東京大学 知の構造化センター(ネットワーク)

東京大学
知の構造化センター(ネットワーク)
センター(ネットワーク)設立の趣旨
自律分散的に
創造される知識を
構造化することにより、
知的価値、経済的価値、
社会的価値、文化的価値に
結びつけるための方法論を
東京大学総長 小宮山宏
構築し、成果を実装する
背景と目的
背景: 知識の爆発
知識は幾何級数的に増大した。その結果、膨大な知識を把握する
ことが極めて困難となってしまった。学問は領域を細分化するこ
とによって深化する。専門家は狭い領域を守備範囲とし、領域外
の事柄については専門的判断を下すことができない。複雑化する
問題を扱うためには、その全体像を把握することが必要である
が、それは個人の能力を超えてしまった。
知の構造化とは
構造化とは、要素と要素の関係性を明らかにすることである。関
係性には、階層性、因果性、関連性、類似性など様々な種類があ
る。知の構造化の目的に応じて相応しい関係性に着目し、分散す
る膨大な知識を関係付け、知識システムを構築することを知の構
造化と呼ぶ。
知の構造化の必要性
分散する膨大な知識を有効活用し、知的価値、経済的価値、社会
的価値、文化的価値に結びつけるためには、知の全体像の把握が
必要である。専門家は限られた領域の知識しか把握していないた
め、分野を超えて知識を活用するためには、知の構造化が不可欠
となる。さらに、知を構造化し、可視化することで、知識を活用
するための様々な操作が可能となる。
コンセプト
知的価値
社会的価値
構造化
構造化
自律分散的に
創造された知識
構造化
経済的価値
構造化
文化的価値
研究テーマ
概要
知的価値関連研究
・進化する教科書
・全学シラバスの電子化とMIMA サーチを用いた
「東京大学全学・知の構造化」
・日本人のための科学技術リテラシー
・大学における研究・教育活動の可視化
事業内容
1)
2)
3)
4)
5)
経済的価値関連研究
知の構造化手法の開発
構造化された知の活用手法の開発・実装
知の構造化による価値創出の実践
東京大学教員の知の収集
教育院(小宮山構想)の支援
センター(ネットワーク)のメリット
様々な分野で分散的に進められている知の構
造化を部局横断的なセンター(ネットワーク)
に集めることにより、以下のようなメリット
が期待される。
・知の構造化手法の高度化
・新たな知の構造化適用事例の発見
・知の構造化の体系化
・知の共同収集
・文理協働の実践
テーマ例
Cooperation
Environment
・材料ナノテクノロジー知識基盤
・ビジネス知の構造化ワークショップ
社会的価値関連研究
・問題解決策の発想支援システム
・医学知識の構造化・可視化
・コンプライアンス問題の構造化
文化的価値関連研究
・「新しい百科全書」プロジェクト
・「メディア分析の知恵の樹」プロジェクト
・NHK アーカイブス映像の構造化と教育的ナビ
ゲーション
構造化手法研究開発
・知の構造化手法の研究開発
・知の表現の液状化と結晶化のサイクル
・セマンティックコンピューティング
・Web からの知識の構造化
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Automatic
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Access
Log
医学知識の構造化・可視化
Concept
Background
Concept
Structuring
進化する教科書
「新しい百科全書」プロジェクト
東京大学 「知の構造化センター(ネットワーク)構想」
大学総合教育研究センター 藤原毅夫
進化する教科書
Cooperation
Environment
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Automatic
retrieval
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Access
Log
Concept
Background
Concept
Structuring
研究の目的・概要
