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インドネシア雑感記 : 希多 いくと
Vol.71
2008.1.18(毎週金曜夜配信)
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インドネシアの自然、土地、食べ物、生活、社会などを、エッセイ風の雑感記
として、メルマガにて紹介します。当国の理解に役立てれば幸いです。
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皆さん、こんばんは。
今日は《社会編 Society13》
、日本で生活する外国人のお話です。
この件については以前【後記】にちょっとだけ書きました。
■ 71 日本で生活する外国人のこと
外国人にとって、日本はとても遠く、まるで雲の上のような国になります。
もちろん「雲の上」とは良い意味ではありません。日本入国のビザを取得す
るのが、非常に困難を極めるからです。
何しろ単純労働者を受け入れない国といったら、日本くらいではないでしょ
うか。どこの国でも働くために、比較的自由に(といってもビザ申請くらいは
必要でしょうが)その国境を行き来できます。
例えば、日本のレストランで雇える「外国人コックの条件」を挙げてみます。
コックというのは「我が国の産業上の特殊な分野に属する熟練した技能」に
相当し、
「その国特有の料理を作れること」が第一条件になります。
したがって、インドネシアの国際級ホテルで「洋食」を専門に作っているコ
ックは日本に行く資格がありません。インドネシア人のコックは、インドネシ
ア料理を作れるのが基本条件なのです。
さらに厳しいのは、その専門とする料理について「実務経験が10年以上」
という条件がつきます。
この条件はその固有料理に対する実働期間の合計で、それには雇用側の証明
書を添付しなければなりません。例えばコック以外の仕事(皿洗いなど)をし
たとか、洋食の担当だった場合にはその期間は除かれます。
ですから、20代前半の若者はほとんどこの条件から外れてしまいます。
その上、日本の雇用側での条件が加わります。何とそれは、
「日本人が従事
する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」なのです。
これがどうしてもぼくには納得がいかない。あちらのコックを雇おうとした
時にぶち当たったぼくの率直な気持ちです。
なぜかと言うと、もし日本人と同じ給料を与えたら、その国の大統領よりも
高給取になってしまいます。
これでは全く、安い外国の労働力を期待するわけにはいきません。
「日本人と同等の給料」ではなく、当事国の給与体系に照らし合わせて高い
水準で充分だとおもうのですが・・・。
どこの国にも生活水準があり、全世界共通という事はありません。
需給の関係上日本では安い労働力が欲しいし、労働者は安くても日本に来た
いのです。
いくら安いといっても、自分の国に持ちかえると相当の金額です。3年も働
けば、自国に家の一軒くらい建つでしょう。
ここで、話を妻のビザ取得に移します。
彼女の場合、バリの領事館でぼくが自筆の身元保証書を入れ、簡単にビザが
下りました。もちろん、結婚をするという条件付です。
今では、ビザ取得には様式の決まったたくさんの書類が必要です。
列記すると、
『本人』
:パスポート、在留資格認定証明書(招聘人がいない場合、学生は学
校から入学証明を受けて本証を受ける)
、ビザ申請書、旅行日程表
『招聘人』
:招聘理由書(入国目的・経緯)
、在職証明書、納税証明書、住民票、
戸籍謄本、その他
となっています。
妻が日本に来てから永住許可を取るまでは大変でした。
最初はビザの更新が半年毎。その頃は今のように入国管理局がたくさんなか
ったので、その度に大手町まで出向きました。
半年毎を3∼4回ほど更新してから、1年毎の更新を2度ほどしたと思いま
す。
次にやっと3年毎の更新。ぼく達の場合は早く子供ができたので、次の3年
ビザの更新時に永住許可を申請しました。
聞いた話ですが、結婚後海外勤務などで日本に余り住んでいないと、永住許
可は下りないようです。
ビザ更新がこれほど大変なのは、偽装結婚が多いせいでしょうが、偽装か本
物かを見極める目を役所の人に持って欲しいですね。
ところで、妻の在留資格は永住者にもかかわらず、渡航時ごとの再入国ビザ
