DESIGN SECTION OF 100TH NIKA ART EXHIBITION 2015 65 一般社団法人 二科会デザイン部 本部事務局 リポート編集部 〒104-0033 東京都中央区新川 2-12-13 松下ビル 6F(株)アド壱座内 2015 10月31日 発行 第100回記念 二科展が開催されました 連綿と日本の美術を牽引してきた二科展が、第100回という記念 すべき展覧会を9月2日から9月14日まで、 国立新美術館で開催いた しました。 9月2日の午前10時からのオープニングセレモニー、テープカット が公益社団法人二科会田中良理事長、デザイン部今村昭秀理事 長、彫刻部、写真部の代表と国立 新美 術 館館長、N HK 厚生文化 事業団理事長により幕を切って華々しく始まりました。 も目立ちました。 今 年のC部門は「農林水産業と観 光との連 携」をテーマとした ポスターを募集し、広島の樽谷香菜子さんの作品が農林水産大臣 賞を受賞しました。棚田の写真を配したポスターデザイン。日本の 地形風土に適した耕 作風景が、 日本の原風景を醸し出し、観る人 達に美しさをも感じさせる棚田を表 現したポスターデザインでし た。観光庁長官賞の広島の竹田桂子さんのグリーンツーリズムのポ スター。安定した技量を持ったグラフィックデザイナーの巧みなポス ター作品でした。 また、今回は第100回記念ということで、新しく二つの試みが行わ れました。 10 0回記念ロゴを配した、10 0回記念ポスターをデザイン部会員 の有志により制作され、B1サイズの作品を絵画部の中の特設ブー スに展示し、小型のポスターをデザイン部の会場に展示しました。 オープニングセレモニーで紹介される各部代表と国立新美術館館長、NHK 厚生 文化事業団理事長。右端が今村デザイン部理事長。 今年のデザイン部への総応募数は1313点で、名前、県名も伏せ た厳 正なる審査の結果、A部門(自由・ポスター部門)は103点の入 選作が選ばれ、B部門(イラストレーション)は102点、C部門(農林 水産業と観光との連携をテーマとしたポスター)には65点、D部門 (マルチグラフィック) には67点の入選作品が選ばれました。会員作 品が10 6点・会員の10 0周年ポスターが 4 2点と会友作品が 6 8点と で、合わせて553点の作品が会場に展示されました。 今年は、第100回記念二科展デザイン部大賞が設けられ、A部門 の中島亜弥さん (佐賀) の作品が選ばれました。 二科デザイン・ポスター大賞には東京の所正泰さんの作品が選 ばれました。 B部門の二科デザイン・イラスト大賞には鳥取の眞先貴子さんの 作品が選ばれ、特選賞には東京の梅 村 誠さんの、細密な断片が 集積してひとつの大きな犀を表現した独特な技法の作品が選ばれ ました。 D部門の二科マルチグラフィック大賞には、千葉の飯野宏高さん の作品が選ばれ、特選賞には、 タイのSUPOT SINGSAIさんの作 品が選ばれました。今回は日本国内だけではなく、外国からの応募 1 もうひとつの試みは、 4部を越えた作品を展示するというコラボ 展示を行いました。絵画部、彫刻部、デザイン部、写真部、の方々に よるネコ百態。ネコの写真作品、ネコのイラスト作品、ネコの彫刻作 品等を展示するネコだらけのスペースを設けました。 「遊び」をテーマに彫刻部の会員とデザイン部の会員のコラボ作 品展示もありました。 デザイン部の岩田 明会員の樹脂粘土の繊細な表現作品と彫刻部 の神田毎美会員の電気コードを彫刻媒体とした不思議なコラボ作品。 彫刻部の西村文男会員とデザイン部の渡辺亘章会員との、木の 彫刻と紙の彫刻が見事に融合した巨大なコラボ作品。部を越えた コラボ作品は初めての試みでしたが、今までにない作品世界が展 開されました。 第10 0回記念二科展は、国立新美術館での入場者が10万人を 越える盛況でした。六本木での本展の終了後、新潟展、東海展、大 阪展、京都展、広島展、鹿児島展、熊本展、福岡展と全国巡回展を おこないます。 2 伝統ある歴史の誇りを これからも継承したい 第100 回記念 二科展デザイン部授賞式 第100 回記念二科展デザイン部授賞式が9月5日(土)正午を待 って国立新美術館3階の講堂で開催された。司会は新らしく加藤 之敏会員。 今村昭秀理事長の挨拶(内容別掲)の後、御来賓18名の紹介が 一人づつ行なわれ会場からは歓迎の暖かい拍手が送られた。そし て来賓を代表し、田中 良公益社団法人二科会理事長様から式典 へ向けてご祝辞を頂いた。 農林水産省 三浦正充氏 観光庁 吉田雅彦氏 表彰の初めは、この日集った、入選者、準入選者。向後武男会員 から全員の名前が読み上げられ、それぞれの総代表者に今村理事 長より賞状が手渡された。続いて特別テーマの部に移り「農林水 産業と観光との連携」をテーマとしたポスターの奨励賞と特選賞 の賞状が同理事長より授与された。 特別テーマ部門はテーマが幅広く要約すると(1)日本の食と観 光(2)グリーンツーリズム(3)デイスカバー農山漁村(むら)の宝 (4)感動に会える国日本 と四つに分かれており制作者はそのなか の一つを選択して制作する課題であった。その一つ、観光庁長官 賞の受賞者に、現観光庁長官、久保成人様代理、観光庁観光地域 振興部長吉田雅彦様より賞状が手渡されご祝詞では端緒に着い たこの事業を農水省との連携で真剣に取り組んでゆきたい。と云 う主旨を述べられた。続いての課題、農林水産大臣賞は現農林水 産大臣林 芳正様代理、農林水産省農村振興局農村政策部部長 三浦正充様から授与されまたそのご祝辞の中で、此のテーマ(4) の作品に触れ難しいアプローチの中、日本の源風景の棚田をモチ ーフにして「感動に出会える国、日本」が簡潔に表現されていて素 晴らしい作品だと思う、と云う旨の感想を頂いた。 次の自由テーマ・ポスターの部での奨励賞、特選賞、二科デザイ ンポスター大賞と今回に限りの100 回記念二科展デザイン部大賞 は田野 勝副理事長から授与され、イラスト部門の奨励賞、特選 3 賞、イラスト大賞、マルチグラフィック部門の奨励賞、特選賞、マル チグラフィック大賞は縄田健次副理事長から手渡された。 次いで会員会友部門では、会友賞の授与に次いで会友推挙者9 名が、会員推挙者7名が新たに加わり今後のデザイン部の活動に 新らしい力を添えることになった。そして栄光の会員賞と会員努力 賞が今村理事長より手渡された。最後を飾り、堀川佳英業務理事 の制作した受賞全作品収 録のスライドが華やかに上映されて式 典第一部が終了した。 