公孫樹 Vol.32 - 広島県立安芸府中高等学校

研 究 紀 要
-School BulletinVol.32-
公孫樹
平成28年3月
広島県立安芸府中高等学校
目
次
はじめに
第1章
1
2
3
・・・・・ 棟田
研修報告
・・・・・・・・・・・・・・4
平成 27 年度国際科オーストラリア語学研修旅行レポート
平成 27 年度
平成 27 年度
普通科
第 33 回
・・・・・
菅田
・・・・・
瀬戸谷
第2章
研究報告・実践報告
八谷
10
安芸府中高校における「主体的な学び」へのアプローチ
岩沖
義彦・・・11
徳本
真一・・・14
年間を通して流れのある 1 学年総合学習計画の立案と検証
第3章
2
彩子・・・8
・・・・・・・・・・・・・・
・・・
1
浩・・・7
国際科1年サマーセミナー報告
・・・
2
千寿美・・・5
関東修学旅行報告
・・・・・
1
龍司・・・3
研究授業
・・・・・・・・・・・・・・・34
第一回:平成 27 年 11 月 4 日(水)実施
〔1〕
国語
国語総合
・・・・・
星野
智子・・・35
〔2〕
数学
数学 B
・・・・・
高松
志寿・・・39
〔3〕
外国語
コミュニケーション英語Ⅱ
・・・・・
村田
昌弘・・・43
第二回:平成 28 年1月 12 日(火)実施
〔1〕
地理歴史
地理 B
・・・・・
橋岡
俊二・・・51
〔2〕
理科
化学
・・・・・
川本
淳慈・・・58
〔3〕
外国語
コミュニケーション英語Ⅰ
・・・・・
今村
有希・・・64
〔4〕
家庭
家庭基礎
・・・・・
近末
知恵・・・69
おわりに
・・・・・
-2-
教務部
・・・・72
はじめに
校長
棟田
龍司
アメリカの研究によると,「2011 年に小学校に入学した生徒(現在 5 年生)が大学を卒
業する(2026 年)ころには,65%の子供たちが,今はない職業に就いているだろう」と
言われています。彼らは,それほど変化の激しい社会を生きていくことになります。しか
し,一方で今の生徒は,
「真面目だが受け身である」,
「自分で考え,判断して,物事を進め
る力が不足している」,「自分の考えを持ち,それを表現できる力が不足している」とも言
われています。
変化が激しく,グローバルで多様な価値観と柔軟性が要求されるこれからの社会におい
て,彼らが取り残されたり流されたりすることなく逞しく生き抜いていくためには,
「主体
性」,「課題解決能力」,「コミュニケーション能力」が鍵となります。そこで,今日の学校
教育においても,彼らに自ら学ぼうとする意欲(主体性)を持たせるとと もに,他者と協
働して課題を解決していこうとする態度(課題解決能力・コミュニケーション能力)が身
につくような「深い学び」を提供する必要があります。
安芸府中高校は,今年度から「本校で学んで良かったと思える教育の提供」をミッショ
ンに掲げ,本校独自の「主体的な学び」を展開することで,生徒がこれからの社会を逞し
く生き抜き,活躍できるために必要な「主体性」,「課題解決能力」,「コミュニケーション
能力」の育成と向上を目指し,その実現に向けて新たな一歩を踏み出しました。
書籍による研究,外部講師による講演,先進校視察な どをとおして,「主体的な学び」
の理解を深めるとともに,校務運営会議及び教科主任会議を中心に取組の具体的な中身を
検討し,10月からの実施に向けて準備をしてきました。これから本校が目指す「主体的
な学び」の具体的な取組内容をまとめると,次のようになります。
①ペア学習及びグループ学習の導入
②授業のねらいと振返りの徹底
③授業規律の確立
④全教育活動を通した「主体的な学び」の取組
⑤校内研修の充実
⑥考査問題の工夫
この中でも,特に本校が重点課題として取り組もうとしているのが,「グループ学 習」
の導入です。ただ単に形にこだわるのではなく,グループ学習における質の高い課題(ジ
ャンプ課題)の提供が鍵となるのではないかと考えています。
こうした教育課題に対応するために,本校の先生方が各教科や各部で研究し,実践して
きた内容の一端を,この度「公孫樹第 32 号」としてまとめました。御一読いただき,お
気づきの点や御意見をお寄せいただければ幸いに存じます。
おわりに,御寄稿頂いた先生方や編集にあたられた先生方に対し,心から敬意と感謝を
申し上げます。
-3-
第1章
研
修
報
-4-
告
平成 27 年度国際科オーストラリア語学研修旅行レポート
2年1組担任
菅田
千寿美
<安芸府中高校HP掲載からの抜粋>
1日目
8月 19 日(水)
出発
待ちに待ったオーストラリア研修旅行への出発日です。 全員が興奮の面持ちで集合完了
し,予定時刻より 10 分早く出発することができました。 35 人全員が元気いっぱいです。
福 岡 空 港 ま で の バ ス で の 道 中 , オ ー ス ト ラ リ ア の 第 2 の 国 歌 と も 言 わ れ る “ Waltzing
Matilda”を聞きました。10 日間の研修旅行に向けて期待に胸がふくらみます。
海外旅行は初めての生徒が多く飛行機が離着陸するときには緊張しきりでした。仁川空
港での乗り換えもスムーズにできました。シドニーまで 10 時間のフライトです。
2日目
8月 20 日(木)
シドニー市内散策
朝 3:00 頃に起こされて朝食をとり,いよいよ飛行機はシドニー上空へと到達しました。
窓から外を見ると広大なオーストラリアの大地のはるかかなたに朝焼けが見えてきました。
息をのむほどの美しさです。
シドニー空港での入国手続きを完了し,バスに乗りシドニーの観光へ向か いました。ま
ずはシドニー一番の観光名所,世界遺産のオペラハウスを背景に,ミセスマッコリーズポ
イントにて集合写真を撮りました。澄み切った青空と冷たく爽やかな朝の空気に包まれた
シドニーの街並みに感動し,みんな笑顔いっぱいです。
その後フェリーに乗船しダーリングハーバーへと移動しました。 自由散策を楽しみ,モ
ールの中でお土産を買ったり,色とりどりのキャンディーやスイーツ,ハンバーガーを食
べたりする生徒もいました。
昼食はフィッシュ& チップス,デザートにはブラウニーを美味しくいただきました。
その後は1時間かけてバスで学校へと移動しました。ここからは姉妹校であるベドポール
ディング校へ 17 名,マカーシーカトリック校へ 18 名が分かれて行きました。各校ではホ
ストファミリーが生徒を迎えに来て下さいました。いずれのファミリーも明るく気さくに
生徒を歓迎し,生徒の緊張もほぐれた様子でした。いよいよ今日からホームステイです。
-5-
3日目
8月 21 日(金)授業,校内&周辺見学ツアー
今日からホストシスター・ブラザーと一緒に学校に登校です。
ベドポールディング校ではコーディネーターのアンドレア先生への自己紹介 ,オースト
ラリアについての授業がありました。これからのオーストラリアでの生活にすぐにでも役
立つような内容でした。午前中の授業が 2 時間済むと,モーニングティーという軽食をと
る休憩時間が 30 分間ありました。バディーと一緒に過ごし,お菓子やフルーツやポテトチ
ップスなどを食べて交流しました。さらに授業を終えて昼食後には学校見学をして回りま
した。学校の中には牛や羊,ハムスターなどの動物がいてのどかな雰囲気でした。
マカーシー校では,「マカーシーディ」という学校の創立記念の日でした。朝会では 700
名余りの全校生徒が集合しました。まずは初めにアボリジニへの敬意を表す儀式から始ま
り,校長先生のスピーチ,マカーシー校の成り立ちを生徒が寸劇で演じました。その後は
安芸府中高校が紹介され,代議員の野宮君が代表として英語で堂々と挨拶しました。お祈
りも捧げられ全てがおごそかな雰囲気で行われました。 1 時間を超える朝会が終了後,そ
の後は校内を巡ってバディと一緒にゲームやスポーツを楽しみ,ホットドックを食べたり
もしました。オーストラリア固有の爬虫類が集めてある教室では,外部の飼育員の人の説
明を聞き,実際に触ってみたりして爬虫類のひんや りとした肌触りを確認しました。
-6-
平成 27 年度
普通科
関東修学旅行報告
2 学年主任
瀬戸谷
浩
今年度の修学旅行は,以下のことを目的とし,東京都内での研修をメインにして企画し
ました。
【目的】政治や経済,芸能文化などの中心地であり発信地でもある東京・横浜で,様々な
研修や体験をすることにより,普段生活している広島では学ぶことのできないものを吸
収するとともに,自らの生活を振り返るよい機会と する。
行程は下表のとおりです。
宿泊場所
浅草ビューホテル(1泊目)
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(2・3泊目)
1日目は鎌倉の大仏を見学しました。2日目はJAL・ANAのバックヤード見学や国
会議事堂見学など4つのコースに分かれて研修をし,夜は劇団四季によるライオンキング
を鑑賞しました。3日目はディズニーランドでの自由行動でした。天気にも恵まれ,生徒
たちは夢の国を満喫したようです。最終日はスカイツリーに昇った後,浅草寺を散策しま
した。盛りだくさんで時間に追われる4日間でしたが,生徒たちにとっては普段経験でき
ないことばかりで,とても貴重な時間を過ごすことができたのではないかと思って います。
-7-
平成 27 年度
第 33 回
国際科1年サマーセミナー報告
1年1組担任
八谷
彩子
平成 27 年 8 月 20 日から 8 月 22 日の二泊三日で,
県立もみのき森林公園にて国際科1年生のサマー
セミナー合宿を行いました。県内から6名の ALT
の先生方にご参加いただき,生徒との交流を深め,
また英語を教えていただきました。キャンプ中生
徒は6つのチームに分かれ,そのチームで協力し
て様々な活動に挑戦しました。ALT の活動はどれ
も創意工夫がなされ,頭を使い,時には体を使っ
て全身で楽しく英語を学ぶことができます。また3日間を通して,生徒はキャンプ中に起
きるある1つの事件について推理・謎解きをしていきます。キャンプの最後には,誰が犯
人か推理し,発表します。見事犯人を特定できたグループもあり,大いに盛り上がりまし
た。
最初は,3日間英語で生活するなんて…と自信がなかった生徒たちでしたが,キャンプが
終わりに近づくにつれて,仲よくなった ALT と間違いを恐れず英語で会話をしようとする
姿を見て,生徒の成長を感じました。ALT の先生方が自分の言うことにしっかりと耳を傾
け,真摯に受け止めてくれることに大きな喜びを感じ,自然と英語を喋りたいと思ったと
いう生徒もいました。仲間と協力することで難問を解決し,また3日間英語を喋り続けて
過ごしたという経験は大きな自信に繋がったと思います。
このような合宿の機会と場を支えてくださった皆様,特に6名の献身的な ALT の先生方に
心より感謝いたします。ありがとうございました。
-8-
-9-
第2章
研究報告・実践報告
- 10 -
安芸府中高校における「主体的な学び」へのアプローチ
教務部
1.
岩沖
義彦
「主体的な学び」へのアプローチへの軌跡
第1回教科代表者会議( 4 月 28 日)
H27 年度学校経営計画の策定
・生徒の主体的なやる気を引き出す(協同的な学び)(授業の狙いを意識)
・生徒の基礎学力を伸ばす
第2回教科代表者会議( 5 月 22 日)
「主体的な学び」の意義を研修
具体的方法の模索(先進校の研究授業参加計画)
第3回教科代表者会議( 6 月 23 日)
先進校の研究授業参加上の視点の確認・方向性を出す
安西高校研究授業に教科代表者・教頭で参加(6 月 26 日)
第4回教科代表者会議( 7 月 1 日)
第5回教科代表者会議( 7 月 10 日)
研究授業に参加して本校の方向性の討議
第6回教科代表者会議( 7 月 17 日)
第7回教科代表者会議( 7 月 22 日)
具体的な本校の「主体的な学び」の模索
第8回教科代表者会議( 9 月 29 日)
具体的な本校の「主体的な学び」の実施
第9回教科代表者会議( 1 月 22 日)
第10回教科代表者会議(2 月 12 日)
具体的な本校の「主体的な学び」の取組の現状確認・来年度に向けての検証
第11回教科代表者会議 (2 月 12 日)
来年度に向けての方針
2.
