第 3 9 0 号 平成 24 年 9 月 1 日 コーケン通信 目 1 【ニュースファイル 次 9月】 高用量メトトレキサートとオメプラゾールの併用注意 2 【はてな ?】 バナナの上手な保存方法について <農林水産省ホームページより> 3 【今月の特集】 ユニバーサルデザインフードについて 4 【ニュースファイル 9月】 4次元放射線治療 株式会社 コ 立体的かつ位置変化も予測 ー ケ ン 〒105-0011 東京都港区芝公園 2 - 9 - 5 向陽ビル TEL. 0 3 - 3 4 3 4 - 7 6 8 1 URL http://www.ja-koken.co.jp/ ユーザー名 : kouseiren パスワード : kokeninf コ ー ケ ン 通 信 【ニュースファイル 9月】 高用量メトトレキサートとオメプラゾールの併用注意 メトトレキサート.ロイコボリン救援療法などに用いられるメトトレキサー トと、プロトンポンプ阻害剤(PPI)のオメプラゾール、エソメプラゾール(商 品名 : ネキシウム)が併用注意となりました。 近年、高用量メトトレキサートとPPIの併用時に、メトトレキサートの血 中濃度の遷延が起こり重篤な副作用を招いた症例が多数報告されています。 高用量メトトレキサート投与を対象とした検討でも、PPIの併用がメトト レキサートの血中濃度遷延のリスク因子となることが示唆されています(オッ ズ比:2.65、95%信頼区間:1.03-6.82)。 詳細な機序は不明ですが、PPIの併用によりメトトレキサートの血中濃度 が高いまま推移する恐れがありますので、特に高用量のメトトレキサートとP PIが併用されている際にはご注意願います。 【 はてな ?】 バナナの上手な保存方法について バナナには、追熟に適した温度があるので、買ってからすぐ冷蔵庫に入れる ことはおすすめできません。バナナの保存適温は15℃と言われており、一回 でも13℃以下にすると低温障害を起こすと言われています。しかも一度成熟 を止めたバナナは、その後うまく追熟できません。また、保存する時は、バナ ナを谷型に置くと下になった部分がつぶれてしまうことが多いので、山形に置 くのが良いでしょう。さらに、バナナはエチレンガスを出し、お互いに成熟を 早めるので、買ったままのビニール袋に密封のままおくと、成熟が早まります。 <農林水産省ホームページより抜粋> (1) (2) コ ー ケ ン 通 信 【今月の特集】 ユニバーサルデザインフードについて 近年、介護を要する人の食品として、また、日常の食事として、食べやすさ・ 使いやすさ・おいしさに配慮した「ユニバーサルデザインフード」が注目を集 めています。 当初の介護食品は、製造に関する規格や表示方法が メーカーにより異なるため、利用者の不便が指摘され ていました。そこで、国内の食品メーカーを中心に、 素材や容器など多くの企業が集まり「日本介護食品協 議会」を設立しました。そして、介護食品の食べやす さ・使いやすさなどの統一規格を制定しています。 協議会では、自主規格に適合する商品が、全ての人 に食べやすいことをコンセプトに「ユニバーサルデザインフード」として、パ ッケージに「UDFマーク」を付与しています。(左図参照) そこで今回は、在宅介護などで需要が高まっている介護食についてまとめて みました。 ユニバーサルデザインフード(UDF)とは、日常の食事から介護食まで幅広 く利用できるよう食べやすさに配慮した食品です。その種類も様々で、レトル ト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物や食事にとろみをつけ る「とろみ調理食品」などがあります。そして、どの食品にも「かたさ」「粘度」 の規格に分類された4つの区分が表示されています。(下表) コ ー ケ ン 通 信 区分1の「容易にかめる」は、普通に飲みこむことはできても、固いものや 大きいものがやや食べづらい人を対象にした食品で、区分2の「歯ぐきでつぶ せる」、区分3の「舌でつぶせる」、区分4の「かまなくてよい」まで、順次に かむ力は小さくても食べられるよう工夫されています。 また、4つの区分選択に際しては、フローチャートが作られており、始めの 目安として、○固いものがかみきれなくなった、○むせやすくなった(時々むせ ることがある)、○口が乾きやすくなった、○歯の治療中であるの項目から一つ でもあてはまる内容があればチャートに従って進んで行くものです。 