式典の第二部は懇親会である。吉田隆至業務理事の司会で開 幕、田野 勝副理事長の挨拶と乾杯の音頭で始まり会場は一転し て賑やかに、美味しい料理と飲物で和やかで楽しい会話が会場 を満たした。地区毎の仲間同志の写真撮影やら名刺の交換、さま ざまな応答や会話が交差して時間が流れる中、縄田健次副理事 長の来年に向けた激励の言葉と中締めをして名残惜しくも閉会と なった。 当日のご来賓をご紹介いたします(敬称略・順不同) 農林水産省 農村振興局農村政策部 部長 都市農村交流課 課長補佐 都市農村交流課 係長 三浦 正充 志田麻由子 古賀 広喜 公益社団法人二科会 理事長 常務理事 常務理事 常務理事 観光庁 観光地域振興 部長 観光地域振興部観光地域振興課 地域競争力強化支援 室長 観光地域振興課 企画係長 吉田 雅彦 伊藤 嘉規 村岡 正之 学校法人原宿学園東京デザイン専門学校 理事長 常務理事 唐木 孝視 田波 哲二 一般社団法人二科会写真部 理事長代行・常任理事 理事長代行・常任理事 事務局長 森井 禎紹 蜂須賀秀紀 片岡 順一 の皆様です。ありがとうございました。 日本デザイン専門学校 キャリアサポートセンター長 理事 事務局長 田中 良 生方 純一 川内 悟 野 毅 山中 宣明 塙 珠世 小島 啓吾 4 第100回記念 二科展デザイン部受賞者名簿 二科賞 該当作品なし A 部門 自由テーマ ポスター ★ 第100 回記念 二科展デザイン部大賞 中島亜弥[佐賀] ★ 二科デザイン・ポスター大賞 所 正泰[東京] ★ 特選賞 飯野宏高[千葉] Tunyakarn[静岡] 長谷川広典[静岡] ★ 奨励賞 CHOTIWAT[静岡] 西村公記[高知] 田 承爀[福岡] 水野博之[岐阜] B 部門 自由テーマ イラスト ★ 二科デザイン・イラスト大賞 眞先貴子[鳥取] ★ 特選賞 梅村 誠[東京] 徳永倫子[大阪] 椎名惠子[埼玉] ★ 奨励賞 田尻恵理菜[大阪] 宗本真里奈[徳島] 鈴木輝夫[東京] KANITTA[静岡] 5 C 部門 特別テーマ ポスター ★ 農 林水産 大臣賞 樽谷香菜子[広島] ★ 観光庁長官賞 竹田桂子[広島] ★ 特選賞 高畑泰顕[広島] 吉田夏樹[佐賀] ★ 奨励賞 溝淵 渚[香川] 田中 光[広島] 古木美桃[山口] 松村綾香[静岡] D 部門 マルチ グラフィック ★ 二科デザイン・マルチグラフィック大賞 飯野宏高[千葉] ★ 特選賞 井下京子[奈良] SUPOT[静岡] 藤原栄子[大阪] ★ 奨励賞 多屋光孫[東京] 山梨峻太朗[東京] 細松美佐子[大阪] 宇田川美紀[埼玉] 新会員・新会友紹介 ●新会員 ★ 会友推挙 多屋光孫[東京] 所 正泰[東京] 細松美佐子[大阪] 石飛洋司[広島] いさかせつこ[東京] 村尾美穂[兵庫] 工藤 信[愛知] 眞先貴子[鳥取] 宇田川美紀[埼玉] ★ 会友賞 A 部門 久保俊介[山口] 五十嵐ゆか[鹿児島] 末政左代子[高知] C 部門 永柄英之[佐賀] BD 部門 久郷真理子[山口] ★ 会員推挙 川原幸治[佐賀] 奥野美樹[大阪] 宇野美保子[大分] 清永律子[熊本] 東 俊介[富山] 延時秀一[鹿児島] ミルヨウコ[京都] ★ 会員賞 A 部門 高羽賢一[千葉] 山崎 誠[東京] 手島健司[高知] C 部門 稲田敦己[大阪] 石黒初彦[三重] 今村昭秀[神奈川] BD 部門 佐土嶋文香[福岡] ★ 会員努力賞 周東勝郎[埼玉] 佐藤一典[埼玉] 多良淳二[佐賀] 川原 幸治[佐賀] 東 俊介[富山] 奥野 美樹[大阪] 延時 秀一[鹿児島] 宇野美保子[大分] ミルヨウコ[京都] 清永 律子[熊本] ●新会友 多屋 光孫[東京] 村尾 美穂[兵庫] 所 正泰[東京] 工藤 信[愛知] 細松美佐子[大阪] 眞先 貴子[鳥取] 石飛 洋司[広島] 宇田川美紀[埼玉] いさかせつこ[東京] 6 第100回記念展を迎えて 一般社団法人 二科会デザイン部 理事長 からこそ、つながり、つながっていくのだと思います。この100回記念 展は過去の栄光に想いを馳せ、甘えるのではなく、未来への出発展 です。出品された皆さんの作品には、それぞれ「いま」が表現され ていましたが、展示されている作品群のそこには明日への、未来へ の予感、予兆が満ち溢れていました。 今村 昭秀 第100回二科展デザイン部に応募され、厳しい審査を経て準入 選、入選、受賞された皆さんおめでとうございます。心よりお祝いを 申し上げます。 日頃は二科会デザイン部にさまざまなご配慮、ご協力をいただい ているご来賓の皆さまには休日にも関わらずご臨席賜りましてあり がとうございます。 特別テーマ「農林水産業と観光との連携」の設定に後援ください ました農林水産省・観光庁様に改めて御礼申し上げます。 二科展は今回100回記念展となります。この記念展に先駆けて東 京都美術館で、日本美術の開拓者たちがここに集う「伝説の洋画 家たち」二科100年展。が開催されました。そこには日本の美術史 上の傑作が一堂に展示されていて、二科展の歴史はそのまま日本 の近代、現代美術の歴史でもあることを改めて実感しました。そん な歴史や伝統ある二科展に現在のデザイン部である商業美術部が 創設されたのは65年前になりますので、デザイン部としては今回が 65回展となります。 歴史とか伝統とか言うと古いイメージがありますが、 「いま」「こ こに」だけではなく、過ぎ去った時代や遠い過去にも想像力をめぐ らせることも必要かと思います。こうして過去、現在、未来がつなが れていく二科展は守るべき価値があり、伝えるに値するものがある 7 二科展デザイン部は出品者、会友、会員、その人と作品と観賞者が それぞれイマジネーションを触発し合い、感性を磨く空間であり、ス テージであり、メディアでありたいと思っています。どんなに時代が 変っても、そこには変らない二科精神、二科スピリッツがあるから、 あったからこそ「これまでも」 「これからも」持続するのだと思いま す。この持続こそが一過性のコンペやコンクールとは違う公募展で ある二科展の特長であり、魅力でもあります。皆さんにもこの持続 する二科スピリッツのリレーに加わっていただきたいと思います。そ のためには来年も出品してください。皆さんの意欲作が二科スピリ ッツをつなげ、伝えてくれることになります。次回作も楽しみにして いることをお伝えして私の挨拶とさせていただきます。 8 特別テーマポスター展 「農林水産業と観光との 連携」に寄せて 農村振興局長 末松 広行 この度、二科会デザイン部第100回展の特別テーマ「農林水産業 と観光との連携」に入選・入賞されました皆様に心からお祝い申し 上げます。