の取得は義務つけられています*。
そして、日本国籍がないため戸籍の妻の欄に入れないし、同居しているのに
住民票に記載されていません。
(正確には、戸籍のぼくの説明欄に名前と国籍、
住民票ではぼくの個表に名前だけ、生年月日・国籍は記載なし)
ですから、我が家の住民票はぼくと子供たちの名前があるだけ。まるで女房
に逃げられた家庭としか映りません。
横浜市が「アザラシのタマちゃん」に住民票を発行する時代に、せめて「永
住権を持つ外国人」の名前は住民票に記載して欲しいものです。
外国人は住民票がないから、選挙権がありません。日本国の決まりです。
しかし、
「永住者」には自分の生活に直接関係している自治体の選挙に参加
する権利はあるでしょう。
前に永住外国人に地方選挙権が可決された自治体があったと思いますが、こ
のような都市がたくさん増えて欲しいですね**。
今や日本に滞在する外国人は、かなりの数に上ります。ぼくらが結婚したこ
ろ外国人妻はほんの少数派でしたが、今ではかなり多くなっています。
皆さんの町にも何人かはいるでしょう。このような多国籍化する時代に、こ
のままでは日本は世界から取り残されてしまいます。
労働者にしろ、住民票にしろ、外国人に対する偏見を見直す時代が、まさし
く来ているのではないでしょうか。
*:近年3年間有効のマルチ再入国ビザができたので、1回ごとの申請はなく
なりました。
**:ぼくの住む多摩市では、
『日本国の法律ですから』と市長から返事が来
たが、条例ならできるはず。
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【後記】
以前読んだ本から、外国人労働者受け入れに関する文章を引用します。
「日本は計画的な移民政策を取り入れるべきだと思う。それが経済を活性化し、
日本語の国際化にもつながる。
」
「アジアには優秀な人材がたくさんいる。彼らの中には日本に来て日本語を学
校で勉強したい、そしてそのまま残って仕事をし、結婚して日本の国籍を取り
たいと思っている人がたくさんいる。ところが、彼らにはお金がなく、スポン
サーもなく、学校もない。日本が外国人労働者を必要としているのなら、不法
就労者ではなく、こうした人々と契約して計画的に受け入れればよい。優秀な
人材が確保でき、人口の減少に脅えなくてもよいからだ。
」
(グレゴリー・クラーク氏、多摩大学学長、
『2020年からの警鐘②』日本
経済新聞社、p126,1997)
まさにそのとおりだと思います。
では、また来週をお楽しみに。
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インドネシア雑感記 : 希多 いくと
Vol.72
2008.1.25(毎週金曜夜配信)
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皆さん、こんばんは。
今日は《社会編 Society14》
、外国で生活する日本人のお話です。
■ 72 海外で生活する日本人のこと
インドネシアには日本の大手企業やその他大小さまざまの企業が進出し、滞
在している日本人は、かなりの数に上ります。外務省の統計資料では、2006
年度で1万1千人強、全世界では16番目に当たります。
これは大使館や領事館に長期滞在として登録している人数なので、実際には
短期滞在等を含めると2−3倍になるかもしれません。
海外にはこのようにたくさんの日本人が暮らしています。しかし、おそらく
一部の先進国や特別の人たちを除き、その土地土地でいずれにしても日本人社
会を構成し、その中で生きているように見受けられます。
あまり断定的なことを書くとお叱りの声が聞こえそうですが、全般的な傾向
であることには間違いないと思います。
なぜ日本人社会からその外に出ないのか、ぼくには不思議でなりません。
どこかに日本人だぞというような変な優越感?があり、必ずや現地の人をさ
げすむような気持ちがあるように感じます。もちろんそうでない人もいますが、
ほんの一握りでしょう。
日本人は、外に向かってもう少し心を開いていいのではないか。
もう人種とか民族とか、どこに住んでいるとかで人を区別する時代でないの
ではないでしょうか。
バリに旅行する日本人は、圧倒的に女性が多いと聞きます。以前はサーフボ
ードを抱えた男性もかなりいましたが、今では女性が強くなってきたのでしょ
う。
では、なぜたくさんの女性がバリを訪れるか?
