ケーススタディー インテル® ソフトウェア開発ツール ハイパフォーマンス・コンピューティング サーバー・パフォーマンス エネルギー/公益事業 インテル® ソフトウェア開発ツールにより 石油ガス・ソフトウェアを並列化 シュルンベルジェは PIPESIM* ソフトウェアのパフォーマンスの大幅な向上と開発プロセスの合理化に成功 シュルンベルジェは、世界中の石油ガス開発会社に対し、最先端の技術、統合プロジェクト・マネー ジメント、情報ソリューションを提供するグローバル・サプライヤーです。生産エンジニアはシュルンベ ルジェの PIPESIM* 定常状態多層流量シミュレーター・ソフトウェアを利用して、生産井から処理施設 まで石油ガスを運ぶシステムのような、石油ガス生産システムを設計して最適化することができます。 シュルンベルジェのソフトウェア開発者は、顧客が最新のマルチコア・アーキテクチャーでシミュレー ションのパフォーマンスを向上できるように、インテル® ソフトウェア開発ツールを使用して PIPESIM* を並列化しました。その結果、アプリケーションのパフォーマンスは約 10 倍に向上し、開発プロセ スも大幅に効率化されました。 課題 • ソフトウェア・パフォーマンスの最適化。石油ガス開発会社が最新のマルチコア・アーキテクチャー を利用して、より高い精度でシミュレーションを高速に実行し、より多くの設計を調査できるように します。 • ソフトウェア開発期間の短縮。ソフトウェア開発、最適化、バグ検出タスクを高速化して、より優 れたソフトウェアを提供し、新しいバージョンを迅速に市場へ投入できるようにします。 ソリューション • インテル® ソフトウェア開発ツール。シュルンベルジェの開発チームは、インテル® Cluster Studio XE ツール・スイートを使用して、コードの並列化、パフォーマンスの最適化、潜在的な問題の特定 を行いました。 「 インテル® ソフトウェア開 発ツールを使用することで、 PIPESIM* のパフォーマンス を以前のバージョンの約 10 倍に向上させることができま した。大幅なパフォーマンス の向上は、弊社の顧客に多 大な恩恵をもたらし、弊社 の競争力も向上しました。」 Schlumberger .Ltd シニア・サイエンティスト Rodney Lessard 氏 結果 • パフォーマンスが約 10 倍に向上。PIPESIM* の最も労力を要するプロセスのパフォーマンスが約 10 倍に向上したことにより、顧客はより多くのシミュレーションを実行し、以前よりもはるかに迅速に、 より多くの可能性を追求できるようになりました。 • 開発を合理化。インテルのツールを利用することで、これまで数週間もかかっていた作業が大幅に 合理化され、以前よりも迅速に、より安定した信頼性の高いソフトウェアを開発できるようになり ました。 ビジネス価値 • 新機能開発の時間を確保。潜在的な問題の特定など、開発タスクが効率化されたことにより、シュ ルンベルジェの開発者は新機能の開発により多くの時間をかけられるようになりました。 • 競争力の向上。アプリケーションのパフォーマンスの向上とソフトウェア問題の解消により、シュル ンベルジェの競争力も向上しました。 シュルンベルジェの PIPESIM* ソフトウェアは、 これまで約 30 年にわたって、石油ガス開発会 社のシステム設計および最適化を支援してきま した。最近、パフォーマンスを向上するべく、ソ フトウェア開発者はコードの並列化という大規 模なプロジェクトに取り組みました。 「PIPESIM* は当初、シリアルシステム向けに開発されまし た。現在、弊社の多くの顧客は、並列化された コードでより優れたパフォーマンスを引き出せる 最新のマルチコア・アーキテクチャー PC および ワークステーションを利用しています。このため、 顧客が最新のプロセッサーを活用できるように PIPESIM* をアップデートしたいと考えました。」 (Schlumberger .Ltd シニア・サイエンティスト Rodney Lessard 氏) しかし、PIPESIM* の並列化は簡単な作業では ありませんでした。 「これまで何十年にもわたり、 多くの新機能がコードに追加されてきました。 現在では、PIPESIM* のコードは 100 万行近くに なっています。このため、新しいプロセッサー向 けにコードを並列化して最適化するプロセスを 合理化する手法が必要でした。また、コンソー ル出力を調べたりデバッガーでエラーを見つける のではなく、開発の初期段階ですべての潜在的 な問題を特定したいと思っていました。」(Rodney Lessard 氏 ) インテル® ソフトウェア開発ツールによるコードの 最適化と開発の合理化 包括的で多機能なツール・スイートを 実装 も大規模なネットワークで作業できるようになり ました。」