始業式式辞(PDF:173KB)

始業式 式辞
平成28年度がスタートしました。皆さん一人ひとり「本年度はこうしてやろう」
と言う思いを胸に秘めていることでしょう。皆さんには色々なところでお話をする
機会があると思いますが、今年も私のお話は「5分以内」を約束します。
では・・・・ストップウォッチ!
さて、私は昨年度皆さんに1年間ずっと、3つの内容について、エピソードを交
えながらお話しすると約束しました。それは、
1 「命はすべてに優先する」
2 「結果に結びつかない努力はある。しかし、無駄な努力はない」
3 「本当の強さは優しさの中にある」
の3つでしたね。覚えているでしょうか。
本年度は、それに加えて
4 「世界的(全体的)視野」を持ち「地元(足元)で地道に」活動しよう
という内容を追加します。これは、
「環境問題」を考えることから始まった言葉で
す。英語で、
「Think globally Act locally」と言います。例えば、中国の工場で発
生した PM2.5 と言う粒子が日本まで飛んできて、私たちの健康に被害を与えている
と言う事はニュース等で聞いたことがあると思います。このような場合「それって、
中国の問題だから、そっちで何とかして・・・」と言っていては私たちの健康被害
は決して解決しません。地球規模で考えなくてはなりません。一方、地球規模の問
題だからと言って「世界では、世界では・・・」を連発していても、
「世界、世界と
気安く言うな!!」と、あるテニス選手に怒られてしまうだけです。
「大気汚染を何
とかするために『私は』PM2.5 を減らす事はできないけれど、ごみを燃やす量を少
しでも減らせれば、大気中に出される排気ガスを減らせます。だから、ごみをしっ
かり分別してリサイクルをしっかりすることを心がけます。
」と自分の出来ることか
ら行動することが大切だと言う事です。
ですから、
「世界的規模で考え、地元から地道に活動しよう」なのです。
これは、何も世界規模の話だけではありません。
「僕は日本国民として」
、
「菊川市
民として」
、
「今菊西中生として」
・・・・という広い視野を持ち、
「私は学級で、地
域で、こうします」という、身近な活動が求められます。
例えば、菊川市は昨年「主婦が住みやすい町、中部地方で第一位」になりました。
「私たちが、住みやすい菊川にするために」という広い視野を持ち、
「私は、登下校
の途中道であった人に『おはようございます』
、
『こんにちは』と挨拶します。
」とい
う身近で行動します。ということです。
さて、この写真を見てください。一目で外国人と分かるこの子たちは私が前任校
の河城小学校にいた時に1日だけ学校見学に来た子達です。河城の子ども達にこの
子達、実は現在高校1年生の先輩と同じ 16 才になる年の子なのですが、1日だけの
交流ではもったいないので Email を使って、文通を続けてみないかと呼びかけてみ
ました。外国語活動をしている 5,6 年生が少し英語を使えるので 5,6 年生に呼びか
けてみました。もちろん小学生の英語で出来る話は限られているので、子どもたち
が日本語で書いてきた手紙を私が英語に翻訳して Email で送り、向こうから来た返
事をまた、私が日本語に訳して子ども達に渡すと言う方法でした。
最初は男女とも希望したのですが、やっぱり文通相手が女の子と言うことで男の
子は最高3往復で、全員終了してしまいました。
この2人の子の方も金髪の子は1年間続いたのですが、黒人の子の方はすぐに終
わってしまいました。金髪の子と河城小の女の子たち8人くらいが1年くらい続い
きましたが、ある時、彼女たちの手紙を訳しているとこの金髪の子、Jillian と言
う子なのですが「中学校の卒業式に着て行くドレスを選びに行った」と話していま
す。河城の子は「どんなのか見たい」と返事し、
「じゃあ写真送ってあげるね」と言
うことで送られてきた写真が、これです。
みなさんが「ドレス」と言う言葉で想像していたのと比べてどうでしょうか?河
城の子達はどうやら、おとぎ話の西洋のお姫様が着るみたいなのを想像していたよ
うです。
「なんだ、普通のワンピースじゃない!」とちょっとがっかりです。しかし、
アメリカではワンピース型の服をすべて「ドレス」といいます。この文通をとおし
て河城の子どもたちは「こんなのもドレスって言うんだ」と学びました。
また、こんな事もありました。彼女たちはアイスクリーム談義をしています。河
城の子が「アイスクリームはサーティワンのがおいしいよ」というと Jillian が「サ
ーティワンって知らないけれど、私はバスキンロビンスのアイスクリームが好き」
私はちょっと前にアメリカの「バスキンロビンス」が日本では「サーティワン」と
言う名前で店を出していたのを知っていたので、笑いそうになりました。ここでは、
河城の子も Jillian も「サーティワンとバスキンロビンスが同じアイスクリームシ
ョップであること」を学びました。どうして、バスキンロビンスをサーティワンと
言うか知りたい人は、暇なときに校長室までどうぞ!!
このように、外国の人と友達になると色々な文化の違いを体験できます。大きく
目を世界に向けてください。そして日本大好き、菊川大好きになってください。そ
して、菊川のために「ひとつ」でいいからボランティア活動をして欲しいのです。
それが、あなたたち、特に進路決定を1年後に控えた3年生にとっても大切な経験
となると思います。
以上、皆さんに一層の活動をお願いして始業式の式辞といたします。