教卓
「主体的な学び」へのアプ
ローチ方法
1
机の配置
常に2個を隣り合わせ,4列とする。
(セミナー教室も)カバンなどの荷物
窓
側
廊
下
側
は外側にかける。
ロッカー
- 11 -
机や椅子の足には何もつけない。グループになるときは,
黒板側の2人が 90 度回転して下図のようになる。原則は4
人だが,3~5人とする。
原則
5人の場合
・クラス担任は,4人グループになることを意識し,男女の組み合わせも考慮して座席を
決める。座席票の裏側には,グループの状態を示して教卓に置いておく。習熟度別授業
や選択授業の場合,教科担当者がこの配置を基に(グループの状態になること意識して)
座席を指定する。
・定期テストの期間は,これまでのように7列(6列)として一つず つを離して並べる。
(マークの設置)
・授業中の小テスト等の際は,机を離して行う。
( 窓側と廊下側の3個の机を移動して離す。)
2
グループ学習の方法
・理想は,毎時間,前半に共有の課題(従来の演習のようなイメージ,各個人で考えるこ
とを前提とするが,分からないときはペアで聞いてもよい。)
後半にジャンプ課題(少しレベルの高い課題を4人のグループで協働して解決する。)を
取り入れる。
・グループ学習を行う時間は特に設けないが,学び合いになっていないと判断したらすぐ
にやめる。
・各教科で,ジャンプ課題をどのように出し,生徒の反応はどうであったかを記録(スト
ック)する。
・3年生は,進路に向けての授業スタイル(演習問題を各自で解く)になる場合は,解答
や解説の際にペアやグループにしてもよい。
3
授業のねらいと振返り
・各教室の黒板の左上部(国語など縦書き時には右端)に,15cm×90cmの白いマグネ
ットを貼り,サインペンでその授業のねらいを記入し残しておく。授業の最後には,本
時のねらいを再度確認し,振返りを行う。
・特別教室でマグネットがつかない場合は,チョークで板書する。
4
授業規律
・ベルスタートにより授業を始める雰囲気を作り,各時間に担当生徒を決めて号令をかけ,
- 12 -
全員が起立し,机の両側に立って挨拶を行う。授業の終わりも同様に行う。
・忘れ物がないかを点検し,忘れた生徒がいる場合はチェックをする。
・説明を聞かせるときは話をしないで聞かせるなど,これまでと同様に授業規律をきちん
と守らせる。
・小テスト時も,定期テスト時と同じような厳正さを生徒に意識させる。
5
校内研修の在り方
・教科にこだわらないで,授業のない時間によって4~6人の教員のグループを作り, 1
ヶ月に1回を目安にして授業見学を行い,共有の課題やジャ ンプ課題の出し方,生徒の
反応を中心に意見交換を行う。
6
考査問題の工夫
・2学期の定期考査から,思考力・表現力を問う問題を1問は出題する。
(単に知識を問う
だけでなく,どのように考えたのか理由は何かなどを記述させるようなイメージ)
・教科によっては,ジャンプ課題を意識した応用問題でもよい。
- 13 -
年間を通して流れのある 1 学年総合学習計画の立案と検証
徳本
真一
1.はじめに
4月の校内人事異動で期せずして,これまで全く経験のない総合学習案作成の担当になっ
た。当初は,前年の通り進めようと安易に考えていた。しかし,詳細を知る中でそれがな
かなかままならないことが分かってきた。
前年の総合学習では主にトピック的な内容を取り上げて実践されていたようである。数々
のテレビ番組を録画した視聴覚教材,和太鼓等の実演,テレビ出演経験のある著名人の講
演。前年の指導案は残っているものの,その中で多用されている視聴覚教材は前年担当者
個人のものが中心のようで,本年度は利用不可能である。また,和太鼓等の伝統芸能講習
会なども公的機関公募の予算がついた場合は可能であるが,本年度の予算獲得が可能かど
うかは未知である。内容についても,単独の講演等を見ると生徒の興味を引くであろうも
のも含まれていたが,トピック的な内容が多く一貫性という点では見通しが立たない。何
より不確定要素が多すぎる中では,年間を見据えた計画の立案は困難を極める。
不測にも,1年間の総合学習の計画を全面的に見直し,内容作成せざるを得なくなった。
総合学習係は3人いるが,各学年1人であり,学年を越えた講演会等のイベントでは相互
協力はするものの,実質は各学年担当者1名が指導案を学年会に提示し,実施に至る。
まずは,4 月当初,年間の計画を提示しなければならないが,前年の年間計画を刷新す
るしか道がなく,とても年度当初に 1 年間の全体計画細案を即時に提示するのは困難であ
った。そこで,まずはグランドデザインを描くことにした。せっかく,見直し,内容作成
するのであれば,1時間毎に完結する内容でなく,年間を通して流れのある総合学習のグ
ランドデザインを描き,それをもとにして,各ピリオッドのテーマを決め,それ をもとに
した指導案とワークシートを作成することにした。
まずは,総合学習を通して「どのような力をつけさせたいか。」について考えてみた。
まずは[ア]人間力の向上である。人間力とは広義の意味では人間の総合力を意味し,これ
を向上させることが総合学習の目的なのであろうが,ここでは人間力を狭義に捉え,マナ
ーや生活習慣の定着として,これを向上させることを1つの目標とした。
第2に[イ]キャリア教育である。これは,ほとんどの学校でなされているであろうが生徒
の今後の人生を考える上で進路選択をするための,進路選択の手順の提示及びさまざまな
方法で情報提供し,進路について考えるストラテジーを身につけさせることである。
第3に[ウ]自己表現力の向上である。表現の方法は文章による表現,口頭での表現を視野
に入れ,後者はグループ内,クラスでの発表を対象とする。そして,後者を 実のあるもの
にするための礼法の指導も必要である。これらを核にグランドデザインを描いてみた。
- 14 -
2.1 学年総合学習のグランドデザインとピリオッド毎のテーマ
1 学年総合学習のグランドデザイン
[ア ]人 間 力 の 向 上
高校生としての自覚とマナー向上
学習習慣など生活習慣の定着
マナー指導
[イ]キ ャ リ ア 教 育
[ウ ]自 己 表 現 力 向 上
職業理解
文章による自己表現
クラス
上級学校理解
意 見 発 表・情 報 共 有
グループ
人前での自分の意見発
生徒
文理選択
表
人
意 見 発 表・情 報 共 有
意 見 発 表・情 報 共 有
礼法等マナー向上
各ピリオッドのテーマ
1,1学期当初
高校生としての学習等生活習慣への意識づけ [ア]
2,1
7月にある文理選択予備調査に向けてのキャリア教育 [イ]
学
期
3,2学期当初
進路希望先ごとの大学等の分野別出前講義を基にした生徒同士
の情報共有の場の設定とそのまとめ[ウ]
4,2学期中盤
仕事への意識づけをするための社会人講演会 [イ]
科目選択本調査に向けての進路希望整理と大学等入試理解 [イ]
5,2学期後半
小論文指導および作文・小論文作成[ウ]
6,3
自分の考えを発表する場の設定[ア][ウ]
学
期
このようなグランドデザインを描き,よくいえば臨機応変に,悪く言えば,試行錯誤で,
しかし,年間を通じて,学習内容が断片的にならず流れのある,すなわち,前のピリオッ
ドでのワークシート等の学習成果が次のピリオッドの導入となるように意識しながら全体
の指導計画,及び各回の指導案を作成していった。大まかな流れは下記の通りである。
高校生活への自覚喚起→進路選択に向けたキャリア教育→
分野別講演会→クラスでの発表→報告書作成→作文の作成
→小論文の指導→小論文の作成→小論文クラス意見発表会
このような流れのもと,ワークシート作成,講演会等の手配を行なった。指導案作成では,
その時間の内容の作業が出来るだけ総合学習の時間内に終了できるようにすることを意識
した。次章では,時間軸にそって,その流れの概略を記す。
- 15 -
3.1 学年総合学習,本年度の実践記録
第1回
4 月 9 日(木)
7限
<学習習慣および意識調査>
スタディーサポートの学習習慣・意識調査を実施。
第2回
4 月 16 日(木)7 限
<進路適性検査>
生徒が進路を考えるきっかけとして,後に有効活用するビジョンを持ちつつ実施。
第3回
4 月 23 日(木)7 限
<オリエンテーションⅠ>
1年間の総合学習についてのオリエンテーションの時間で総合学習とは何かを知
らせ,自分との関わりについて考えさせる。
第4回
4 月 30 日(木)7 限
<オリエンテーションⅡ>
高校生活全般についてのオリエンテーションとし,ワーク シート「高校生活を考
える」を記入の後,生徒間の相互理解のためグループ発表も取り入れて実施。
第5回
5 月 7 日(木)7 限
<勉強することの意義について考える>
ワークシート「勉強することの意義」を用いて勉強することの意義について考える。
また,高校生活初めての定期考査である中間試験に向けての意識づけを行う。
第6回
5 月 14 日(木)7 限
<進路適性検査の検討>
4 月 16 日に実施した進路適性検査の結果を返却する。今後の進路に関連した学習
に向けて,進路適性検査の見直しと整理を行う意味で, ワークシート「自分を知る
進路適性検査の検討」を記入する。
第7回
5 月 28 日(木)7 限
<職業探訪>
DVD を用いて様々な職業について,その内容を知る。次時以降に活用する目的で,
視聴メモを取る。
第8回
6 月 4 日(木)7 限
前時に引き続き
<職業探訪>
DVD を視聴させ,視聴メモ,冊子「職業ガイド」なども併用して,
ワークシート「自分の進路を定めよう」を記入する。
第9回
6 月 11 日(木)7 限
<進路分野と文理>
ワークシート「自分の進路を定めよう」を整理し,冊子の内容と合わせて,ワーク
シート「進路分野について調べよう」を記入する。また,自分の調べた分野の内容
をグループ内で発表する。
- 16 -
第 9.5 回
6 月 18 日(木)7 限
<2 年次科目選択全体説明会>
教務主催で,2年次の文理,科目選択について,全体説明,各科目からの説明。
第 10 回
6 月 25 日(木)7 限
<進路分野と文理科目選択>
2年次科目選択仮調査に向けて,入試制度の概略を説明し,入試科目一覧を配布
の後,ワークシート「進路分野を調べよう」で,自分の興味の高かった分野のあ
る大学等を調べ,ワークシート「受験科目を調べよう」を記入する。
第 11 回
7 月 2 日(木)7 限
<進路分野と文理科目選択>
前時の継続で進路分野について調べつつ,ワークシート「受験科目を調べよう」
をもとにして教師のアドバイスを受ける面談を並行実施する。
第 12 回
7 月 16 日(木)7 限
<分野別講演会希望調査と夏休みの計画立案>
ワークシート「進路分野を調べよう」で調べた自分の興味のある分野を基準にし
て,2学期初頭に行う分野別講演会の希望調査を実施。また,夏休みの計画の立
案をする。
第 13 回
8 月 28 日(木)7 限
<分野別講演会事前学習>
9 月 3 日(木)に行われる分野別講演会の事前指導として「学習シート」の事前
記入欄を記入させるとともに,講師の先生をお招きする際のマナー等の学習をす
る。
第 14 回
9 月 3 日(木)7 限
<分野別講演会>
のべ 16 校の大学,専門学校から,講師の先生を招きし,生徒が希望した8分野
について,分野別の部屋に分かれて講師の先生の話を聴き,「学習シート」にその
内容をメモし,次時以降に備える。講師派遣は依頼(4章に写真等掲載)
第 15 回
9 月 10 日(木)7 限
<分野別講演会事後学習>
分野別出前講義の内容をクラス内で参加した生徒でグループを作り,参加生徒の
「学習シート」の内容を整理し,一つにまとめ「発表プランニングシート」に記入。
他の分野に参加した生徒へポップを使ってクラス内発表できるように,次の時間ま
でに準備する。
第 16 回
10 月 1 日(木)7 限
<分野別講演会の内容発表>
前時の分野別グループで,クラスの前で一分野 5 分程度の発表をする。
他の生徒は,それらの内容をワークシート「クラス内発表記録シート」にメモし,
次々時以降の報告書作成に備える。
- 17 -
第 17 回
10 月 8 日(木)7 限
<入試制度について>
10月の2年次科目選択本調査に向けて,入試制度について詳細に理解し,受
験科目をもう一度調べることで,自分の科目選択の裏づけとする。
第 18 回
10 月 22 日(木)7 限
<分野別講演会報告書作成>
ワークシート「報告書の書き方」に指示に従って,10 月 1 日のクラス内発表の内
容も加えながらアウトラインを記入した後,800 字詰め原稿用紙に分野別講演会報
告書を作成,提出。
第 19 回
10 月 29 日(木)7 限
<作文「私の将来」のアウトライン作成>
これまでの,進路について考えてきたことをワークシート「作文『私の将来』の
アウトラインを書いてみよう」に整理する。
第 20 回
11 月 5 日(木)7 限
<作文「私の将来」の作成>
前時に作成したワークシート「作文『私の将来』のアウトラインを書いてみよう」
をもとにして,作文「私の将来」を 800 字詰め原稿用紙に作成,提出。
第 21 回
11 月 21 日(木)7 限
<社会人講演会>
(1・2年合同)
作文「私の将来」で整理した自分の進路へ進み,社会人になったらどのようなこ
とが待ち受けているのか,そして,進路に向けてどのような努力をすればよい のか
を本校卒業生でマツダにお勤めの竹川隆範さんを招いて先輩の講演を聴く。
( 4章に
生徒の感想抜粋掲載)
第 22 回
11 月 19 日(木)7 限
<小論文ガイダンス>
これから,4回にわたって小論文について学習 。小論文を作成するため,小論文
指導の講師をされている豊田展子先生をお迎えして,作文と小論文の違いを主なテ
ーマの小論文を書く際の注意点とした講演を聴く。
第 23 回
11 月 26 日(木)7 限
<小論文についての学習1>
講演会で伺った話をもとに,演習ノートを用いて,小論文を書く際の注意点 につ
いて,実際に演習する。
第 24 回
12 月 10 日(木)7 限
<小論文についての学習2>
前時に引き続き,演習ノートを用いて,小論文を書く際の注意点について,実際
に演習する。
- 18 -
第 25 回
12 月 17 日(木)7 限
<小論文を書く>
実際にテーマに従って小論文を書く機会として小論文トレーニングを受験し,小
論文を書く。
第 26 回
1 月 14 日(木)7 限
<小論文を見直す>
12 月 17 日に書いた小論文の添削を受けたものを返却し,リピートシートを用い
て自分の書いた小論文の見直しをする。
第 27 回
1 月 21 日(木)7 限
<書き直し小論文の作成>
戻ってきた小論文を見直したものを,クラスの前で発表する原稿にすることを伝
えて書き直しをする。
第 28 回
1 月 28 日(木)7 限
<マナー講演会>
礼など,人前で自分の意見を発表する際に必要とされるマナーを含めて,社会で
のマナーについてビジネスマナー講師の加藤節子先生をお招きして実演を含めた
講演を聴く。(4章に生徒の感想抜粋掲載)
第 29 回
2 月 4 日(木)7 限
<小論文発表会か1>
1 月 21 日に書き直した発表用原稿をもとに,1人 3 分程度で,10 人程度クラス
の前に出て皆の前で発表。発表者以外の生徒は「感想シート」に参考になったこ
と,アドバイスしたいことを記録する。
第 30 回
2 月 18 日(木)7 限
<小論文発表会2>