また、今回の特別テーマに対しまして関心を寄せ、作品を 制作し、ご応募いただきました皆様へ感謝申し上げます。 農山漁村には、棚田をはじめとして、観光資源として高いポテン シャルを持つ様々な宝があります。また、和食が平成25年12月に ユネスコ無形文化遺産へ登録されるなど、世界的にも我が国の伝 統的な食文化への注目が更に高まる中、様々な郷土料理やこれと 深い関わりを持つ伝統文化、生活文化に触れることができる農山 漁村における体験活動にも関心が高まっています。 一方、昨年我が国を訪れた外国人は1,300万人を超えましたが、 その多くは東京や大阪など大都市を訪れているのが現状です。こう した外国人も含めた国内外の旅行者に農山漁村を訪問していただ き、地域の活性化につなげていくためには、農山漁村地域を訪れて みたくなるように、地域の魅力をいかにして国内外へ発信していく か、ということが重要となっています。 こうした状況を受け、農林水産省と観光庁は、我が国の農山漁村が 有する魅力と観光需要を結びつける取組を推進し、農山漁村の活性 化と観光立国の実現を図るため、 平成26年1月に「農観連携の推進協 定」を締結し、地域の農林水産物・食品等を活用した観光地域の魅 力の向上と発信、農林漁業体験や農家民宿への宿泊等のグリーン・ ツーリズムによる新たな観光需要の開拓を推進しているところです。 今回のポスター展における、地域色豊かな食、美しい農村風景、 生態系豊かな森林や海など、日本が「ふるさと」としてイメージする 様々な魅力が表現された応募作品に心から敬意を表するとともに、 記念すべき第100回のテーマとして「農林水産業と観光との連携」 を選定し、すばらしいポスター展を開催していただいた、二科会 デザイン部関係者の皆様に深謝いたします。 農林水産大臣賞を受賞された最優秀作品を始め、入選作品に込 められたイメージをできるだけ多くの方々に鑑賞していただき、農山 漁村のすばらしさを感じ取っていただければ幸いです。 9 10 審査会での感想 会員 手島 健司 7月25日・26日、1年間の熱い思いが込められた作品の審査が張り 詰めた緊張の中、国立新美術館審査室で行われました。 作者名も地域も過去の実績も伏せた状態で、審査員50%以上の 手が上がれば入選。また、受賞候補作品をセレクトした受賞審査で は挙手の多い順に受賞順位が決まり、同点があればその場で挙手し 明確に順位が決まって行きます。たった1票で入選・受賞を逃してしま うこともあるシンプルであり冷酷とも言える審査会です。しかし、少し 温情もあります、入選に1票足らないときは審査進行係が「後1票で入 選ですよ!」と声をかける、迷っていた審査員はとたんに手を上げ50 %以上に達する、厳格な中でほっとする瞬間でもあります。 審査会には全国から毎年約80人ほどの会員(審査員)が集まり 絶対的な多数決で決まって行きます。では多人数の多数決であれば 選ばれる作品が平均化するのではないか、オリジナリティあふれる 個性豊かな作品が埋没するのではないかと思われそうですが、デザ イン部の趣旨〈デザインによる表現の可能性を追求すると共に、デ ザイン芸術に対する新しい価値を創造し、もってデザイン文化の発 展と向上に寄与する。〉のもと明確な審査基準(オリジナリティ、グ ラフィック・アート性、時代感覚、テーマと目的性、卓越した技術と 完成度)と審査員がそれぞれの持つ主観性をあわせ含みながら審 査しますので、平均的によくできた作品より、アバンギャルドなメッ セージ性のある作品が評価される事が多いです。出品者の皆さん 来年は新しいステージとなる101回展です“デザインによる表現の可 能性を追求した”攻めの作品を期待しております。最後に、今年も スムーズに行われた審査進行をお手伝いいただきました会友の皆 様にお礼を述べたいと思います。 11 第100回記念 二科展デザイン部 ギャラリートーク 今年は二科展が100回を迎える記念すべき年となり、デザイン部 ギャラリートークでは担当会員と会友が一体感を持って記念二科 展のために特別に作られたTシャツを着用した。またギャラリートー ク参加者には第100回記念二科展オリジナルバッグを進呈した。こ の第100回記念二科展Tシャツとオリジナルバックは公益社団法人 二科会さんより快く提供、協力していただいた。感謝。 9月6日(日)午後1時30分、第100回記念二科展デザイン部ギャラ リートークが始まった。最初に縄田健次副理事長の挨拶、次に各部 門の会員・会友・一般受賞者たちの作品解説に入った。 今回のギャラリートークは部門別に作品に対する思いや制作過 程などの他に、作品の部門と画材(素材)及び平面・立体の区別無 く、その表現法について語って貰った。 現在、デザイン部作品郡は制作過程上での限定としてではある が、手描きとコンピュータを融合させた作品が増えて来ている。例え ば手描きの作品をデータ化しプリントしたもの、或いはそのプリント 面に更にコラージュや手描きの要素を加えた作品、下描きや基礎素 材はコンピュータで制作し、作品に仕上げる過程は手作業というペ ーパークラフトなど、複数の表現法を取り入れた作品の制作過程を 語って貰ったのが、今回のギャラリートークでもあった。 このように手描き作品とコンピュータ作品、そして手描きとコンピ ュータの融合作品が観られるのはデザイン部だけである。どのよう に作品表現しているのか?という、もう一つの視点を意識して鑑賞 してみると、きっと違った感動を発見することが出来るだろう。 そして、来年は「画材(素材)」とは何か?を深く掘り下げたギャラ リートークが出来れば良いと考えている。 12 受賞作品寸評 河地知木会員 A部門 第100回記念 二科展デザイン部大賞 中島亜弥[佐賀] A部門 二科デザイン・ポスター大賞・会友推挙 所 正泰[東京] 昨年に続き連続の大賞受賞お めでとうございます。長い時を超 えレベルを保つことは大変なこと と思います。その努力と実力に敬 意を表します。作品のイラストレー ションの技法や表現は全く申し分 ありません。 メディアとしては個展のポスタ ーでしょうか、コピーに和文情報 も加えれば画廊を訪れたい人にも わかりやすくなるのでは。今後は 展覧会出品用作品であれ伝達用 デザインとしての形を整えてはい かがでしょう。今後の活躍と努力 を期待するとともに、加えて二科 展隆盛のためにさらになる研鑽を 御願いいたします。 