市場導入進む FFGS のパッケージソリューション 北四国グラビア印刷(香川)が『MJP20W』導入を決定 小ロット・短納期化、高品質要求に応え、より高い付加価値の提供目指す 2016 年 8 月 9 日 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社 香川県に本社を置き、食品などのパッケージ製造を手がける株式会社北 四国グラビア印刷(本社:香川県観音寺市粟井町 755、社長:奥田拓己氏) は、小ロット・短納期対応の新たな生産機として、富士フイルムグローバル グラフィックシステムズ(以下 FFGS)の軟包装用 UV インクジェットプレス 『MJP20W』の導入を決定した。デジタル印刷に着目した背景や、同システム を活用した事業戦略などについて、代表取締役社長・奥田拓己氏に伺っ た。 奥田社長 ■グラビア同等の印刷品質が決め手に 北四国グラビア印刷は、1970 年、奥田 正幸氏が創業。食品や衛生用品などの各 種製品パッケージの企画・デザインから 製版・印刷・ラミネート・製袋までを一 貫して手がける。とくに、パッケージの 製造のみならず企画のノウハウも持つこ とや、全国でも数少ない多色広幅グラビア印刷機をはじめとする充実した生産設備などを 大 き な 強 み と し て い る 。 2015 年 に は 、 食 品 安 全 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム の 国 際 規 格 「ISO22000」認証を取得。さらに、トレーサビリティ機能を持つ基幹管理システムを構築 し、品質保証体制の強化を図っている。 近年では、より質の高いサービスを提供するため、「顧客ニーズの正確な把握と迅速な対 応」 「従業員の意欲向上に向けた施設・制度の整備」 「QC 活動・5S 活動」など、顧客満足・ 社員満足を高める取り組みに力を入れており、2013 年には、その活動内容・成果が評価さ れ、経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選出されている。 今回『MJP20W』の導入を決めた背景について、奥田社長は、 「小ロット化・短納期化が ますます顕著になり、グラビア印刷では対応が難しくなってきた」と説明する。 「現在、2,000m 程度の小ロットの仕事が相当数あり、その割合は増加する一方です。納期 も短縮傾向にあり、しかも企画内容やデザイン案がお客さまの意向で急遽変更になること も珍しくありません。そのため製造工程の短縮・効率化が避けて通れない課題となってい るのですが、製版工程が必要となる、中・大ロットを前提にしたグラビア印刷では、対応 が難しい。そこで、デジタル印刷に着目したわけです」 同社では、グラビア印刷においても校了後 11 日で納品する超短納期プラン『GOLD11』 など、自社一貫製造体制を活かしたスピード納品サービスを展開しているが、さらなる小 ロット・短納期対応を実現するため、デジタル印刷機の導入を決断した。数年前から具体 的な導入機種の検討を進めてきたという奥田社長。最終的に『MJP20W』の採用を決めた 理由について、こう語る。 「最大の決め手となったのは、印刷品質です。グラビア印刷は品質の高さを大きな特長と しており、お客さまもそれを求めていますので、印刷方式がデジタルに変わっても同等の 品質を維持しなければなりません。ですから機種選定にあたっては、たとえばラミネート 強度や印刷濃度などについて、慎重に評価を行ないました。 『MJP20W』は昨年 FFGS さ んからご提案いただきましたが、当時はまだいろいろな面で課題を残しているという印象 でした。しかしこの 1 年の間に品質も格段に上がり、充分、実運用のレベルに達したと判 断しました。また、生産性の高さも採用を決めた理由の一つです。色数によらず、つねに 50m/分を維持できるというのは、生産機として非常に魅力的です。また、データから直接 印刷するデジタル印刷においては、言うまでもなくデータ作成が非常に重要です。当社で はデータ作成を行う企画部門を内製化しているため、デジタル印刷機導入がスムーズかつ その良さを高いレベルで活かすことができると考えています。 」 ■VOC・廃液削減などの環境メリットにも期待 同社は『MJP20W』の導入によって、ニーズの高まっている 2,000m 以下の小ロットの 対応力を強化するとともに、顧客の多様な要望に柔軟に応えるべく、さまざまな活用の可 能性を探っていく考えだ。 「グラビア印刷が苦手とする領域をカバーすることも大切ですが、 『MJP20W』に期待する ことは、それだけではありません。お客さまや消費者の視点に立ち、何が本当に必要なの か、どんなサービスが求められているのかを見極めながら、より効果的な活用方法を見出 し、それを当社独自のノウハウとして確立していきたいと考えています。また、社内的な メリットとしては、小ロット化に伴うオペレーターの負荷の軽減など、作業フローの改善 効果も大きいのではないかと思います」 (奥田社長) さらに奥田社長は、 『MJP20W』の導入について、「環境対策の一環としても大きな意味 を持つ」と強調する。 「お客さまの大切な製品を、環境に配慮された工場から送り出すことは、私どもの使命で あり、お客さまへの付加価値の提供にもつながります。こうした観点から、当社は地域で いち早く“VOC 排出対策”や“廃熱の再利用”など、環境に配慮した仕組みを取り入れて おり、昨年にはグリーンプリンティング認定を取得しました。『MJP20W』も、VOC や廃 液、損紙といった環境負荷の削減に大きく貢献する“環境配慮型設備”として位置づけら れると考えています」 (奥田社長) 食品関係のパッケージを多く手がけているだけに、環境性・安全性に対する顧客からの 要求はきわめてシビアだ。同社は、環境配慮・安全管理に徹底して取り組むことで、その 高度な要求に応え続けている。最後に、今後の展開について奥田社長は次のように語った。 「ISO22000 に基づく徹底した食品安全管理体制と、基幹管理システムのトレーサビリティ 機能、そして今回新たな生産機として加わる『MJP20W』を活かして、いっそうきめ細や かなサービスと、より高い安全・安心をお客さまに提供していきます」(奥田社長) MJP20W
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