学部および大学院初期の段階でのテキストを自動生成し、日々更新される知
を蓄積・利用する。全体構成は、①百科事典(大学のメンバーであれば誰で
もが記入することが出来る)、②MIMA サーチによる項目抽出、③目次構成。
成果のイメージ
z 先端分野、学際分野のテキストを多数の専門家が執筆し、知を総動員できる。
z 新たな分野に進みたい学生のための自学・自習のためのテキストを、個々人の
希望に応じて作ることが出来る。
研究体制・研究計画
●
大総センター、工学教育推進機構、教養教育開発機構
●
新しい教科書のイメージは以下。①目次の決定:エディタ(教員、研究者、
学生の誰でも)が目次を作成。②MIMA サーチが目次に従って百科事典か
ら項目抽出。③項目をエディタが選択して決定。これを設計試作する。
大学総合教育研究センター 藤原毅夫
全学シラバスの電子化と MIMA サーチを
用いた「東京大学全学・知の構造化」
研究の目的・概要
工学部では、シラバスの電子化、構造化・可視化が完成しており、課題志向
型の可視化も、それぞれの課題(情報、バイオ、ナノなど)別に進めている。
2006年度には工学部と教養学部のシラバスを合わせて、学部間の講義関
連性、知の構造化を試みた。その結果、シラバスの書き方や、同一名称講義
が複数クラスを持つ等の状況により大きく結果が異なる。これらの問題点を
全学的な立場で検討し、全学的な立場で再度具体的な作業に向かう。
成果のイメージ
z 専門学部進学前の学生が、進学先を的確に選ぶ。
z 自学自習のための基礎を提供。
z 学外から、学生が何を学んでいるかを知り、開かれた大学を具体化。
研究体制・研究計画
大総センター、工学教育推進機構、教養教育開発機構。
大学総合教育研究センター 藤原毅夫
日本人のための科学技術リテラシー
日本学術会議
科学技術リテラシー
プロジェクト
数理科学
生命科学
物質科学
情報学
期待される成果
構造化
可視化
科学技術リテラシー
の確立、必要性の理
解の普及、政策決定
外部知識
データとリンク
宇宙・地球・環境科学
初中等教育、大学教
育、家庭の科学技術
理解の一貫性
人間科学・社会科学
技術
研究の目的・概要
21世紀の日本人が豊かで安全な生活を送るために必要な基本的科学技術の
知識は何か、またそれを国民に広く知らせる運動を推進していくプロジェク
トである。種々の分野で現在作業が進んでいるが、全体を構造化し可視化す
る、あるいはさらにその外での知識データとリンクを張るという必要があろ
う。
成果のイメージ
z 科学技術リテラシーの確立、必要性の理解の普及。政策決定。
z 初中教育、大学教育、家庭の科学技術理解の一貫性。
研究体制・研究計画
●
現在のところ未定。上記計画と共同。
生産技術研究所 志村 努
大学における研究・教育活動の可視化
生産技術研究所・年次要覧をモデルケースとして
研究の目的・概要
生産技術研究所(生研)では、1952 年以来、所の全ての研究・研究活動を「年次
要覧」という冊子に、年度ごとに記録している。年次要覧は、網羅性という点での完
全性は高いが、生研の研究活動を俯瞰するという点では決してわかりやすい形態
であるとは言えない。そこで、このデータを基に種々のデータ解析ソフトウェア・アル
ゴリズム等を用いて、生研の研究・教育活動を、一望の下に俯瞰し、かつ各ユーザ
ーの要求に合った多種多様な切り口で構造化・可視化する手法を探索する。
成果のイメージ
z 大学の研究・教育活動は極めて多種、多様かつ大量であり、全体像を俯瞰的
に示すことは難しい。これを誰にでもわかりやすい形で提示する。
z 社会的アカウンタビリティーを果たす。
z 高校生、学部学生に対するガイダンス機能を担う。
z 産官学連携のための情報提供機能を担う。
z 成果は学内他部局あるいは全学でも活用してもらうことを希望する。
研究体制・研究計画
z 1997 年度以降の年次要覧はすでに電子化されている。これを素材として用い
る。
z 分析ツールは、生研内あるいは学内で開発された既存の物を使用する。
工学系研究科・化学システム工学専攻 野田 優・山口 由岐夫
材料ナノテクノロジー知識基盤
材料・デバイス開発
専門の習得