A部門 特選賞 飯野宏高[千葉] 100年に一度の賞の受賞、おめでとうございます。つまり 二科展始まって以来初めての賞の受賞者として記録・記憶 に残る訳です。 作品については、イラストレーションの絵としての技法や 表現は申し分ありませんが絵としての、何を伝達したいポ スターなのかその目的がやや曖昧です。しかし今回はそれ らを超え、卓越した個性的、かつ躍動感にあふれた表現で はあるのですが。今後はデザインとしてのあり方の研究をし てほしいものです。たしか三度目の受賞とか、若いベテラン として今後もおおいにいに活躍を期待すると同時に、二科 展隆盛のためにもさらなる研鑽を御願いいたします。 特選賞受賞おめでとうございます。他部門でも受賞とのこと、しかもトップ です。すばらしいですね。作品の印象は白が美しいと思いました。 イラストレーションの技法や表現はフォルムに個性もあり申し分ありませ ん。A 部門作品でメディアとしてはポスターでしょうか。あえて苦言を呈せば D部門との違いが曖昧だったと思います。 今後は展覧会出品用作品であれ視覚伝達用のデザインとしての形をとるよう にしてはどうでしょう。更なる緊張感が増すと思います。今後の活躍と努力を 期待するとともに、 加えて二科展隆盛のためにさらになる研鑽を期待します。 13 14 受賞作品寸評 河地知木会員 A部門 特選賞 Tunyakarn Anuchachart[静岡] A部門 奨励賞 CHOTIWAT PUNNOPATHAM[静岡] 奨 励 賞受 賞おめでとうござい ます。 イラストレーションの表現は少 ない色のモノトーン。美しいです ね。フォルムもいい。タイポグラフィ と構成がしっかりすれば次の作 品はもっと良いものになるでしょ う。何かを伝えるポスターの形を を考え整えてください。今後の研 究、積み重ねを期待し、次回の作 品を楽しみにしています。 特選賞受賞おめでとうございます。 作品はバンコクを流れる大河チャオプラヤ 川流域の賑わいを描いたイラストレーションでしょうか、 雰囲気がよく出ています。 イラストレーションとしてはぬるっとしたc.g.描画が多い中、マチエールが 生かされたなつかしい表現で好感が持てました。メディアとしてはポスター でしょうか。次回には展覧会出品用作品であれ視覚伝達用のデザインとして の形を整えるとさらに現実的に良い作品になると思います。タイポグラフィ などをちょっと研究してみてください。今後の活躍と努力を期待します。 長谷川広典[静岡] A部門 特選賞 特 選 賞受 賞おめでとうござい ます。 西村 公記[高知] A部門 奨励賞 奨 励 賞受 賞おめでとうござい ます。 連 続ですね。レベルの持 続に イラストレーションは不思議な 敬意を表します。格言のようなコピ 動物?、植物?、または?、その不 ーがはいっていますがこの描かれ 思議さが 魅力です。絵は充分力 た女 性 が いっているのでしょう 量があります。加えて次はタイポ か。あえて苦言を呈すれば、若そう グラフィをしっかりさせればもっ な女性の姿とやや遊離している様 と良い作品になるでしょう。今後 に私個人は思いました。 の研究、積み重ねを期待し、次回 イラストレーションはコピーとの の作品を楽しみにしています。 相乗的な関連性が重要だと思い ます。併せてタイプフェースの選択 も大切です。 イラストレーションはレベルを 持っておられるので次はその辺に 力を入れられればいかが。 次回を期待します。 15 16 受賞作品寸評 河地知木会員 田 承爀[福岡] A部門 奨励賞 受賞作品寸評 松本泰明会員 B部門 二科デザイン・イラスト大賞・会友推挙 眞先 貴子[鳥取] 奨 励 賞受 賞おめでとうござい ます。 懐かしい表現技法ですが、かえ って新鮮です。 「 distribution」を どのような意味で捉え、表現して いるのでしょうか。散 乱か、頒布 か、はたまた何か?見るところ建 造現場のようですね。配布すると の意味でしょうか?、写真が良い ですね。 休憩しないでもっと良い作品を 多数期待します。和文コピーも入 れると良いと思います 東南アジアの国の下町、昼間は洗濯物が掛かっていたと思われる、通りに 張った紐にフラッグのみが存在するということは、昼間の喧噪が終わった薄 暮か、白々と夜が明けてきた早朝であろうか? 何気ない風景が「実は動物の 化身が住んでいた」と思わせる、シュールな静寂感が心に響く作品。 複雑な街と動物のイラストレーションを細密画にしないで、色の濃淡で立 体感と奥行きを表現した明快さが良い。特に右のブルーの色が秀逸。 水野 博之[岐阜] A部門 奨励賞 奨 励 賞受 賞おめでとうござい ます。 描かれた絵は見たこと無い「も の」の視覚化。とは言え何となく 「顔」思いがけない出会いを描い 梅村 誠[東京] B部門 特選賞 単純明快・大胆でシンプルなフ ォルムで構成した迫力のある作 品。犀の肌の質感がズームすると、 細かいナットや機械・電子部品の 集合体であることが判明する。 た作品。メディアとしてはポスター 近未来的な動物画の創造。同 ですね。この絵を見た人の感想や 系色でまとめた事で、よりスゴ味 反応やが聞こえてきそうで面白い を増している。周りの空きのスペ ですね。次回出品 作は展覧会用 ースも計 算されていて心地 良い 作品であれ視覚伝達用のデザイン 秀作。 としての形を整えるとさらに現実 的な良い仕事になると思います。 イラストレーションに加えタイポグ ラフィにも力を入れられてはいか 17 がですか。さらなる研鑽と力作を 期待します。 18 受賞作品寸評 松本泰明会員 徳永 倫子[大阪] B部門 特選賞 B部門 奨励賞 田尻恵理菜[大阪] 独特な個性あるイラストレーシ 作家の個性溢れる、アクリル絵 ョン。極端にデフォルメされたキ 具によるイラストレーション。画面 ャラクターが自分のベビーであろ からはみ出る大きなフォルムと小 う卵を割って、食べようとしている さな少女のイラストの対比が興味 瞬間がドラマチックで、ユーモラ 深く、ストーリー性を感じさせ、シ スに表現され、思わず引込まれて ュールで深淵な世界を巧みに表現 しまう、コンテンポラリーなイラス している。特にザラザラ感のマチ トレーション。色彩もバックの木目 エールが工夫され、イラストレーシ 模様とマッチしていて美しい。 ョンを引立たせている。全体をモ この傾向で、この作家がこれか ノクロームでまとめ、目の部分のみ ら昇華していく過程を注目したい。 赤いワンポイントで表現したとこ ろが効果的である。 