「健康食品」の利用に関する調査結果 株式会社三菱総合研究所 安全科学研究本部 シミュレーション事業推進室 1.調査概要 1.調査対象:「goo リサーチ」登録モニター 2.調査方法:インターネットアンケート 3.調査期間:平成 17 年8月2日(火)∼平成 17 年8月5日(金) 4.有効回答者数:530 名 5.回答者の属性: 【性別】:男性 42.3% 女性 57.7% 【年齢構成】: 10 代 1.3%、20 代 24.0%、30 代 42.5%、40 代 24.9%、50 代 5.3%、 60 代 1.7%、70 代 0.4% 【居住地】:東京都在住 2.「健康食品」の定義 本調査では、「健康食品」を次のように定義した。 健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもののうち、消費者が自らの判断により 利用するもの。ただし、医薬品は含まない。 3.調査結果の概要 (1)「健康食品」の利用割合 過去に利用したことがあるが現在は利用していないものも含めると、約8割以上が「健康食品」の 利用経験があった(図表1)。 図表1(現在、「健康食品」を利用されていますか?) 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 33.0% ほとんど毎日利用している 11.7% 週に2-3回利用している 5.3% 月に2-3回利用している 20.8% 必要な時に利用している 12.8% 購入・入手時に利用したが今は利用していない 16.4% 利用したことがない -1- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 35% N=530 (2)「健康食品の利用目的」 利用目的の第一位は「日常的な健康の保持増進」(72.2%)で、「特定の栄養成分の補給」(40.4%) や「美容やダイエット」 (39.7%)が、それに続いた。この結果から、一口に「健康食品」と言っても、 消費者の利用目的は多岐に渡っている状況が伺える。 また、利用目的として「病気の治療」という回答もあり、「健康食品」を医薬品のように捕らえて いる消費者が約 5%いた。(図表2) 図表2(「健康食品」を利用される理由をお選びください。※現在「健康食品」を利用されていない方 は、過去に利用されていた経験についてお答えください。[複数回答]) (※「健康食品」の利用経験がある 443 名の回答) 0% 病気の治療 20% 40% 60% 80% 4.7% 22.8% 病気の予防 日常的な健康の保持増進 72.2% 特定の栄養成分の補給 40.4% 美容やダイエット 39.7% その他 N=443 0.5% (3)利用している「健康食品」の形態 利用している「健康食品」の形態では、 「カプセル・錠剤」が 74.9%で最も多かった。 「飲料」 (33.2%)、 「粉末・顆粒状」(19.0%)がそれに続いて多かった(図表3)。「カプセル・錠剤」の利用が他に比べ て多いが、「飲料」、「粉末・顆粒状」など多様な形態で消費者が「健康食品」を利用している。 図表3(利用している「健康食品」の形態をお選びください。[複数回答]) (※「健康食品」の利用経験がある 443 名の回答) 0% 20% 40% 14.2% ガム・あめ類 33.2% 飲料 9.3% 食用油 6.1% 乳製品 濃縮液 10.4% 3.8% 粉末・顆粒状 その他 80% 74.9% カプセル・錠剤 調味料 60% 19.0% N=443 1.4% (4)「健康食品」に関する情報の伝達経路 「健康食品」を利用するきっかけとなった情報源については、「テレビ番組を見て」(32.3%)、「イ ンターネットを見て」(25.5%)、「商品のパッケージを見て」(25.3%)、「家族・親類から勧められて」 (23.0%)の順であった(図表4)。この結果から、消費者は実際の商品パッケージに加えて、マスメ ディア、ネット、口コミなどの様々な情報経路を通じて入手したデータをもとに「健康食品」の利用 を判断している状況が明らかになった。 -2- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 図表4(「健康食品」を利用されたきっかけは何ですか?[複数回答]) (※「健康食品」の利用経験がある 443 名の回答) 0% 5% 10% 15% 20% 家族・親類から勧められて 25% 30% 35% 23.0% 16.0% 友人・知人から勧められて 32.3% テレビ番組を見て 16.3% 新聞や週刊誌の広告を見て インターネットを見て 25.5% 商品のパッケージを見て 25.3% 18.5% 健康食品メーカーが出しているパンフレットなどを見て 医療関係者から勧められて 2.7% スポーツジムなどで勧められて 2.5% N=443 3.8% その他 (5)「健康食品」に関する情報の信頼度 情報源の信頼度も多様化しており、「大変信頼している」と「ある程度信頼している」を合わせた 場合には、「家族・親類からの情報」(10.9%+55.1%=66%)、「友人・知人からの情報」(9.3%+54.5% =63.8%)、 「新聞」 (5.3%+58.5%=63.8%)、 「テレビ」 (3.0%+59.6%=62.6%)、 「インターネット」 (1.3% +49.4%=50.7%)であった(図表5)。