発想支援
応用技術
経済的価値
知的価値
設計支援
基礎理論
材料・構造候補
製造プロセス候補
大学教育
企業内研修
http://mandala.t.u-tokyo.ac.jp/
材料ナノテクノロジーにおいても、理論・モデリング・テキスト情報・各種データベー
ス等、関連知識は多岐に亘る。多様な学術シーズ・産業ニーズを収集・要素化して
実装、基盤内外のデータを有機的にリンクすることで、量的にも質的にも膨大な知
識を自由に辿れる基盤を構築する。ユーザーインターフェースの構築に加え、イン
タビュー・コンサルテーションを通じ、知識を活かすプロフェッショナルも育成する。
成果のイメージ
z 経済的価値:産業界の研究開発にて、社内データベースと知識基盤を連動、発
想支援システムを介して just in time に各種知識を提供し研究開発を支援する
z 教育的価値:大学教育・企業内研修にて、材料の基礎から応用を多様なルート
で仮想体験し、深い専門知識と柔軟な思考を併せ持つ人材の育成を支援する
研究体制・研究計画
z 文献等の形式知に加え、専門家の暗黙知をインタビューにより収集・実装
z オントロジー、知識ネットワークにより関連知識を有機的に接続
z コンソーシアムにて産学連携活動を遂行、研究開発のコンサルテーション
z 教育・研修向けの利用方法の開発と利便性向上
総合研究機構 松島克守
知の構造化手法の研究開発
膨大な知
識と情報
構造化手法
構造化手法研究開発
電子情報
•ジャーナル
•データベース
•google
構造化され
た知識
•引用ネットワーク分析
学術論文・特許
•キーワード分析
•学術俯瞰マップ
•テ ク ノ ロ ジ ー ロ
ードマップ
•情報分析(発見)
シソーラス自動作成
•編集エンジン
本研究プロジェクトは 2000 年から経済産業省の産業知識構造化プロジェクトとし
てスタートし、知の構造化の本質を議論しつつも、具体的な構造化手法を情報科学
(IT)に求め、自然言語処理およびネットワーク分析の理論を具体的な IT ツールとし
て開発し、学術俯瞰、テクノロジーロードマッピング、等の分野に応用することによ
り、知の構造化の可能性を明示的に示し、社会に有用である構造化の結果そのも
のを発表していくことを目的とする。
成果のイメージ 学術俯瞰マップ
z サステナビリティ学のように他分野にまたがり且つ新興の学術分野の全体像を
学術俯瞰マップとして完成させ全体の俯瞰的理解を可能にする。この俯瞰的理
解により研究戦略や資金配分、また専門教育プログラム作成に役立てる。
z 多数の専門家の共同作業から作成されているテクノロジーロードマップを、知
の構造化の手法を応用して、関連分野の情報をもれなく収集・分析し、これを
元に専門家が加筆・修正することで現状より精密で且つ短期間にロードマップ
が作成できる。
研究体制・研究計画
z 研究体制は、主として俯瞰工学の松島教授、梶川助手、武田助手及び大学院
の学生 3―5 名(ネットワーク分析、キーワード分析)、そして豊橋科学技術大学
の梅村教授グループ(自然言語処理技術)である。
各回有志による (進行: システム量子工学専攻 橋本康弘・大澤幸生)
ビジネス知の構造化ワークショップ
研究の目的・概要
東京大学内には 1990 年前半から、知の構造化に寄与できる数多くのツールが開
発されてきた。一方、「チャンス(意思決定を左右する事象)発見」に関する研究(大
澤ら)において、ビジネスや医療のデータをシナリオマップとして可視化する技術を
深め、経営戦略、マーケティング、製品開発に携わるユーザたちがビジネスチャン
スを発見する成果を実現してきた。このプロジェクトでは、「知の構造化」に関連して
今後も集積される様々な可視化ツールを活かし、実環境における人間の意思決定
を支援するプロセスを確立し広めることを狙う。
成果のイメージ
z 有望なビジネス戦略、新製品を発見し、ビジネス戦略シナリオを策定
z マーケットから消費者の隠れた知恵を発見
研究体制・研究計画
z 非定期でワークショップを開催してユーザ企業にツール紹介
z 有志企業において、知の構造化ツールを用いたチャンス発見プロセスを実験。
工学系研究科 堀井秀之