椎名 惠子[埼玉] B部門 特選賞 B部門 奨励賞 宗本真里奈[徳島] 達 者で個性 豊かなアクリル絵 一見コミック誌のキャラクター 具によるイラストレーション。立体 のようであるが、コミック感を抑 感に溢れ、特に目の描写が良く、 え、複雑な構成をシックな色彩で 画面を引締めている。全体の色彩 まとめ、Love & Happiness の世 も 統 一 さ れ て い て心 地 よ い 。 界を表現している。ペン画にカラ CIRCUSのタイポフェイスもイラス ーインクで着色したように見える トレーションにマッチしている。 達者なイラストレーション。SFの Welcome to the Show の文 世界へ引込まれるようで、ストーリ 字は無くても良いのでは?必 要 ー性豊かな作家の心象風景が感 であれば、他の場所に小さくレイ じられる秀逸な作品である。 アウトすると更に素晴らしい作品 となる。 19 20 受賞作品寸評 松本泰明会員 鈴木 輝夫[東京] B部門 奨励賞 受賞作品寸評 松本篤子会員 C部門 農林水産大臣賞 樽谷香菜子[広島] 稲穂が色づき始めた棚田の風 景写真を基に、コンピュータグラフ ィックでイラストレーションに仕上 げています。パステル画風のタッ チが優しく、のどかな秋の雰囲気 を醸し出しています。白地の空間 とキャッチフレーズ、ロゴマークの バランスがよく、すっきりとしたレ イアウトになっています。日本の ふるさとをイメージし、懐かしさを 覚え素直に共感できる作品になっ ています。 立体作品で唯一の受賞作品である。3D映画のように前面に飛出しそうな 迫力のある作品。 個々のパーツは良く出来ているが、周りのビル等少し多く複雑になり、心 の中のストーリーを出し過ぎた感がある。ビルを少なくして、キャタピラーの 付いた乗り物と人物・階段等のパーツで構成してみても良いのではないか? 画面に躍動感があり、作品創りを楽しんでいる作者が想像できる。 B部門 奨励賞 KANITTA MEECHUBOT[静岡] 幻想的で巧みなコラージュ作品 である 。独 特な 色 彩と感 性 で 、 C部門 観光庁長官賞 竹田 桂子[広島] 澄み切った青空にやさしい男性 の顔と農漁村風景を、星形を連ね 「不思議の国のアリス」の世界、自 て描いたリズミカルなイメージの 然を守護する映画「アバター」の イラストレーションが魅力です。要 シーンを思わせる、シュールな世 所に配置した色合いが画面をた 界を表現している。 のしくしています。山並みと都会 ファミリーの写真等が挿入され 風景のシルエットによって、 「 グリ ているが、作家のルーツを辿る旅 ーン・ツーリズム」の意図が分かり を表現しているようにも思われる。 やすく、また説得力もあります。全 空きのスペースも計算されてい 体的にカラーバランス、レイアウト て、画面の広がりを感じさせなが 共によく完成度の高い作品です。 ら、スッキリとまとめられている。 21 22 受賞作品寸評 松本篤子会員 高畑 泰顕[広島] C部門 特選賞 C部門 奨励賞 溝淵 渚[香川] 日本古来の伝統漁法「鵜飼い」 をモチーフにしたデザインです。 黒色と金色のコントラストが見事 で、蒔絵を思わせる美しさが印象 的です。ロゴマークの扱いも行き 届き大胆且つ繊細、分かりやすく 目を引かれます。究極のモチーフ だけに、テーマとの距離感があっ たかもしれませんが、格調があり 存在感のあるポスターになってい ます。 「和食」ならではの味わいに欠かせない、香味野菜などを擬人化したユー モラスなデザインです。清潔感のあるすっきりとしたレイアウトで、キャッチ フレーズが生きています。食材と人体を組み合わせてリアルに表現しなが ら、テーマ「日本の食でおもてなし」をクリアするという制作者の発想は見事 です。観るほどに不思議に納得できる作品です。 吉田 夏樹[佐賀] C部門 特選賞 C部門 奨励賞 田中 光[広島] カラフルで明解、農村風景の温 もりのあるイラストレーションはわ くわくする楽しさです。制作者自 身が楽しみながら描いている、そ の心情が表れてほのぼのとした仕 上がりになっています。遠近感の ある構図もよく、キャッチフレーズ もリズミカルに配置。子供から年 配者まで皆に親しまれ共感しても らえる、ポスター本来の役目を果 たした作品です。 瀬戸内海の鞆の浦港を撮影し、モノクローム写真に仕上げて大胆でシン プルなレイアウトにデザインした作品です。地方が持つ日常的な風景がモノ トーンの色調にすることでノスタルジックな雰囲気を醸し出し、得も言われ 23 ない魅力を出しています。見応えのある写真は言葉よりも説得力があり、美 しい日本をアピールするに相応しいポスターです。 24 受賞作品寸評 松本篤子会員 古木 美桃[山口] C部門 奨励賞 受賞作品寸評 たかいよしかず会員 D部門 二科デザイン・マルチグラフィック大賞 飯野 宏高[千葉] 日の丸を連想させる真っ赤な皿に、 野菜の部分を使って日本の景色を描 いた単純ながら意味深い作品です。シンメトリーなレイアウトに思い切りのよ さが伺えます。ロゴマークの色を意識した色使いは、バランスよくモダンで 鮮やか。日章旗をイメージしたのでしょうか、テーマを熟慮したインパクトの あるデザインになっています。 松村 綾香[静岡] C部門 奨励賞 Animals3 Animals4 著:Hirotaka Iino と、タイトルがついている所から動物を テーマにした本の表紙を想定した物と思われます。実際作品を見れば一目瞭然なの ですが、なんと背表紙がついているのです。マルチグラフィック部門は小さいサイズ の作品を集めたもののように思われがちですが、この方のように本の装丁を想定し たものや、CD ジャケット等もっと何の為に作られた作品かという事が分りやすい物 があってもよいと思います。そういう事で言えばこの方は見せ方の勝利だったのでは ないでしょうか?いまにも画面から抜け出てきそうなリアル感モノトーンを基調に眼 だけ色を入れて動物の生き生きとした表情をうまくとらえられた作品だと思います。 D部門 特選賞 井下 京子[奈良] この作品は審査のときから気に なっていた作品です。1 次審査で 作品を見る時間はすごく限られて います。その中でいかに作品がア ピール出来るか?素材の質感をう まく生かし、下手をすると手芸っ ぽく見える所をうまく処理し、特 選に選ばれたと思います。個人的 には一番下の画面の緑の部分は、 もう少し細かくてもよかったので はと思いましたが、デジタル作品 画面いっぱいに広がる黄色が印象的です。