ 方向をフェムト秒 GIXRD により研究した例 率測定 ,シリ 14) N.Rega, V.Barone, 100, 107401(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.107401] ,油水界面の反射 6)Nanoscale Imaging of Buried Structures with Elemental など多くの試料系に適用されている.三次 Specificity Using Resonant X-Ray Diffraction Microscopy コン上の液晶薄膜の反射率測定 15) 13) 元像を得る試みとしては,多波長X線拡散異常散乱16), 光電子回折分光による原子層の分析 グラフィー回折イメージング 17) ,硬 X 線ホロ 18) ,500 eV 程度の比較 的高エネルギーの角度分解光電子分光によるバルクの 電荷密度分布 19) などの例が報告されている.その他, Fe の L 吸収端近傍の共鳴軟 X 線回折 る Geの同位体効果 20) ,EXAFS によ 21) ,XRDによる高磁場でのヤーン —C.Song, R.Bergstrom, D.R.-Johnson, H.Jiang, D.Paterson, M.D.Jonge, I.McNulty, J.Lee, K.L.Wang, J.Miao, 100, 025504(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.025504] 7)Nanoscale Imaging of Mineral Crystals inside Biological Composite Materials Using X-Ray Diffraction Microscopy —H.Jiang, D.R.-Johnson, C.Song, B.Amirbekian, Y.Kohmura, Y.Nishino, Y.Takahashi, T.Ishikawa, J.Miao, 100, テラー効果 22),軟 X 線 XAS による希土類元素の結晶 038103(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.038105] 場基底状態の研究 23),バルクおよび表面敏感XPSによ 8)Depth Magnetization Profile of a Perpendicular Exchange る In2O3 のバンドギャップの研究 よる二重イオン化の研究 24) ,高分解能 XES に Coupled System by Soft-X-Ray Resonant Magnetic などが報告され,理論との Reflectivity—J.M.Tonnerre, M.D.Santis, S.Grenier, H.C. 25) 比較検証も行われている. 1) Isotope and Temperature Effects in Liquid Water Probed by X-Ray Absorption and Resonant X-Ray Emission Spec- Tolentino, V.Langlais, E.Bontempi, M.G.-Fernández, U.Staub, 100, 157202(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.157202] troscopy—O.Fuchs, M.Zharnikov, L.Weinhardt, M.Blum, 9)X-Ray Absorption Measured in the Resonant Auger M.Weigand, Y.Zubavichus, M.Bär, F.Maier, J.D.Denlinger, Scattering Mode—Y.Hikosaka, Y.Velkov, E.Shigemasa, C.Heske, M.Grunze, E.Umbach, 100, 027801(4). T.Kaneyasu, Y.Tamenori, J.Liu, F.Gel’mukhanov, 101, [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.027801] 073001(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.073001] 2)How a Liquid Becomes a Glass Both on Cooling and 10)Linear Dichroism in Resonant Inelastic X-Ray Scattering on Heating—X.Lu, S.G.Mochrie, S.Narayanan, A.R. to Molecular Spin-Orbit States—R.Guillemin, S.Carniato, Sandy, M.Sprung, 100, 045701(4). W.C.Stolte, L.Journel, R.Taïeb, D.W.Lindle, M.Simon, [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.045701] 101, 133003. [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.133003] 3)X-Ray Raman Spectroscopic Study of Water in the 11)Size Dependence of L2,3 Branching Ratio and 2p Core- Condensed Phases—J.S.Tse, D.M. Shaw, D.D.Klug, S. Hole Screening in X-Ray Absorption of Metal Clusters— Patchkovskii, G.Vankó, G.Monaco, M.Krisch, 100, J.T.Lau, J.Rittmann, V.Z.-Bayer, M.Vogel, K.Hirsch, 095502(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.095502] Ph.Klar, F.Lofink, T.Möller, B.v.Issendorff, 101, X線分析の進歩 40 35 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 153401(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.153401] 12)Probing the Local Order of Single Phospholipid Mem- Tanaka, Z.Hu, M.W.Haverkort, E.Schierle, E.Weschke, G.Kaindl, L.H.Tjeng, 100, 026406(4). branes Using Grazing Incidence X-Ray Diffraction— [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.026406] C.E.Miller, J. Majewski, E.B.Watkins, D.J.Mulder, T.Gog, 21)Isotopic Effect In Extended X-Ray-Absorption Fine T.L.Kuhl, 100, 058103(4). Structure of Germanium—J.Purans, N.D.Afify, G.Dalba, [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.157202] R.Grisenti, S.D.Panfilis, A.Kuzmin, V.I.Ozhogin, F.Rocca, 13)Nanoscale Depth-Resolved Coherent Femtosecond A.Sanson, S.I.Tiutiunnikov, P.Fornasini, 100, 055901(4). Motion in Laser-Excited