前時に引き続き,15 人程度,クラスの前に出て皆の前で発表。
発表者以外の生徒は「感想シート」に記録する。
第 31 回
2 月 25 日(木)7 限
<小論文発表会3>
前時,前々時に引き続き,15 人程度,クラスの前に出て皆の前で発表。
発表者以外の生徒は「感想シート」に記録する。
第 32 回
3 月 10 日(木)7 限
<1 年間のまとめと自分評価アンケート>
1 年間の総合学習の内容を振り返りながら,自分評価アンケートを実施する。
(結果については5章に掲載)
4.講演会等生徒の様子及び感想とワークシート例
ア、
第 14 回「分野別講演会」でお招きした講師の先生一覧及び講演会の様子
- 19 -
講師の先生一覧
講座 名
講師の先 生の所属 校 名
講師の先 生のお名 前
①薬
広島 国 際大 学
平田 耕造 先生
②リハビリ
広島 国 際大 学
平 田 耕 造 先生
1.医 療 分 野
2.家 政 分 野
①食物・栄 養
山陽 女 子短 期 大学
鈴木 理先 生
大阪 あべの・辻 調 理師 専 門学 校
②調理・製 菓
安 達 夕 華 先生
大阪 あべの・辻 製 菓専 門 学校
3.教 育 分 野
①教育(初・中・高)
広島 文 化学 園 大学
越 智 文 嗣 先生
②保育・幼 児教 育
比治 山 大学 短 期大 学 部
児 玉 理 紗 先生
①法律
広島 修 道大 学
増 田 栄 作 先生
②経済・経 営
広島 経 済大 学
藤 田 順 也 先生
①工学
広島 工 業大 学
熊 谷 秀 幸 先生
②情報
近畿 大 学工 学 部
4.社 会 分 野
5.工 学 分 野
新宅 裕幸 先生
亀 井 芽 里 先生
6.看 護・介 護 福 祉 分 野
①看護
県立 広 島大 学
②福祉
トリニティカレッジ広 島医 療 福祉 専門 学 校
渡辺 陽子 先生
川原 大二郎 先生
遠藤 大士 先生
7.ビューティー分 野
西本 裕二 先生
①理容・美 容
広島 美 容専 門 学校
出口 祥子 先生
藤井 和子 先生
②被服・ファッション
小井 手ファッションビューティ専 門 学校
白川 七菜 先生
8.芸 術 分 野
①デザイン・美術
比治 山 大学 短 期大 学 部
堀尾 充 先 生
②音楽・音 響・放 送
広島 コンピュータ専 門 学校
濱崎 力 先 生
- 20 -
分野別講演会の様子
イ,第 21 回「社会人講演会」の生徒感想(抜粋)
<1年生分>
・マツダで働いている人は周りにたくさんいるが,どんな仕事をするのかよく知らなくて,
しかも自分自身,車にあんまり興味がなかったけど,マツダが,より上の商品を目指して,
お客さんのことを一番に考えていることを知ってちょっと興味を持った。
・この学校の先輩だから,とても興味を持って話を聴くことができ,とても聴きやすかっ
たです。竹川さんに教わった「人生のビジョンを持つこと」が心に響きました。
・竹川さんと私に共通していることが2つ見つかりました。まず「安芸府の生徒だった」
こと,そして,
「子供の時にわくわくした仕事に就きたい」と思ったことです。私も仕事を
していてわくわくする人になりたいと思いました。
・理想と現状のギャップを埋めていくことを課題にして,その原因を突き止めていくこと
はとても地道な作業を何度も繰り返していることを聞いて驚きました。
「これで終わりとは思っていない」という言葉を聞いて,竹川さんの車に対する気持ちが
伝わってきてかっこいいと感じました。
- 21 -
・新しい環境では,ぶつかる壁があるが,その壁が思っているほど大きなものでないこと
に気づくのが大事だと思った。また,その壁を越えた時,自分に自信がつき新しい環境の
中で過ごしていけるのだとわかった。
・1 つの問題を解決するとき,原因を突き止め,とことん掘り下げる作業が重要になると
いうことが分かった。一人で作業しているわけではないので,他の部門などの別の立場の
人の意見も受け入れるということは,ほかの職業でも大切なことだと思った。
・理想を描いて将来のありたい姿を想像し,何に焦点を当てて頑張っていくかが特に大事
で,今,何をすればよいかを逆算して考えることが大事だと思った。そして,くじけそう
な時も他の人の力を借りることで乗り越えられることが分かった。
・卒業生として,実際に職についている人の話が聞けたのがありがたかった。また,細か
なことは決めていなくても大まかに夢を決めていれば,そこから選択することもできるこ
とが分かったので自分も焦らず職について考えていきたい。
・改めて,マツダという会社はすごい会社だと感じました。肩書きだけの大企業というわ
けではなく,独自で研究,開発を続けていることが分かりました。運転手だけでなく,助
手席にいる人のことも考えて車を製造していることを知り,とても優しいとおもい ました。
マツダの人はポジティブ思想を持っていて,失敗をしても「また,やればいい」
「次は成功
させよう」と思いながら仕事をしていることが分かりました。
・人生について熱く語っていただき,ありがとうございました。今,やるべきことを実行
することが大切だと改めて気づきました。学校生活を送る中で相手の立場を考えたり,両
者が納得する結論を導き出したりすることが大切だとわかりました。ビデオを使いながら
の説明がとても分かりやすかったです。将来のことについてじっくり考えることができ,
将来への視野を広げて深く考えることができました。今日はご来校ありがとうございまし
た
ウ,第 28 回「マナー講演会」の生徒感想
(抜粋)<1 年生分>
・会釈や挨拶の時,お辞儀の角度で相手に与える印象が変わるということを初めて知った。
マナーで大切なのは「表情」「あいさつ」「言葉遣い」「態度」「身だしなみ」の5つが重要
で,笑顔をつくることが大切であることがわかった。自分は,マナーは相手のため大切な
だけでなく,自分にとっても大切な事だと思う。
・将来とても役に立つ話だった。仕事や面接の時だけでなく体に染みこませて,自分で気
- 22 -
づかないうちにできるくらいにしたい。
・礼の角度のつけ方や身だしなみとおしゃれの違いなどためになる話がたくさん聞けまし
た。マナーは人間関係をよくするために必要なものだと思います。あいさつを自信持って
大きな声でしたいと思いました。
・あいさつなどマナーは相手への第一印象を決めるので大切だとわかった。相手と目を合
わせることでコミュニケーションができるので目を合わせて話すことも大切だと思った。
・マナーは人間関係を円滑にするものだとわかりました。
また,マナーが悪いと自分だけでなく学校の評価にもかかわるから,意識して生きていき
たいと思いました。
・接客についてのいろいろな話を聴いたので,今度,店に行くときなど注意して聞いてみ
ようと思いました。
・私は,今まで,マナーはルールだと思っていた。しかし,加藤先生の「マナーは思いや
りだ」という言葉を聞いてやっとマナーの意味が分かった。思いやりは何か行動しなけれ
ば形にならない。それを形に表すのがマナーなのだ。これから言葉遣いなどにも気を付け
社会人になったときスタイリッシュな言葉遣いができるようにしたい。
・講演を聴いていてとても楽しかったです。おじぎのポイントなど,
「なるほど」と思うこ
とが多かったです。
・私の家は自営業をやっていて忙しいときには手伝ったりするので,今日のお話は今すぐ
にでも注意して身に付けていきたいと思いました。そして,それだけでなく将来のため,
今から習慣的に身に付けていきたいと思いました。
・今日のお話を聴いて,日頃自分の考えているマナーの大切さは間違っていなかった のだ
と確信が持てました。ありがとうございます。
<担当者より>
これら生徒の感想は,お礼の文書とともに,講師の先生にお伝えした。
これらの感想を見る限り,仮に同じ内容のことであっても,実際に社会で活躍してい る
社会人や,ビジネスマナー講習をされている講師の先生からの具体的な話を伺うことで,
教師だけから話を聴く場合に比べ,より感性として理解できた生徒が多いと感じた。
ウ,ワークシートの例
- 23 -
ワークシートは,各回の内容に応じて作成した。その一例を挙げておく。
●第 6 回
●第 19 回
ワークシート「自分を知る
ワークシート
進路適性検査の検討」
「作文『私の将来』のアウトラインを書いてみよう」
- 24 -
5.自分評価アンケートの内容,結果及び活用と分析
ア,自分評価アンケートの内容
1年間の総合学習を振り返って,自分の学習を自分で評価してみましょう。問1~問
35 の項目に④よくあてはまる③あてはまる②あてはまらない①まったくあてはまら
ないで答え,マークシート用紙にマークしてください。
●1学期の前半の総合学習では,高校生活についてのオリエンテーションや勉強の意義
について考えました。また,中間考査に向けての計画を立てるなどしました。
問1
オリエンテーションを通じて高校生活への期待が広がった。
問2
勉強することの意義について理解できた。
問3
勉強することの意義を知ったことで,勉強への意欲が高まった。
問4
高校生活最初の中間試験では計画的に学習し,よいスタートが切れた。
●1学期中盤は,進路適性検査の結果を基にして自分の進むべき道について整理しまし
た。また,いろいろな職業についている人の様子を DVD で視聴しました。
問5
進路適性検査の結果を参考にして,自分が進みたいと思う職業分野を考えた。
問6
進路適性検査の結果を整理することで,自分の進むべき道が見えてきた。
問7
実際に仕事をしている様子を DVD で視聴することで,職業についてイメージ
できた。
問8
DVD 等で,いろいろな職業について知ることで,自分の進路について真剣に
考えた。
●1学期後半は,自分が調べた職業について,グループで発表し,また自分の就きたい
職業へ進むための進路(大学等)の分野について調べ,2年次文理選択予備調査で文
理選択をしました。
問9
職業調べのグループ発表では他人の調べた内容も知り,役立てることができた。
問 10
就きたい職業から自分の進むべき進路分野(学部等)を調べることができた。
問 11
就きたい職業と進むべき分野(学部等)の関係が理解でき た。
問 12
1 学期の予備調査では自分の進むべき進路分野を考えながら適切な文理選択を
することができた。
●2学期前半は,大学等の先生をお招きしての分野別講演会で始まり,自分が参加した
分野の内容を班でクラス全員に発表したり,それをもとにして報告書を作成し たりし
ました。
問 13
分野別講演会では,自分の希望した分野について深く知ることができた。
問 14
分野別講演会では,内容を理解し,メモをとることができた。
- 25 -
問 15
分野別講演会での話を班でまとめて,うまくクラスの皆に伝えるこ とができた。
問 16
報告書作成では,分野の内容をうまく文章に表現することができた。
●2学期中盤は,自分の将来についてまとめた考えを基に「自分の将来」という題の作
文を書きました。また,社会人講演会ではマツダにお勤めの本校卒業生
竹川隆繁さ
んをお招きし,会社での仕事がどのようなものかお話を伺いました。そしてそれまで
の総合学習の成果を基にして,入試について学習を加え,2 年次文理選択本調査で文
理を決定しました。
問 17
作文「自分の将来」では,自分の将来像についてうまく まとめることができた。
問 18
社会人講演会では,先輩の生の声を聴いて自分の将来像を描くことができた。
問 19
大学や専門学校などの入試制度が理解できた。
問 20
総合学習で学習した内容を参考にして,適切な文理選択ができた。
●2学期後半は講演会やテキストを通して小論文について学習,実際に小論文を書きま
した。
問 21
小論文と作文の違いについて理解することができた。
問 22
小論文を書く上での内容の進め方について理解し,小論文を書くことができた。
問 23
小論文を書く上での表記や,句点について理解し,小論文を書くことができた。
問 24
自分の考えをうまく表現して小論文を書くことができた。
● 3学期は小論文の添削を受け,書き直したものを基にして,書き直し,その考えを
クラスの皆の前でひとりずつ発表しました。また,発表するときの礼などを含め,
マナー講演会では一般社会のマナーについて学習しました。
問 25
添削を受けた小論文をうまく書き直すことができた。
問 26
マナー講演会で学んだ礼等のマナーをクラス発表の際に実際に行うことが
できた。
問 27
クラスでの発表では,自分の考えをうまく皆に伝えることができた。
問 28
クラスでの発表では,他人の考えを聴いて,参考にし,アドバイスすること
ができた。
●年間の総合学習を通して自分はどのように変化したと思いますか。
問 29
計画的な学習ができるようになった。
問 30
進路についてどのように考えてゆけばよいかが分かった。
問 31
進路について真剣に考えるようになった。
問 32
グループで協力して,発表などをすることができるようになった。
問 33
自分の考えを文章にすることができるようになった。
問 34
自分の考えをグループなど少人数の中で話せるようになった。
- 26 -
問 35
自分の考えをクラス皆の前で話すことができるようになった。
イ,自分評価アンケートの結果
- 27 -
(四捨五入の関係で合計が 100%にならない項目がある)
自己達成度割合グラフ(自己達成度が高い 4→低い 1 の順に並べてある)
自己達成度項目別平均グラフ
- 28 -
ウ,評価アンケートの活用
自分評価アンケートは3月10日に実施したため,執筆時点では ,(a)イ,自分評価アンケ
ート結果で述べた統計的なデータと(b)生徒の回答結果をクラス毎に一覧にしたデータ。そ
して,(c)生徒の回答を学年全体に結合したデータの3種類のみである。
(a) については下記でその分析結果について述べたい。 (b)については担任に配布する
ことで,生徒へのアドバイス及び総合学習のレビューに対する補助的資料として活用して
いただけることを願っている。(c)については,今後,2年次でのクラス替えの際,新クラ
スでのソートにより,新クラスでの担任等総合学習授業担当者が年度当初の総合学習に対
する生徒把握の一助にするなどの活用法が考えられる。
エ,自分評価アンケートの分析
4 段階の数値を自己達成度と呼ぶことにする。自己達成度については全ての項目につい
て,
「 4 よく当てはまる」,
「 3あてはまる」の合計は 50%を超え,35 項目中 34 項目で 60%,
35 項目中 25 項目で 70%に達している。(自己達成度割合グラフ参照)この点で言えば,
評価項目の内容について 60〜70%の生徒がほぼ達成できたと感じていることがわかる。次
に自己達成度平均に目を移すと,全ての項目で階級平均の 2.5 を超え,35 項目中 18 項目
で 3.0 を超えている。これらのことから,年間を通して,各項目の自己達成度は概ね良好
であると言える。
次に項目別に詳細に見ていく。自己達成度が「4 よく当てはまる」,「3あてはまる」に
該当する生徒の割合が 70%に満たない 10 項目を挙げると
問3
勉強することの意義を知ったことで,勉強への意欲が高まった。
問4
高校生活最初の中間試験では計画的に学習し,よいスタートが切れた。
問6
進路適性検査の結果を整理することで,自分の進むべき道が見えてきた。
問 16
報告書作成では,分野の内容をうまく文章に表現することができた。
問 17
作文「自分の将来」では自分の将来像についてうまくまとめることができた。
問 18