柔らかい線書きのイラストレー ションはメルヘンを思わせます。女の子の夏休みのある日を想像させ、初め ての体験に喜び感動する様がストレートに伝わり共感できる作品です。レイ アウトにひと工夫あればさらにグレードアップ。健やかで素直な気持ちがデ ザインに表れています。 25 が多くなって来ている昨今、この ように細かい作品を時間をかけ て丁寧に作り上げるその姿 勢に 好感が持てます。風景以外にもこ の技法を使った新しい作品を期 待します。 26 受賞作品寸評 たかいよしかず会員 D部門 特選賞 SUPOT SINGSAI[静岡] D部門 奨励賞・会友推挙 多屋 光孫[東京] お名前を見る限り、ペンネーム なのか、はたまた海 外 の方なの か、その作品から醸し出される不 思議な空気感。見ようによっては 呪術のような少しこわいイメージ も感じられる作品にも見えます が、その圧倒的な画力の前に「こ わさ」というより不思議さが勝った という事だと思います。作者の中 ではこの3 枚で物語が構成されて いるのかもしれませんが、 特に左 下の作品の木で出来た人形の一 部(あえて顔を出さない)を見せる 事により、見た人がいろいろな事 を想像させられる所もよかったの ではないでしょうか? 毎年この方の作品は楽しみにしていました。この3 年間毎年賞に入るとい う実力のある方です。デフォルメの仕方・文字の入れ方・色使い、そのどれを とってもセンスの良さが感じられます。個人的には毎年モチーフに選ばれて いるプロレスラーのシリーズが好きです。何年か前の審査の時に10 点ほど出 品してこられたのには驚きました。昔はそういう作家の人達もちらほら見受け られましたが最近はそこまで熱心な方がへって少し残念です。一度壁画のよ うなおおきな作品が見てみたいと思わせる作家さんです。 藤原 栄子[大阪] D部門 特選賞 D部門 奨励賞 山梨峻太朗[東京] 一目見て「かわいい」と言わず にはおれない作品なのではない でしょうか? 一見無機質な針金やステンレス という素材を使っているものの、 このような楽しい作品に仕上げて いる所がすばらしいと思います。 けれども素材に頼りすぎると次回 作からの展開が難しくなって行く (モチーフを変えるだけでは飽き られてしまう)という事もあるので 更なる進化を期待します。賞を取 る近道としてこの方のように今ま でイラスト作品としてはあまり見た 事もないような素材で作品を制 作、勝負するというのは大いにあ りだと思います。 ミシン・アイロンと形は少し古い物ですが,身近にある物をテーマにその 形から来るイメージの広げ方がとてもうまいと感じました。2 点並べた背景 の色のバランスも良くこのイラストから想像される物語、例えばミシンの工 事現場の作業員の人達が何を作っているのか?アイロン船の水兵さんは布 の海を何処を目指して航海しているのか?宝島はみつかったのか?など物 語があれば読んでみたいと思わせる作品でした。今回の作品と同じようなレ トロ家庭日用品シリーズで、作品を作られると面白いと思いました。 27 28 受賞作品寸評 たかいよしかず会員 D部門 奨励賞・会友推挙 細松美佐子[大阪] この方も結構賞の常連さんで素材の面白さ とモチーフのマッチングが絶妙だ と思います。 関西では楽創会という会員・会友が一般出品者の方の作品にアド バイスするという勉強会が定期的に開かれているのですが、 この方は毎年まじめ に出席され作風を自分の物にされた方だと思います。特に昨年からつづく不思 議海洋生物シリーズ、 シルバーの質感とポイントに使っている色が良い具合で す。個人的には昨年の魚が道具になっている作品が面白いと思いましたが・ ・ ・ 今回会友に推挙されたという事で更なる作品のレベルアップを期待します。 D部門 奨励賞・会友推挙 宇田川美紀[埼玉] 会友推挙の喜びの声 石飛 洋司[広島] 会友推挙 今、思うこと この度は、会友推挙を頂き、本当にありがとうございます。感謝の気持ち でいっぱいです。これも皆様の励ましと応援あってのことと思っています。 まだまだ私は成長の途中にあると思っています。まだ何か、新しい自分を 見つけることが出来るような気がしています。 更に精進し、より高いレベルの作品制作を目指したいと思います。ご指 導、よろしくお願いします。 会友推挙 いさか せつこ[東京] とにかく1 度見たら忘れられな い作品です。ネコへの愛情ネコが 大好きという事はどなたが見ても 伝わって来る作品だと思います。 今まではネコが入れ物に収まった 静の作品が多かったのですが今 回は蝶やカエルを出す事によって 動きのある作品になっています。 その仕事の丁寧さには毎年脱帽 しています。個人的には昨年の特 選賞を取られた作品がいまでも心 に残っています。作品は常に前に 作った物を超えれるレベルのもの が、作れるのかという自問自答を 繰り返しながらレベルアップして いってほしいと思います。ネコ以 外にもどんな作品を作られるのか とても興味のある作家さんです。 29 一歩を踏み出す 会友に推挙して頂き有難うございました。 「今年も出品することができた」 という喜びと達成感で10年続けて参りました。会友推挙のお話を頂いた時 は、自信もなく、まだまだだという思いがあり悩みましたが一歩足を踏み出 す勇気も必要かと思い直しました。 初心を忘れず、会友の名に恥じない作品作りに努力したいと思っておりま す。どうぞよろしく御指導お願い致します。 30 会友推挙の喜びの声 会友推挙 会員推挙の喜びの声 村尾 美穂[兵庫] 会員推挙 感謝しています 川原 幸治[佐賀] 長そうで短かった32年 今まで会友の方、会員の先生方 振り返ってみれば、初出品から に支えて頂き、ここまで来る事が 3 2 年という年月が流れていまし 出来ました。本当にありがとうご た。一度は全国公募展に挑戦し、 ざいます。二科に出逢えて、絵とい 入選してみたいという軽い気持ち うものは本当に奥が深く、やりが で応募したのが始まりでした。当 いのあるものだと感じました。そし 時会員の方と言えば雲の上の存在 て絵を描く事は凄く楽しいことだ であり、あこがれでもありました。 と思いました。まだまだ足らない 今その立場に推挙され、一般出品 私ですが、今回会友推挙を頂くこ 者にどう思われているかちょっと とになりました。本当に先生方に 不安ではありますが、自分なりの は感謝しています。ありがとうご 会員像つくり今後の活動や作品 ざいます。少しでも恩返しが出来 作りにいかしてまいります。 ればと思っています。