スペインと日本に新しい文化交流の戸を開く 支倉 2.0

スペインと日本に新しい文化交流の戸を開く
支倉 2.0 プログラム
-支倉プログラム 2.0 とはスペインと東北地方でイノベーションを創造し、地域活性化を図る地域リーダー
(自治体、事業者、社会起業家)のためのビジネス交流プログラムです。
-スペインと日本の両国の地域リーダーの間で新たなつながりを創出しし、国際化やアイデアの交換を推進し
ます。
支倉プログラムはバルセロナに本部のある NPO 団体です。日本とスペインの地域リーダーの間に、新しい
つながりを築き、東北の未来に貢献するというミッションの下、設立されました。
本プログラムはスペインを中心とした欧州と、日本の地域リーダーの交流の促進を目指しています。両国の
地方自治体、地域団体、そして中小企業、社会起業家の相互理解を深め、体験やアイディアを共有し、イノ
ベーションの創出を促進する活動を行っています。
東北の新しいビジネスモデル
3.11 後の東北での復興プロセスでは、単に再興への挑戦というだけではなく、社会・経済・政治的な問題
について再考する機会を与えてくれました。
人口縮小・高齢化地方の活性化、再生可能なエネルギー、持続可能で責任ある開発への数々の取り組みが行
われており、国内外が注目するところとなっています。
このような取り組みの実績や情報を海外でも共有し、それによってビジネスやプロジェクトの推進者がイン
スピレーションを刺激し合うのはとても有効なことであると考えます。
OCICA プロジェクト(宮城県石巻市) 復興屋台村プロジェクト(宮城県気仙沼市)
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「支倉常長」の創造スピリット
プログラムの名称は慶長遣欧使節団のリーダー、支倉常長をゆかりとしています。1613 年、太平洋から欧州
に渡り、当時の大国スペインと通商交渉を行った支倉は、リスクを恐れないリーダーであり、創造力と交渉
力に長けたイノベーターでもありました。
それから 400 年。日西交流 400 周年の記念すべき年に、HASEKURA2.0PROGRAM は、支倉常長の精神を
21 世紀に受け継ぎ、国際舞台で活躍する東北のビジネスパーソンの支援を目指します。
スペイン・東北に共通する 4 つのテーマ
2013−2014 年は、イノベーション、社会的責任と地域社会の活性化に強いインパクトを持つ、旅行業、ス
マートシティ、飲食産業、デザインの 4 つの分野にフォーカスして実施されます。参加者は、1週間のカタ
ロニア訪問日程の中で、バルセロナ観光協会やビジネススクールを始めとする数々の公共機関・学術機関に
よるセミナー、ワークショップ、ネットワーキング、展示会、国際会議などへの参加の機会を得ることにな
ります。
支倉 2.0 プログラムは東北地方の復興のプロセスと東北のコミュニティの強化のための必須事項として、日
本の自治体にも関わってもらうことを非常に重要なことと考えています。またスペインの自治体で実行され
た政策の成功例や失敗例を学びながら東北地方の現在の状況を“外部”の世界へ発信するという、ひとつのき
っかけを与えることにも携わっています。
また、本プログラムは東西が昔ながらの知識や技術を共有する一方、現代の知識のノウハウも共有するひと
つのきっかけを作り出すことを志しています。これらの歩み寄りによって、国際化、大都市への移住や人口
の高齢化によって存続が危ぶまれている伝統的な産物の歴史的文化財を守っていきたいと考えています。
支倉プログラムは、経済や財政分野の不況の煽りを受けているスペインの小企業や同族企業にも事業の国際
化への道をサポートしています。東北で生まれ実を結んでいる新しいプロジェクトをスペインの企業家や学
生に紹介し、日本への研修ツアーも企画しています。
日本スペイン交流 400 周年事業認定プロジェクト
2013 年から 2014 年にかけて催される日本とスペインの二国間交流から 400 周年に当たります。1613 年、
東北の石巻市の港から最初の任務として慶長遣欧使節団がスペインへ派遣されました。この日を記念として、
「日本スペイン交流 400 周年事業」を開催する運びとなりました。支倉プログラム 2.0 はこのスペインと日
本の交流 400 周年を記念して両国の外務省によって正式に認定されたプロジェクトです。
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慶長遣欧使節団とは
支倉六右衛門常長(1571-1622)は仙台の大名に仕える侍でした。1613 年から 1620 年の間、支倉は大名
の依頼によりマドリッドのスペイン王国へ新しい商業ルートを作り出し、取引の合意を得て、ローマ法王に
会うという目的を持って、慶長遣欧使節団を率いて最初の外交任務を指揮しました。任務は侍、商人、船乗
り、給仕を含む約 180 人から構成され、さらにおよそ 40 人程のスペイン人、そしてポルトガル人も動員し
ました。彼らは 1613 年の秋に石巻市の港から伊達丸(スペイン人からはサン・ファン・バウティスタ号と
呼ばれていました。)という船に乗って出発しました。常長率いる慶長遣欧使節団は大部分の一行が留まる
こととなったメキシコのアカプルコへ到着するまで太平洋を 3 ヶ月航海しました。アカプルコに残った一団
は、その後引き続きハバナで乗り継ぎをし、ベラクルスを出発してヨーロッパへ向けて航海を続けた残りの
