アメリカ合衆国 - FORTH|厚生労働省検疫所

No.100
アメリカ合衆国で今年初のペスト死亡患者が発生
2009 年 6 月 4 日 ProMED 情報 (C-Health、 AP 通信)
アメリカ合衆国
ニューメキシコ州
アメリカ合衆国ニューメキシコ州で、8 才の男児が腺ペストにより死亡し、10 才の姉
は入院しました。同州の保健当局は、他の人への感染のリスクの有無を調べるため、
その家族の家を調査しています。保健省は、患者発生の場所が Santa Fe (サンタ フ
ェ)郡であることを公表しました。その地域から採取されたノミは CDC で検査される予
定です。保健師らが同地で戸別訪問を行い、ペストがその地域で発生したことを伝え
ました。
CDC によると、米国では毎年 10~15 名がペストにり患しています。
〔ProMED 調整者〕
ヒト腺ペストの徴候は、リンパ節腫脹と疼痛です。腺ペストの潜伏期は 2~6 日で、リ
ンパ節腫脹、発熱、悪寒、頭痛、極度の疲労などの症状及び感染動物やノミとの接触
歴などで疑われます。腺ペストは放置するとペスト菌がリンパ節から血中に侵入・増殖
し、敗血症(敗血症ペスト)や、さらに重篤な肺ペスト、髄膜炎をおこします。抗生剤によ
る治療が行われないと、病状は急激に悪化し死亡します。米国でのペストによる死亡率
は約 14%です。
厚生労働省 福岡検疫所