Bismuth—S.L.Johnson, P.Beaud, C.J.Milne, F.S.Krasniqi, E.S.Zijlstra, M.E.Garcia, M. Kaiser, D.Grolimund, R.Abela, G.Ingold, 100, 155501 (4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.155501] 14)Thin-Thick Coexistence Behavior of 8CB Liquid Crys- [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.055901] 22)Direct Observation of the High Magnetic Field Effect on the Jahn-Teller State in TbVO4—C.Detlefs, F.Duc, Z.A.Kaze1̆, J.Vanacken, P.Frings, W.Bras, J.E.Lorenzo, P.C.Canfield, G.L.Rikken, 100, 056405(4). talline Films on Silicon—R.Garcia, E.Subashi, M. Fukuto, [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.056405] 100, 197801(4).[DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.197801] 23)Determining the Crystal-Field Ground State in Rare Earth 15)Structure and Depletion at Fluorocarbon and Hydrocar- Heavy Fermion Materials Using Soft-X-Ray Absorption bon/Water Liquid/Liquid Interfaces—K.Kashimoto, Spectroscopy—P.Hansmann, A.Severing, Z.Hu, M.W. J.Yoon, B. Hou, C.-h.Chen, B.Lin, M.Aratono, T.Takiue, Haverkort, C.F.Chang, S.Klein, A.Tanaka, H.H.Hsieh, H.-J. M.L. Schlossman, 101, 076102(4). Lin, C.T.Chen, B.Fåk, P.Lejay, L.H.Tjeng, 100, 066405(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.076102] [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.066405] 16)Multienergy Anomalous Diffuse Scattering—M. 24)Nature of the Band Gap of In2O3 Revealed by First- Kopecký, J.Fábry, J.Kub, A.Lausi, E.Busetto, 100, 195504 Principles Calculations and X-Ray Spectroscopy—A. (4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.195504] Walsh, J.L.D.Silva, S.-H.Wei, C.Körber, A.Klein, L.F. 17)Atomic-Layer Resolved Magnetic and Electronic Struc- Piper, A.DeMasi, K.E.Smith, G.Panaccione, P.Torelli, ture Analysis of Ni Thin Film on a Cu(001) Surface by D.J.Payne, A.Bourlange, R.G.Egdell, 100, 167402(4). Diffraction Spectroscopy—F.Matsui, T.Matsushita, Y.Kato, [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.167402] M.Hashimoto, K.Inaji, F.Z.Guo, H.Daimon, 100, 207201 (4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.207201] 25)Intrashell Electron-Interaction-Mediated Photoformation of Hollow Atoms near Threshold—S.Huotari, K. 18)Hard X Ray Holographic Diffraction Imaging—L.-M. Hämäläinen, R.Diamant, R.Sharon, C.C.Kao, M.Deutsch, Stadler, C.Gutt, T.Autenrieth, O.Leupold, S.Rehbein, 101, 043001(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.043001] Y.Chushkin, G.Grübel, 100, 245503(4). [DOI: 10.1103/PhysRevLett.100.245503] Solid State Phenomena, Vol.134 (2008)(担当:森 良弘) 19)Using High Energy Angle Resolved Photoelectron 本出版物は,2006年にベルギーで開催された半導体 Spectroscopy to Reveal the Charge Density in Solids— 表面清浄化に関する国際会議(Ultra Clean Processing M. Månsson, T.Claesson, M.Finazzi, C.Dallera, N.B. of Semiconductor Surfaces VII)の正式な Proceedings で Brookes, O.Tjernberg, 101, 226404(4). ある.半導体用のX線分析は装置的に成熟してきてい [DOI: 10.1103/PhysRevLett.101.226404] ることから一般論文誌への登場が極めて少なくなって 20)Direct Observation of t2g Orbital Ordering in Magnetite いるが, 表面清浄化という分野においてはまだ精力的 — -J.Schlappa, C.S.-Langeheine, C.F.Chang, H.Ott, A. に手法の開発と応用が行われており,今回も7件の論 36 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 文がみられた.手法としてはTXRFに関するものが大 究報告が多く,取り上げた論文中14報を占めている. 半を占めている. その他XAS関連の論文が2報,XES関連の論文が1報, 1)Estimation of Detrimental Impact of New Metal Candi- X 線共鳴ラマン散乱関連の論文が 1 報である.マイク dates in Advanced Microelectronics—Y.Borde, A.Danel, ロビーム化により特定の箇所の分析,TXRF による極 A.Roche, A.Grouillet, M.Veillerot, 247-250. 微量成分分析が可能になって分析対象物の多様化が進 [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.247] んでおり,植物や考古学遺物への応用はもはや珍しく 2)Implementation of a System for Metal Contamination ない.X線分析においてバクテリアのような動物細胞 Control Based on Classification Criteria—T.Bearda, G. への応用は X 線照射によって細胞にダメージを与え, Catana, D.Hellin, R.Vos, 259-262. 