どうぞよろし 最後になりましたが、これまで くお願い致します。 ご指 導いただきました諸先輩方 に御礼申し上げます。 会員推挙 奥野 美樹[大阪] 会員推挙いただいて この度は第10 0回という華々し い開催の時に、会員推挙していた だき誠にありがとうございます。 思い起こせば、大学の授業の課 題で作品を制作したことが初めて の出品でした。あれから今日まで 歩み続けることができたのも、ご 指導くださった諸先生方と、家族 の協力の賜物であると大変感謝 しております。幼い頃の絵を描く 事、デザインする事が大好きで楽 しくて仕方がなかった頃の気持ち を忘れず、これからもがんばって いきたいと思います。よろしくお願 いします。 31 32 会員推挙の喜びの声 会員推挙 宇野美保子[大分] 会員推挙 東 俊介[富山] 忘れられない年に innovation この度は会員推挙いただき、誠にありがとうございました。今年は第100 innovationとは 新しい物などの導入という意味の言葉です「新しい物を生み出す」という 回二科展という記念すべき年とも重なり、私の人生において忘れる事の出 意味でよく使われています。新たな価値を創造し社会的に大きな変化をもた 来ない特別な年となりました。この日を迎えられたのも、響先生をはじめ北 らす自発的な人組織、社会の幅広い変革を意味します。今回の作品につい 陸地区デザイン部の仲間達、同会の諸先生方、そして私を支え、励まし、応援 ては「丸円」は個々の発想をあらわし徐々に広まり面になり流動的になり変 してくれた父と母、家族のお陰だと深く感謝しております。これからも二科会 革を続け広まるというコンセプトの上でデザイン致しました。 デザイン部会員の名に恥じぬよう精進しますので、宜しくお願いいたします。 会員推挙 清永 律子[熊本] 何で私が・・・ 二科に出品しつづけて早や25 会員推挙 延時 秀一[鹿児島] 忘れられない言葉 まだ20代の頃、九州二科展では 年が経ちました。もう年も年だし、 じめて賞をいただいた時に勤務先 そろそろ終りにしようと思ってい の上司が大変喜んでくれました。 そ たところ、思いがけなく会員推挙 の時の言葉が今でも忘れられませ とのこと、たゞたゞもうびっくりし ん。 「 人は一生勉強だ。若いうちに ています。これまでこれたのが奇 自分がどの道で成長するのか決め 蹟としか思われません。 なくてはならないが、君は二科を これも先生方のおかげだと心よ り感謝しております。 この後もどうぞご指導の程よろ しくお願い致します。 選んだ。大変素晴らしい。生涯か けてがんばれ」 と。 まだ若かった私 の胸に深く響いた言葉でした。 今の私があるのは二科の先輩 方をはじめ、 多くの周囲の方々の導 きに他なりません。今回を機に少し でもご恩返しができればと考えて います。有難うございました。 33 34 会員推挙の喜びの声 会員推挙 特別展示企画 4部会員有志コラボ展示 ミル ヨウコ[京都] 自由に大らかに このたびは会員にご 推挙いた だき、ありがとうございます。 初出品のときには、この会が何 年もかけて会友・会員となるシステ ムだとは知りませんでした。 昨年の4部会議において第100回記念二科展の特別展示企画とし て4部(絵画・彫刻・デザイン・写真)会員が同一テーマによる作品を 制作展示するイベントとして「コラボ展示」は実現しました。 コラボ展示のコンセプトは、二科展の100回記念企画だからといっ て二科の名称・歴史など名誉や格式のイメージで束縛された思考で はなく、単純明快であり柔軟で自由に新感覚の発想(閃き)で一作家 として楽しめる作品創りという「新しい表現価値」のコンセプトで行こ うとコラボ委員会は一致しました。 そんな私がこれまで続けられた のは、愉快な仲間達、温かい先輩 達のお陰です。感謝しております。 これからは会員として「どうい う作品を作るのか?」を、会の内 部からも外部からも問われること でしょう。 気持ちも新たに、自由に大らか に美を探求し、それを皆様にお返 ししていきたいと思います。 チャリティー展にデザイン部も協力。 二 科ショップコーナーで 絵 画部 、彫刻部 、デザイン部 、写 真部 の会員によるチャリティーコーナー(小 作品)を設けています。今 年もデザイン部会員3 4名(6 0点)が 協力出品しました。会期の初 めにデザイン部の作品がほとんど売れてしまい、壁面が寂しい状 態になってしまいました。最 終日までには他の作品もほとんど売 却されました。ありがとうございました。収益 金はN HK 厚生文化 事業団や被災地への義援金として寄付されました。 そのコンセプトの基で、約二ヶ月間と2回のコラボ委員会会議の 後、メインテーマが「遊び」サブテーマが「ネコ100態」が決定して4部 会員に参加を募りました。僅かな期間の参加呼びかけにも関わらず4 部合計で115名という予想を遙かに超えた参加会員数となりました。 (デザイン部は45名で1番の参加数となりました。) 準備期間は1年足らずでしたが、新しい二科展の風を感じた4部会 員有志は4月に行われたコラボ展示説明会に全国から半数以上も積 極的に参加してもらえた事でも期待感はありました。 チャリティー展協力会員 35 末永 鐵男 曽我阿嬉子 石倉 舞り 松岡 榮 村井 滉 吉田 隆至 花山院路子 杉森 孝 多留 利治 岩田 明 今村 昭秀 堀川 佳英 たかい よしかず 中村 繁 宇夫方康夫 松本 泰明 出渕 光一 古河原二葉 松本 篤子 和田 貞男 杉本 洋一 佐土嶋文香 多田 晋 吉田 勉 河地 知木 高羽 賢一 松河 哲男 平石 年 伊藤 鉄雄 日吉 和夫 田中 誠 宮﨑 敬司 斯くして第100回記念二科展において、 コラボ展示会場は大変な 賑わいとなり観客の顔という顔が素敵な笑顔で溢れていました。 そして、参加してくれた各部会員たちの多くの声は、楽しんで作品 が制作出来たことに本展出品作品とは違った、 コラボ展示の意義を 感じてくれていました。これこそ、二科会趣旨の理念でもある「新し い表現価値」を感じとってくれたのだと確信いたしました。 来年の第101回二科展でもコラボ展示は継続されます。 更に生長あるジ ャンルを超えた新感覚・新表現のコラボ展示になればと願っております。 36 第100回記念 二科展 全国巡回スケジュール 各地区事務局・支部のお知らせ ◎デザイン部の公募活動は会員・会友のいる地域を中心に行なわれています。規定書の請求、 作品の搬入・搬出のお問い合わせなどは最寄りの各地区事務局・支部をご利用ください。 