社会人講演会では,先輩の生の声を聴いて自分の将来像を描くことができた。
問 26
マナー講演会で学んだ礼等のマナーをクラス発表の際に実際に行うことが
できた。
問 28
クラスでの発表では,他人の考えを聴いて,参考しアドバイスするこ とがで
きた。
問 29
計画的な学習ができるようになった。
問 35
自分の考えをクラス皆の前で話すことができるようになった。
であり,問いずれもが達成へのハードルが他の項目に比べて高いものであり,その分,
「達
成できた」という意識が低めに出ているものと思われる。
問 18 については,もう少し自己評価が高く出ると予想していたが,先輩の生の声を聞く
ことで意識の高揚はできたが,自分の将来像を描くことは,他の項目に比べさらにハード
ルが高いのではないかと推測できる。
- 29 -
最後に,自己達成度について,各項目番号 の自己達成度平均
と自己達成度標準偏差 σ x
を用いて,より詳細に見てみる。
の平均
=2.93,
であるため,
の標準偏差
=0.16,σ x の平均
=0.80,σ x の標準偏差
=0.05
すなわち 2.58 から 3.26,σx
については,
すなわち 0.70 から 0.90 の範囲に全ての項目が収ま
については
っており,他の項目に対して有意差がある程の突出した差異が認められる項目は見当たら
ない。ここで,基準を緩めて
,及び
の
範囲に入らない項目について調べてみる。つまり m x については 2.77 から 3.09,σx につい
ては 0.75 から 0.85 の範囲に入らない項目を挙げる。
については,
(i)範囲より数値の高い項目
問8
DVD 等で,いろいろな職業について知ることで,自分の進路について真剣
に考えた。
問 12
1 学期の予備調査では自分の進むべき進路分野を考えながら適切な文理選択
をすることができた。
問 13
分野別講演会では,自分の希望した分野について深く知ることができた。
問 21
小論文と作文の違いについて理解することができた。
問 22
小論文を書く上での内容の進め方について理解し小論文を書くことがでた。
問 23
小論文を書く上での表記や句点について理解し,小論文を書くことができた。
問 31
進路について真剣に考えるようになった。
(ii)範囲より数値の低い項目
問3
勉強することの意義を知ったことで,勉強への意欲が高まった。
問4
高校生活最初の中間試験では計画的に学習し,よいスタートが切れた。
問6
進路適性検査の結果を整理することで,自分の進むべき道が見えてきた。
問 18
社会人講演会では,先輩の生の声を聴いて自分の将来像を描くことができた。
問 26
マナー講演会で学んだ礼等のマナーをクラス発表の際に実際に行うことが
できた。
問 29
計画的な学習ができるようになった。
σx については,
(iii)範囲より数値の高い項目
問1
オリエンテーションを通じて高校生活への期待が広がった。
- 30 -
問4
高校生活最初の中間試験では計画的に学習し,よいスタートが切れた。
問5
進路適性検査の結果を参考にし,自分が進みたいと思う職業分野を考えた。
問6
進路適性検査の結果を整理することで,自分の進むべき道が見えてきた。
問 12
1 学期の予備調査では自分の進むべき進路分野を考えながら適切な文理選
択をすることができた。
問 13
分野別講演会では,自分の希望した分野について深く知ることができた。
(iv)範囲より数値の低い項目
問2
勉強することの意義について理解できた。
問9
職業調べのグループ発表では他人の調べた内容も知り, 役立てることがで
きた。
問 15
分野別講演会での話を班でまとめてうまくクラスの皆に伝えることができ
た。
問 19
大学や専門学校などの入試制度が理解できた。
問 22
小論文を書く上での内容の進め方について理解し,小論文を書くことができ
た。
問 23
小論文を書く上での表記や,句点について理解し小論文を書くことができた。
問 32
グループで協力して,発表などをすることができるようになった。
m x から,生徒が(i)どのような項目で他項目に比べて高い目標を達成したと考え,(ii)
どのような項目で,他項目に比べ,達成が十分でないと感じているか,また,σ x か
ら,(iii)どのような項目で達成感の生徒間による差が大きく,(iv)どのような項目で生
徒間による達成感の差が小さいかを分析する。
(i)について
ここに挙がった項目は自己達成度の高い項目であり,大きく2つのタイプに分かれ
る,一つは進路意識の高揚,もう一つは小論文の作成スキルである。
まず,問 8,問 12,問 13,問 31 については進路意識の高揚についての項目である
が,これは1学期を中心とするピリオッドでのキャリア教育が文理・科目選択への意
識づけに功を奏したと考えられる。また,一方,問 21,問 22,問 23 については一般
的にはあまり生徒の得意分野でないとされている小論文スキルについてである。この
項目の自己達成度が高いのは,小論文講演会や総合学習授業担当者の熱心な指導もさ
ることながら,2学期のピリオッドで,分野別講演会の報告書→作文「私の将来」の
作成→小論文と進めた流れのある総合学習の指導計画が成功した証でもある。
(ii)について
ここに挙がった項目は,前述の自己達成度が「4 よく当てはまる」,「3あてはまる」に
- 31 -
該当する生徒の割合が 70%に満たない 10 項目のうちの6項目である。当然といえば当然
の結果であるが,これらの項目のうち問 3,問 4,問 29 は家庭学習の習慣等も生活全般で
習慣づけしていく必要のある内容で,前述の通りハードルが他の項目に比べ高いものであ
る。最初に述べたグランドデザインの[ア]人間力の育成を生活全般で促進していかなけれ
ばならない。問 18 については前述の通りである。問 26 の人前で発表することに対する達
成感の低さは,個人差もあるだろうが慣れの問題もあると感じる。高校生活の様々な場面
を通して成長してくれることを望みたい。問 6 で進路適性検査から自分の進むべき道が見
えてきたと考える自己達成度の平均値が他の項目に比べ低いのは,進路適性検査が不必要
なわけではなく,あくまで,進路適性検査は進路の意識づけをするきっかけであり, (i)で
も述べたようにその後のキャリア教育により,進路意識が高揚したことからもわかるよう
に,大きな役割を果たしているといえよう。今後も継続して実施することが必要である。
(iii)ここで範囲より大きな数値が出ている項目は,個人差が大きくなりがちな項目で
あることを表している。問 1,問 4,問 5,問 6,問 12 については,生徒自身が試験
や進路適性検査に対してどのように行動したかで個人差の出る内容であろう。
進路適性検査については前述の通りであるが,その他の内容については,達成不十分
な生徒について,早期に基本的な生活習慣を身につけることが望まれる。
また,問 19 の分野別講演会に関しては,自分の希望する分野が,用意した分野と異
なったり,分野そのものへの意識が希薄であったりする生徒もおり,生 徒間による差
が出たと考えられる。前者については,講師を依頼する分野の精選も必要であろうが,
依頼する講師の先生の都合もあり,調整が必要である。後者については,ここの生徒
の進路面談等をさらに充実するなどの方策が考えられる。
(iv)ここに挙がった項目は,生徒間によって自己達成感の差が少ない項目である。
問 2,問 9,問 15,問 19,問 22,問 23,問 32 の 7 項目の特徴は,大きく2つに分
かれる。一つは,勉強の意義,入試制度の理解,小論文スキルなど知識,技能に関係
する内容であり,これら項目での個人差が少ないのは総合学習授業担当者の熱心な指
導の成果の賜物であろう。もう一つは,グループ内での個人発表やグループ全体への
クラス発表に関するもので,これらの項目では達成感の生徒による個人差が少なかっ
た。これは,生徒がグループ内の少人数に発表したり,グループで協力したりする基
本は小中学校の経験などを通して多くの生徒に身についており,安心感を持って臨ん
でいるからであろう。今後,個人での発表等についても同様の安心感を以って望める
よう自己表現力を高める場面の設定が必要であろう。
以上,自分評価アンケートの結果をもとにして,各項目について分析してきたが,本年
目標とした「年間を通して流れのある総合学習の立案」の効果について検証すると,
1学期のキャリア教育を中心とした進路意識の高揚,2学期の分野別説明会報告書→作文
- 32 -
→小論文といった流れでは,文書表現力の向上に関して明らかに効果があったと言える。
ただ,3学期の小論文発表会では,生徒自身の経験が不十分なこともあり,達成感は今一
つであった。しかし,人前での個人発表も自己表現力の中で主要な部分を占めるので,今
後もそのような機会を設けて経験を積ませていくことが必要であろう。
6.本年度の反省と来年度へ向けての課題
総合学習では,さまざまな実践が可能である分,ともすれば,トピック的になりがちで
あり,私自身は総合学習の担当が初めてだったため,他校の実践のことは詳しくないが,
どの学校に於いても,さまざまな試みをする中で,その流れに関しては苦慮されているの
ではないだろうか。もちろん,先進校の中には,年間を通して生徒の総合力を高める綿密
な計画を立てた上で,ディベート,読書会,出前講義などをタイムリーに実践されている
学校もあるようである。ただ,それらの課題をこなしていくには,教師,生徒とも総合学
習時間外に多くの労力が費やされるのも事実であろう。本年度,本校で1学年において実
施した内容の多くは,総合学習の時間内で消化可能な内容であり,また,内容的にも特に
斬新なものは含まないが,学習の流れに関しては,一貫性を持たせ,生徒が前の時間に学
習したことの続きを学習していると感じることができるような指導計画を立案した。
しかし,私を含め,総合学習係の思惑とは別の点で,担任の先生をはじめ総合学習授業
担当者に予定外の負担をかける場面があったことを本年度の反省としたい。特に,報告書
や作文の指導では,生徒は総合学習時間内に書き上げても,総合学習授業担当者は時間外
に時間を割いて,それを読み,指導,評価に当たる。といった場面が続いた2学期は,授
業担当者で役割分担したとはいえ,負担を強いたのではないかと憂慮している。来年度以
降,役割分担を徹底していく必要性を感じた。
一方,授業担当の先生が個性を発揮された自発的な工夫も見られた。学年最後の小論文
発表会での,生徒の書いた「感想シート」の内容を発表生徒にフィードバックされるとい
った授業担当者の個性を以って工夫された授業運営には,頭の下がる思いであった。自分
の書いたアドバイス等を発表者にフィードバックフィードバックすることによって,発表
した生徒も自分の発表に対する充実感を感じたのではないだろうか。
来年度への課題は,流れのある内容を提示しながらも,総合学習授業担当者の個性を発
揮する場面を作れるように授業担当者との相互理解を深めることである。
- 33 -
第3章
研
究
授
- 34 -
業
1
第一回:平成 27 年 11 月 4 日(水)実施
[1]国語「国語総合」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
指導者
1
日
時
平成27年11月4日(水)第5時限
2
対
象
1年3組
40名(男子18名,女子22名)
3
場
所
1年3組
HR教室
4
科 目 名
国語総合(教科書「国語総合」筑摩書房)
5
単 元 名
小説二「とんがり焼の盛衰」村上春樹
6
単元について
星野
智子
○単元観
本単元は,人気作家村上春樹による小説「とんがり焼の盛衰」である。話の内容は,
「とんがり焼」というお菓子の新製品募集コンクールを舞台に,会社の中で用いられ
る言葉やしきたりと,そうしたものに組み込まれそうになりながら,自分の価値観や
生き方に戻っていく「僕」とのすれ違いを描いた寓話的な短編である。一人称の小説
においては,語り手である作中人物には見えない領域があることを,読者は意識する
必要がある。語り手であり,作中人物でもある「僕」の語りの空白を想像し,補って
いく作業を通して,小説の読み方を理解し,小説の世界を広げることができる。
○生徒観
本クラスは,授業態度は真面目で,静かに集中して学習する雰囲気が保たれている。
その一方で,他者と意見を交流したり,グループで考えをまとめて発表したりするこ
とを苦手とする様子がみられる。また,本校生徒の課題として,平成26年度広島県
高等学校共通学力テスト国語においては,文学的文章を読むことについて,叙述に即
して人物の心情を的確にとらえることを苦手とする傾向がある。よって,文学的文章
を読むことの指導において,場面ごとの人物の心情を考える活動を取り入れることが
必要であると考える。
○指導観
読解をグループで行い,他人と意見交換させ,発表に至るまでの完成の過程におい
て,話し合いを繰り返させることで,読解をより深めていくとともに,発表原稿だけ
でなく,イメージ画も書かせることで,生徒のさまざまな能力を引き出せるよう配慮
した。
7
単元の目標
領域【読むこと】
文章に描かれた人物,情景,心情などを表現に即して読み味わわせる。(Cウ)
8
単元の評価規準
- 35 -
関心・意欲・態度
読む能力
知識・理解
文章に描かれた人物,情景, 文章に描かれた人物,情
寓話及び語句の意味や用法を
心情などを表現に即して読
景,心情などを表現に即
理解している。
み味わおうとしている。
して読み取っている。
9
単元の指導計画(全6時間)
次
時
一
1 ・寓話について理解する。
評価
学習内容
関
読
知
〇
・語句の意味を理解する。
二
1 ・
「とんがり焼」をめぐる作中人
〇
〇
物の態度を読みとる。
三
2
・
「とんがり鴉」と「とんがり焼」
の関係について読みとる。
〇
◎
1
や「とんがり鴉」の心情を読
〇
みとり,発表する。【本時】
五
1
10
・寓話の示す意味と作者につい
〇
て理解する。
行動の観察
読む能力
ワークシー
知識・理解
関心・意欲・態度
◎
評価方法
知識・理解
読む能力
・
「新とんがり焼」をめぐる「僕」
四
評価基準
ト
ワークシー
ト行動の観
察
読む能力
グループ発
関心・意欲・態度
表
知識・理解
行動の観察
本時の目標と評価規準
「僕」の心情や「とんがり鴉」が「とんがり焼」に示した態度を読みとり,グ
ループで発表する。(C「読むこと」の(2)のア)
11
本時の展開
学習活動
1
導入
7分
本時の目標を説明
する。
2
グループで発表の
指導上の留意事項
・発表のしかた(礼と拍手)を確
認する。
・発表しやすい雰囲気をつくる。
最終確認をする。
展開
20分
3
評価方法
グループ発表
行動の観察
ワークシート
各グループ3分程
行動の観察
度で発表する。
- 36 -
4
各グループの発表
について講評する。
・生徒達の読みの多様性を認め,
各グループ発表のよかった点
を中心に評価する。
・
「とんがり焼」や「とんがり鴉」
によって表されている考え方
を理解する。
まとめ
23分
5
「僕」はどのような
・「自分の食べたいものだけを作
人物として描かれて
って,自分で食べる。」という
いるかを考える。
最後の「僕」の判断が意味する
ことを考えさせる。
6
本時の振り返りと
次時の予告を行う。
・作者 村上春樹の生き方につい
てふれることを告げる。
公開研究授業
1.