ここで、「家族・親類」や「友人・知人」なども身近なネット ワークへの信頼度が高いことが分かる。 図表5(「健康食品」に関する情報源の信頼度をどうお考えですか。) N=530 59.6% テレビ 25.9% 3.0% 7.7% 3.8% 49.4% インターネット 33.6% 10.8% 4.9% 1.3% 新聞 5.3% 58.5% 21.9% 10.9% 3.4% 43.8% 雑誌 36.0% 11.5% 6.2% 2.5% 47.2% 書籍 34.3% 10.9% 3.4% 4.2% 46.8% 商品のパッケージ情報 33.2% 11.3% 5.5% 3.2% 家族・親類からの情報 10.9% 55.1% 20.9% 11.1% 1.9% 友人・知人からの情報 9.3% 54.5% 22.1% 11.7% 2.5% その他 11.4% 11.9% 8.5% 67.1% 1.1% 大変信頼している ある程度信頼している あまり信頼していない -3- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 全く信頼していない どちらともいえない (6)「健康食品」に関する情報のメディア別注目度 メディア別の注目度に関しては、インターネットにおいて「利用者(一般)からの情報」(31.7%) が、「有名人」(3.2%)、「医療関係者」(10.8%)よりも多く、ネット上でも口コミ情報が注目されてい ることが分かった(図表6)。一方、「国や行政からの情報」への注目度は、「新聞」の場合が最も高 くて 13.8%で、「テレビ」では 7.2%、「インターネット」では 5.3%であった。 情報発信者として医療関係者全体(「利用者(利用関係者)+利用者以外(医療関係者)」への注目 の 度 合 い は 、「 新 聞 」( 16.0%+ 17.0%=33.0%)、「 テ レ ビ 」( 13.4%+ 18.7%=32.1%)、「 雑 誌 」( 13.6%+ 15.7%=29.3%)、 「書籍、パンフレット」 (12.6%+16.2%=28.8%)、 「インターネット」 (10.8%+10.9%=21.7%) と、いずれも 20%以上であった。この点からも「健康食品」に関する医療関係者からの情報が消費者 から重要視されていることが分かる。 図表6(「健康食品」に関して、次にあげるような様々なメディアから情報発信が行われています。そ れぞれのメディアについて、どのような情報の発信者からの情報にもっとも注目されています か?あてはまるものを、それぞれのメディアに対して1つお選びください。) N=530 テレビ 19.6% 17.6% 18.7% 13.4% 4.2% 19.4% 7.2% 製造・販売者からの情報(CM, ホームページなど) 利用者(一般人)からの情報 インターネット 18.9% 31.7% 13.4% 14.9% 13.8% 16.0% 19.3% 5.3% 3.2% 新聞 10.9% 10.8% 17.0% 利用者(有名人)からの情報 22.5% 利用者(医療関係者)からの情報 2.5% 国や行政からの情報 雑誌 12.3% 19.3% 書籍,パンフレット 14.9% 15.7% 13.6% 4.3% 13.8% 医療関係者からの情報(利用者 以外) 16.2% 12.6% 3.6% 30.2% 4.7% 32.6% 注目していない 6.2% (7)「健康食品」を勧めたり勧めた経験 「健康食品」を、家族や知人に“勧めた経験”及び“勧められた経験”を質問したところ、半数近 くが、家族や友人に「健康食品」を勧められた経験があることが分かった(「家族・親類に勧められ ること」51.4%、「知人・友人に勧められること」48.7%)(図表7)。 -4- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 図表7(「健康食品」を家族や知人に勧めたり、勧められたりしますか?) N=530 家族・親類に勧めること 7.9% 知人・友人に勧めること 4.2% 家族・親類に勧められること 31.7% 27.4% 29.8% 33.0% 31.7% 7.6% 34.3% 43.8% 知人・友人に勧められること 4.2% 22.1% 44.5% よくある 26.6% 24.3% たまにある ほとんどない 27.0% 全くない (8)「健康食品」購入・入手先 「健康食品」の主な購入・入手先として、「よく購入・入手」と「たまに購入・入手」を合わせた 場合、最も多かったのは「薬局・薬店」(29.1%+52.0%=81.1%)で、次に多かったのは「インターネ ットによる通信販売」(22.7%+35.5%=58.2%)であった。「カタログによる通信販売(インターネッ トを除く)」(9.1%+28.5%=37.6%)もあわせると、「健康食品」の購入・入手先として通信販売の占 める割合が多いことが分かる(図表8)。 