問題解決策の発想支援システム
研究の目的・概要
様々な分野における問題解決の知識を活用し、革新的な問題解決策を発想するた
めの方法論を構築する。問題解決の知識をアナロジーに基づき構造化することに
より、分野を超えた知の活用を可能とする。
成果のイメージ
z 問題解決策の発想支援システムを構築する。
z 問題の特性を入力すると、有効な解決メカニズムや参考となる問題解決策が提
示される。
z 画期的な問題解決策を入力すると、その解決メカニズムによって解決が可能な
類似の問題が提示される。
z 異なる分野で開発された問題解決策を、分野を超えて活用することにより、問
題解決の効率性を高めることができる。
研究体制・研究計画
z 個別問題解決策の分析、解決メカニズムのフロー図表現
z 解決メカニズムのアナロジー分析手法の開発
z アナロジーに基づく問題解決知識の構造化
z 問題解決策の発想支援システムの開発
東大病院 健康医科学創造講座 興梠 貴英/循環器内科 永井 良三
医学知識の構造化・可視化
研究の目的・概要
近年、最先端・最新の医療技術と並んで、既存の医療の質や安全をいかに実現するか、という
ことが大きな課題としてクローズアップされている。また、医療機関にはこれまでの家父長的な役
割から、徐々に患者と共に治療に参加する一員という役割が期待されるようになりつつある。
こうしたことの実現には EBM の普及や一般人への医学・医療知識の普及が一つの方法となり、
インターネットの普及に伴う知識の急激な増加は一助とはなっている。しかし、情報がきちんと構
造化されていないために信頼性を含めて色々なレベルの情報が入り乱れている。本研究におい
てはテキスト処理技術を用いて大量の情報から有用な情報を抽出したり、わかりやすく構造化し
て提示することによりそうした問題の解決を図ることを目的とする。
成果のイメージ
z
医療安全を「システム」により実現する
z
科学的証拠に基づいた医療(EBM)をより容易に行えるようにする
z
医学・医療知識を一般に普及することにより「患者中心」かつ「質の高い」医療を実現する
研究体制・研究計画
z
循環器内科・永井良三教授、健康医科学創造講座・興梠
z
企業等の共同研究者
大学院総合文化研究科 清水 剛
コンプライアンス問題の構造化
知の構造化
利害関係者との
コミュニケーション
内部統制の確立
?
粉飾決算
下請けいじめ
?
問題のある製品
コンプライアンス
問題
?
カルテル・
押し付け販売
サービス残業・
偽装請負
環境汚染
?
インセンティブ・
システムの変更
倫理基準の確立・
倫理教育
?
大手証券会社による粉飾決算や電力会社による事故隠し問題など、コンプライア
ンスをめぐる問題はここ数年企業社会における大きな問題であり続けている。本研
究ではコンプライアンスにかかわる様々な問題を構造化・階層化し、またこれに対
する対応策についても構造化することにより、ある企業が直面しているコンプライア
ンス問題の本質は何であり、これに対してどのように対応するかを見出すことがで
きるようにする。
成果のイメージ
z 企業が現在直面している、あるいは将来発生するコンプライアンス問題の本質
を理解し、対応できるようになる。
z 社会がどのような対応策をとればよいのかについて方向性を指し示す。
研究体制・研究計画
z 新聞・雑誌等のデータベースや学術論文などをデータソースとし、本プロジェク
トで開発された知の構造化ツールを利用して分析を進める。
z 将来的には経済学研究科「ものづくり経営研究センター」のプロジェクトとリンク
大学院情報学環 吉見俊哉/石田英敬
「新しい百科全書」プロジェクト
研究の目的・概要
Web の普遍化や WikiPedia のようなコンテンツ・マネージメント・ツールの普及、いわゆる Web2.0
にいうようなネットの再組織化の流れの中で、「大学の知」を体系化して、IT 上で「知の環境」を構
築して、「知の公共機関」としての「大学」が「確かな知」のあり方を社会的に保証することを目標
とするプロジェクト。知識が情報化した世界において、「大学」を巨大な更新しつづける「百科事
典」ともいうべき体系化された知識ベースとして提示する。
