子宮頚がんとは 当院における子宮頚がんの診断と治療の方針 子宮頸が

子宮頚がんとは
子宮頸がんは高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染により、子宮頸部(子
宮の入り口)に発生するがんです。近年は発症の低年齢化が進み、その罹患率は 20-30 代
の女性特有のがんとしては第 1 位となっています。前癌病変(異形成)や初期癌の場合は
症状を呈することは少なく、子宮がん検診で発見されます。その場合は子宮頸部の一部を
切除することで根治が可能です。一方、持続する不正出血や性交後出血などをきたした場
合は進行癌であることが多く、子宮摘出術や放射線、化学療法が必要になることがありま
す。
当院における子宮頚がんの診断と治療の方針
子宮がん検診で異常を認めた場合、HPV の検査とコルポスコピー(拡大鏡)下に組織検査
を行います。その結果、異形成~初期癌であれば子宮頸部の一部を切除(円錐切除術)し
ます。円錐切除術を行うとその後の妊娠・出産に影響が出るため、当院では未産婦や挙児
希望のある方にはフェノールという薬を用いて病変を焼灼し、子宮頸部を完全に温存する
こともできます。しかしフェノール療法は標準治療ではないため、希望があれば当院にて
詳しく説明させていただきます。
組織診にて浸潤癌だった場合は MRI や PET-CT 検査を行い、手術または放射線(+化学療
法)が行われます。残念ながら当院には放射線治療装置がないため、放射線治療が必要な
方は大学病院へ紹介しています。手術は広汎子宮全摘術が基本ですが、妊孕能を温存する
広汎子宮頸部摘出術も当院で可能です。当院では広汎子宮頸部摘出術後に妊娠、出産され
た症例が 1 例あります(2015 年 7 月現在)。
子宮頸がんに関するトピックス
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するためのワクチン(2 価:HPV16 型・18 型
を予防、4 価:HPV6 型・11 型・16 型・18 型を予防)があります。HPV16 型・18 型が子宮頸
癌の約 70%に認められることから、上記のワクチンで子宮頸癌の約 70%を予防することが
できます。しかし日本においてはワクチン接種後の副作用のため、現在は積極的な接種推
奨が控えられています。一方海外では 9 価ワクチン(HPV6 型・11 型・16 型・18 型・31 型・
33 型・45 型・52 型・58 型)が承認され、子宮頸癌の約 90%が予防されるだろうと言われ
ています。
また、当院附属の健康管理センターでは子宮がん検診(細胞診)に HPV 検査も併用して
おり、早期発見に努めています。