1、インストール 2、リスト画面とレコード画面

QRef Textbook No.1
Ver. 1.00
2011.1.1
1、インストール
QRef はホームページよりダウンロードしてインストールします。すでに QRef をインスト
ール済みの場合、Windows ではコントロールパネルの『プログラムと機能』ユーティリテ
ィーで、Linux、Mac OS X ではインストール時に作成された uninstall ユーティリティ-
を使用してプログラムを削除しておきます。
Windows 2000/XP/Vista/7 で使用することができます。
Linux のほとんどのディストリビューションで使用可能と考えられますが、テ
スト実績のあるのは、Ubuntu と Fedora Core です。
Intel base で Mac OS X 10.6 Snow Leopard 以降において使用できます。
2、リスト画面とレコード画面
QRef を動かしてみましょう。そのために、ホームページからサンプルデータをダウンロ
ードします。サンプルデータは LZH 形式、または ZIP 形式で圧縮されています。
Sample.ref, Sample.ovf, Sample.idx
の 3 つのファイルに解凍し、それを自分のデータディレクトリに置きます。そこで、QRef
を起動します。最初に表示されるのは次のページのような初期画面です。
『File』を押して、続いて『Open』を押します。自分のデータディレクトリに移動し、
Sample
321 サンプルデータ
がそこにあることを確認して、『OK』ボタンを押してオープンします。
最初に表示されるのはリスト画面(次ページ)です。この画面は位置を変えたり、上下・
左右に大きくしたりすることができます。全体の位置は Sample.ref と書いてあるタイ
トルバーをドラッグすると自由に移動させることができます。
現在のレコードを示すカーソルは一番最初
にあります。ここで Enter を押すか、 の
右の文字の部分をダブルクリックすると、レコード番号 1 番の内容が表示されます。
それぞれのレコードを表示し、編集できるようにするのがレコード画面(3 ページ)です。
最初はレコード画面はリスト画面の下部に docked widget として表示されます。これを
分離して別々に表示することも可能です。
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QRef Textbook No.1
初期画面
リスト画面
2
QRef Textbook No.1
レコード画面
3、初期設定
最初に表示された画面で、以下の設定をします。
言語の設定
初期状態ではプログラムのメニューやダイアログの表示で使用される言語の設定は
英語となっています。日本語に設定した方が使い安いと感じる場合は、メニュー
『File』-『Language...』で使用する翻訳ファイルを qref_ja.qm (Japanese) に設定
します。ここでいったんプログラムを終了し、もう一度最初から起動すると、表示は日
本語になります。元に戻すことも簡単です。
プロキシの設定
インターネット接続にプロキシを使用する場合、メニュー『Help』-『Set proxy…』で
設定をします。プロキシを使用しないでインターネットに接続している環境では、設
定の必要はありません。
4、QRef の終了
メニューの 『File』-『Exit』を押して終了させます。新たに入力されたデータは、終了す
る時にはすでに確実にディスクに書き込まれています。終了時に特に必要な操作はあ
りません。
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QRef Textbook No.1
5、文献ファイルを作成する
もう一度 QRef をスタートします。新しい文献ファイルの作成は、この画面からしか作成
できません。この画面で 『File』-『New』の順番で文献ファイル作成機能を起動しま
す。
以下のようなダイアログが表示されます。ここでファイル名を入力すると、新しい文献フ
ァイルの設定画面が次のページのように表示されます。
ここで考えておいた方がよいことは次の二点です。
 文献ファイルを置くディレクトリ(フォルダ)をどこにするか
 文献ファイルの名前をどうするか
このダイアログでは、文献ファイルを置くディレクトリ(フォルダ)として
D:/MyDocuments/RefData
を選択し、文献ファイルの名前として、Papers を選択したことを示しています。ディレクト
リの指定の方法は Windows と Linux、Mac OS X では大きく異なります。また、
Windows でも
D: ¥MyDocuments¥RefData
のようなバックスラッシュ(表示上は¥)を使用しません。¥を使っても自動的に/に変更さ
れます。文献ファイルをどのドライブのどのディレクトリ(フォルダ)に置くかは、これまで
の他のデータの収納場所、My Document フォルダの場所などを考えて、判断してくださ
い。
文献ファイルの名前は、文献の保管の方針にも関係します。
 文献レコードを細かく分類して、いくつものファイルに分けて保管・管理する
 文献レコードは全部一つのファイルで保管・管理する。
どちらもあり得る方法です。
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QRef Textbook No.1
6、QRef でのデータの流れ
エクスポート
キイボード直接入力
文献ファイル
部分ファイル
印刷
インポート
引用文献リスト作成
A. データの取り込み
データの取り込みはキイボードから入力するか、あるいはインポート機能によって電
子的に読み込みを行うか、どちらかの方法によります。
B. データの利用
データを利用する方法には、エクスポート、印刷、引用文献リスト作成の三種類があ
