H27.11月

2
safety
&
useful
発行 No218
0 1 5
年
1 1
月
1 0
日
㈱ マ ル ジ ン
福井 TEL 0778-27-7200 FAX0778-27-7201
名古屋 TEL 0586-81-1895 FAX0586-81-1896
新潟 TEL 0258-94-5772 FAX0258-94-5773
福島 TEL024-983-3970 FAX024-983-3971
ここ一カ月、気温は低めで晴れ続きという天候でした。雨の日が続き 日照時間が短くなるとともに冬の到来・・・
と、いう流れの毎年とくらべれば ほんとうに珍しい雨の少ない一ヶ月でした。
晴れて、12月並の寒さも 私達の現場作業においては 作業に一番快適な気候です。
手元足もとゆるむことなく 作業に集中でき 仕事の出来高も 多分かなり上がっ
ていたはずです。
しかし、いかんせん まだまだ仕事に追い付いていないのが現状です。
社員も増えた、モノレール資機材も どんどこどんどこ投資している・・・のに 何
故??
はあ・・・ありがたいことですが それを上回るお仕事のご依頼です。
「これ以上はお受けするのは難しい」と 取り決めているのに
担当それぞれが「なんとかひとつ」というお客様のご依頼に 「わかりました」と 返
事をしていることもあります。
なんとかお客様のご希望に沿いたい・・・そういう気持ちが 仕事量も膨れ上がらせている要因かと思います。
しかしながら「お受けしたのであれば 万難を排して 成し遂げる」というのも マルジンイズムです。
頑張りの上に頑張る そんなマルジンマンの昨今の毎日です。
長期予報では11 月は一転 あたたかくなりそうだとか・・・またそれもありがたいことです。
「雪前に・・・」「雪前に・・・」なんとか 仕事に追い付きたいものです。
横浜のマンションに傾きが発生した報道から 毎日いろいろな情報が出てきています。
「基礎の杭を打ち込む業者が 強固な岩盤まで到達しない短い杭を打ち込んでいた」
「その 会社は○○でその作業クルーが データーも改ざんしていた。全国で○箇所そのクルーが施工している」
「工期が迫っていたため 長い杭では間に合わなくなるので 手抜きをしたのではないか?」
「データー改ざんが他でもあった。しかし 横浜の作業クルーとは違う」
「設計の時点で 地質調査のボーリングポイントとは 2m違うところに杭を打ち込んでいる」
工事の裏側が ぼろぼろと出てきているように思います。
私達のモノレールを含む工事も 思い当たる点が多々あるところです。
「安全第一」誰しもが口にし 「事故」は一番恐れています。でも 事故は起きています。お蔭様でマルジンのモノレール
を利用されている現場で死亡されるような事故は起きていませんが 他人ごとではありません。 「ひやり!」「はっと!」
することは 日々起きています。そして、当社のモノレールではございませんが 死亡事故が発生したこともありました。
今朝の新聞にも 庭師の方が 高くない脚立からすべり落ち 運の悪い事に 下にあった刈り込バサミが腹にささり
搬送先の病院で亡くなったという記事が載っていました。
昔、近所の人も 家の石垣を積む仕事の際に 50cmの高さから後ろに返り 打ち所悪く亡くなったということもあります。
「低い仕事」だから「つい足場も固めず」「気を抜いた」のかもしれません。どんなところにも危険は潜んでいて 誰にでも
「ついうっかり」というヒューマンエラーはあるわけです。
どんなに口やかましく「気を付けるように」と言ったところで 100%なくなるものではありません。
だからといって 注意する事すら無駄というわけでもありません。ついうっかりのヒューマンエラーは誰にでもあるし、明日
かも 今日かもしれないのです。そのことを忘れないようにしたいものですね。
お 知 ら せ と カ レ ン ダ ー
マルジン 11 月のカレンダー
日
月
火
水
木
金
土
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寒暖の差がきびしいそうです。
11 月 12 月は 暖冬傾向ではありますが
寒暖の差が厳しいようです。
体調も モノレールの調子も
整えつつ 一年の締めを!