成果のイメージ
z
文科系の諸学における「知識」を体系化し「メタアーカイブ」を構築。教育研究分野において
必要とされる概念ネットワークを抽出し、「知識体系」を可視化・検索できる技術の開発。
z
シラバスや講義スライド、教科書や関連著作、百科事典のコーパスをリンクさせ、知識整理と
概念の体系的な習得をすることが可能な環境の構築。
研究体制・研究計画
z
大学院情報学環、日立システムアンドサービス
z
2007年7月に、Ubiquitous Media: Asian Transformation と題して、大規模な国際シンポジウ
ムを東京大学で実施する。
大学院情報学環 石田英敬
「メディア分析の知恵の樹」プロジェクト
研究の目的・概要
「人文知」の方法を活字で書かれている以外の「メディア・テクスト」に拡張し、人文知にルネサ
ンスをもたらすことが本プロジェクトの目的である。映画やテレビなどのメディア・コンテンツを分析
し研究する知を IT ベースで構造化し、アーカイヴとリンクした成長しつづけるハイパーメディア型
のデジタル・エンサイクロペディアのネットワークを構築することにより、人文知の書き換えと革新
を可能にする。現状ではテレビ番組を対象にプロトタイプの設計と製作が行われている。
成果のイメージ
z 文字メディア以後のメディア・コンテンツに関して、とくに IT がもたらした認知的可能性を応用
することによって、技術に基礎づけられた実証性を伴った「クリティーク」を可能にする。
z
IT ベースのメディア・テクストのクリティークを可能とする環境と理論知の体系化とを結びつけ
ることで、「意味批判」「文化批判」の新しい「知」のパラダイムを生み出すことを射程に。
研究体制・研究計画
z 大学院情報学環、INAthèaque、Centre Georges Pompidou IRI
z
テレビ番組の分析に関してプロトタイプの制作中。映画の研究、およびあるいはマンガ、アニ
メ、メディア・アート作品などを対象とした研究への拡張を視野に入れている。
情報学環 山内 祐平
NHK アーカイブス映像の構造化と教育的ナビゲーション
大量の映像から、
学びに必要なものを
発見する。
本研究では、NHKアーカイブスの映像を学習者が検索する際に、問題意識に関連した映像ク
リップの提示をナビゲーションするシステムを開発することによって、映像情報の教育・文化・学
術利用における「知の構造化」概念の応用例を提示したい。具体的には、東京大学 マイクロソフ
ト先進教育環境寄附研究部門 (MEET) で開発されているタブレットPC向け映像探索ソフトウェア
「MEET Video Explorer」を拡張し、学習者の学習レベルや興味関心に対応した映像を関係図的
に可視化する機能を開発・実装する。
成果のイメージ
z
NHK が持つ膨大な映像から、学習のきっかけとなる映像を推薦する。
z
NHK が持つ膨大な映像から、学習を広げる関連映像を推薦する。
研究体制・研究計画
z
研究体制
¾ 研究代表者 山内 祐平 (情報学環)
¾ 研究協力者 望月 俊男・西森 年寿 (マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門)
z
研究計画
¾ 2008年度 基礎研究
¾ 2009年度 ソフトウェアの実装
¾ 2010年度 ソフトウェアの評価
工学系研究科 美馬秀樹・太田 晋 / 情報学環 石崎雅人
知の構造化手法の研究開発
知の構造の解明 グレード
分野
時間
小・中・高等知識から
大学知識・社会知識へのリンク
教科書的知識
辞典的知識
進化する教科書
グレード:初等~中高等、大学、社会(生涯)
分野
:人、地球、宇宙、もの(及びその細分された専門分野)
時間
:過去、現在、未来(及びその時代)
研究の目的・概要
自然言語理解、オントロジー構築、関連性認識などの技術の深化を図り、概念だけでなく、現実
の時空間で変化していく情報を効果的に構造化・可視化する新たな手法を開発し、実用化を図る。
事実情報だけでなく、感性的な評価を含めた情報を構造化・可視化するために、機械学習手法を
活用し、自然言語処理技術の新たな展開を図ると共に、認知・コミュニケーション科学の知見を