その疑問に、作家椎名誠氏が明確に答えています。彼はその時はじめてバリ
を訪れただけで、その核心を突いています。その内容とは……。
「日本の勉強至上主義の上にかたちづくられた高度な「日本会社主義」の中
で青白くうごめくサラリーマンをいつも見ている目に、バリの男たちの精悍か
つ優しく人間くさいなんだかしみじみ懐かしいようなその雰囲気や気配に、日
本の女性たちが「まいって」いるようだ。げんにこの島に何度かきているうち
にバリの男と結婚した日本の女性が沢山いる。
・・・中略・・・大家族主義の
バリの人々の生活の中に嫁いでくるのはとてつもなく大変なようだが、それを
乗りこえてもつきすすんでいける深い魅力を、この国の男にみつけているのだ
ろう。
」
(椎名 誠:
『ギョーザのような月がでた』文藝春秋、1997)
さて、今からだいぶ前の86年頃のバリの話をしましょう。
ぼくが妻を連れて日本入国ビザを取るために、スラバヤ総領事館の出先であ
るバリ領事館に赴いた時のことです。
彼女のビザ申請には、先にも書いたようにぼくの念書が必要だという。念書
とは「彼女が結婚のため日本に行き、その一切の責任をぼくが持つ」という内
容です。
もちろんその場で自筆の念書を入れ、すぐに(翌日だったかもしれない)ビ
ザが下りたように記憶しています。
その時に領事自ら、
「男が女を連れて帰るというあなたのようなケースは非常に稀で、旅行に来た
女性がバリの男の子を日本に連れて帰りたいという相談がひっきりなしだ」
と、ぼくに話してくれました。
聞けば、とうに航空チケットの有効期限を過ぎていたり、中にはベチャ(人
力自転車)の男を連れて帰ると言ったりする女性もいるとか。
ですから、日本の女性がバリの男と一緒になりたいというのは相当以前から
の事になります。当時でも、かなりの数の女性がバリ領事館を訪ねていたんで
すね。
領事は「バリの男が日本に行っても仕事はないし、日本で生活できないよ」
と、多くの女性を説得する毎日だという。
しかし説得にも応じない強い女性もかなりいたのでしょう。もちろん、いろ
いろと悩んだに相違ありません。
一度は帰国し、親を説得し何度もバリに通うこともあったのではないか。
そして、その時の女性が結局は男を日本に連れて帰らず、バリに嫁ぐことを
自らが決心し、そこの生活に馴染んでいる例も必ずやあるだろうと思います。
いずれにせよ、自分の生れた土地以外の国に嫁ぐということは並大抵ではあ
りません。
(ぼくの妻にしても日本で暮らすのは大変だったでしょう)
インドネシア、特にバリに嫁いでいる日本女性たちには、海外で生活する日
本人も基本的な姿勢でみならう点が多いと思います。
若い女性がたった一人で、見知らぬ生活の中に自らが飛び込み、そして溶け
込んでいく……。
結婚という極端な例ですが、その土地で暮らすにも現地の人たちの中に積極
的に飛び込み、対等で付き合う。そうしないとほんの上辺だけの海外滞在にな
りかねません。
バリに嫁いだ女性たちの素晴らしき勇気に万歳!