細胞の死滅を引き起こす.文献5) は細胞培養セルの面 [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.259] 積を大きくし,150 µm × 300 µm のスポットサイズの 3)Mapping of Metallic Contamination Using TXRF— ビームを走査させて照射することで培養セル中の細胞 A.Danel, Y.Borde, M.Veillerot, N.Cabuil, H.Kono, M. の生存率を高め,意味のあるデータの獲得が可能であ Yamagami, 269-272.[DOI: 10.4028/3-908451-46-9.269] ることを実証した.これによって µ-XANES による Se 4)Investigation of Metallic Contamination Analysis Using K 吸収端の測定から細胞の新陳代謝活動([Se(IV)O3]2– Vapor Phase Decomposition – Droplet Collection – Total → 1/3Se(0)+ 2/3[(Methyl)2Se(II)])の調査を可能にし Reflection X-Ray Fluorescence (VPD-DC-TXRF) for Pt- た.しかし1個のバクテリア細胞をX線照射によって Group Elements on Silicon Wafers—D.Hellin, N. Valckx, 死滅させずに分析することは依然難しいと思われる. J.Rip, S.De Gendt, C.Vinckier, 273-276. 文献 16)は 18 世紀から 19 世紀の Dutch 紙と Hespe す [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.273] かし紙に対してEDXRFを行っている.主要元素のCo, 5)X-Ray Spectrometry for Wafer Contamination Analysis Ni,As,Bi の成分比から紙を判別することが可能で, and Speciation as Well as for Reference-Free Nanolayer 微量元素である Ti,Fe,Cu なども判別の助けになる Characterization—B.Beckhoff, R.Fliegauf, M.Kolbe, M. と思われる.このように紙やそれに書かれたインクを Müller, B.Pollakowski, J.Weser, G.Ulm, 277-280. 含めて分析することで時代・場所などの情報が得ら [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.277] れ,図書を調査・研究する書誌学に有用であると思わ 6)Advanced Metrologies for Cleans Characterization: れる.この文献の記述ではないが,応用としてブラン ARXPS, GIXF and NEXAFS—T.Conard, S.List, M.Claes, ド品の真贋を判定するためにある特定の化学成分をも B.Beckhoff, 281-284. [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.281] つ紙で作られた保証書が使われているようである. 7)Advanced TXRF Analysis: Background Reduction 1)Characterization of a confocal three-dimensional micro when Measuring High-k Materials and Mapping Metallic X-ray fluorescence facility based on polycapillary X-ray Contamination—C.Sparks, J.Barnett, D.K.Michelson, C. optics and Kirkpatrick-Baez mirrors—T. Sun, X. Ding, Gondran, S.C.Song, A.Martinez, H.Takahara, H.Murakami, Z.Liu, G.Zhu, Y.Li, X.Wei, D.Chen, Q.Xu, Q.Liu, Y.Huang, T.Kinashi, 285-288. [DOI: 10.4028/3-908451-46-9.285] X.Lin, H.Sun, 76-80. [DOI: 10.1016/j.sab.2007.11.003]] 2) Trace element determination in thorium oxide using total Spectrochim. Acta B: Atomic Spectrosc., Vol.63 (2008) (担当:松尾修司) reflection X-ray fluorescence spectrometry—N.L.Misra, S.Dhara, V.C.Adya, S.V.Godbole, K.D.Singh Mudher, 掲載された X 線分析関連の論文数は例年より少な S.K.Aggarwal, 81-85. [DOI: 10.1016/j.sab.2007.11.021] く, 技術ノートや分析ノートといった部類の報告が目 3)The influence of X-ray resonant Raman scattering effects 立った.分析手法としては昨年同様 XRF を用いた研 on the detection of copper(II) tetrasulphonated phthalocyanine X線分析の進歩 40 37 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 (CuTSPc) thin-films deposited on gold electrodes—K. porphyrin modified gold electrodes with synchrotron ra- Peeters, K.De Wael, A.Adriaens, G.Falkenberg, L.Vincze, diation micro X-ray fluorescence spectroscopy—A. 450-454. [DOI: 10.1016/j.sab.2007.12.004] Adriaens, K.De Wael, D.Bogaert, H.Buschop, T. 4)µ-X-ray fluorescence and µ-X-ray diffraction investiga- Schoonjans, B.Vekemans, D.Depla, L.Vincze, 988-991. tions of sediment from the Ruprechtov nuclear waste dis- [DOI: 10.1016/j.sab.2008.06.006] posal natural analog site—M.A.Denecke, W.De Nolf, 12)Application of X-ray fluorescence analytical techniques K.Janssens, B.Brendebach, A.Rothkirch, G.Falkenberg, in phytoremediation and plant biology studies—M. U.Noseck, 484-492. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.01.001] Nečemer , P.Kump, J. Ščančar , R.Jaćimović, J. Simčič , 5) Micro-X-ray absorption near edge structure as a suit- P. Pelicon, M.Budnar, Z.Jeran, P.Pongrac, M.Regvar, able probe to monitor live organisms—P.M.Oger, I.Daniel, A. Simionovici, A.Picard, 512-517. [DOI: 10.1016/j.sab.2007.12.013] K.Vogel-Mikuš, 1240-1247. [DOI:10.1016/j.sab.2008.07.006] 13)Characterization of green copper phase pigments in 6)Mineralogical effect correction in wavelength dispersive Egyptian artifacts with X-ray absorption spectroscopy and X-ray fluorescence analysis of pressed powder pellets— principal components analysis—D.Lau, P.Kappen, H.Z.Shan, S.J.Zhuo, R.X.Shen, C.Sheng, 612-616. M.Strohschnieder, N.Brack, P.J.Pigram, 1283-1289. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.03.004] [DOI: 10.1016/j.sab.2008.09.013] 7)Determination of metallic impurities in U3O8 using 14)Study on the influence of X-ray tube spectral distribution energy dispersive X-ray fluorescence spectrometry— on the analysis of bulk samples and thin films: Fundamental V.Natarajan, B.A.Dhawale, B.Rajeswari, N.S.Hon, S. parameters method and theoretical coefficient algorithms— K.Thulasidas, N.K.Porwal, S.V.Godbole, V.K.Manchanda, R.Sitko, 1297-1302. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.09.010] 817-819. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.04.021] 15)Standardless energy-dispersive X-ray fluorescence 8)X-ray fluorescence spectrometry for high throughput analysis using primary radiation monochromatized with analysis of atmospheric aerosol samples: The benefits of LiF(200) crystal—R.Sitko, B.Zawisza, E.Malicka, 1303- synchrotron X-rays—N.Bukowiecki, P.Lienemann, C.N. 1308. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.09.017] Zwicky, M.Furger, A.Richard, G.Falkenberg, K.Rickers, D. 16)X-ray fluorescence spectrometry on paper character- Grolimund, C.Borca, M.Hill, R.Gehrig, U. Baltensperger, ization: A case study on XVIII and XIX century docu- 929-938. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.05.006] ments —M.Manso, M.Costa, M.L.Carvalho, 1320-1323. 9)Using micro-synchrotron radiation induced X-ray [DOI:10.1016/j.sab.2008.07.001] emission distribution maps to determine correlation 17)Improved instrumental sensitivity for Cd determination between elements in prostate tissue—A.Banaœ K.Banaœ, G. in aqueous solutions using Wavelength Dispersive X-ray Falkenberg, G.Dyduch, B.Pawlicki, W.M.Kwiatek, 957- Fluorescence Spectrometry, Rh-target tube instrumentation 961. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.05.009] —E.Marguí, C.Fontàs, M.Hidalgo, I.Queralt, 1329-1332. 10)Analysis of archaeological ceramics by total-reflection X-ray fluorescence: Quantitative approaches—R. Fernández-Ruiz, M.Garcia-Heras, 975-979. [DOI: 10.1016/j.sab.2008.08.002] 18)A solid phase extraction procedure for the simultaneous determination of total inorganic arsenic and trace metals [DOI: 10.1016/j.sab.2008.06.004] in seawater: Sample preparation for total-reflection X-ray 11)Cobalt thin films on gold: A new reference material for fluorescence—B.Staniszewski, P.Freimann, 1333-1337. the quantification of cobalt phthalocyanine and cobalt 38 [DOI:10.1016/j.sab.2008.09.009] X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 Surf. Interface Anal., Vol. 40 (2008) (担当:永谷広久) 本年は 2007 年に開催された 12th European Confer- G.Gamblin, B.Rouvellou, 1318-1321. [DOI: 10.1002/sia.2896] ence on Applications of Surface and Interface Analysis 4)The structure study of amorphous nanocrystalline (ECASIA ’07)(3-4 号)と International COE Sympo- nanocomposite films of germanium by AFM and EXAFS sium on Atomistic Fabrication Technology(6-7 号)の特 methods—R.G.Valeev, A.N.Deev, D.V.Surnin, V.V. 集号が刊行されている.