平成20年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業) 大学教育の

平成20年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)
大学教育の国際化加速プログラム(海外先進教育研究実践支援(研究実践型))
新融合研究領域展開プロジェクトの支援 (近似アルゴリズムの統一的設計法)
東北大学 大学院情報科学研究科
助教
伊藤 健洋
1.渡航期間,渡航先
平成20年10月15日~平成20年12月13日(60日間)及び
平成21年 1月 5日~平成21年 3月20日(75日間)の期間,
ベルギー・ブリュッセル自由大学に滞在.
ホストは Stefan Langerman (FNRS Senior Research Associate)
2.ブリュッセル自由大学(アルゴリズム研究グループ)の教育研究体制
アルゴリズム研究グループの教育研究の特色の一つが,未解決問題セミナー
である.このセミナーでは,週によって異なる発表者の講演を基に,参加者全員が
一丸となって研究に取り組む.講演者の分野は,計算機科学の分野内で幅広く,
新しい知識を得ることができる一方で,多少土壌が違っていても研究に参加できる.
これは,博士・修士課程の学生が多角的な視野を持てるよう教育する事に役立っ
ている.
その一方で,少人数(2,3人)による長期型研究を通した教育も行われている.
これは,一般的な大学の教育研究体制であると思われる.研究の総指揮を取る教
授や准教授と,その補佐的役割を果たす助教やポスドク研究員といった若手研究
員により,学生の研究指導がなされていた.ブリュッセル自由大学の恵まれている
点は,ポスドク研究員の多さである.特に,ディスカッションが研究の主となるこの
分野において,同年代の若手研究員と切磋琢磨できる環境は貴重である.とりわ
け博士課程の学生にとって,同年代の研究員と共に苦しみながら1つの論文を書
き上げる事は,大きな成長になる.
私の専門とする研究分野では,大きな実験を伴わないため,巨額の研究費は必
要ないように見られがちである.しかし,研究員同士の Face-to-Face の交流,ポ
スドク研究員といった「物ではない」部分の充実が,研究だけでなく教育上も如何
に大切か実感した.