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【後記】
そろそろ一年中で一番寒い時期になってきました。23日には東京でも雪が
積もり、昨日は風が吹き荒れて、特に北日本では風速30mを超えたところも
あったようです。
こんな寒さの中でも散歩していると、木々にはしっかりと若い芽が春の訪れ
を待っている様子が伺えます。本当の寒さが来る前に準備を怠らない自然の営
みはすごいですね。
誰がこの世界を作ったのか。サムシング・グレート…遺伝子工学の権威村上
和雄氏はこう呼びますが、本当に計り知れない偉大なる創造主が存在するとい
う思いを禁じえません。
では、また来週をお楽しみに。
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インドネシア雑感記 : 希多 いくと
Vol.73
2008.2.1(毎週金曜夜配信)
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皆さん、こんばんは。
今日は《社会編 Society15》
、外国で考える日本についてのお話です。
■ 73 海外で思う日本のこと
インドネシアで日本語放送(ラジオでも衛星放送でも)を聞いていると、い
つも気になることがあります。
それは、飛行機事故など死者が出た事故に係わるニュース、なんですね。
「今日どこ其処で**航空の旅客機が墜落しました。死者は**人です」
と、ここまではありきたりの報道です。
しかし、ここから必ずと言っていいほど日本の独善的な報道が続きます。
「この旅客機には日本人は乗っていない模様です」
これはすごく不思議な表現で、日本人が乗っていなければ何も言及しなくて
良いはずです。
これを聞いた外国人は何と思うでしょうか。日本人以外なら死んでも良いの
か、と勘ぐられてもしようがない表現ではないかと思います。
ぼくはかねがね、日本人が関係していた場合には報道すべきだが、乗っても
いない時に、念を押すような報道は避けるべきと考えています。
これは1つの例に過ぎず、いろんな面で独善的な日本が、国際社会、特にア
ジアからはじき出されているのは当然のように思えるのです。
他にもODA(政府開発援助)などで日本は金しか出さない、との批判もあ
ったりしました。金を出しているんだから文句はないだろう、という意識が見
え隠れしています。
やはり援助は相手のことを真剣に考え、人材を注ぎ込んで将来までフォロー
する。それが「日本が国際的に認められる条件」ではないでしょうか。
相手国民を軽視した開発援助よりも、人的に技術協力をして相手国のマスコ
ミにも取り上げてもらう、というように国際協力機構(JICA)も変わりつ
つあるようです。
先のニュースですが、この国で日本のように「インドネシア人は乗っていま
せん」との報道はないし、CNN・BBC等もそのような放送はしていないで
しょう。
CNNやBBCなどは完全にグローバル化しているので当然かもしれません
が、事故に遭われた人には、同等かつ平等に報道すべきだと思うのです。
これは何も海外放送のNHKだけに限りません。日本国内のテレビやラジオ
の放送で、民法各社もやっていることです。
在日外国人の数が200万人を越えている現在(2006年末約208万人、
Wikipedia)
、日本人に特定した被災報道はおかしいのではないでしょうか。
日本の報道各社の、放送の姿勢が問われる時期に来ていると思います。
余談ですが、海外で聞くラジオにその昔こういうのがありました。
今でもそうかもしれませんが、プロ野球の結果報道で必ず勝ったチームを先
に言う、のです。
野球を知っていれば当然ですが、チームを言う順番は開催球場を示していま
す。例えば、
「巨人X阪神」は後楽園、
「阪神X巨人」は甲子園です。
さあどっちが勝った、と結果を聞く瞬間の楽しみがありますが、甲子園の試
合でも、
「巨人X阪神は……」となります。
開催球場に関わらずどちらが勝ったか瞬時にわかってしまう、という極めて
お粗末なスポーツニュースでした。
さて、海外で生活する日本人にとっては、今滞在している地域なり国の様子
がどうなっているのか、が最大の関心事です。
現在の某衛星放送のように、日本で車の渋滞が何㎞出ようが、移り変わる台
風情報などを日本国内での放送と同様に延々と流されても関係ありません。
何かで心配なら自宅にはすぐ電話をかけれます。今は携帯電話や e-mail に
より、家族のことは必要ならすぐにわかるのですから。
海外向け放送には、短く編集した日本のニュースを流せばいい。それができ
ないのは、企業努力が足りないからでしょう。
日本国内と同じニュースを知りたい人には、ホームページでどうぞ、でいい
のではないか。今はそんな時代です。
我がNHKも、CNNが香港を拠点としアジア向け番組を放送しているよう
に、シンガポールなどにアジア拠点を設け、地域の情報をたくさん盛り込んだ
海外向けニュースを作ればいいと思います。
もちろん、アジアに限らず世界の各地域(アジア・ヨーロッパ・アメリカな
ど)それぞれの海外ニュースが必要となります。
海外にいると日本のことがよくわかる、とよく言われますが、ぼくが感じる
のは悪い面ばかりです。