チャート内の「大きいもの」とは、一般的に一口では食べきれないような大 きさのものであり、 「一口大」は、ティースプーンにのるくらいの量になります。 また、「細かいもの」とは、みじん切り程度であり、「固いもの」とは、以前な ら噛み切れたが、今は噛み切ることができないと感じられる食品を指します。 区分4の「かまなくてもよい」は、飲みこめる状態にまで加工した食品のこと で、裏ごし野菜や、ゼリー状の飲料などの食品です。 ユニバーサルデザインフードは、一般の加工食品と味付けなどは変わりがあ りません。しかし、ベビーフードとしての使用は、控えるよう注意されていま す。ベビーフードとの違いは、①味が濃い、②栄養素が多い、③塩分がベビー フード(0.5%)より高いことがあげられます。 一般消費者1000人(20~60代の男女各100名ずつ)を対象とした介 護食品やユニバーサルデザインフードに関する認知度調査の結果集計によると、 介護食品が市販されていることを「知っている」との回答は、34.2%であり、 年代別認知率では、年代が上がるにつれて認知度は高まっています。一方、ユ ニバーサルデザインフードを「知っている」は、6.8%にとどまっていました が、要食事介護者がいる世帯では、17.0%と認知度は高まっていました。い ずれにしても、まだ十分な認知度ではないようです。 現在、ユニバーサルデザインフードは、介護用品店やドラッグストア、スー パー、百貨店、通販などで購入可能になっていますが、どこでも取り扱ってい るのではないようです。高齢化社会を迎え、ますますニーズが高まる食品であ ると思われますので、これからは、より多くのお店で取り扱われることを期待 しています。 皆さんも、お店の中でユニバーサルデザインフードを見かけたら、是非、手 にとってご覧になって下さい。 (3) (4) コ ー ケ ン 通 信 【ニュースファイル 9月】 4次元放射線治療・・・立体的かつ位置変化も予測 がんを放射線で治療する際、患者の呼吸などでがんの位置が微妙に動くのに 合わせ、がんに集中的に照射する機器の開発が進んでいる。多方向から立体的 (3次元)に照射するのに加え、時間による位置の変化も計算することから「4次 元放射線治療システム」と呼ばれる。 体をベッドに固定した状態で、まったく動かないがんは、脳腫瘍などごく一 部に限られる。肺がんなど多くのがんは、呼吸による肺や横隔膜などの動きに 伴って位置が変わる。肺がんは場所によっては3cm以上、肝臓は1cm程度 位置が変わるという。また、前立腺がんは膀胱の尿量の変化などで動く。 放射線治療は、0.5mm~1cm 程度の誤差で照射できるまで精度が上が ったが、がんそのものが動けば、性能を十分発揮できない。 そこで、がんの動きに合わせて放射線をあてる4次元治療が期待されている。 先端医療センター(神戸市)と京都大病院、三菱重工のグループが開発した4次 元放射線治療機器は、高さ約3mの大きな輪の中心に、治療台に乗った患者が 横たわる。輪の頂点には、治療用放射線の発射口がある。大きな輪の内側が左 右に回転する一方、装置全体は水平方向に回ることで、様々な角度から放射線 を照射できる。 最大の特徴は、放射線の発射口が、がんの動きに合わせて首を振るように動 くことだ。照射を始める前に、左右2方向からのエックス線で体内を透視して、 がんの位置を把握する。これに、赤外線でとらえた腹部の動きの情報を合わせ、 呼吸に伴うがんの動きの予測モデルを作る。照射は、患者の呼吸に合わせ、予 測モデルに従って行う。もし、がんがモデルから外れた動きをした場合は、照 射が自動的に止まる。必要ならばモデルを作り直す。 京都大病院と先端医療センターは、5人の肺がん患者に治療を行い、1人に 30~40分かけて6~8方向から照射したところ、がん以外の正常組織への 照射量は、従来よりも2~3割減った結果となった。 【4次元放射線治療システム】 がんを立体的にとらえて多方面から放射線を照射するだけでなく、臓器の動きに伴うがんの動 きを追尾して照射できるシステム。がん周辺の正常組織への照射による副作用を減らして、がん に集中照射できる。呼吸によって位置が動く肺がんなどの治療に期待される。
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