ります。
1、エクスポート
文献のデータを一定の形式でファイルやクリップボードに送ります。
2、印刷
文献のデータを一定の書式でプリンターに送ります。
3、引用文献リスト作成
論文の中に、引用する文献レコードの ID を記入しておけば、指定の形式で文中
引用と文末の文献リストの作成を自動的に完成します。
7、QRef の機能の要約
QRef は研究者が研究の目的で文献を蓄積し、それを利用するために必要な機能をほ
とんど全て完備したソフトウェアです。
1. 文献を最大 30,000 件まで記録することができます。
2. 記録された文献をもとに文献リストを作成します。
3. 画像などを含む論文の文中への引用を直接完成させる機能があります。
4. 商用データベースからのダウンロードファイルを取り込みます。
5. 記録された文献の一部を別の部分ファイルにまとめることができます。
6. 医学・生物学系の学術誌の省略名の辞書を持っています。
7. 文献データをクリップボード経由でワードプロセッサに取り込めます。
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QRef Textbook No.1
全ての機能に詳しいヘルプ文書が添付されています。ヘルプボタンを押して参照してく
ださい。
8、Ref for Windows のデータを利用する
QRef は Windows、Linux、Mac OS X の上で共通のデータを使用できます。お互いの
データを無変更で使うことができます。また Ref for Windows のデータも原則としてそ
のまま利用できますが、以下の制限があります。どれも大きな問題ではないと思われま
すが、ご注意ください。QRef で作成したデータを Ref for Windows で使用することも可
能ですが、以下のような制限から問題が起きる可能性があります。
1. back slash (¥記号)
QRef では Windows だけではなく、Linux、Mac OS X で作成されたデータも何の
変更も無く扱えるようにしています。Windows 独自の仕様は少し制限されます。
D: ¥My Documents¥RefData¥Record.pdf は
D:/My Documents/RefData/Record.pdf
と自動的に変換されて利用されます。
Windows では当たり前のファイルパスは Linux や Mac OS X では通用しません。
まずドライブという概念がありません。従って、ファイル名を絶対パス(ドライブが書
かれているパス)で書き込むことを避けてください。上記のような絶対パス指定の場
合は Linux や Mac OS X では無意味なパスとして無視されます。
2. 改行コード
Windows、Linux、Max OS X はそれぞれ異なる改行コードを使用します(Windows
では CR-LF、Linux では LF、Mac OS X では CR が使用される)。この違いを
吸収するために、QRef では改行に <br> を機能コードとして使用します。以前の
バージョンのデータの中に埋め込まれた改行コード(著者や題名において Editor
や Book title を書き込むために使用した強制改行など)は適切に処理されるので、
意識する必要はありません。ただし、QRef で作成したデータを Ref for Windows
に戻して使用する場合は、<br> が機能コードではなく、単なる文字列として扱われ
ます。
3. タブ
QRef のレコード画面で使用する QTextEdit の内部構造の制限のために、タブコード
"¥t" を <br> と同居させることができません。したがって、一つのフィールドの中に
改行が入っている場合にはタブを使用することができません。今後の工夫が必要で
す。
4. リンク
絶対パスの使用を推奨できないことから、リンクの機能を少し制限しています。すで
に書き込まれた絶対パスによる指定を読み込んで利用することは可能ですが、今
後は自動的に作成されるリンクフォルダーか、またはユーザー指定のリンクフォルダ
を使用してください。ユーザー指定のリンクフォルダは複数設定することが可能です。
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QRef Textbook No.1
もしリンクされたファイルがハードディスクのさまざまな場所に分散している場合には、
これを確実に再現する方法はありません(以前のバージョンにおいても同様です)。
5. 部分ファイル
部分ファイルはそれぞれの文献ファイルの所属のディレクトリに一括して保存するこ
とにしました(文献ファイルの名称が Papers.ref の場合、ディレクトリ名は Papers
となります。このディレクトリは自動的に作成されます)。部分ファイルは *.prt の形
式をしています。一括して文献ファイル所属のディレクトリに移動すれば、そのまま
使用できます。
6. インデックス
インデックスのサイズが固定となりましたので、Ref for Windows のデータをその
まま使用する場合には、新たに『Tool』-『Rebuild index』で再編することをお勧め
します。
7. リッチテキスト出力
データをリッチテキストとしてクリップボードに出力する場合、リッチテキストそのもの
ではなく、簡易 HTML 文書として出力するようになりました。外見上は同じように取り
扱えるはずです。
8. ファイルの削除
ファイルの削除をごみ箱に行うことができません。今後工夫が必要な点です。
9. 正規表現による検索
正規表現を用いた検索が可能となりました。また該当する文字列を文字色を変えて
表示する機能(highlighting)も可能となりました。
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