S&Uだより
株式会社 マルジン
11 月第 218 回は~モノレールの安全鑑定~について
安全鑑定とは、農業機械を「安全鑑定基準及び解説」
に基づいてチェックし、基準に適合する一定水準以
上の安全性を有するかどうか判定するものです。国
立研究開発法人 農研機構 生物系特定産業技術研
究支援センター(生研センター)が、製造 業者ま
たは輸入代理店などからの依頼によって安全鑑定
を行っています。鑑定の
結果 は、依頼者に通知さ
れるとともに、基準適合
機は農林水産省に報告さ
れます。また、基準適合
機には「安全鑑定証票」
を貼付することができます。
◎単軌条運搬機とその装備するブレーキ
空中に架設された一本のレール上を走行する、い
わゆるモノレールは鉄道や遊園地だけではなく、工
事現場や農作業現場でも採用され、特に農業用途で
は果樹園等での運搬作業を中心に、幅広く利用され
ています。
農用のモノレール(以下、単軌条運搬機)には
非乗用型と乗用型があります。非乗用型の機械は動
力車であるけん引車と荷物台車から構成され、人が
乗るための座席は設置されておらず無人での走行
が前提です。発進は地上の作業者が発進停止レバー
を発進側に倒すことで行い、停止は軌条(レール)
に設置した停止稈(ストッパー)により発進停止レ
バーを停止側に戻すことで行います。乗用型の機械
はけん引車と荷物台車の間に、傾斜に応じて角度を
変えられる座席を備えた乗用台車を連結しており、
停止稈による自動停止だけではなく、運転者が任意
の場所で手動停止させることができます。
単軌条運搬機は急傾斜地で作業を行う場合が多
く、万が一の暴走等を防ぐための安全対策として、
けん引車には駐停車ブレーキ・降坂ブレーキ・緊急
ブレーキが、乗用台車にも駐停車ブレーキ・降坂ブ
レーキが装備されています。生研センターの実施す
る安全鑑定では、規定される条件の下でブレーキの
性能試験を行っています。
◎降坂ブレーキ
単軌条運搬機は、降坂時の制動を主にエンジンブ
レーキにより行っており、この補助として降坂ブレ
ーキが働いています。降坂ブレーキは、けん引車や
乗用台車に装備され、遠心力によりブレーキシュー
がブレーキドラムに押しつけられる構造になって
います。何らかのトラブルでエンジンブレーキの効
きが悪くなった場合には、若干の速度上昇が生じて
降坂ブレーキの制動力がより高まり、速度をほぼ一
定に保つ役割を果たします。
生研センターの実施する安全鑑定では、規定の
軌条傾斜角度、積載量において降坂ブレーキの性能
の確認(降坂ブレーキのみ作動で、降坂速度1.0m/s
以下や、少なくとも5分間は速度1.0m/s以下に保て
ること)を行っています。なお、エンジンブレーキ
を作用させず(エンジンをかけず)に降坂ブレーキ
のみで降坂した場合、降坂ブレーキが過負荷状態で
あるため、過熱によりブレーキが効かなくなったり、
焼損したりする恐れがあるため、絶対に行わないよ
うにしましょう。
◎ 駐停車ブレーキ
単軌条運搬機の駐停車ブレーキは、けん引車及び
乗用台車に装備されるもので、走行状態からの停止
と停止状態を保持する2つの役割があります。
けん引車の駐停車ブレーキは発進停止レバーと
連動する構造になっており、レバーを発進状態にす
ると解除され、停止状態にすると制動力を発生しま
す。
乗用台車の駐停車ブレーキは、運転者が安全上
などの必要性を感じたときに停止に用い、運転者が
ブレーキレバーを引くことで作動し、同時にエンジ
ンも止める構造になっています。なお、保管時には
不意に車体が動き出すのを防止する役割も果たし
ます。
生研センターが実施する安全鑑定では規定の軌
条傾斜角度、積載量において駐停車ブレーキ性能の
確認(けん引車:最大積載状態での降坂制動距離1
m以内、乗用台車:作動が良好であること、など)
を行っています。
けん引車に装備される駐停車ブレーキは特に、
作業時に常用するもので安全な運行に欠かせませ
ん。取扱説明書に記載されている通りの制動力が確
保されているか、常日頃から点検を怠らないように
しましょう。
◎ 緊急ブレーキ
単軌条運搬機の緊急ブレーキは、主にけん引車に
装備されるもので、車体の異常等により速度が一定
限度を超えると作動して車体を停止させます。
緊急ブレーキは遠心力により作動する構造になっ
ており、駐停車ブレーキを利用するものと、専用の
ブレーキを持つものがあります。駐停車ブレーキを
利用するものは、速度の上昇により緊急ブレーキロ
ータが回転し、飛び出した爪などにより発進停止レ
バーを停止状態に戻す構造になっています。専用の
ブレーキを持つものは、速度の上昇により緊急ブレ
ーキロータから爪が飛び出し、車体フレームに設け
られたストッパーと当たることでロータの回転が
止められ、車体が停止する構造になっています。
生研センターの実施する安全鑑定では、緊急ブ
レーキ性能の確認(乗用型では作動時速度が1.5m/s
以下であること、ブレーキの作動を9回繰返し破損
の無いことを確認など)を行っています。
緊急ブレーキが作動した場合は車体に不具合が
発生している場合が多く、ブレーキを解除してその
まま運転を続けると非常に危険です。また、緊急ブ
レーキは複数回作動させることを想定した造りに
はなっておらず、何度も作動させるとブレーキが破
損し、車体を停止させることができなくなり極めて
危険です。緊急ブレーキが作動した場合は早急に販
売店へ連絡をし、点検を受けるようにしましょう。