研究協議録
授業実施者より説明
HRクラスの生徒たちが,意見交流や意見発表を苦手としているため,その課題克服と,
主体的な学びの実現をねらいとして指導計画を立てた。前時までに,本文から読み取った
内容についてグループで意見をまとめ,発表に向けての準備を進めてきた。本時は,グル
ープごとに意見を発表することを目標として,発表後に全体で読みを深め,主人公の思い
に迫るという流れで実施した。生徒たちの多様な読みを大切にするよう心がけた。
2.授業観察者からの質問・意見
・発表に至るまでの取り組みやグループ編成の仕方について具体的に教えて欲しい。
・苦手意識の克服のためにどのような工夫をしたのか。
・本時のジャンプ課題は何だったのか。
・生徒が描いた絵を用いて発表していたのがとてもよかった。
・発言力がある生徒がさらに増えるとよいと感じた。そのためにも,自分の意見を発表す
る機会を授業の中で増やしていくことは重要だと感じた。
・自分の授業では多様な読み取りを大切にしたいと思いつつ,答えを一つに絞ってしまい
がちなので,大変勉強になった。
3.研究テーマ「興味関心を引き出し,理解を深める指導の工夫」に関わって
興味関心を引き出すことや理解を深めることは,
「主体的に学ぶ」ことと深く結びついて
いる。それらの実現に向けて,よりよい協働学習のあり方を探求していく必要がある。
- 37 -
4.まとめ
本時は,授業の最後で「寓意」を自分の言葉でまとめる活動がジャンプ課題であった。
いつ,どのようにグループ学習を取り入れるのが効果的か,答えは一つではないと考えら
れるため,生徒の実態や教科の特性に配慮しながら工夫を重ねていくことが大切だ。
- 38 -
[2] 数学「数学B」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
教諭
1
日
時
平成 27 年 11 月 4 日(水)5限目
2
場
所
2 年 3 組教室
3
学年・学級
2年3組
4
単
数列
5
単元について
元
名
高松
志寿恵
(1)単元観
数列の概念は,規則性のあるなしにかかわらず数字を並べただけのものであるた
め,生徒には取り組みやすい単元であると思われる。ここでは,等差数列や等比数
列などの規則性のある数列を扱い,その規則性を見つけ出し,一般項や第 n 項まで
の和について考察していく。これらをもとにして階差数列や漸化式について考え,
さらに,数学的帰納法を用いて命題を証明できるように考察を深めていく。
(2)生徒観
このクラスは 2 年文型クラスであり,習熟度別クラス編成は行っていない。数学
に対する関心は比較的高く,理解したいという気持ちもある。2 年生になったとき
は,“考える”よりも“覚えて”数学を学習する雰囲気があり,年度当初から「な
ぜそうなるのか」「なぜこれでは間違えているのか」という視点で授業を行った結
果,定期試験で満足のいく点数をとれる生徒が増えてきた。2 学期中間試験では,
学年平均 70.7 点に対し,クラス平均は 73.9 点である。しかし,初見の問題に対し
て試行錯誤して問題にあたることはできず,自分の知識・経験で問題 を解く力は不
十分であると考える。
(3)指導観
公式が多い単元であるが,近くの人と相談する時間や一人でじっくり考える時間
を確保するように授業を進め,その中で公式の成り立ちや意味をしっかり理解させ,
公式や解法を単純に暗記することのないように指導したい。
6
単元の目標
簡単な数列とその和及び漸化式と数学的帰納法について理解し,それらを事象の
考察に活用できるようにする。
- 39 -
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
数学的な見方や考え
数学的な技能
知識・理解
方
数列に関心を持ち,
数列に対する知識を
種々の数列につい
数列の一般項や和な
問題の解決に積極的
用いて,具体的な事
て,その一般項や和
どを理解し,基礎的
に活用しようとして
象について考察する
を求めることができ
な知識を身に付けて
いる。0
ことができる。
る。
いる。
数列を漸化式で表現
Σの性質,漸化式や
するとともに,数学
数学的帰納法につい
的帰納法を用いて命
て理解している。
題を証明することが
できる。
8
単元の指導計画(全 20 時間)
節
項
1
2
3
9
学習内容
時間
関
見
技
知
1
数列と一般項
1
○
○
○
○
2
等差数列
2
○
○
○
○
3
等差数列の和(本時)
2
○
○
4
等比数列
2
○
○
5
等比数列の和
2
○
○
6
和の記号Σ
2
○
○
○
7
階差数列
2
○
○
○
8
いろいろな数列の和
2
○
○
○
○
9
漸化式
3
○
○
○
○
10
数学的帰納法
3
○
○
○
○
○
○
○
本時の展開
(1)本時の目標
等差数列の一般項や和の公式を理解する。
ある数を超える最小の項数を求められるようになる。
(2)観点別評価規準
等差数列の公差・一般項などを理解している【知識・理解】
等差数列の和の公式を,適切に利用して数列の和が求められる。【数学的な技能,
知識・理解】
- 40 -
(3)学習の展開
段階
学習活動
指導上の留意点
導入
計算練習プリントを配布
解けなかった問
20 分
10 分後を目安に解答を口頭でいう。
題は解けた友達
評価規準
評価方法
に質問して,理
10 分間でできなかった問題を友達に質
解するように指
問するなどして,教えあいの時間をと
示する。
る。
展開
25 分
プリント(授業用・アンケート)を配布
する
4人グループの席にする。
前時の復習(等差数列の和)をする。
1番・2番の問題を解く。
議論が滞ってい
議論に積
机 間 巡
(教科書例6・例題4)
るグループには
極的に加
視
介入する。
わってい
○初めは自分で考え,その後グループの
中で相談する時間をとる。グループの議
るか。
論が滞った場合は,立ち歩いて他のグル
ープの人から教えてもらったり,ヒント
をもらったりする。その後必ず,自分の
グループにその情報を伝達する。
☆解答は生徒の様子を見て,適宜板書す
る。
3番の問題を解く。(教科書例題 2)
議論が滞ってい
議論に積
机 間 巡
○初めは自分で考え,その後グループの
るグループには
極的に加
視
中で相談する時間をとる。グループの議
介入する。
わってい
論が滞った場合は,立ち歩いて他のグル
ープの人から教えてもらったり,ヒント
をもらったりする。その後必ず,自分の
グループにその情報を伝達する。
☆解答は生徒の様子を見て,適宜板書す
る。
まとめ
アンケートの記入
5分
- 41 -
るか。
公開研究授業
研究協議録
1.授業実施者より説明
年度初めから,公式を暗記するのではなく,公式の意味を理解することに重点をおき授
業を行ってきた。また,友達と相談したり教えたりすることを積極的に行うことによって,
理解が深まり,記憶に残りやすいということを体験する機会を多く作ってきた。最初は戸
惑っていたが,次第に慣れて相談・教えあいのよさを体感しているようだ。今回は,初め
て見る問題に対して,今までの知識を組み合わせて解くこと,グループ内で知恵を出し合
って解くことに挑戦する授業にした。生徒に力がついてきて,こちらが想定した以上の生
徒たちの姿を見ることができて,授業者としてうれしかった。
2.授業観察者からの質問・意見
・
公式は暗記するものではなく,理解をして必要があれば利用するものである,という
授業実施者の意図を生徒がしっかりと理解をして問題に取り組んでいるように感じた。
・
グループ内での教え合いや意見交換も活発に行われていたように思う。
・
生徒に解答を黒板に書かせるといったことはあるか。→行っていない。
・
自由に席を離れて相談してもよい,という場面で1人 だけで取り組んでいる生徒にど
のような働きかけをしていくのか。→1人でじっくり考えたい生徒もいるであろうし,
他の生徒が質問に行けば一緒になって取り組んでいるので,特別こちらから働きかけ
は行っていない。
・
授業の中で問題ごとに一旦活動を中断させて授業者でまとめや補足等を行った方が良
いのではないかと感じた。
3.
研究テーマ「興味・関心を引き出し,理解を深める指導の工夫」に関わって
授業開始時の計算プリントに取り組ませた 10 分間以外はグループ活動等の生徒が
主体となった授業形態で行われており,すべての生徒が授業に参加しているように感
じられた。その意味では生徒の興味や関心を引き出す授業であった。理 解の深まりと
いう点で考えると,問題ごとにグループの活動を一旦区切り,授業者がそれぞれのグ
ループの解法の整理やまとめを行った方が場合によっては効果的であったかもしれな
い。
4.
まとめ
グループ活動やジャンプ課題等が形式だけのものにならないように,つまり生徒の
興味・関心を引き出し,理解を深める指導に効果的に機能しているのか,また効果的
に機能するためにはどの場面でグループ活動やジャンプ課題等を取り入れるのが効果
的であるのかといった意識をもつ必要がある。それぞれの授業者の授業のスタイルに
合わせてより良い授業というものを考えていく必要がある。
- 42 -
[3]外国語(英語)科「コミュニケーション英語Ⅱ」学習指導案
指導者
安芸府中高等学校
村田
1
日
時
平成 27 年 11 月4日(水)
2
使用教室
2年2組教室
3
学年
普通科
4
科目
コミュニケーション英語Ⅱ
5
単元名
Lesson 7
2年2組
第5校時
標準クラス
A Young Man in the Sea Who Made a Change
[ Vivid English Communication Ⅱ
6
昌弘
(第一学習社)]
単元について
(1)単元観
本単元は,土佐の漁師であった万次郎が,どこで,どのようにして英語を身につ
けたのか,そして,その英語を彼がどのように生かしたのかを述べている説明文で
ある。生徒にとって既習事項であるペリーの来航から話が始まり,万次郎の遭難,
渡米,帰国など,ドラマチックな展開になっており,読み物としても生徒が楽しめ
る内容である。彼がアメリカに滞在し英語を学習していた年齢はちょうど生徒と同
年齢であり,生徒が万次郎を身近に感じ,興味や関心を持つことができると考えら
れる。アメリカで生きるために学んだ英語を日本の将来のため に生かし,幕末の日
本で重要な役割を果たした万次郎の人生から,英語を学ぶ意義や生き方あり方など
も生徒に考えさせることができる教材である。
(2)生徒観
習熟度別クラスの標準クラスであり,相対的には基礎基本が身についている落
ち着いた生徒が多い。積極的に発表したり質問したりする生徒もいるが,全体的に
はおとなしく真面目で,ペアワークやグループワークは主体的に取り組む。英語に
苦手意識を持っている生徒もいるが,関心や意欲は高く,音読練習もきちんと声を
出して取り組む。4技能のうち,理解する能力に比べ,表現する能力が不十 分であ
る。特に文法や単語などの知識や理解が不正確である。語順,つづり,単語の過不
足などの誤りがよく見かけられる。十分なインプットを行うことと,アウトプット
の機会を与えられる必要があると考える。
(3)指導観
指導に当たっては,次の2点を工夫する。
①4 技能のバランスを考慮する。4 技能の訓練の基本となる音読を重視する。基本
的な文法や語法の定着を図る有効な手立てであり,読むことだけでなく,聞く
ことや話すことにも関連する力を養うことができる。
②「主体的な学び」の確立に向けて「学び合い」が成立するような課題( ジャン
プ課題)を設定する。また,「学び合い」が効果的なものになるよう「個別学
習→グループ学習→個別学習」の流れを意識した授業を心がける。生徒の学び
- 43 -
を促し,「聴く,つなぐ,もどす」の流れを取り入れる。
7
単元の目標
(1)ペアでの音読において,互いに協力しながら,積極的に取り組む。
(2)相手の発話に対して適切に応答する。
(3)登場人物の言動とその理由等を捉えることを通じ,概要や要点を理解する。
(4)分詞構文(過去分詞)の使い方を理解する。
8
単元の評価規準
ア
コミュニケーショ
イ
外国語表現
ウ
外国語理解の能
エ
言語や文化につ
ンへの関心・意欲・態度
の能力
力
いての知識・理解
①ペアでの音読におい
①相手の発話に
①登場人物の言動や
①分詞構文(過去分
て互いに協力しながら, 対 し て 適 切 に 応
その言動の理由等を
詞)の使い方を理解
積極的に取り組んでい
答することがで
捉えることを通じ,
している。
る。
きる。
概要や要点を理解す
② 前 置 詞 +関 係 代 名
②理解できないことや
②読んだことに
ることができる。
詞の使い方を理解し
未知の語句があっても, ついて,その概要
②説明などを読ん
ている。
推測するなどして読み
や自分の考えを
で,特に重要な事実
③英語を使用してい
続けている。
簡潔に書くこと
等を捉えることを通
る人々の日常生活,
ができる。
じ,全体の要旨を理
風俗習慣など,言語
解することができ
活動に必要な文化的
る。
背景について理解し
ている。
7
指導と評価の計画(全 7 時間
本時は 2 時間目)
評価
次
1
学習活動(時数)
関
[狙い]
○
1.タイトルや写真等から,関連する既
表
理
◎
知
評価
評価
規準
方法
ア②
活動の
ウ②
観察
習事項を思いだし,内容を予想する。
および
2. 全体を速読し,キーワードなどを手
ワーク
掛かりにして概要をとらえる。
シート
[学習活動]
1.教師のオーラル・イントロダクショ
ンを聞いたり,教師からの質問に答えた
りするなどして,単元内容についての背
景となるスキーマを高める。
2.ワークシートに示された表を完成さ
- 44 -
せるため,本文全体を読み,必要な情報
を捉える。
3.ペアで Q-A を行い,内容を確認する。
[指導上の留意点]
・
(活動2)年代や時の流れを表す表現に
着目させ,時系列で出来事を整理するこ
とを理解させる。
・
(活動3)ペアワークやグループ活動に
おいて,一方的に答えを教えてもらうこ
とのないよう指導する。
2
[狙い]
3
〇
ア①
活動の
各セクション(Part1~Part4)の概要を
ア②
観察及
4
把握し,要約する。
イ①
びワー
5
[学習活動]
イ②
クシー
(第2時から第5時の各時に1セクショ
ウ①
ト
ンずつ扱うこととする。)
ウ②
1.教科書を閉じて本文の音声を2回程
エ①
度聞き,話題や概要を把握する。
2.必要に応じて,語,連語,慣用表現
及び文構造について,意味や用法を確認
する。
[各 セ ク シ ョ ン で 練 習 さ せ る 文 法 事 項
等]
Part1:be familiar with
Part2:分詞構文(過去分詞)
Part3:関係代名詞…前置詞
Part4:前置詞+関係代名詞
3.教師のオーラル・イントロダクショ
ンを聞いたり,教師からの質問に答えた
りするなどして,本文についての背景と
なるスキーマを高める。
4.ワークシートに示された質問に答え
るため,本文全体を読み,必要な情報を
捉える。
5.ペアで Q-A を行い,内容を確認する。
6.CD を聞きながら,音読やシャドーイ
ング練習をする。
- 45 -
◎
〇
7.ワークシートを用いて,読んだ内容
について概要や自分の考えを簡潔に書
く。その際,次のように,指導する。
[post-reading activity の指導]
(1) 読み取った内容から推測する。
(2) まずは自分で考える。
(3) グ ル ー プ で お 互 い の 意 見 を 共 有
し,一番いいと思うものを選び,発
表する。
8.読解の確認として,本文の間違い探
しをさせる。
(ワークシートに複数のミス
があるので,カウントさせながら読ませ
る。)
[指導上の留意点]
(活動1)リスニングでは「音の連結」
や「音の消失」に焦点を当てて聞かせる。
(活動3)生徒の既習事項と結び付けて,
理解しやすくさせる。
(活動4)概要を捉える質問に絞る。ま
た,答えるだけでなく,答えから質問を
考える形式も取り入れ,思考力や考察力
を養う。
(活動5)ペア活動が一方的にならない
よう,役割を交代させる。
(活動7)各グループでホワイトボード
に書かせて発表させる。生徒の意見を拾
い上げ,他のグループの生徒と共有させ
る。
「聴く,つなぐ,戻す」の流れを作る。
(活動8)時間がなければ,次回の復習
として行う。
6
[狙い]
〇
◎
エ①
活動の
分詞構文(過去分詞)を用いた文の理解
観察及
と書き換え
びワー
[学習活動]
クシー
1.
「時」や「理由」などを表す副詞節を
ト
- 46 -
用いた文の理解
2.分詞構文(過去分詞)への書き換え
3.補充問題
[指導上の留意点]
(活動1)副詞節中に受動態を用いられ
ている例を扱う。
(活動2)分詞構文(能動態)への書き
換えを思い出させる。
(活動3)分詞構文では接続詞や主語が
省略されているので,前後関係から的確
な意味をつかむことが必要となる。
7
[狙い]
〇
◎
エ②
活動の
前置詞+関係代名詞を用いた文の理解
観察及
[学習活動]
びワー
1.関係代名詞…前置詞の文の理解
クシー
2.前置詞+関係代名詞の文の理解
ト
3.補充問題(書き換え問題)
[指導上の留意点]
(活動1)関係詞節の最後が前置詞にな
っていてもよいことを生徒に理解させ
る。
(活動2)前置詞を関係代名詞の直前。
(活動3)関係詞を含む文の構造が分か
らなくなったら,2文に分解することが
基本。
◎:1 時間の中で特に重点的に取り扱う項目,○:1 時間の中で取り扱う項目
9
本時の展開
(1)本時の目標
ア
登場人物の言動とその理由等を捉えることを通じ,概要や要点を理解する。
イ
相手の発話に対して適切に応答する。
ウ
ペアでの音読において,互いに協力しながら,積極的に取り組む。
(2)本時の評価規準
ア
①
[外国語理解の能力]
登場人物の言動やその言動の理由等を捉えることを通じ,概要や要点を理解す
ることができる。
イ
[外国語表現の能力]
- 47 -
①
ウ
相手の発話に対して適切に応答することができる。
[コミュニケーションへの関心・意欲・態度]
①
ペアでの音読において互いに協力しながら,積極的に取り組んでいる。
(3)準備物
ワークシート,グループ学習用のホワイトボードセット,登場人物の絵
(4)本時の学習の展開
指導上の留意事項(◇)
評価規準
(◆「努力を要する」状況と判断
[観点]
した生徒への指導の手立て)
(評価方法)
1.教師のオーラル・イント
(活動1)登場人物に焦点を当て
[外 国 語 理 解の 能
ロダクションを聞いたり,教
て聞かせる。
力]
師からの質問に答えたりす
◆ワークシートにヒントを載せ
(教 師 の 発 問に 対
るなどして,本文についての
る。
する応答や教室内
背景となるスキーマを高め
◆生徒の既習事項と結び付けて
の巡回により,活
る。教科書を閉じて本文の音
理解しやすくさせる。
動の様子やワーク
声を2回程度聞き,話題や概
◆ペアで確認する。
シートの取り組み
学習活動
要を把握する。
を把握し,概要や
2.語,連語,慣用表現及び
要点を理解してい
文構造について,意味や用法
(活動2)ワークシートを使い時
るかどうかを確認
を確認する。
間をかけないようにする。
する。)
3.ワークシートに示された
◆ペアで確認する。
質問に答えるため,本文全体
(活動3)概要を捉える質問に絞
[外 国 語 表 現の 能
を聞き,必要な情報を捉え
る。また,選択問題にする。
力]
る。ペアで答えを確認する。 ◆ ペ ア 活 動 が 一 方 的 に な ら な い
(教 室 内 を 巡回 し
4.CD を聞きながら,音読
て,ワークシート
よう,役割を交代させる。
練習をする。音の変化にも注
に概要や自分の考
意させる。
(活動4)サイトトランスレーシ
えを簡潔に書いて
5.読んだ内容について答か
ョンはペアで行う。
いるかどうかを確
ら質問を考える。
認する。)
6.読んだ内容に基づいて, (活動5)答えから質問を考える
(教 室 内 を 巡回 し
登場人物がどんなセリフを
形式。個人でまず書かせ,その後, て , 相 手 の 発 話 に
言うか考え書かせる。その
ペアで確認させる。
対して適切に応答
後,グループで共有し,代表
(活動6)ホワイトボードに書か
しているかどうか
を一人選んで発表させる。
せて発表させる。生徒の意見を拾
を確認する。)
7.読解の確認として,間違
い上げ,他のグループの生徒と共
い探しをさせる。(ワークシ
有させる。◆「聴く,つなぐ,戻
- 48 -
[コ ミ ュ ニ ケー シ
ートに複数の間違いがある
す」の流れを作る。クラスで共有
ョンへの関心・意
ので,カウントさせる。)グ
することを目指す。
欲・態度]
ループで数を確認させ,発表
(教 室 内 を 巡回 し
させる。
(活動7)本文中の内容を正しく
てペアワークを観
8.単語や語句の復習。
理解していれば分かる間違いを
察し,不自然な沈
9.振り返り
文中に入れる。見つけるだけでな
黙を置かずに,互
概要や要点を聞いたり書い
く,できれば,正しく直させたい。 い に 協 力 し な が ら
たりして理解することがで
時間がなければ次回の授業で復
積極的に活動に取
きたか。それについての自分
習として行う。
り組んでいるか確
の考えを書くことができた
(活動8)英語による定義から英
認する。)
か。
単語を答える。時間がなければ次
回
公開研究授業
研究協議録
1.授業実施者より説明
このクラスの生徒は積極的に授業に参加してくれるのでやりやすい。
主体的な学びに関していろいろな活動を入れようと思ったが、ある程度絞った。メイン
は「各人物がどんなことを言うか」というテーマで各グループに考えさせることとした。
日本語訳は最初に与えることにした。
導入で万次郎の話をし損ねた。
2.授業観察者からの質問・意見
・ 万次郎の話をしなかったのはわざとかと思った。むしろその方がよかったのでは?
