(1)国営讃岐まんのう公園(香川県) 国営讃岐まんのう公園は、面積111.4haにおよぶ四国でははじめての国営公園であり、四国の文化・ スポーツ・レクリエーションの拠点として開園したものである。 「人間との語らい、自然・宇宙とのふ れあい」を基本テーマにし、1)子供から大人まで、四季を通じて多様なレクリエーション活動が行 なえ、2)計画地の特性や地域の文化、歴史、風土等を生かした四国らしい公園を主張し、3)四国 地域の人々の日帰り利用を主体とするが、滞在型の利用や四国を訪れる観光客も利用できる公園と なっており、4)公園の豊かな自然とのふれあいや、様々なレクリエーション活動、イベントを通じ た豊かな人間形成に役立つ公園であること、が理念である。 公園内には「竜頭の里」 (芝生広場、花畑、ハーブ園、レストラン等) 、 「竜頭の森」 (炭焼き窯、竹 林、体験学習館、きのこの森、展望歩道等)、 「自然生態園」 (自然生態展示館、多目的ホール、体験教 室、羊舎、ネイチャートレール、ため池、棚田等)等の施設がある。 竜頭の里には、4 ha の芝生広場があり、調査日が休日であったため、多くの家族旅行者がそれぞれ 好きな場所で昼食をとったり、バトミントンなどのレクリエーションを楽しんでいた。また、巨大な 人工滝は気温の高い日など、涼しさを感じさせるスポットであった。さらに、空海が想像した「八葉 蓮華」の世界をイメージしてつくられたという、花畑、ハーブ園は、散策等に利用されている。 竜頭の森では、市民活動の拠点として体験学習館が利用され、小学校低学年から高学年ぐらいの子 どもをターゲットにしたもので、訪れた家族連れは、讃岐地方の自然を説明したパネルを見学したり、 木工教室、トールペイント教室に参加して楽しんでいた。 また、都市部ではあまり体験できないこととして、炭焼き窯では炭焼き体験、竹林では竹の子掘り、 きのこの森ではホダギで育成しているキノコの収穫などを行なうことができる。展望歩道では、満濃 池や金比羅山、象頭山などの景色を楽しむことができる。また、屋外にはため池や棚田が復元され湛 水状態にあった。生態系の再生にも取り組んでいて、湿地性の動植物や昆虫などがみられ、生物多様 性が取り戻されつつあった。 こうした施設の他に、ここでは自然の生態系をいろいろな角度から学ぶことができる施設、自然生 態園が平成14年に開園し、インタープリターが園内を解説しながら案内するガイドウォークや里山伝 承体験教室、里山生活体験教室が行なわれている。館内には小規模の多目的ホールがあり、ビデオな どの視覚教材が利用でき、展示ブースでは讃岐地方の生態系についてのジオラマや案内が設置され、 同地域の自然生態系の概要が分かりやすく案内されていた。 自然生態園の正面 動物の肥育場 自然生態園内の茅葺四阿 自然生態園内の湿地観察路 復元された棚田(圃場として利用) 炭焼き小屋 まんのう竹風庵(茶室) 人工の滝 園内マップ 竜頭の里 自然生態園
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