(Rodney Lessard 氏 ) さまざまなソフトウェア・ツールを評価した後、 開発タスクの合理化 シュルンベルジェの開発チームは、コードの並 インテルのツールは、大規模で複雑なコードベー 列化、ソフトウェアの最適化、潜在的な問題の スの、時間のかかるタスクの合理化にも役立ち 特定が可能なインテル® Cluster Studio XE を選択 ました。 例えば、 開 発 者はインテル® VTune™ しました。 「ほかのツールも見てみましたが、弊 Amplifier XE で問題 点を素 早く特定できます。 社のニーズをすべて満たす単一ベンダーの 1 つ のツール・スイートを使用することに決めまし 「PIPESIM* は 30 年以上にわたって開発されてき たため、そのコードは膨大で複雑なものとなっ た。インテル® Cluster Studio XE は、コンパイ ています。インテル® VTune™ Amplifier XE はソフ ラー、チューナー、アナライザー、インスペク トウェアを解析し、主要なコンポーネントに分割 ター、MPI ライブラリー、その他をすべて 1 つ して、ボトルネックを迅速に特定できるように支 のソリューションで手に入れることができるので 援する、我々にとって非常に重要なツールです。 」 す。 」(Rodney Lessard 氏 ) (Rodney Lessard 氏 ) インテル® Cluster Studio に含まれるインテル® その他のツールは、コードの最適化、解 析の MPI ライブラリーは、意思決定プロセスで重要な 単純化、問題解決の迅速化を支援します。 「イ 役割を果たしました。 「マルチスレッド・アプロー ンテル® Fortran Composer XE にはリソースを最 チの代わりにマルチプロセス・アプローチを採用 大限に活用するさまざまな設定があり、インテ することに決めた後、いくつかのメッセージ・パッ ル® Trace Analyzer & Collector は各プロセスにか シング・インターフェース (MPI) ライブラリーを試 かっている時間を評価します。また、インテル® しました。弊社の開発者が記述した Open MPI* のプロトタイプ・プログラムも試してみましたが、 Inspector XE は大幅に時間を節約する可能性を 提供してくれます。 マルチプロセス・シミュレーショ インテル® MPI ライブラリーのほうが弊社のニー ンを実行し、実行しているプロセスでメモリーが ズに合っていました。 」(Rodney Lessard 氏 ) 上書きされている場所を正確に特定できます。使 インテルは、シュルンベルジェの開発者が適切 いやすいユーザー・インターフェイスにより、エ なツールを選択して PIPESIM* プロジェクトに実 ラーを引き起こしたコード行の確認も容易です。 装できるように支援しました。 「インテルは、さ 長い時間を費やすことなく、瞬時に問題を特定 まざまなインテルのテクノロジーを提示し、研 してくれます。 」(Rodney Lessard 氏 ) 究開発センターのエンジニアを紹介してくれまし た。彼らのサポートなしに我々が成功を収めるこ ハイパフォーマンス・コンピューティング とはできなかったでしょう。 」 (Rodney Lessard 氏 ) (HPC) ソフトウェアの開発期間を短縮 シュルンベルジェは、インテルのツールをほかの ソフトウェア開発にも利用しています。例えば、 シュルンベルジェの HPC ソフトウェア開発者はイ インテルのツールを利用して PIPESIM* のコード ンテル® Advisor XE でコードを並列化しています。 を並列化および最適化することで、アプリケー 「インテル® Advisor XE は、並列化に最も適した ションのパフォーマンスは大幅に向上しました。 コード部分の識別に役立ちました。正しいルー 「インテル® ソフトウェア開発ツールを利用するこ プをターゲットにできるため、これまで手動で とで、PIPESIM* のパフォーマンスを以前のバー 数日かかっていた作業を大幅に短縮できました。 ジョンの約 10 倍に向上させることができまし 同時に、後から問題が発生しないように、イン た。大幅なパフォーマンスの向上は、弊社の顧 テル® Advisor XE で潜在的なスレッドの安全性問 客に多大な恩恵をもたらし、弊社の競争力も向 題の検出も行っています。 」(Schlumberger .Ltd 上しました。弊社の顧客は、さらに多くのパイプ HPC ソフトウェア・エンジニア Carlos Boneti 氏 ) ライン生産作業のシナリオを調査し、以前より PIPESIM* のパフォーマンスが 約 10 倍向上 教訓 インテル® ソフトウェア開発ツールを利用して作 業することで、テクノロジーの優れた点を強化 しプロセスを合理化できます。 「開発者は、先 を急ぐあまり、強引に問題を解決しようとす ることがあります。