・ ペアワークの時、最初一人の生徒がいた。ワークシートはフォローしやすく適切であ
った。
「ムスタビン」といった音変化も重要で、その確認はよかった。視覚的な材料を
用いてのグループワークも適切で、そのレベルが上がっていくのもよかった。
・ ワークシートが工夫されていた。―
生徒の息抜きのためや、苦手な子でもできるよ
うにやさしめの活動から始め、発展的な活動に至るようにした。
・ シャドウイングの方法は?テキストを見ずにやるのは難しいが。―
試にやってみた
というところ。いつもやっているわけではない。
・ 新しい授業形態の「学び合い」を授業の中でどう組み合わせるべきか?ジャンプ課題
はどこで出すのか?英語でのジャンプ課題というと、話す・書くといった場面でか?
助けを求めるのはグループ内だけでなくクラス全体というのはどうか?
・ 受験英語と比較すると、All English の授業で感心した。生徒指導の三機能を生かして
いることにも感心した。予習の指導はどうしているか?―
- 49 -
単語調べ・本文写し・日
本語訳。
・
手を挙げてない子に当てるというのは?―
ペアに当てたりする。
・
「間違いさがし」では生徒たちは教科書と逐一見比べていた。もっとのちの時間でや
らせたほうがよかったかも。
・ 英語で1時間やり通すのがすごかった。内容理解をステップを踏んでやっていた。中
学校の授業への要望は?―
SVOといった語順や名詞・動詞・形容詞といった品詞
を理解させておいてほしい。筆記体や書くことの指導は?―
毎日やっている。
- 50 -
府中中では単語練習を
第二回:平成 28 年 1 月 12(火)実施
2
[1]地理歴史「地理 B」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
授業実施者:橋岡
1
日時
平成 26 年 1 月 12 日(月)
2
場所
視聴覚教室
3
学年・学級
4
単元名
5
単元について
○
俊二
5校時
3 年4・5 組(地理B選択者 24 名)
現代世界の地誌的考察
現代世界の諸地域
オセアニア
単元観
本単元は学習指導要領「地理B」大項目(3)現代世界の地誌的考察に位置づけられ
る。地誌学習の最後であり,一年間のまとめにもなってくる。学習指導要領解説におい
て「取り上げた地域の多様な事象を項目ごとに整理して考察する地誌,取り上げた地域
の特色ある事象と他の事象を有機的に関連付けて考察する地誌,対照的又は類似的な性
格の二つの地域を比較して考察する地誌の考察方法を用いて学習できるよう工夫する
こと。」とある。この単元で扱うオセアニアについては,「取り上げた地域の特色ある事
象と他の事象を有機的に関連付けて考察する方法」により,オセアニアにみられる地域
的特色と地球的課題について理解することを目的とする。
オセアニアは多くの島々が点在しており,ヨーロッパ諸国の植民地支配を受けてきた。
特にイギリスによる植民地支配を受けてきたことと,現代での地域的なつながりを有機
的に関連付けて考えさせたい。自然環境,民族・宗教,産業などの項目ごとに整理する
ことも重要であるが,馴染みの薄いオセアニアの島国への関心を高めさせるとともに,
地域的特色と地球的課題を理解させたい。
○
生徒観
男子 6 名,女子 18 名の 24 名の文型の選択授業である。7 月に行った授業評価アンケ
ートによると,約 20%の生徒が授業がわかりにくいと回答した。そのうち,80%の生徒
が内容が難しいことを理由としてあげていた。このクラスではセンター試験において地
理を受験しない生徒が 62.5%となっている(うち,センター試験未受験が 33%)。
当初からICTを活用した授業を行ってきたが,生徒の知的好奇心を高め,主体的な
学習を促すことができていない。板書をあまりしないためか,寝る生徒も多いと感じる
こともある。そのため,定期考査や模擬試験などで知識の定着がで きておらず,知識を
活用することもできていないと感じている。この地誌学習を通して,今一度地理的な好
奇心を喚起させ,現代にある社会的事象に興味・関心をもてるようにしていきたい。
○
指導観
本時では,オセアニア自然環境と地域のつながりについて,フィジーとオーストラリ
- 51 -
アの 2 か国に焦点を絞り考察していきたい。この 2 か国を例に考察していく過程で,既
習事項である自然環境や民族・宗教とヨーロッパによる植民地支配とのかかわりに触れ,
現代ではアジアとのつながりが強くなっていることを考察していくことでオセアニア
の地域的特色を明らかにしたい。
これまでの授業では,「なぜ」「どんな」などの発問を中心に,さまざまな地理的事象
を考えさせ,生徒にイメージをもたせ,それを表現し,共有することを行ってきた。そ
して,授業の中で生徒自身が地理的事象に対してもっているイメージが「実際はどうな
のか?」と確認しながら授業を行ってきた。より,イメージがもてるようにICTを活
用しながら行った。本時では,1 年間のまとめとして位置付けるためにもICTを活用
していきたい。
6
単元の目標
1
オセアニアの地理的事象について考察することで,地理的な 見方・考え方を培う。
2
事象と事象を関連付けることができ,地球的課題について地誌的に考察する方法を
理解させるとともに,その知識を身に付けさせる。
7
単元の評価規準
資料活用の技能・表
関心・意欲・態度
思考・判断
①オセアニアに対す
①フィジーとオース
①資料内容を適切に
①事象と事象を関連
る関心と課題意識
トラリアの民族構
読み取ることがで
付けることがで
を高め,それを意
成のから,歴史的
き,地図やグラフ
き,地球的課題に
欲的に追究し,捉
背景を踏まえ,他
に表すことができ
ついて地誌的に考
えようとしてい
の事象と関連付け
る。
察する方法を理解
る。
て考察している。
②学習を通して,オ
②オセアニアとアジ
セアニアで生じて
アの国々とのつな
いる諸課題を見い
がりについて考察
だして考察し,そ
している。
の過程や結果を適
現
知識・理解
し,その知識を身
に付けている。
切に表現してい
る。
8
次
指導と評価の計画(全3時間)
学習内容(時数)
オセアニアの自然環
評
価
関
思
資
知
評価規準
◎
○
◎
○
・オセアニアの自然環境に
- 52 -
評価方法
・発表内容
関する地図を作成する
境(1)
・地図作成
ことで,地域的特徴を見
いだすことができる。
・フィジーとオーストラリ
アの民族構成から歴史
・発表内容
的背景を踏まえ,考察す
オセアニアの民族と
地域的つながり
・グラフ作成
○
◎
◎
○
ることができる。
・オセアニアとアジアとの
(1)本時
つながりについて考察
できる。
①オセアニアの産業に関
・発表内容
連する地理的事象から, ・問題演習
学習課題を見いだして
いる。
オセアニアの産業と
○
課題
○
◎
◎
②オセアニアの産業の成
長の要因や背景を,歴史
(1)
的背景を踏まえ,他の事
象と関連付けて考察し
ている。
9
本時の展開
(1)本時の目標
・オセアニアの民族構成から,歴史的背景を踏まえ,他の事象と関連付けてアジアと
のつながりについて考察させる。
(2)観点別評価基準
○
思考・判断:フィジーとオーストラリアの民族構成のから,歴史的背景を踏まえ,
他の事象と関連付けて考察している。
オセアニアとアジアの国々とのつながりについて考察している。
○
表現:資料内容を適切に読み取ることができ,地図やグラフに表すことができる。
(3)準備物
・教科書:「新詳地理B
・資料集:「最新地理図表
初訂版」(帝国書院)
GEO」(第一学習社)
・地図帳:「新詳高等地図」(帝国書院)
(4)学習の展開
- 53 -
過程
学習活動
○
前時の復習をする。
指導上の留意点
○
自然環境の確認を行う。
評価規準(評価方法)
○
積極的に発表し
ている。
○
本時の内容を確認す
○
る。
何人かに発表させ,サッカ
評価方法:発表
ーや野球の強豪国と違う
・ ラグビーW杯日本代
ことに気付かせる。
表の選手には外国籍
の選手もおり,オセア
ニア出身であること
を知る。
・ ラグビーW杯出場国
にはオセアニアの
導入
国々が多いことを確
(8分)
認する。
○
何人かに発表させ,クラス
○
自分なりに考察
全体で共有する。
しようとしてい
る。
なぜ,オセアニアの国々ではラグビーがさかんなのだろう
○
意見をまとめ,周囲
か?
評価方法:観察・発
の人と意見交換す
表
る。
・
イギリスの植民地支
配を受けていた国が
多いことを確認す
る。
○
フ ィジ ーの民 族構 成
○
について考える。
民族構成のグラフを作成
評価方法:グラフ作
する。
成
なぜ,フィジーにはインド系民族が多いのだろうか?
○ 周囲と意見交換する。
展開
・気候 と農 業,イ ギリ ス
(35
の植民地支配の影響で
分)
あることを理解する。
○
発問することで,一つずつ
評価方法:観察・発
整理していく。
表
・
自然環境と産業,
歴史的背景との
関連性について
考察しようとし
○
オ ース トラリ アの 民
族 構 成 に つ い て 考え
ている。
○
移民が多いこととアボリ
- 54 -
評価方法:ワークシ
る。
ジニー,マオリについても
ート
ふれる。
○
発表
オ ース トラリ アの 歴
史について確認す
・イギリスの植民地であり,移
る。
民によって開拓されたこと
を確認する。
・アボリジニーの隔離政策につ
いてもふれる。
○
オ ース トラリ アの 白
豪 主 義 か ら 多 文 化主
義 へ と 移 り 変 わ った
背景を確認する。
白豪主義を撤廃したことにより,オーストラリアの社会はど
のように変化したのだろうか?
・
諸課題について
多面的に考察し
○
移 民の 推移に つい て
ようとしてい
考える。
る。
評価方法:発表・観
なぜ,アジアからの移民が急増したのだろう
察
か?
・意見 をま とめ, 周囲 の
人と意見交換する。
○
貿 易に 関して もア ジ
○
イギリス
→
日本
→
・
諸課題について
ア と の 関 係 が 強 まっ
中国と貿易相手国が変化
多面的に考察し
て い る こ と を 確 認す
していることに気付く。
ようとしてい
る。
る。
評価方法:発表・観
なぜ、イギリスの割合が減少し,日本・中国の割合が増加し
ているのだろうか?
・ 中国とASEANの経済成
・
意 見を まとめ ,周 囲
長についてイギリスのE
の人と意見交換す
C加盟についてふれる。
る。
・ トンガのかぼちゃ栽培につ
- 55 -
察
いても触れることで,産業
としても関係が強まって
いることに触れる。
・
諸課題について
多面的に考察し
・ ワーキングホリデーについ
て説明する。
ようとしてい
る。
評価方法:発表・観
・ それぞれの問題を整理して
○
オ ース トラリ アの 観
察
いく。
光 客 の 変 化 か ら アジ
ア と の 関 係 性 が 強ま
っ て い る こ と を 確認
する。
○
本時のまとめをす
○
る。
オセアニアの国々とアジ
アとの関係が強まってい
ることにふれる。
終結
○
(7 分)
○
問題を解く
・
周 囲と 意見交 換を す
「勘」や「なんとなく」で
とかない。
○
理由が説明できる。
る。
10
参考文献
菊池
努ほか『世界政治叢書 6
菊池
俊夫ほか『世界地誌シリーズ 7
立川
武蔵ほか『朝倉世界地理講座 15‐大地と人間の物語‐オセアニア』朝倉書店 2010
ラテンアメリカ・オセアニア』ミネルヴァ書房
東南アジア・オセアニア』
朝倉書店
2012 年
2014 年
年
堤
純監修『帝国書院
地理シリーズ
世界の国々8
オセアニア州・南極』帝国書院
2012 年
吉岡
政徳監修
『オセアニア学』
渡邊
昭夫監修
『図説
京都大学学術出版会
世界文化地理大百科
公開研究授業
2009 年
オセアニア』
朝倉書店
2000 年
研究協議録
平成 28 年 1 月 12 日
- 56 -
1.授業実施者より説明
今年度は興味を持たせるというねらいからパワーポイントで授業をしている。導入で、
ラグビーを用いてさらに興味を持たせた。説明が多すぎた。もっと生徒同士向かい合わせ
て考えさせたい。
2.授業観察者からの質問・意見
質問
・なぜ、オセアニアはサッカーではなくラグビーだ ったのか?
・ジャンプ課題は何だったのか?
・たくさんの内容とアクティブラーニングとをどうやって両立させるのか?
意見
一定の知識を持った大人であったら関心度の高い授業であった。ベースとなる知識がある
子どもにとっては勉強になり受験勉強にも結びつくと思う。
映像が上手く使えていたと思う
白豪主義から多文化主義への流れは、アメリカの公民権運動の影響が大きかったとおもう。
経済統合に関しては、EC、ASEAN、オイルショックなど多面的な要因を用いて深め
ていく方法もある。
スムーズに流れた反面。メリハリが少なかった。
日本との距離や世界遺産など身近な教材を使うことで興味関心が持てるのではないか?