踏まえ、インタラクティブに知識を獲得、更新していく手法の確立を目指す。構造化知を目的に応
じて提供する為の共通知識基盤を開発する。即ち、質・量共に膨大な知識を領域化・階層化して
格納し、領域・階層間をネットワーク化すると共に、利用形態の解析に基づくインタラクティブなユ
ーザインターフェースを開発し、実装する。
成果のイメージ
z
知の構造化共通基盤技術の提供
z
宣言的知識(データベース)と手続き的知識(ワークフロー)の共有基盤の構築
z
人の認知特性に適した可視化による知識獲得効率の向上
研究体制・研究計画
z
工学系研究科工学教育推進機構 美馬秀樹助教授、太田晋研究員および情報学環 石崎
雅人助教授との共同研究にて行う。
先端科学技術研究センター 堀浩一・赤石美奈
知の表現の液状化と結晶化のサイクル
知を構造化しようと思ったら、多くの場合、既存の知をいったん壊してやる必要があ
る。これは、本当は、知の表現・人間組織・知を扱う場の三者に対して同時に行わ
なければならない。残念ながら知の構造化センターには、組織を壊す権限までは
与えられていないようである。そこで、まずは、既存の知の表現を壊してみることか
ら始めよう。単に壊してバラバラにしたのでは、新しい構造は生まれない。新しい構
造が生まれる潜在的可能性を精密に分析しながら壊す必要がある。これを我々は、
知の表現の液状化と呼んでいる。上手に液状化できれば、新しい知の表現を結晶
化することができる。液状化と結晶化のサイクルを動的にまわすためのシステムを
構築する。
成果のイメージ
z 第1段階として個人の知の世界を再構成してみせる。たとえば、書き溜めた論
文から本を半自動的に構成する(その基礎実験はすでに成功している)。
z 第2段階として研究者コミュニティの中の知の世界を再構成する。
z 第3段階としてコミュニティを越えた知の表現の液状化と結晶化を行う。
研究体制・研究計画
z 科研費基盤研究A「知識創造支援のための知識源情報の動的構造化に関する
研究」(堀浩一、赤石美奈ほか)(平成 15 年度~18 年度)の成果の活用
z CREST「脱構築エンジン(知識の動的再構成支援システム)の研究開発」
(堀浩一、赤石美奈ほか)(平成 18 年度~平成 23 年度)との連携
産業技術総合研究所 橋田浩一
セマンティックコンピューティング
同時多発発言
同時多発発言
蒸し返し防止
蒸し返し防止
作成コストの低減・
作成コストの低減・
コンテンツの品質向上
コンテンツの品質向上
プロジェクト管理
オンラインの議論
粗粒度
粗粒度
知的コンテンツ
知的コンテンツ
議論の広がりと深まり
議論の広がりと深まり
インタラクティブな
インタラクティブな
プレゼンテーション
プレゼンテーション
知的映像
コンテンツ
ストーリの
ストーリの
品質向上
品質向上
経営・企画
学術・教育
コンテンツや
コンテンツや
発言者の評価
発言者の評価
政策立案
社会的合意形成
高性能の検索、
高性能の検索、
要約、翻訳など
要約、翻訳など
セマンティックプラットフォーム(オントロジーに基づいてコンテンツやサービスへの
アクセスを司るミドルウェア)を介して、セマンティックエディタ(明示的な意味構造を
導入することによってコンテンツの作成コストを低減し品質を向上させるコンテンツ
の作成支援グループウェア)を初めとするさまざまな知的情報アクセスサービスを
連携させることにより、人間とコンピュータが共有する意味に基づいて情報システ
ムを設計・運用する技術。
成果のイメージ
z 人間とコンピュータの間での意味の共有により、論文、企画書、契約書、法律、
特許、議事録、教材、スケジュール、映像等のコンテンツの作成コストを低減し、
品質を向上させ、検索、要約、翻訳等のサービスの精度と効率を高める。
z それを通じて、人間同士のコラボレーションの質を向上させ規模を拡大すること
により、知識創造のスパイラルを活性化する。
研究体制・研究計画
z 2007~2008 年: セマンティックエディタの機能向上により、電子メイルやブログ
や Wiki に代わるコミュニケーションツールとする。