二科会デザイン部本部事務局 〒104-0033 中央区新川2-12-13 松下ビル6F ㈱アド壱座内 ☎03-3297-0398 FAX03-3297-0397(岩崎友太郎) ●本展覧会 会 場/国立新美術館 会 期/平成27年9月2日より9月14日で終了 ● 東北・北海道地区事務局 〒010- 0001 秋田市中通3-4-47 チサンマンション秋田310 ☎018-831-3979 FAX018-831-3979(佐藤待子) 展示点数/155点(デザイン部作品) ●地方展覧会展示 開 催 期 間 会 場 平成27年 新 潟 展 9月20日 ∼ 9月29日 新 潟 県 民 会 館 東 海 展 10月 6日 ∼10月12日 愛知県美術館ギャラリー 大 阪 展 10月27日 ∼11月 8日 大阪市立美術館 京 都 展 11月24日 ∼12月 6日 京 都 市 美 術 館 担 当 響 076-263-3761 岩 田 052-321-2738 田 野 ● 東京地区事務局 〒150- 0012 静岡支部 ● 北陸地区事務局 〒920- 0015 富山支部 06-6411-8408 吉田(隆) 0744-45-3848 ● 中部地区事務局 〒460- 0011 愛知支部 平成28年 広 島 展 1月 5日 ∼ 1月10日 広 島 県 立 美 術 館 鹿児島展 3月11日 ∼ 3月20日 熊 本 展 4月 5日 ∼ 4月17日 福 岡 展 4月19日 ∼ 4月24日 鹿児島県歴史資料センター 黎明館 縄 田 090-1016-2140 延 時 099-228-0093 熊本県立美術館 福 岡 市 美 術 館 石 倉 三重支部 岐阜支部 ● 関西地区事務局 〒556-0021 096-325-7538 京都支部 小 路 大阪支部 0952-29-2636 巡回展作品管理 堀川会員 ● 中国地区事務局 〒732-0057 山口支部 作品集に以下の誤りがありましたので ここに訂正して、お詫び申し上げます。 受賞者名簿(オレンジ頁) 誤→長谷川宏典 正→長谷川広典 P.10 多留利治 会員 ● 四国地区事務局 〒799-0405 香川支部 誤→100回出品作品 正→ 37 徳島支部 高知支部 金沢市諸江町上丁4545-1 大楽荘8号室 ☎076-263-3761 FAX076-263-3761(響 恵一) 〒939-0341 射水市三ケ3275 サンシャイン小杉301 ☎0766-55-4877 FAX 0766-55-4877 (東 俊介) 名古屋市中区大須4-9-17 サンパーク上前津203 クリエイティブハウス・グロウ内 ☎052-264-4636 FAX052-264-4636 (岩田 明) 〒498-0021 弥富市鯏浦町上巳343 ☎0567-67-1988 FAX0567-67-1988 (佐藤達美) 〒516-0064 伊勢市二俣2- 4-1 石黒ビル2F ㈲ポップ・アイ内 ☎0596-22-5464 FAX 0596-22-2295 (石黒初彦) 〒509-0136 各務原市松が丘2- 53-1 えのぐばこ内 (渡辺幾夫) ☎058-370-5842 FAX 058-370-5842 大阪市浪速区幸町1-3-16 メゾンリエール 601 ㈲パン・クリエイティブスタジオ内 ☎06-6567-1958 FAX06-6567-1960 (田野 勝) 〒550-0015 大阪市西区南堀江3丁目4番8 KCビル ㈱京田クリエーション内 ☎06-6535-1655 FAX 06-6535-1645 (吉田隆至) 〒550-0015 大阪市西区南堀江3丁目4番8 KCビル ㈱京田クリエーション内 ☎06-6535-1654 FAX 06-6535-1644 (由良雅一) 広島市東区二葉の里1-1-72 GKDビル703 縄田健次デザイン戦略研究所内 ☎090-1016-2140 FAX082-238-6813 (縄田健次) 〒745-0801 周南市久米313 -10 ☎090-7894-8354 (久保俊介) 四国中央市三島中央2-3 -11 ㈲チョウノ・デザイン内 ☎0896-24-4521 FAX0896-23-2001 (高橋秀司) 〒762-0025 坂出市川津町4068-1 ☎0877-45-9734 FAX 0877-56-2408 (出淵光一) 〒771-1192 徳島市応神町古川 四国大学デザイン室内 (坂野美恵子) ☎088-665-9528 FAX 088-665-8037 〒780-0963 高知市口細山193-3 ☎088-844-6268 FAX 088-844-6268 (森本忠彦) ● 九州地区事務局 〒840-0032 佐賀市末広2-11-10 Design Studio SHOW 内 ☎0952-29-2636 FAX 0952-29-2675 (小路久男) P.31 伊藤鉄雄 会員 誤→会員賞 正→会員賞トル P.49 出水華代 会員 誤→第100回作品の中に文字の混入 佐賀支部 P.63 川原幸治 会友 誤→会友推挙 正→会員推挙 大分支部 P.115 渋谷区広尾1-3-14 ASAX広尾ビル5F オーバードライブ内 ㈲ポッドデザイン ☎090-8850-6187 FAX03-5475-8222 (佐藤一典) 〒437-1201 磐田市豊浜中野461 ☎0538-55-5875 FAX 0538-55-5875 (加藤之敏) 福岡支部 誤→長谷川宏典 正→長谷川広典 宮崎支部 P.149 誤→坂東未記 正→板東未記 熊本支部 P.201 入選者名簿 誤→長谷川宏典 正→長谷川広典 鹿児島支部 〒816-0903 大野城市乙金台1-3-12 ☎092-515-6842 FAX092-515-6842 (末永鐵男) 〒840-0806 佐賀市神園5-11-9 ☎090-2507-8298 (川原幸治) 〒870-0163 大分市明野南2-23-3 ☎097-556-9592 FAX 097-556-9592 (根之木英二) 〒880-0951 宮崎市大塚町田渕ヶ原4065-1 ☎0985-53-8866 FAX 0985-39-8140 (土居武文) 〒860-0082 熊本市西区池田2-19-38 ☎096-325-7538 FAX096-325-7538 (石倉舞り) 〒891-1204 鹿児島市花野光ヶ丘2-39-7 ☎099-228-0093 FAX099-228-0093 (延時秀一) 38
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