動画がとても有効であった。
3.研究テーマ 3 年「進路実現に向けての指導の工夫」に関わって
サブテーマ:言語能力向上を図る授業作りの工夫改善
~思考力・判断力・表現力の育成に向けて~
生徒指導の三機能を生かした授業作り
三機能:自己決定の場を与える。自己存在感を与える。
人間的ふれあいを基盤とする
進路実現に向けて、教科書の豊富な内容を入試までに学習させなければならず、内容を
掘り下げて中身の濃い授業を展開することを両立させるための工夫が必要である。掘り下
げる内容を焦点化し、学習したことが、他の内容へと広がっていくような展開を開発して
いくことが有効である。
- 57 -
[2]理科「化学」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
教諭
1. 日
時
平成 28 年1月 12 日(火)
2. 場
所
化学第2教室
3. 対
象
第2学年2組
4. 単 元 名
男子 23 名・女子 13 名
川本
淳慈
計 36 名
化学反応と熱・光
5. 単元について
○単元観
本単元は,高等学校学習指導要領の「第5節
化学
(2)物質の変化と平衡 ア化学
反応とエネルギー (ア)化学反応と熱・光」に位置づいている。ここでは,化学反応の前
後における物質のもつ化学エネルギーの差が熱・光の吸収となって現れることや,これら
のエネルギーの出入りが熱化学方程式で表せることを理解させることをねらいとしている。
化学反応と熱・光に関して生徒は,中学校理科第1分野の「化学変化と熱」の単元におい
て,化学変化には熱の出入りが伴うことを学習している。
本単元では,化学反応と熱・光に関する事項を探究的に扱い,グループ学習や発表を通
して,科学的に探究する方法を習得させるとともに,科学的な思考力・表現 力を身に付け
させる。
○生徒観
当該クラスの生徒は,理系の生徒である。2学期期末考査(化学)における評価の観点
別の正答率は,知識・理解 47.2%,科学的な思考力・判断力・表現力 49.3%であり,正答
率はおよそ5割であった。また,観察・実験を実施した際,意欲的に参加する生徒は多い
が,観察・実験の結果を根拠として考察を書くことや既習事項と身近な現象を結び付けて
考えることができない生徒が多かった。
これらのことから,化学についての興味関心が高く,基礎・基本が定着している生徒は
多いが,それらの知識が身近な現象と結び付けて考えることが不十分な生徒が少ないと考
えられる。
○指導観
本校では各授業で生徒が主体的な学びが行えるよう,グループ学習による「学び合い」
を導入している。グループ学習では,演習問題をグループでさせる「作業の学び合い」だ
けではなく,基礎・基本をもとに他者と協働して課題を解決するような「探究の学び合い」
がある。この「探究の学び合い」を通して,思考力・判断力・表現力を身に付けさせ,科
学的なものの見方や考え方ができるようにさせたい。そのため,ワークシートの工夫やヒ
ントの投げかけ方,生徒が協働して課題解決するような「場づくり」を行い,生徒の学び
を促すファシリテーターとしての役割を果たす必要がある。
- 58 -
6. 単元の目標
化学反応に伴うエネルギーの出入りを探究的に扱い,グループ学習をさせることを通
して,科学的に探究する方法を習得させるとともに,科学的な思考力・判断力・表現力
を身に付けさせる。
7. 単元の評価規準
ア
関心・意欲・態
イ
思考・判断・表
ウ 観察・実験の技能
エ
知識・理解
度
現
①化学変化をエネル
①観察,実験を通し
①反応熱の測定がで
①熱化学方程式の意
ギーの出入りという
て熱化学方程式の意
き,そのデータをグ
味を理解し,知識を
観点から意欲的に探
義を理解し,ヘスの
ラフ化するなどの処
身に付けている。
究しようとする。
法則の成立を実証
理を行うことができ
②ヘスの法則を理解
① ②学習課題に対して
的,論理的に考察す
る。
し,いくつかの熱化
積極的に観察・実験
る。
学方程式から,新た
を行い,意欲的に探
②新たな化学変化の
な反応熱を求める知
究しようとする。
反応熱を科学的に推
識を身に付けてい
定する。
る。
8. 指導と評価の計画(全
5
時)
評価
時
1
学習内容
化学反応と熱の出入り
関
◎本時
思
技
知
◎
評価規準
ア①
評価方法
活動の観察
授業プリント
2
熱化学方程式,いろいろな反応熱
◎
◎
イ②
活動の観察
エ①
授業プリント
小テスト
3
ヘスの法則
◎
◎
イ①
活動の観察
エ②
授業プリント
小テスト
4
結合エネルギー,化学反応と光
◎
◎
イ①
活動の観察
エ②
授業プリント
小テスト
5
ヘスの法則【実験】
◎
◎
ア②
活動の観察
ウ①
実験レポート
小テスト
- 59 -
9. 本時の展開
(1) 本時の目標
・化学反応における熱エネルギーへの変換を理解し,身 近な化学現象と結び付けて考える
ことができるようになる。
(2) 観点別評価規準
[関心・意欲・態度]
化学変化をエネルギーの出入りという観点から意欲的に探究しよう
とする。
(3) 準備物
教科書,ワークシート,プロジェクター,iPad,塩化カルシウム,水,炭酸水素ナトリ
ウム,クエン酸,簡易ホワイトボード,水性ペン
(4)学習の展開
時
学習活動
間
□説明・指示
指導上の留意点(◇)
〇発問
5
1
分
〇「化学反応が起きると多
◆努力を要する生徒へのてだて
評価規準
・評価方法
課題意識をもたせる。
くの場合,どのような現象
が生じるか」
□塩化カルシウムに水を
◇試験管を6個準備し,生徒全員が発
入れ,発熱している様子を
熱反応を確認できるようにする。
確認させる。
〇「なぜ,化学反応によっ
て熱が生じるのか」
2
本時のめあてを確認
する。
化学反応と熱の出入りについて理解し,身近な現象と結び付けて考えることがで
きるようになる。
42
3
分
理する。
必要な知識・概念を整
□発熱反応におけるエネ
◇発熱反応の場合,反応物のエネルギ
ルギー図を説明する。
ー>生成物のエネルギーになってお
り,余ったエネルギーを熱として放出
していることを説明する。化学エネル
ギーが熱エネルギーに変換されたこ
とを理解させる。
- 60 -
〇「身近な発熱反応の現象
◆エネルギーの総和は反応前後で変
は?」
化しない(エネルギー保存の法則)こ
とを説明する。
〇「化学反応は全て発熱反
◇ペアで考えさせ,何人かに発表させ
ア①
応なのか」
る。
活動の観察
□炭酸水素ナトリウムと
◇生徒の発表ででてきた,身近な発熱
授業プリント
クエン酸の吸熱反応を観
反応について,化学式等を用いて説明
察させる。
する。
〇「吸熱反応では,反応物
◇試験管を6個準備し,生徒全員が吸
のエネルギー,生成物のエ
熱反応を確認できるようにする。
ネルギー,熱エネルギーの
◇グループで図を用いて考えさせ,簡
ア①
関係はどのようになって
易ホワイトボードにまとめたものを
活動の観察
いるのか」
発表させる。
授業プリント
◆発熱反応のエネルギーの関係と比
較させる。
□吸熱反応と熱の出入り
◇吸熱反応の場合,反応物のエネルギ
について説明する。
ー>生成物のエネルギーになってお
り,必要なエネルギーを熱として吸収
していることを説明する。
4.吸熱反応について
◇グループで考えさせ,発表させる。
ア①
(Small ジャンプ課題)
◆熱が失われると都合の良い現象に
活動の観察
〇「身近な吸熱反応の現象
着目させる。
授業プリント
をあげ,どのような反応が
生じているか考えよ」
3
5
本時のまとめを行う。
分
□振り返りシートで本時
◇発熱反応と吸熱反応におけるエネ
のまとめをさせる。
ルギー変換についてまとめる。
6
◇本時のねらいを再確認させ,振り返
本時を振り返り,次時
につなげる。
りをさせる。
◇次時の授業では,発熱反応と吸熱反
応を方程式で表すことができるよう
になることを説明する。
- 61 -
公開研究授業
教
科:理科(化学)
授業実施者:川本
淳慈
司
会:岩沖
義彦
記
録:澤口
友昭
1.
研究協議録
授業実施者より説明
・日頃の授業からより身近な現象をとりあげたり,実物を持参したり,演示・生徒実験を
したりすることで「なぜこのようになるのか?」といった課題意識をもたせるようにして
いる。
・主体的な学びができるよう,ペア学習とグループ学習を使い分けている。それほど深く
ない学びで,復習や確認,簡単な作業のときにはペア学習を行い,意見を出し合って熟議
するような深い学び合いのときにはグループ学習を行っている。
・ICT機器を活用し,生徒に興味関心を持たせる工夫を行っている。
・振り返りシートを導入することで,生徒一人一人の課題を見つけるとともに,授業者の
振り返りを行い,授業改善にも活かすようにしている。
2.
授業観察者からの質問・意見
・今回の授業では,ICT機器の活用や演示実験など,生徒に興味・関心を持たせる工夫が
多くの場面で見られ,それによって,生徒も楽しく前向きに授業に参加でき学習効果も高
められた。
・発熱反応と吸熱反応の演示実験で生徒が熱の変化を実際に肌で感じとることは,化学反
応と熱の出入りについて学習する動機づけだけでなく原理について理解するためのヒント
としての役割も果たしており,実物に触れさせることの大切さを感じた。
・生徒が一人で考える時間とグループで考える時間の配分が適当であったため,生徒も間
延びすることなく取り組めていた。また,ペア学習とグループ学習における課題の使い分
けも明確にされていた。
・グループ学習の結果報告での,各グループのホワイトボードを用いた図や文字による発
表は,視覚的に確認しやすく,報告内容について把握しやすかった。
・演示実験を行う際にも,生徒に化学実験を安全に 行なうための基礎的な心構えや化学物
質を扱う実験における注意点について確認することを忘れてはならない。
・授業のまとめに使用されていた振り返りシートは,授業内容に加え生徒の質問や先生の
コメントを記入する欄があり,生徒とのコミュニケーションを深める工夫もなされたシー
トでとても参考になった。
・授業の指名については,その生徒の成就感や肯定感が培えるよう配慮しつつ行われてお
り,細部にまで気が配られた授業であった。
- 62 -
3.
研究テーマ「興味関心を引き出し,理解を深める指導の工夫」に関わって
・授業で扱う化学現象について生徒がそれらをよりリアルに イメージできるようにするた
めに,教科書や資料集以外にデジタル教材も用いて補足しながら授業を進めている。
・化学実験に関するデジタル教材は,実験操作のシミュレーションとして利用している。
・学習内容と日常生活とのつながりを持たせるため,授業ではできるだけ生徒の身近にあ
るものを例にあげて解説するようにしている。
・ペア学習やグループ学習での意見はできる限り拾って全体に提示し,それらについて全
員が考えられるように授業を展開している。
・定期的に小テストを実施して生徒の理解度を確認するようにしている。
・学年が上がるごとに受験を意識する生徒も増えてくるため,ペア学習やグループ学習の
時間,内容については生徒の状況に応じて変える必要がある。
・ジャンプ課題に対して学習内容と関連づけて考えることができない生徒が予想以上に多
いため,基礎基本の定着に重点をおいて指導している。
4.
まとめ
・授業においては,演示実験,視聴覚機器の活用,グループ学習,振り返りシートなど,
生徒に興味・関心を持たせる工夫や生徒個々の授業への参加意識を高める工夫が十分にな
されていた。
・授業の準備が綿密になされており,生徒の活動にも適度に変化があり,とて も充実した
中身の濃い授業であった。
・授業内容について疑問に思うことを遠慮することなく発言できる雰囲気があり,生徒は
伸び伸びと前向きに授業に参加していた。
・ICT機器を導入した授業を行う場合,その機器に関する知識やスキルを必要とし,教
材作成に多くの時間も要する。これらの教材を蓄積し共有化できるように教員の ICT機
器に対する抵抗感や負担感を減らす取り組みやICT機器の活用環境の整備も必要である。
- 63 -
[3]外国語「コミュニケーション英語Ⅰ」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
教諭
1
日時
平成 28 年1月 12 日(火)第5限
2
学年
第1学年
3
科目
コミュニケーション英語Ⅰ
4
単元(題材) Vivid English Communication I (第一学習社)
4組
26 人(習熟度別
今村
有希
基礎クラス)
Lesson 8 Sphinx in Danger
5
単元(題材)について
○ 教材観
本教材は,エジプトのピラミッドやスフィンクスが塩害によってダメージを受けて いる
こと,そして,その塩害は周辺に住む人々の生活排水によって引き起こされていること を
問題として提起し,皮肉にも,その塩害が周辺に住む人々の農業に被害を与えていること
を説明している。
この教材は問題と原因,結果が明確な説明文であり,要点が把握しやすい。そのため,
本教材は,高等学校学習指導要領外国語の「2内容(1)」の「イ
説明文や物語などを読
んで,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。」ことに適している。
○ 生徒観
本クラスは,2学期の成績を基に2クラス3分割をしたうち,成績中・下位層を集めた
「基礎クラス」である。基礎学力の定着に課題はあるが,生徒は,ペア活動・グループ活
動にも積極的に取り組み,音読活動にも活発に取り組んでいる。一方,本文の理解や内容
を要約する活動の際に,新出単語や文法を本文読解に活用し,本文を理解することに苦手
意識を持っている生徒がいる。また,一語や一文の意味を捉えることに精一杯で,本文の
概要が捉えることができない生徒もいる。
○ 指導観
指導にあたっては,まず,生徒の本文に対する興味関心を高めるために,本文の内容を
簡単なクイズ形式にし,それらに答える活動を取り入れる。そして,本単 元の目標である
概要理解ができるように,発問を通じて,本文の概要理解を行う。その際に,1人では答
えにたどり着けない生徒への支援として,ペア単位やグループ単位で読解を行わせる。最
後に,本文の内容を絵で表す活動を取り入れることで,個人が概要理解をできたか確認す
る。
6
単元(題材)の目標
・ 自己表現活動において,間違うことを恐れずに積極的に自分の考えなどを話す。
(コミ
ュニケーションへの関心・意欲・態度)
・ 本文の概要を理解する。(外国語理解の能力)
- 64 -
・ 関係副詞,S+V+O+O(=that 節,疑問詞節)の文の意味・構造を理解する。
(言語や文化
についての知識・理解)
7
単元の評価規準
ア コミュニケーション
イ 外国語表現の能
への関心・意欲・態度
力
ウ 外国語理解の能力
自己表現活動におい
て,間違うことを恐れ
ずに積極的に自分の考
えなどを話している。
8
本文の概要を理解す
ることができる。
エ 言語や文化につい
ての知識・理解
関 係 副 詞 , S+V+O+O
(=that 節,疑問詞節)
の文の意味・構造を理
解している。
指導と評価の計画(全8時間)
次
時
1
(本
時)
1
2
3
2
4
5
3
6
7
4
8
9
学習活動
関
Part 1
・単元への導入
・単語の確認
・概要理解
Part 1
・復習
・関係副詞(where, when)
Part 2
・復習
・単語の確認
・関係副詞(why, how)
Part 2
・復習
・概要理解
Part 3
・復習
・単語の確認
・S+V+O+O(=that 節)
Part 3
・復習
・概要理解
Part 4
・単語の確認
・S+V+O+O(=疑問詞節)
Part 4
・復習
・概要理解
表
理
◎
○
◎
エ
ワークシート
◎
エ
ワークシート
ア,ウ
ワークシート
活動の観察
エ
ワークシート
ウ
ワークシート
エ
ワークシート
ウ
ワークシート
◎
◎
(1) 本時の目標
○
ワークシート
◎
本時の展開
スフィンクスに現在起きている問題を理解する。
(2) 本時の評価規準
- 65 -
評価方法
ウ
◎
◎
評価
評価規準
知
○
スフィンクスに現在起きている問題を本文に書かれている要素を踏まえて,絵で表
現することができる(外国語理解の能力)
(3) 学習の展開
指導上の留意事項
学習活動
(◆「努力を要する状況」と
評価規準【評価方
判断した生徒への指導の手
法】
立て)
1. 本 時 の 流 れ の 説 明 と 目 標 の 提 示 ( 3
分)
Goal: To understand what is happening to the Great
Sphinx
◇読解時に困らないよう,
2. 新出語の意味と発音の確認(10 分)
新出語の意味を確認する。
・起立し,発音練習をする。
・教師が言う日本語にあたる英語を答
え,答えられたペアは着席する。
◇テキストの第 2 段落の内
3. ス フ ィン ク スに 関 す るク イ ズ にグ ル
容をクイズ形式にし,興味
ープで答える。
(次ページ参照)
(10 分) 関心を持たせる。
◇マーカー等で該当箇所
4. 教 科 書 を開 き , 本文 中 にあ る ク イズ
に線を引かせ,確認させ
の答えの該当箇所を確認する。(3 分)
る。
5. ワークシートの STEP 1 Q. “What is
◇まずは個人で考え,グル
happening to the Great Sphinx?”に答
ープで共有する。
える。(10 分)
◆難しそうにしている生
徒には,グループのメンバ
ーと協力するように促す。
スフィンクスに現
6. STEP 2 スフィンクスが今,どのよう
◇グループ机を個人の形
在起きている問題
な状況で,今後どうなりそうなのかを
に戻し,一人一人の本文の
を本文に書かれて
絵で表す。
(早く描き終えた3名が代表
理解度を描いた絵で確認
いる要素を踏まえ
で絵をホワイトボードに描く)(8分) する。
て,絵で表現する
ことができる(外
7. ワ ー ク シー ト を 提出 し ,3 名 の 生徒
国語理解の能力)
の絵を用いて,本時のまとめを行う。
(5
【ワークシート】
分)
8. 次時の予告(1分)