掲載されたX線分析関連の論 Kriventsov, O.V.Karban, V.M.Vetoshkin, O.I.Pivovarova, 文は154 報(内,ECASIA’07 関連が 95報)あり,XPS, 547-551. [DOI: 10.1002/sia.2765] 1-4) の分析手 5)Mechanism of carbon nanotube dispersion and precipi- 段として用いたものがほとんどであるが, 生体関連物 tation during treatment with poly(acrylic acid)—N.H.Tran, XRD,XAS などを薄膜 や機能性材料 5-7) 質の表面吸着状態を解析した論文 8) も掲載されてい る.XPSの応用として,微量のリン脂質を含む油膜上 A.S.Milev, M.A.Wilson, J.R.Bartlett, G.S.K.Kannangara, 1294-1298. [DOI: 10.1002/sia.2889] に水滴を置いた状態で凍結乾燥し,水相を昇華・除去 6)AES and XPS investigations of molybdenum-sulfur- した後の油表面におけるリン脂質の挙動を温度制御下 iodine-based nanowire-type material—D.Mandrino, D. 9) で追跡した論文 が報告されている.油膜の融点近傍 Vrbanic, M.Jenko, D.Mihailovic, S.Pejovnik, 1289-1293. では,油−水界面形成時に界面に吸着・濃縮されてい [DOI: 10.1002/sia.2883] たリン脂質の油相内への再分配過程が観察されてお 7)Feasibility study of SR-TXRF-XANES analysis for iron り,興味深い.溶液界面関係では,XRR による水− contaminations on a silicon wafer surface—F.Meirer, C. プロパン界面の構造解析に関する論文 10) ている.また,高分解能な XRF 顕微鏡 も報告され 11, 12) ,角度分 Streli, G.Pepponi, P.Wobrauschek, M.A.Zaitz, C.Horntrich, G.Falkenberg, 1571-1576. [DOI: 10.1002/sia.2954] 解測定を要しない深さ方向解析法による XPS イメー 8)A NEXAFS and XPS study of the adsorption of self- ジング 13),X線による対象元素の内殻励起を利用した assembling peptides on TiO2: the influence of the side 14) SR-STM によるナノメートルレベルの表面元素分析 chains—G.Iucci, C.Battocchio, M.Dettin, R.Gambaretto, に関する報告などもあり,表面化学分析におけるイ G.Polzonetti, 210-214. [DOI: 10.1002/sia.2717] メージング手法の多様化と分解能の向上が見てとれ 9)Analysis of the oil-water interface by XPS at low tem- る.角度分解 XPS 測定における試料表面のナノ構造 perature—M.J.Genet, P.Cogels, Y.Adriaensen, P.G. による影響について単純なモデルを用いて見積もった Rouxhet, 338-342. [DOI: 10.1002/sia.2699] 論文 15) は,測定対象となる試料表面の微細構造化を 10)The structure of the water-propane interface investigated 反映している.この他にも,X線光学素子の評価 16)と by X-ray reflectivity measurements—M.Paulus, C.Gutt, 開発 17,18) に関する論文が報告されている. M.Tolan, 1226-1230. [DOI: 10.1002/sia.2851] 1)XPS analysis of nano-thin films on substrate—S.F.Mao, 11)Trace element mapping using a high-resolution scanning Z.M.Zhang, K.Tokesi, A.Csik, J.Toth, R.J.Bereczky, X-ray fluorescence microscope equipped with a Kirkpatrick- Z.J.Ding, 728-730. [DOI: 10.1002/sia.2800] Baez mirror system—S.Matsuyama, H.Mimura, K.Katagishi, 2)The application of ITTFA and ARXPS to study the ion H.Yumoto, S.Handa, M.Fujii, Y.Sano, M.Shimura, M. beam mixing of metal/Si bilayers—C.Palacio, A.Arranz, Yabashi, Y.Nishino, K.Tamasaku, T.Ishikawa, K.Yamauchi, 676-682. [DOI: 10.1002/sia.2683] 1042-1045. [DOI: 10.1002/sia.2844] 3)Inter-diffusion effects in as-deposited Al/Ni polycrys- 12) Soft X-ray emission electron microscopy: chemical state talline multi-layers—M.Salou, S.Rioual, J.Ben.Youssef, microscopy from interface and bulk—A.Zimina, D.R. D.T. Dekadjevi, S.P.Pogossian, P.Jonnard, K.LeGuen, Batchelor, S.Eisebitt, D.Schmeisser, A.Shulakov, W. X線分析の進歩 40 39 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 Eberhardt, 958-960. [DOI: 10.1002/sia.2842] 13)Nondestructive quantitative XPS imaging of depth distribution of atoms on the nanoscale—S.Hajati, S.Coultas, C.Blomfield, S.Tougaard, 688-691. 術品に含まれる金属の酸化状態やその分布などに関す る論文も多く, 新規な分析法の提案よりも応用報告が 大半を占めていた. 1) In vivo X-ray fluorescence analysis (XRF) of the thyroid [DOI: 10.1002/sia.2633] iodine content - Influence of measurement geometries on 14)Nanoscale elemental identification by synchrotron- the iodine Kα signal—M.Hansson, G.Berg, M.Isaksson, radiation-based scanning tunneling microscopy—A.Saito, 37-41. [DOI: 10.1002/xrs.991] Y.Takagi, K.Takahashi, H.Hosokawa, K.Hanai, T.Tanaka, 2)Spectrometry methods for in vivo bone strontium mea- M.Akai-kasaya, Y.Tanaka, S.Shin, T.Ishikawa, Y.Kuwahara, surements—M.Zamburlini, A.Pejović-Milić , D.R.Chettle, M.Aono, 1033-1036. [DOI: 10.1002/sia.2831] 42-50. [DOI: 10.1002/xrs.997] 15)Modeling of complex surface structures for ARXPS— 3)In vivo x-ray fluorescence measurements of lead, S.Oswald, F.Oswald, 700-705. [DOI: 10.1002/sia.2756] cadmium