Earthquake Stress Patient Information - Japanese

患者さんへのご案内
地震によるストレス
不安障害科、CDHB(2011 年 2 月)
二つの大きな地震を経験し、また続く余震の中、私たちの多くがその大きな影響を受けています。
このような激しく動揺させられる出来事が起こった後に、人々が苦痛を感じるのは当然の事です。次のこと
を理解する事は重要です。
・この苦痛は数日間から数週間続くことがあります。
・回復するのには、十分な時間を掛けて、心と身体を癒すことが重要です。
・家族や友人からの支援は回復の手助けになります。
・自分の身に起こった事を誰かに話すことによって苦痛が軽減する人もいれば、その事について話したく
ない人もいます。
・回復する為に大事な事は、「自分がどのようにするか、選択することが出来る」と思える事であり、方
法は何であろうと構いません。
よく見られる反応
大きな地震を経験した事と余震が続く中で、多くの人がその影響を受け、又現在も受けています。
次のような症状を経験する事は、珍しい事ではありません。
・時間の経過と共に増す疲労感や脱力感
・恐れや、神経が張り詰め、緊張し不安な感覚
・寝つきが悪かったり、睡眠中に頻繁に目覚めたり、早く目覚めその後寝つけなかったり、嫌な夢を見る
・すぐにびっくりしたり、危険に対して用心深くなったりする状態
・恐れ、悲しみ、嘆き、罪悪感、自分を責めたり、遺憾、神経過敏、怒り、感覚の麻痺、自分や他人から
の孤立感を感じたりと、さまざまな感情を持ったり、感情の著しい変化
・胸の鼓動や呼吸が早くなったり、震えや発汗や食欲不振、胃もたれなどの不安な症状
・集中力の欠如、決断力や記憶力が鈍ったりすることによる、生産性の顕著な低下
・感情のコントロールができない感覚
・数日または数週間経過しても、地震の事を考えたり突然地震のことが頭に浮かんで思い出したりという
ことが続く状態
・苦痛を感じた出来事が、たった今再び起こっているかのような感覚(例:フラッシュ・バック)
・夢の中にいるような、現実との分離感
・人間関係の中で起こる対立の増加、過剰な防衛本能や社会との接触を避け、ひきこもる状態
次のことを理解する事は重要です。
・余震や(読んだり、見たりするものの)画像やイメージ、特に音や匂い、動きのあるもの(振動や揺れ動
くもの)が、体験を呼び起こすことがあります。
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Stress Japanese 1 April 2011
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・今回の出来事がここに挙げたような症状を引き起こしているという事を理解するので、通常の場合この
ような状態は、数日から数週間の内に徐々に減少していきます。
・多くの人々が、愛する人や家、仕事、また人生において価値のあるものを失いました。嘆きというもの
はこのような喪失に対する当然の反応であり、苦痛や怒り、悲しみ、不信感や罪悪感、無力感という、
様々な形で表れます。人によって反応は異なりますので、「正しい」嘆き方も、その「正しい」期限と
いうものもありません。
対処方法
自分自身に地震の体験に取り組む時間を与える事は、とても大事なことです。対処するのには様々な方法が
あります。以下に挙げる方法は、その一部です。
・自分自身が負担でないのならば、家族、友人、近所の人や同僚と話をしてください。こうすることによ
って孤独感が減少し、あなたの状況を理解してもらう事ができ、手助けに繋がるかも知れません。話を
する事が負担になるようならば、もちろんそうしなくても構わないのです。
・通常の睡眠のリズムを守るように心がけてください。(時々、余震によって中断されてしまうことが
あるかもしれませんが)
・可能であれば、また可能になった時点で、日常の生活パターンを再構築してください。
(例;家事、食事、外部との交流、運動など)
・栄養を考えた食事を、規則正しく摂ってください。
・緊張や不安を緩和する助けになるので、積極的に身体を動かしてください。
・忙しくしたり、リラックスする時間を作ったり、メリハリのある生活を調整してください。
・自分自身が楽しんで満足感を得られるような、前向きな活動を増やすよう、心がけてください。このよ
うに積極的に動くことによって、気分が向上し、くよくよと考える時間を減少させることが出来ます。
人は皆、どのような些細なことでも満足感を得ることを必要としています。
・地震に関する報道を見過ぎないように注意してください。それによって苦痛を増加させることがあるか
らです。地震情報をインターネットで確認する事も同様です。
・現実的なゴールを設定してください。この地震が起こる前のように行動しようとすると、気持ちが参っ
てしまうかもしれません。「地震という出来事が引き起こした現状」を受け入れて、ゆとりをもって考
えることが大事です。
・一度にあらゆることを終わらせようとする事で、疲れ果ててしまわないよう、気をつけてください。
私たちは皆大きな課題に取り組んでいるのです。それは時間の掛かることなのです。
・摂取するカフェインの量を制限してください。一日に4-6杯のカフェイン入りの飲み物を飲むと、不
安感が増したり、睡眠が妨げられる事があります。
・アルコールや気晴らしの為の薬物の使用を増やさないようにしてください。こういったものは、最初は
リラックスできるかもしれませんが、その効果が切れた時に、反動として不安感を増大させ、睡眠のリ
ズムを乱す傾向になります。
こういった事を実行するに当たって、決まったやり方というものはありません。自分に合ったやり方が最も
効果的なのです。
子どもの反応
地震による子どもたちへの影響やその反応は、私たちの共通の心配事です。一般的に、子どもたちは立ち直
りが早いという事を覚えておく事が重要です。
それでも、幼い子どもたちは、べたべたと甘えてきたり、悪い夢を見たり(必ずしも地震に関してとは限り
ませんが)、食欲がなくなったり、また頭痛や腹痛などの身体的な兆候を訴えたりすることがあります。
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子どもたちを支える為に次のことを提案します。
・励まし、力づけてあげてください。今までよりも頻繁に抱きしめてあげる事が必要かもしれません。
・子どもたちの持つ恐怖感は、本人にとって本物なのです。不安から、側にいて欲しがるかもしれません。
子どもたちと一緒にこの話題について話し合ってください。地震の再現をしたり、地震についての絵を
描くことを望む子どももいるでしょう。それでいいのです。
・子どもたちの恐怖心や地震について話すのを、聴いてあげてください。
・この天災について、あなたの知っていることを話してあげてください。何度もくり返し話す必要がある
かもしれません。
・子どもたちがこの話題に触れたときに、あなたの、地震に対する過度の不安感を見せないようにする事
は大事です。子どもたちはこの不安にすぐに気づきます。
・子どもたちが見る、テレビやマスコミの報道を制限してください。
・友達と遊んだり、(学校が再開したら)通学を再開するというような、日常生活のリズムに戻る事は大
事なことです。
・食事や寝る時間などの規則的な生活を過ごしてください。
・もし、子どもたちが攻撃的になったり、怒りを表すようになったら、その行動は許されないという事を、
躾けとして断固とした姿勢で対応してください。
その他の援助
全ての人にとって、今回の地震や余震が続いている事は今もまだ脅威となっています。しかし、覚えておい
てください。
・この類いまれな状況において、人々が体感している事は正常な反応であり、異常な事ではありません。
・ほとんどの人はこの状態から回復できますが、それには数週間や数ヶ月かかることがあります。
・この困難な状況から抜け出すことが難しい人も、数パーセントいます。
もし、症状が改善されないようであれば、一般開業医を訪ねて、あなたの症状に適合した支援機関の紹介を
受けてください。また、特別ヘルプライン 0800 777 846 に電話をして相談することもできます。
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