- 66 -
*
スフィンクスに関するクイズ
1. Where does the Great Sphinx sit?
A. Egypt
B
A
2. Where is Egypt? (地図を書き,A~D のどの地点か答える)→
3. How long is the Great Sphinx?
A. 73.5 m
4. How wide is the Great Sphinx?
A. 6 m
5. How high is the Great Sphinx?
A. 20 m
6. When was the Great Sphinx made?
D
A. Around 2500 B.C.
7. What is the Great Sphinx made of?
A. wood B. gold C. limestone D. whitestone
公開研究授業
教
C
科:コミュニケーション英語Ⅰ
研究協議録
クラス名
1-4 基礎クラス
授業実施者:今村先生
司
会:井上先生
記
録:西部
1.授業実施者より説明
日頃英語の授業で英文の概要理解が一番難しいと思っている。そこで,絵を描くことで内
容理解の確認をしたいと考えた。
前回の授業ではテスト返し,席替え,New Words の確認を行い,それを受けての今回の授
業であった。
2.授業観察者からの質問・意見(研究テーマ「興味関心を引き出し、理解を深める指導
の工夫」に関わりながら)
(熊本)英文完成プリント(音読シート)はいつ配布してやらせるのか?
―(授業者)次回に配布し,確認する。
(西部)ノートはどのように作らせているか?
―(授業者)New Words を必ず書かせ,できる生徒には日本語訳も予習させている。
(松田)
「本時の目標」など,新しい形態の授業であった。授業の流れはスムーズで,小さ
なボードの使用も工夫されていた。全般に静かであったが,他の班に助けを求めることが
あればよいかと思った。絵を描くには一人では限界があるので,その際にグループの助け
があればよいと思った。
(井上)絵を描かせるのはこれまでにも試みていたか?
―(授業者)そうだ。絵を描くことで英語を頑張ってみようと思う生徒もいる。
(小柴)オールイングリッシュながらクラスがリラックスしていた。クイズを楽しんでい
た。英語嫌いをなくすのによい。
- 67 -
―(授業者)基礎クラスではあるが,嫌な雰囲気でないのがよい。
(西部)絵の表現はどの程度までを求めていたか?
―(授業者)「首が薄く,体にひびが入っている」のが表現できていればよいと思った。
(井上)スフィンクの大きさに関する英語のクイズで,
「73.5m」と答えた生徒は予習をし
ているのだなと思った。
(川西)自分だったら先に絵を描かせ,その根拠を英文から探させるというやり方をする
かもしれない。
(徳本)自分が高校時代に英語を習っていた時よりだいぶ変わった授業だった。数学でも,
生徒に当てて「合っている・合っていない」というやり方は今はせず,自分で考えさせる
ことに労力を割いている。英語ではどうか?数学では,答えが1つではないこともあり,
オープンエンドの問いも投げかけている。
(堀川)3年生に接していて,自律的な学習の必要性を大いに感じている。
(授業者)どこでグループにし,どこで元に戻すか迷うことがある。オープンエンドの問
いの時は、書かせた後にシェアさせるようにしている。
(村田)Aグループはよく連携していたが,BグループではT君が他の生徒とあまり交流
していなかった。ただ,絵を描く場面では活躍していた。
(松田)課題をどうぶつけ,それを皆がどうクリアするかが大事だ。
4.まとめ
(大道指導主事)実は授業者に授業案についてお願いをしていた。すなわち「 STEP1」
を大きく取り扱ってほしかった。The Great Sphinx is now breaking apart.ということの
把握できればよいと思った。そのためには,第 2 段落のスフィンクスの大きさに関する問
いは導入のクイズにしてサラッと流すだけでよいと思った。
授業者が答えを誘導しようとしているところがあり,少々気になった。生徒の正答に
対して Good とは発言しないほうがよい。
授業での要点は,「生徒は何ができていればいいのか?」「内容理解を通して何の力を
つけるのか?」ということを押さえておくことだ。
活発なグループとそうでないグループがあるのは常のことで,不活発なグループに対
して教師がどうファシリテートするか(援助するか)、教師がどうジャンプインするかとい
うのが我々の課題である。
授業での英語の使用に関して言えば,「先生が英語を使う」でなく,「生徒が英語を使
う・理解する」というのが新学習指導要領の目標である。したがって先生が英語を発した
後に日本語をくっつけるのはしないほうがよい。
- 68 -
[4]家庭科「家庭基礎」学習指導案
広島県立安芸府中高等学校
教諭
1
実施日
平成 28 年 1 月 12 日(火)(5時間目)
2
学年・学級
1年5組
3
題材名
住生活をつくる
4
題材について
近末
知恵
(41 名)
(1)題材観
本題材は,高等学校学習指導要領家庭「家庭基礎」内容(2)「生活の自立及び消費と
環境」ウ「住居と住環境」をふまえて設定したものである。本題材では,生活の場とし
ての住居の条件について考えさせ,安全で快適な住居を選択するために必要な知識を習
得させ,主体的に住生活を営むことができるようにする。
(2)生徒観
クラスの雰囲気は明るく,活発である。発問に対して積極的に答えようとする生徒が
多く,グループでもそれぞれが自分の意見を出し合っている様子がうかがえる。実習に
おいても自分たちで考え行動し他の人にも遠慮をせずきちんと指摘しながら活動して
いる。一方では切り替えが少し遅かったリ,興味関心の持てないような時には消極的で
指示がきちんと聞けていないときもある。授業評価では「わかりやすい」と答えた生徒
が 9 割以上で,課題提出などにむけての意欲が感じられる。住生活に関しては,2学期
の食生活に比べ身近に感じにくく興味・関心が薄いのではないかと推測する。
(3)指導観
前時までに住居の機能と時代による変化やライフステージに必要とされる居住条件と
住まい方を考えさせた。その上で自分のライフスタイルにあった住まいの条件を考慮し
ながら,理解した平面記号などを使って住まいをデザインする作業に取り組ませる演習を取り
入れた。演習を通して平面表示記号を理解し配置しながら部屋作りができているかを確認し,
それぞれの工夫点を表現させ他者の意見を聞くことでさらに関心を高めさせたい。
5 題材の目標
・日常生活を振り返り,その生活行為と生活空間のつながりや住まいの機能について理
解する。
・自分らしい生き方を意識し,自分のライフスタイル(暮らし方や好み)にあった住ま
いの条
件を考える。
・健康と住環境について関心を持ち安心して住めるより良い住環境について考える。
・高齢者などの家庭内事故を防止するためにはどのような安全対策が必要か考える。
6
単元の評価規準
関心・意欲・態度
・住まいの役割や住
空間関心を持ち,自
分の住居に関する知
識を増やそうという
意欲を持っている。
・自らの暮らし方に
思考・判断・表現
・住生活に関心を持ち,自分
の住生活を見直し,家族と住
居の関係について考えてい
る。
・暮らしと住居の関わりにつ
いて,自らの自立と関連づけ
- 69 -
技能
・自立を考えて,
一人住まいに関
わる住生活で住
空間演習や賃貸
物件の探し方な
ど様々な場面で,
知識・理解
・住居に関する基礎的
基本的な知識と技術
を理解している。
・住生活の学習をとお
して,自分の住生活を
見直し,何が必要で何
安全や健康を考慮す
る視点を取り入れよ
うとしている。
・自分の住生活に周
りの人や地域を含め
た広い視野を持てる
ようにしている。
7
て考えている。
学習した内容を
・現代の住生活の問題点を見 生 か す こ と が で
つけ,どのようにしたらよい きる。
かを考えている。
指導と評価の計画(全6時間)
学習内容(時
次
数)
関 思 技 知
1
住居の機能と変
◎
化(2)
○
2
住まいを計画す
る
(3)
本時1/3
○
3
健康で安全な住
○
まい(1)
◎
◎
ができるかを考え,豊
かな暮らしを実現さ
せる方法を理解して
いる。
評価
評価規準
評価方法
ワークシー
・日常生活を振り返り,その生活行為
ト
○ と生活空間のつながりや住まいの機
観察
能について理解する。
定期考査
・住居の平面図からそこに住む人がど
の よ う な 住 ま い 方 が でき る か 考 え ワ ー ク シ ー
る。
ト
○
・自分らしい生き方を意識し,自分の 観察
ライフスタイルにあった住まいの条 定期考査
件を考える。
・住居内における環境が健康な生活に
大きな影響を与えることを理解し, ワ ー ク シ ー
安心して住めるよりよい住環境につ ト
○
いて考える。
観察
・家庭内事故を防止するためにはどの 定期考査
ような安全対策が必要か考える。
8 本時の展開
(1)本時の目標
・平面表示記号・設備の表示記号を理解し,個性的で居心地の良い部屋作りを考え
る。
・自分の考えを表現したり,他の読み取りをしたりすることにより学習を深める。
(2)観点別評価規準
・平面表示記号などを理解し活用することで,自分のライフスタイルに合った部屋
を考え
ることができる。【技能】
・生徒同士で意見を交換し,工夫した点,問題点などを出し合い検討することがで
きる。【思考・判断・表現】
(3)準備物
教科書「家庭基礎 パートナーシップでつくる未来」実教出版,資料集「2015 最新生活ハン
ドブック」第一学習社,ワークシート「住まいをデザインしてみよう」
(4)学習の展開
評価規準
学習活動
指導上の留意事項
(評価方法)
導 ○前時の確認をする。
住居の機能と変化など前時
入
までの学習内容を確認さ
5 ○本時の学習内容を知る。
せる。
分 平面記号などを理解し,さまざまな要
素を考慮しながら住まいをデザインす
る。
いろいろな物を配置してい 平面表示記号・設備の
展 ○主な平面表示記号を理解する。
くことで住空間の広さを意 表 示 記 号 を 理 解 し 記
開
40
識させる。
入できている。【知・
分
理・技】
- 70 -
○住まいをデザインする。
○グループで検討してみる。
○本時の学習を振り返る。
ライフスタイルをイメージ (ワークシート)
させる。
生活しやすい部屋を考えさ
せる。
課題を見つけ,考え,
他の人のできあがった部屋 解決できる。
【思・判・
を
表】
読 み 取 り 情 報 交 換 を させ (行動観察・ワークシ
る。
ート)
ワークシートをまとめ,提
出させる。
終
結 ○次時の確認をする。
5
分
公開研究授業
教科:
住宅情報誌を用いて,賃貸
物
件を探す演習を行うことを
確
認させる。
研究協議録(家庭科)
家庭科
授業実施者:近末
司会:
東
記録:
佐藤
知恵
才訓
好恵
1.授業実施者より説明
年間の流れとして,1 学期は被服,2 学期は食生活と住居,3 学期は保育について学習する
が,本学期はその中でも生活に密着かつ興味がもてる題材ということで ,将来一人暮ら
しを経験する可能性が高い生徒にとって身近な住生活について取り上げた。安全で快
適な住居を 選択す るた めに必要な 知識を 習得 させ ,主 体的に 住生活 を 営むことが でき
るようにすることが目標である。
2.授業観察者からの質問・意見
A:最後のまとめの時間が少し足りなかったのが惜しい。
B:座席の配置に関して積極的な生徒と大人しい生徒をうまく混合し たものになって
いた。
C:班全員で交流しながら楽しそうに学習していた。
D:自分の理想の部屋づくりということで,個性がでていて,間取りについて個々の意
見を話しながら試行錯誤している様子が見えてよかった。
E:シールを貼って楽しむというメルヘンがある活動で ,学習方法が面白かった。
3.研究テーマ「基礎・基本の定着を図る指導の工夫」に関わって
- 71 -
自分の部屋づくりを通した今後の授業の展開:ライフスタイルにあった住まいの条件
として,身近な住宅広告やタウン誌等を持参して,家賃や間取りを比較させて,よりよい
住居選択のできる力を育成していく予定。
4.まとめ
楽しいで終わらず,自分の暮らしの好みにあった住まいの条件を考えることにより ,住
環境についての興味関心を高め ,さらには次回の題材の保育や高齢者に関わって ,住宅
における安全対策や健康と住宅環境についても併せて考えていけるようになることが
目標である。
おわりに
研究紀要第 32 号が完成しました。原稿執筆に多大なる御協力を頂き,心より感謝申し
上げます。
本誌が本校教育活動の充実・促進に一層資するよう,皆様の御意見,御教示を頂ければ
幸いです。
研究紀要・公孫樹
発
行
第 32 号
平成 28 年 3 月
編集者
教務部
発行者
広島県立安芸府中高等学校
〒 735-0004
広島県安芸郡府中町山田五丁目1番1号
℡ (082)282-5311
- 72 -