(特別)音楽鑑賞会 6 月 5 日(日)BUNKAMURA オーチャードホール —ウィーン・スペシャル・ガラ(ウィーン・フィル 3 人の首席奏者による夢の競演— [曲⽬] モーツァルト:フルート協奏曲 第 1 番 ト⻑調 K313 モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ⻑調 K364 ドヴォルザーク:交響曲 第 9 番 ホ短調「新世界より」op.95 エルガー:威⾵堂々 第 1 番(アンコール) <指揮>飯森範親 <管弦楽>東京交響楽団 今回、特別に⽇墺⽂化協会のご紹介で、急遽(特別)⾳楽鑑賞会を開催。会員・ご家族 含め 40 名の⽅がご参加下さいました。 名⾨ 170 年の歴史を持つウィーン・フィルハーモニー管弦楽 団は⻑年にわたり⼥⼈禁制でしたが、ようやく 97 年から⼥性 メンバーを受け⼊れ始め、今回、史上初の⼥性コンサートマス ターが誕⽣しました。就任したのは、数々のコンクール受賞歴 を持つヴァイオリン奏者アルベナ・ダナイローヴァ(ブルガリ ア出⾝)。加えて今回は⾸席ヴィオラ奏者のトバイアス・リー (オーストラリア出⾝)、⾸席フルート奏者カール=ハイン ツ・シュッツ(オーストリア出⾝)を迎え夢の競演、記念コン サートとなりました。 ⼀曲⽬シュッツのフルートの⾳の柔らかいこと、⾳ののびが 素晴らしい。第⼀、第三楽章の早いパッセージは勿論上⼿いの ですが、特に難しいゆったりと幻想的な第⼆楽章が、とても優 雅で流⽯でした。2曲⽬、ダナイローヴァの⼒強く透明な⾳⾊ に加え、深く滑らかでヴィロードのような⾳⾊のヴィオラ、リ ーとの掛け合いが気持ち良く、素晴らしいアンサンブルでした。 名曲中の名曲の2曲。ごまかしの効かないモーツァルトの⾳楽 を、こんなに⾃然に流れるように演奏できるのは、やはり並み ではありません。3⼈は⾼い技術に加え、素晴らしい⾳楽性で 活き活きとした⾳を紡ぎ、気品あるウィーンの⾵でホールを満 たしてくれました。 後半の「新世界より」は前半とは打って変わって 70〜80 ⼈の⼤ オーケーストラで華やかに聞かせてくれました。⽇本ではお馴染み の「遠き⼭に⽇は落ちて」のフレーズが懐かしい。ラストのピアノ からクレッシェンドしていくところで、突然チェコの街並みや森の 映像がわーと広がったような感覚に襲われ、最後のディミヌエンド の哀愁に満ちた余韻がたまらなかったです。アンコールの「威⾵ 堂々」は⼤変盛り上がりました。 東京交響楽団は新国⽴劇場のレギュラーオーケストラでもあり、 テレビ朝⽇の題名のない⾳楽会でもお馴染みです。正指揮者の飯森 範親のエネルギッシュな指揮ぶりが誠に格好良く、魅了されました。 89 年からバイエル国⽴歌劇場でヴォルフガング・サバリッシュの下で修業、ベルリン・ミ ュンヘンで研鑽を積み、06 年に芸術選奨⽂部科学⼤⾂新⼈賞を受賞。 「のだめカンタービレ」 で指揮指導、映画「おくりびと」の⼭形交響楽団の指揮者で出演していた⽅ですが、なか なかの苦労⼈で、熱⾎漢。今後注⽬したい指揮者の⼀⼈です。 (事務局 松浦登志⼦ 記)
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