z 2008~2009 年: 意味的な構造化により、教材やカルテの作成コストを低減し、
品質を向上させ、教育や医療における知識創造を高度化する技術を開発する。
z 2009~2010 年: 教育や医療を含む諸業務の相互連携による全体最適化を図る
技術を開発する。
産業技術総合研究所 松尾 豊
Web からの知識の構造化
Web には多くの情報があり、検索技術が進展していますが、本当の活用はこ
れからです。Web 上の知識を集約・統合し、意思決定に必要な形に構造化します。
そのために、エンティティとその関係を Web から抽出する、すなわち領域内のネ
ットワーク構造を取り出す技術が基盤となります。論文をはじめとする整理され
た学術知は、その外の多くの情報とシームレスにつながっています。論文集合と
Web 上での知識を関連付け、暗黙的な知識を補う、文脈を示すといった技術を
通じて、学術知のさらなる活用を図ります。また、Web を媒介に、Web2.0 的なコミ
ュニティの構造化と活性化を目指します。
成果のイメージ
z 一般の人が、より明確に意思決定するための Web 情報の構造化システム
z Web 上の情報を用いた技術分野の俯瞰システム(日本と諸外国の技術マッピン
グ、産学官の連携支援)などを構築します
研究体制・研究計画
z 博士研究員および技術スタッフ(プログラマー等)若干名
z インターネット関連の企業と連携体制を作り、研究から開発・運用につなげます。
学内の関連研究室とも共同で研究を行います。
東京大学知の構造化
関連プロジェクト
情報の価値化・知識化技術協議会
企業、社会、学問の現場で生成される情報が急増する中、現場情
報を収集、分析、可視化することで、経営の高度化、社会問題の
解決、知識の構造化を促進する。
会長: 小宮山宏 総長
産学連携
東京大学大学院工学系研究科、東京大学生産技術研究所、独立行
政法人科学技術振興機構、独立行政法人産業技術総合研究所、
国立情報学研究所、共同印刷株式会社、トヨタ自動車株式会社、
日本SGI株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、
富士フイルム株式会社、三菱重工業株式会社
学術統合化プロジェクト
高度に細分化された自然科学の諸分野をスケールや領域を超えて
統合し、 それらの全体像を理解可能な形で提示し、科学と人間
との間の橋渡しを行うことを目指した研究を展開。複雑化した知
識をテーマ別(ヒト、モノ、地球、宇宙)に構造化。
「ヒト」(生命科学)
代表: 高木利久 教授(新領域創成科学研究科)
「地球」(地球科学)
代表: 住 明正 教授(サステナビリティー学連携研究機構)
研究体制
東京大学知の構造化センター(ネットワーク)体制
センター長: 松本洋一郎 (工学系研究科長)
副センター長: 吉見俊哉 (情報学環長)
堀井秀之 (工学系研究科)
顧問:
小宮山宏 (総長)
黒川 清 (内閣府特別顧問)
有本建男 (JST社会技術研究開発センター長)
運営委員:
岡本和夫
小林康夫
辻井潤一
永井良三
藤本隆宏
藤原毅夫
前田正史
松島克守
森田 朗
(大学総合教育研究センター長)
(総合文化研究科)
(情報理工学系研究科)
(医学部附属病院)
(経済学研究科)
(大学総合教育研究センター)
(生産技術研究所長)
(工学系研究科)
(法学政治学研究科)
東京大学 「知の構造化センター(ネットワーク)構想」
推進グループ: 石崎雅人
大澤幸生
岡本孝司
興梠貴英
佐藤 学
清水 剛
志村 努
野田 優
堀 浩一
美馬秀樹
山内祐平
鎗目 雅
(情報学環)
(工学系研究科)
(新領域創成科学研究科)
(医学部付属病院)
(教育学研究科)
(総合文化研究科)
(生産技術研究所)
(工学系研究科)
(先端科学技術研究センター)
(工学系研究科)
(情報学環)
(新領域創成科学研究科)
学外協力研究員: 橋田浩一 (産業技術総合研究所)
松尾 豊 (産業技術総合研究所)
事務局:
美馬秀樹 (工学系研究科)
太田 晋 (工学系研究科)
連絡先:
TEL: 03-5841-8800 FAX: 03-5841-8917
email: [email protected]