and mercury in occupational and environmen- 16)Stitching interferometric metrology for steeply curved tal studies: a review of work conducted in Sweden 1970- X-ray mirrors—H.Yumoto, H.Mimura, T.Kimura, S.Handa, S.Matsuyama, Y.Sano, K.Yamauchi, 1023-1027. [DOI: 10.1002/sia.2807] 2005—J.Börjesson, S.Mattsson, 58-68. [DOI: 10.1002/xrs.995] 4)Application and methodology of in vivo K X-ray 17)Highly accurate differential deposition for X-ray reflective fluorescence of Pb in bone (impact of KXRF data in the optics—S.Handa, H.Mimura, H.Yumoto, T.Kimura, S. epidemiology of lead toxicity, and consistency of the data Matsuyama, Y.Sano, K.Yamauchi, 1019-1022. generated by updated systems)—H.Nie, H.Hu, D.R. [DOI: 10.1002/sia.2812] Chettle, 69-75. [DOI: 10.1002/xrs.992] 18)Figuring of elliptical hard X-ray focusing mirror using 5)An interlaboratory comparison of bone lead measurements 1-dimensional numerically controlled local wet etching— via K-shell X-ray fluorescence—P. J. Parsons, D.J.Bellis, K.Yamamura, H.Takai, 1014-1018. K.M.Hetter, C.Geraghty, N.A.Berglind, N.R.Ginde, [DOI: 10.1002/sia.2821] P.Mata, A.C.Todd, 76-83. [DOI: 10.1002/xrs.1004] 6)DT2, a PIXE spectra simulation and fitting package— X-Ray spectrum., Vol.37 (2008) (担当:原田 誠) M.A.Reis, P.C.Chaves, L.C.Alves, N.P.Barradas, 100- 今年は 1 号に XRS in medicine,2 号に PIXE2007,3 102. [DOI: 10.1002/xrs.1027] 号に EXRS2006 の XAS(EXRS2006 自体のプロシー 7)Atomic bremsstrahlung of Al, Ag and Au targets bom- ディングスは2007年に記載済み) ,4号にTECHNART barded with 1.5 MeV protons—K.Ishii, S.Matsuyama, 2007 のプロシーディングスが掲載されている.本誌 H.Yamazaki, Y.Kikuchi, G.Momose, T.Satoh, 121-124. 投稿数は 96 編であり,本誌の性格上,すべて X 線分 [DOI: 10.1002/xrs.1032] 析に関連した論文であるが,そのうち, 「X 線分析の 8)Silicon detector dead layer thickness estimates using 進歩」に該当する論文 45 編を以下に選択した.プロ proton bremsstrahlung from low atomic number targets— シーディングスが大半を占めるために特定の分野に少 D.D.Cohen, E.Stelcer, R.Siegele, M.Ionescu, 125-128. し偏っているが,投稿論文のおおよその傾向として, [DOI: 10.1002/xrs.1033] 人体や植物といった生体試料中の金属の分布などを測 9)Developing a simple screening method for the identifi- 定した µ-XRF や µ-PIXE を用いた論文が目に付く.ま cation of historic biocide residues on herbarium material た,土壌中に含まれる金属の定量などの環境分析,美 in museum collections―V.Purewal, B.Colston, S.Röhrs, 40 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 137-141. [DOI: 10.1002/xrs.1036] R.Cesareo, A.Brunetti, 260-264. [DOI: 10.1002/xrs.1011] 10)Benefits of combined PIXE and AMS with new 21)Determination of thickness and composition of thin accelerators—G.Demortier, G.Quarta, K.Butalag, M. films byX-ray fluorescence spectrometry using theoretical D’Elia, L.Calcagnile, 178-183. [DOI: 10.1002/xrs.1059] influence coefficient algorithms—R.Sitko, 265-272. 11)Fundamental study on an arsenic hyperaccumulator [DOI: 10.1002/xrs.1012] plant using submilli-PIXE camera—H.Yamazaki, K.Ishii, 22)Multielement µ-ED-XRF analysis of vertebrate fossil S.Matsuyama, Y.Kikuchi, Y.Takahashi, Y.Kawamura, bones —M.Olivares, N.Etxebarria, G.Arana, K.Castro, R.Watanabe, K.Tashiro, C.Inoue, 184-187. X.Murelaga, A.Berreteaga, 293-297. [DOI: 10.1002/xrs.1060] [DOI: 10.1002/xrs.1023] 12)Empirical approximation for Lα production cross 23)A remote controlled XRF system for field analysis of v sections —Z.Šmit, A.Tancek, 188-192. [DOI: 10.1002/xrs.1061] 13)Calibrating standards using chemical reagents for glass bead X-ray fluorescence analyses of geochemical samples —K.Nakayama, T.Nakamura, 204-209. [DOI: 10.1002/xrs.1042] cultural heritage objects—F.-P.Hocquet, H.