しかし、長い目で見れば、 たとえ時間がかかっても、生産性と効率を高 めるツールを利用するアプローチのほうがは るかに良いでしょう。最初にやや時間をかけ ることで、後でより多くの時間を節約できる のです。」 Schlumberger .Ltd シニア・サイエンティスト Rodney Lessard 氏 強固で信頼性の高いソフトウェアを迅 速に提供 信頼性の高いソフトウェアを提供するには、問 題の早期発見が欠かせません。 「大規模で複雑 なシミュレーションの実行中にソフトウェアが クラッシュすると、顧客の貴重な時間や労力が 損なわれてしまいます。インテルのツールを利 用してメモリーの使用量、割り当て、リークを 解析することで、バグを回避し、後から問題が 発生しない、より強固で安定した高品質の製品 を顧客に提 供することができます。」(Rodney Lessard 氏 ) インテルのツールのおかげで、シュルンベルジェ の開発者は製品を迅速に出荷し、ほかの作業 により多くの時間をかけられるようになりまし た。 「バグやボトルネックを特定するために長い 時間を費やす必要がなくなりました。これらの 問題を素早く解決し、製品を出荷して、直ちに 次の作業に取りかかることができます。」(Rodney Lessard 氏 ) 組織に合った最適なソリューションについては 担当者までお問い合わせください。インテルの Business Success Stories for IT Managers サ イト ( 英語 ) および Intel.com IT Center サイト ( 英語 ) の情報もご覧ください。 この文書および情報は、インテルのお客様向けの参考情報として記載されているものであり、現状のまま提供され、明示されているか否かにかかわらず、いかなる保証もいたしません。ここにいう保証に は、商品適格性、特定目的への適合性、知的財産権の非侵害性への保証を含みますが、これらに限定されるものではありません。本資料は、本資料に記述、表示、または記載されたいかなる知的財 産権のライセンスも許諾するものではありません。インテル製品は、医療、救命、延命措置、重要な制御または安全システム、核施設などの目的に使用することを前提としたものではありません。 性能に関するテストに使用されるソフトウェアとワークロードは、性能がインテル® マイクロプロセッサー用に最適化されていることがあります。SYSmark* や MobileMark* などの性能テストは、特定のコ ンピューター・システム、コンポーネント、ソフトウェア、操作、機能に基づいて行ったものです。結果はこれらの要因によって異なります。製品の購入を検討される場合は、他の製品と組み合わせた場 合の本製品の性能など、ほかの情報や性能テストも参考にして、パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。詳細は、http://www.intel.com/performance ( 英語 ) を参照してください。 インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 ( インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 ( インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含 まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッ サーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命 令セットに関する詳細は、該当製品のユーザーズガイドまたはリファレンス・ガイドを参照してください。改訂 #20110804 インテルは、 本資料で参照しているサードパーティーのベンチマークまたは Web サイトの設計や実装について管理や監査を行っていません。 本資料で参照している Web サイトまたは類似の性能ベンチマー ク・データが報告されているほかの Web サイトも参照して、本資料で参照しているベンチマーク・データが購入可能なシステムの性能を正確に表しているかを確認されるようお勧めします。 © 2013 Intel Corporation. 無断での引用、転載を禁じます。Intel、インテル、Intel ロゴ、VTune は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。 * その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。 JPN/1312/PDF/XL/SSG/KS Please Recycle 329580-002JA
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