図表8(「健康食品」の主な購入・入手先をお選びください。) (※図表 1「ほとんど毎日利用」∼「必要なときに利用」の 375 名の回答) N=375 29.1% 薬局・薬店 52.0% 17.3% 1.6% スーパー 8.0% コンビニ 7.5% 32.8% 56.3% 2.9% 36.0% 53.1% 3.5% 18.4% デパートの健康食品売り場 75.2% 1.6% カタログによる通信販売(インターネットを除く) 4.8% 9.1% 28.5% 57.9% 4.5% 22.7% インターネットによる通信販売 35.5% 38.7% 3.2% 23.7% 健康食品専門店 67.7% 3.2% 家族・親類 5.3% 12.5% 78.9% 6.1% 2.4% 友人・知人 7.2% 85.3% 0.8% 6.7% その他 6.0% 13.4% よく購入・入手する 49.3% たまに購入・入手する -5- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 購入・入手しない 31.3% わからない (9)「健康食品」に関する医療関係者の対応 入院先や通院の際に、医師等から「健康食品」の利用に関して確認を受ける頻度は必ずしも高くな いことが分かった(図表9)。 図表9(入院や通院の際に、医師等から「健康食品」の利用について確認されたことがありますか?) (※過去3年程度で入院・通院した経験がある 413 名の回答) 0% 必ず確認される 10% 20% 30% 40% 50% 60% 1.7% よく確認される 3.9% 10.7% たまに確認される 19.6% めったに確認されない 56.2% 確認されない 覚えていない N=413 8.0% (10)「健康食品」に関する医師・薬剤師などからのアドバイスの経験と内容 また、医師や薬剤師(薬局・薬店を含む)などの医療関係者から「健康食品」に関してアドバイス を受けた経験をたずねたところ、 「利用の中止についてアドバイスを受けた」経験が 1.5%、 「利用の可 能な条件や範囲についてアドバイスを受けた」経験が 8.3%、「積極的な利用についてアドバイスを受 けた」経験が 3.6%であった。このように、「健康食品」に関して、積極的な確認やアドバイスを行っ ている医療関係者は、まだ少ないのが現状である。 図表10(医師や薬剤師(薬局・薬店を含む)などの医療関係者から「健康食品」に関してアドバイ スを受けたことがありますか?) N=530 98.5% 利用の中止についてアドバイスを受けた 1.5% 利用の可能な条件や範囲についてアドバイスを受けた 8.3% 91.7% 96.4% 積極的な利用についてアドバイスを受けた 3.6% その他 10.0% 90.0% ある -6- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. ない (11)「健康食品」について相談しやすい医療関係者 なお、「健康食品」について相談しやすい医療関係者としては、「薬局・薬店の薬剤師」を挙げる回 答者が多かった(「相談しやすい」19.3%、「やや相談しやすい」34.3%、合計 53.6%)(図表 11)。一方 で、どの医療関係者に対しても、 「わからない」が 20%程度であり、今後医療関係者が「健康食品」に 関する相談等を積極的に受ける場合には、その旨を一般消費者に周知することの重要性が伺えた。 「健康食品」に係わる健康被害の未然防止や拡大防止のためにも、医療関係者が一般消費者の「健 康食品」の利用状況を積極的に確認するなど、何らかの形で「健康食品」の利用等に関与することが 強く求められていることが今回の結果からも明らかになった。なお、今回の調査対象者で「健康食品」 を利用することで、体調を崩したり病院に行ったりした経験のある方は 0.9%と極めて少なかった。 図表11(以下にあげる医療関係者それぞれについて、 「健康食品」に関する相談のしやすさをお答え ください。) N=530 25.3% 主治医 主治医以外の医師 看護師 病院の薬剤師 7.2% 14.3% 8.7% 16.6% 27.2% 16.6% 12.3% 21.3% 7.9% 23.2% 34.3% 10.2% 23.8% 14.5% 24.2% 12.1% 9.3% 25.7% 20.6% 15.5% 21.9% 4.5% 7.6% 18.5% 20.8% 10.4% 5.7% 12.1% 28.1% 19.3% 薬局・薬店の薬剤師 栄養士 21.5% 8.1% 15.9% 31.1% 4.2% 0.0% 2.6% その他 7.7% 2.6% 相談しやすい 84.6% 2.6% やや相談しやすい どちらともいえない やや相談しにくい 相談しにくい わからない (12)今後のデータの活用について 今回得られた調査データをもとに、一般消費者に対する、食品安全情報の広報効果のシミュレーシ ョンモデルを構築する計画である。構築するモデルでは、消費者の購買や商品の利用に関する意思決 定が、どのようなメディアの影響を大きく受けるかを定量的に評価可能なものとする予定である。 -7- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc. 本件に関する問い合わせ先 株式会社 三菱総合研究所(http://www.mri.co.jp/) 〒100−8141 東京都千代田区大手町二丁目3番6号 広報部 馬場・山村 電話 03-3277-0003 ファクシミリ 03-3277-3490 メール [email protected] 安全科学研究本部 シミュレーション事業推進室 担当:義澤 電話 03-3277-0774 ファクシミリ 03-3277-3480 メール yoshizaw @mri.co.jp -8- Copyright©Mitsubishi Research Institute,Inc.
© Copyright 2024 Paperzz