視野を歪めて見ているわけではないと思いますが、堅い殻に閉じこもってい
るような日本の独善性。もう少し世界に向かって、大きく両手を広げるべきで
ないか、と思ってしまうのです。
軍隊を持たない国のはかなさと言えばそれまでですが、例えば隣国からミサ
イルが飛んできても、自力で自国を守れないような国は国家とは言えないので
はないでしょうか。
世界に一つでも不穏な国がある限り、日本は真の国家を目指すべきでしょう。
戦後60年以上も経ち、賛否両論がありますが憲法改正を検討すべき時期だと
思います。
この国を守るためにはどうするか。ぼくたちは真剣に考えなければならない
ときにきています。
日本が真の国家となった後は、世界が一つの連邦国家になるのが一番いいで
すね。既にヨーロッパはユーロで統一され、今後は世界国家もしくは地球国家
(ユニガイア Uni-Gaia とでも名づけよう)が望まれます。
そうすれば、ぼくの理想とする「世界は一つ」になるのです。地理的に困難
であるなら、人だけでもいい。人々の交流が盛んになり、お互いが心から理解
し合えれば、精神的に世界は必ず一つになり得る。そう信じます。
近い将来、いや遠い将来でも、それが現実になることを祈りながら、雑感記
を終わることにします。
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【後記】
今回で、インドネシア雑感記第一弾を終わります。長らくご購読された皆様
に感謝いたします。2006年9月から1年以上もの長い間、本当にありがと
うございました。
次週は、第1弾のあとがきと、第2弾を紹介する予定です。また、新たなる
気持ちで「雑感記第2弾」に取り組みたいと思います。
引き続きご愛読を賜りますようお願い申し上げます。
では、また来週をお楽しみに。
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インドネシア雑感記 : 希多 いくと
Vol.74
2008.2.8(毎週金曜夜配信)
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皆さん、こんばんは。
今日はインドネシア雑感記第一弾の「あとがき」です。
■ とりあえずのあとがき
「希多生人(いくと)
」のペン・ネームについて、インドネシア語を少し知っ
ている方にはお分かりいただいていると思いますが、” Mari kita ikut!” から
とったものです。
これを英語で表現すると、"Let’s go!”。 直訳すると「さあ、行こう!」と
でもなりますが、イ語の発音では「マリ キタ イクッ!」です。
ikut の t は正確には無声音ですが、この後半部の「キタ イクット」を当
て字で表現したものになります。
ちょうど「望み多く生きる人、もしくは人を生きる=人生」という意味を込
めた名前ができあがりました(最終的に名前はひらがな表記)
。
戦後のスカルノの政策で、インドネシア語は全国どこに行っても通じるよう
に教育が行き届いています。
これは本当に凄い事です。これだけ広く、かつ多くの民族を束ねてしまう言
葉というものに、畏敬の念を抱かずにはいられません。
これが国家というものでしょう。ですから、この国のどこを訪ねてもインド
ネシア語で通じるので、人との交流にほとんど不自由しません。
日本は単一民族だと称する人がいますが、これはあくまでも間違いで、昔か
ら住んでいる原住の人たちを忘れてはいけないと思います。
まえがきや本文でも書きましたが、あくまでも「世界は1つ」
。人種や国が
変わろうと、それらを超えたつながりを持ちたいですね。
ヨーロッパよりも広い(領海を含む面積)インドネシアを、これで充分に表
現できたとは思っていません。実際にまだ訪れていない地域はとても多く、ま
だまだ行きたい所がたくさん残っています。
広いスマトラやマルク諸島、イリアンジャヤも行きたいし、行けそうで行け
ないトラジャ、ディエン高原、クリムトゥ山にはぜひとも、と考えています。
これから先どこまで行けるかわかりませんが、できるだけ多くの土地を訪れ、
そこに住む多くの人々に接したいと思います。その時に、新たなる体験を綴り、
またその土地のことなど紹介できればうれしいですね。
皆様方に「インドネシア」を少しでも知って欲しい。そして、一人でも多く
の方に現地へ行っていただきたい。ぼくの心からの望みです。
2003年5月 東京にて
希多 いくと
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【後記】
雑感記第1弾は、1996年頃から2002年にかけて草稿したもので、ホ
ームページに掲載していました。メルマガはその原稿を加筆修正したものです。
内容は、ぼくが最初にインドネシアに赴いたときのこともありますから、だ
いぶ古い事柄にも及んでいます。
来週から「インドネシア雑感記第2弾」が始まります。
第2弾は2002年から2004年ごろに草稿したもので、比較的新しい内
容になっています。これも以前ホームページに掲載していましたが、メルマガ
に向け加筆修正します。どうぞご期待ください。
では、また来週をお楽しみに。
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