-P.Garnir, A.Marchal, M.Clar, C.Oger, D.Strivay, 304-308. [DOI: 10.1002/xrs.1076] 24)Pigment layers and precious metal sheets by energydispersive X-ray fluorescence analysis—R.Cesareo, A.Brunetti, S.Ridolfi, 309-316. [DOI: 10.1002/xrs.1078] 14)Observing copper chloride during dioxin formation 25)X-ray micro-CT applied to natural building materials using dispersive XAFS—T.Fujimori, M.Takaoka, K.Kato, and art objects—Y.De Witte, V.Cnudde, K.Pieters, B. K.Oshita, N.Takeda, 210-214. [DOI: 10.1002/xrs.1038] Masschaele, M.Dierick, J.Vlassenbroeck, L.Van Hoorebeke, 15)Iron valence states in organic samples and tissues in- P.Jacobs, 383-387. [DOI: 10.1002/xrs.1071] vestigated by XANES and Mössbauer spectroscopy— 26)A portable instrument for in situ determination of the K.Dziedzic-Kocurek, A.Banaś, W.M.Kwiatek, J. Stanek, chemical and phase compositions of cultural heritage 219-225. [DOI: 10.1002/xrs.1043] objects—A.Gianoncelli, J.Castaing, L.Ortega, E.Dooryhée, 16)Structural analysis of tungsten-zirconium oxide catalyst by W K-edge and L1-edge XAFS—T.Yamamoto, A.Orita, T.Tanaka, 226-231. [DOI: 10.1002/xrs.1044] J.Salomon, P.Walter, J.-L.Hodeau, P.Bordet, 418-423. [DOI: 10.1002/xrs.1025] 27)Comparison of portable and stationary X-ray fluorescence 17)Lifetime-broadening-suppressed XANES spectra of spectrometers in the study of ancient metallic artefacts— copper complexes—H.Hayashi, S.Matsuo, T.Kurisaki, A.Guilherme, A.Cavaco, S.Pessanha, M.Costa, M.L. N.Kawamura, 232-236 . [DOI: 10.1002/xrs.1045] Carvalho, 444-449. [DOI: 10.1002/xrs.1016] 18)X-ray fluorescence analysis of lead in tin coating using 28)Applications of a new portable (micro) XRF instrument the theoretical intensity of scattered X-rays—H.Ochi, having low-Z elements determination capability in the field S.Watanabe, H.Nakamura, 245-248. of works of art—K.Uhlir, M.Griesser, G.Buzanich, P. [DOI: 10.1002/xrs.1054] Wobrauschek, C.Streli, D.Wegrzynek, A.Markowicz, E. 19)Development of metallic magnetic calorimeters for X- Chinea-Cano, 450-457. [DOI: 10.1002/xrs.1074] ray metrology applications—M.Rodrigues, M.Loidl, 29)Laboratory vacuum spectrometer for the soft X-ray E.Leblanc, J.Bouchard, A.Fleischmann, C.Enss, 255-259. region—Y.N.Yuryev, H.-J.Lee, J.-H.Kim, Y.-K.Cho, M.-K. [DOI: 10.1002/xrs.1009] Lee, K.J.Pogrebitsky, 476-481. [DOI: 10.1002/xrs.1022] 20)X-ray fluorescence - analysis of 19th century stamps— X線分析の進歩 40 30)Fundamental parameter approach to XRF spectroscopy 41 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 measurements of arsenic in polyester resin skin phantoms [DOI: 10.1002/xrs.1098] —M.R.Gherase, D.E.B.Fleming, 482-489. 40)Composition determination for complex and transmit- [DOI: 10.1002/xrs.1051] ting samples in X-ray quantitative analysis—R.P.Vasquez, 31)Effective atomic numbers and electron densities of 599-602. [DOI: 10.1002/xrs.1099] CuGaSe2 semiconductor in the energy range 6-511 keV— A.Çelik, U.Çevik, E.Bacaksiz, N.Çelik, 490-494. 41)Determination of the composition of Ultra-thin Ni-Si films on Si: constrained modeling of electron probe [DOI: 10.1002/xrs.1070] microanalysis and X-ray reflectivity data—T.M.Phung, 32)Development of a compact XRF probe using a ring-type J.M.Jensen, D.C.Johnson, J.J.Donovan, B.G.McBurnett, secondary target—T.Yonehara, K.Tsuji, 503-507. [DOI: 10.1002/xrs.1077] 608-614. [DOI: 10.1002/xrs.1102] 42)GE-MXRF analysis of multilayer films—J.Yang, K. 33)X-ray spectrometry: a powerful tool for the measurement Tsuji, D.Han, X.Ding, 625-628. [DOI: 10.1002/xrs.1108] of complete fusion of weakly bound nuclei—P.R.S. Gomes, 43)Experimental evaluation of X-ray optics applied for I.Padron, O.A.Capurro, J.O.Fernández Niello, G.V.Martí, microanalysis—D.Wegrzynek, R.Mroczka, A.Markowicz, A.J.Pacheco, A.Arazi, J.Lubian, E.Crema, 512-516. E.Chinea-Cano, S.Bamford, 635-641. [DOI: 10.1002/xrs.1082] [DOI: 10.1002/xrs.1113] 34)SEMI-empirical