使節団の帰りを待ちうけていました。
2014 年の 10 月、常長の船は当時、商取引をしていた港、グアダルキビール川の近くのコリア・デル・リオ
を渡りようやくセビージャへ着きました。2015 年1月、マドリッドの国王フェリペ3世に迎え入れられた
後に、バルセロナで乗船し、ローマへ向かいローマ教皇パウルス5世に数回拝謁を許されました。1616 年
1月この一団はスペインへ戻り、ヨーロッパに滞在した後 1617 年 7 月に日本への長い航海の帰路の旅を開
始しました。
慶長遣欧使節団はスペインへの初めての外交的コンタクトとして考えられています。2013 年から 2014 年の
スペインと日本の交流ちょうど 400 周年に当たることになります。
石巻市にある大型帆船、サン・フアン・バウティスタの複製-1613 年に港から出航
方向転換の時期
慶長遣欧使節団の 400 周年記念の折に、支倉プログラム 2.0 は二国間の関係をよりよくするために貢献がで
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きるような交流を促進したいと思っています。また両国の学生や社会起業家の皆さんたちに今後も末長く 続
く関係を作り出していってほしいと願っています。
2008 年からヨーロッパ諸国の大部分に影響を及ぼしている財政危機は現在の経済情勢の脆さや限度を浮き
彫りにし、解決策の代案を考案する必要性や現状に向かい合うための創造性を強調してきました。この場合、
多くの中小企業はこの直面している行き詰まりに立ち向かうため、外国に新しいチャンスを見いだそうとし
ています。
2011 年の 3 月 11 日の東日本大震災は、日本列島にとって経済や企業への前例のない大打撃でした。そして
東北は正常化を取り戻すため、経済情勢、法人の業務、そして都市の習慣の大部分を見直し、多くの人々が
復興に全力を尽くすとともに、いつかは他の国でも起こりうる例として、世界への発信を続けています。
出来事の発端やその背景は非常に異なることもありますが、両ケースにおいて歴史上、危機をチャンスへと
変える方向転換の時期という考え方もできるといえるでしょう。つまりすべての危機がチャンスとして考え
られるのです。このような仮定の下、本プログラムは経済的にも、また企業単位においても革新者であり、
また創造者でもある地域リーダー、のためにありとあらゆるチャンスの扉を開こうとしています。
誰のためのプログラム?
グローバル化現象がますます画一性を生み出している現在、地域の特化性を強化し、消滅の危機にさらされ
ている伝統を守ることの重要性が問われています。本プログラムは、地域の文化、技術、伝統を守り、発展
させることに尽力する地域リーダーを対象としています。本プログラムを通して国際的な経験を習得した参
加者が、今後主要な都市や、大企業を介することなく、それぞれの地域で国際的なビジネスを展開していく
ことを支援します。支倉 2.0 プログラムは、地域リーダー、社会起業家と共に、都心郊外のジェントリフィ
ケーション(人口移動現象)を促進していきたいのです。
社会的責任を果たすという強い意思を持って、大都市郊外にある地方の主導を担った地域リーダーは、本プ
ログラムに有益性を見いだすことができるでしょう。
日本とスペインをデータで読む
貿易(百万ユーロ単位)
2008
2009
2010
2011
スペイン-日本
1,457
1,212
1,416
1,861
日本-スペイン
5,120
3,170
3,470
3,198
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投資(百万ユーロ単位)
2008
2009
2010
2011
スペイン-日本
112,4
41,7
14,4
0,7
日本-スペイン
74,1
202,9
108,9
203,1
/1000 人
2008
2009
2010
2011
スペイン-日本
238(-35%)
230(-3,2%)
333(+45%)
334(+0,4%)
日本-スペイン
41(+22%)
42(+4%)
44(+3,7%)
21(-53%)
観光
スペイン税関の最新データによると、2011 年スペインにおける外国への取引でスペインから日本への輸出
は 1,861 百万ユーロ上がり、前年と比べて 31.4%伸びています。また日本からの輸入は 3,198 百万ユーロ
で前年に比べて 7.8%落ちています。これらの評価の差は 1,337 百万ユーロの欠損で 2010 年より 35%落ち
ています。スペインの日本との外国貿易は輸出が全体の 0.9%で輸入が全体の 1.2%となっています。
製品ごとの貿易収支とは別に、1994 年以来スペインから日本への輸出が著しい変化を遂げています。以前
日本に輸出されていた主な製品は食品、特に魚介類、それから付加価値の低い加工品などです。しかしなが
らこの時以来スペイン製品の進歩と多様化を反映しながら、自動車やその部品、化学製品や薬品がより多く
輸出されるようになりました。
スペインと日本間での主要な製品取引:
スペインから日本:医薬品、金属鉱物、自動車と部品、食肉、衣服、履物、魚介、オリーブオイル等
日本からスペイン:自動車と部品、バイク、電気部品、印刷機やグラフィックアートのための機械一式、電
化製品の備品等
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