and empirical formulas for calculation 44)Improvement of spatial resolution of µ-XRF by using a of K-shell ionization cross sections by proton impact: a thin metal filter—K.Nakano, A.Matsuda, Y.Nodera, comparison—A.Kahoul, M.Nekkab, B.Deghfel, 536-543. K.Tsuji, 642-645. [DOI: 10.1002/xrs.1114] [DOI: 10.1002/xrs.1084] 35)The density and tube energy dependency of cobalt Kα/ Kβ in X-ray fluorescence spectrometryfor thick target 45)Characterization of homemade X-ray polycapillaries— R.D.Pérez, H. J.Sánchez, M.Rubio, C.A.Pérez, 646-651. [DOI: 10.1002/xrs.1115] measurements—M.Karimi, N.Amiri, V.Ahadnejad, 551554. [DOI: 10.1002/xrs.1086] 36)Comparative analysis of the resonant Raman cross sections of pure samples and oxides—M.C.Valentinuzzi, H.J.Sánchez, J.Abraham, C.Pérez, 555-560. X 線分析関連装置メーカー各社の URL と技術文献& 資料リスト(担当:松尾修司)(50 音順) 1)アルバック・ファイ株式会社 HPがリニューアルし,アドレスが変更されている. [DOI: 10.1002/xrs.1091] アプリケーションのページでAES,XPS,SIMSの製 37)Assignment of pre-edge peaks in K-edge X-ray absorption 品に関する技術情報を DL することが可能. spectra of 3d transition metal compounds: electric dipole or quadrupole?—T.Yamamoto, 572-584. [DOI: 10.1002/xrs.1103] http://ulvac-phi.com/ 2)アワーズテック株式会社 ED-XRF 装置を用いた環境(産廃物の分析) ,食品, 38)Satellites, hypersatellites and RAE from Ti, V, Cr, Mn and 産業(固形燃料,スラグの塩基度の分析) ,文化財 Fe in photoionisation—D.Mitra, M.Sarkar, D.Bhattacharya, (ローマガラスの分析)の分野に分けて実用的な分 L.Natarajan, 585-594. [DOI: 10.1002/xrs.1090] 39)Elemental depth profile of faux bamboo paint in Forbidden City studied by synchrotron radiation confocal 析例を紹介. http://www.ourstex.co.jp/tekiyou.html 3)エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 µ-XRF―X.Wei, Y.Lei, T.Sun, X.Lin, Q.Xu, D.Chen, XRF装置の原理や応用例に関する技術情報・文献情 Y.Zou, Z.Jiang, Y.Huang, X.Yu, X.Ding, H.Xu, 595-598. 報が多数あり.有害物質規制に関するアプリケー 42 X線分析の進歩 40 2008 年 X 線分析関連文献総合報告 ションの特集ページあり. http://www.siint.com/technology/index.html 4)株式会社 X 線技術研究所 ED-XRF装置の原理および関連要素部品に関する技 術情報あり. http://x-tec.jp 5)XPS のクレイトスアナリィティカル日本支店 XPS装置の製品を紹介.表面分析技術に関する情報 あり. http://www.kratos.com/ 11)東京科学株式会社 XRF について主に試料調整に着目したレポートを 掲載. http://www.tokyo-kagaku.co.jp/topics/topics_top2.htm 12)日本電子株式会社 XRF,XPS,EPMA 装置などを使用した分析事例・ 技術ノートの紹介が多数あり. http://www.jeol.co.jp/technical/index.htm 13)ブルカー・エイエックスエス株式会社 テクニカルレポートを掲載.主に XRD 装置を用い 6)オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社 たアプリケーションを紹介.グローバルサイトにも 電顕用のEDX装置の紹介のほか,主にナノテクノロ 分析事例のレポートあり.アドレスが変更されてい ジー関連の技術情報などを提供している. http://www.oxinst.co.jp/index.html 7)オミクロン ナノテクノロジー ジャパン株式会社 リンクしているドイツ本社のサイトでXPSを含めた るので注意. http://www.bruker.co.jp/axs/reports/index.html 14)株式会社堀場製作所 蛍光 X 線,共鳴 X 線非弾性散乱,X 線分子顕微鏡な 表面分析装置の紹介,および測定結果などの技術情 ど様々な技術を紹介. 報も閲覧できる. http://www.jp.horiba.com/products/applications/ http://www.omicron.jp/website/index.html 8)株式会社島津製作所 主として XRF 装置,その他多種の装置を取り扱っ ており,サブミクロンの X 線源など興味深いもの *技術情報誌「Readout」 (pdf 版閲覧可能) .English edition No.12 刊行. http://www.jp.horiba.com/support/tech_info/ 15)株式会社リガク 多数. XRD,XRFを中心に非常に多くのアプリケーション http://www.shimadzu.co.jp/products/index.html を紹介. *技術誌: 「島津評論」更新あり. http://www.rigaku.co.jp/app/index.html http://www.shimadzu.co.jp/products/tec_news/index.html *リガク e- ジャーナル(会員登録により閲覧可能) 9)スペクトリス株式会社 パナリティカル事業部 http://www.rigaku.co.jp/index.html(ホームから「会員 XRDを中心にXRF,SAXSを用いた比較的身近な物 質の評価例あり(一部閲覧に登録要) . サイトのご案内」をクリック) *Rigaku Journal: An International Journal of X-ray Char- http://www.panalytical.jp/tech/apps/index.html acterization は 2006 年 5 月発刊分まで閲覧可能. *メルマガ「パナリティカル X 線分析ニュース」 http://www.rigaku.com/downloads/journal/index.html 10)株式会社テクノス 16)理研計器株式会社 XRF,XRR による分析例の概略など技術情報を pdf ポータブル XRD + XRF 装置と文化財への応用例を で提供. http://www.technos.co.jp/technology/index.html X線分析の進歩 40 紹介. http://www.ac-2.com/XRDF/ 43
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