どっちが安い? 上手な経費の削減方法

 平井会計事務所 税理士 平井満広
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~会計を 通じ て 人に 幸せを ~
2 0 1 2
年
5
月
「 ど っ ち が 安
号
( №
4 1 )
い ? 」 上
手
会社はどんなに景気が悪くても利益を出し続けなければ
いけません。売上が伸びないときは経費を削減すること
も必要になります。だからといって、取引先に一方的に
価格引下げを要求していては長続きしませんし、何でも
かんでもやめてしまっては業務に支障が出てしまいます。
確実に経費削減を実現するためには、自社に最適な条件
を上手に選ぶことが大切です。
◆どっちが安い?
新規取引先に車で商談に来た
A/15分200円
営業部長と若手営業マン。車
を停める場所を探しています。 B/30分350円
取引先の周りを数分ウロウロ
しながら、ようやくコインパーキングを見つけました。
看板をよく見ると料金体系は2パターンあるようです。
「料金パターンは最初に選んだら後からは変えられない
みたいです」
「1分でも過ぎたら料金が加算されるから注意しろよ」
「コンピュータ管理だから、そこら辺シビアですよね」
「ウチは営業経費にあんまり余裕ないんだから、絶対に
安い方を選ぶんだぞ。ムダが出たら自腹だからな」
「相変わらず、冗談キツイですねえ」
「俺は本気だ。ムダだと思ったら立替経費の精算書類は
経理にまわさないから」
「・・・笑えないなあ。じゃ、当面の出費を抑えるため
に“A パターン”にしておきますか」
「おいおい、
それじゃコインパーキングの思うツボだぞ」
「どういうことですか?」
「
“15 分200 円”
の方が小さい金額から安く感じるけど、
打合せから 30 分で帰ってくるとしたらどうなる」
「
“15 分 200 円”
の方は 30 分だと 400 円だから…、
あっ!
こっちの方がかえって高くつきますね」
「こんな簡単なひっかけにだまされるようじゃ、お前も
まだまだだなあ。営業マンは数字のセンスが命だと、
いつも言ってるだろ!そんなことだから営業成績も
伸びないんだ!だいだい・・・」
「部長、もうすぐアポの時間です!説教は後でききます
から」
な 経
費
の 削
減
方
法
◆時間によって結論が変わる?
時間によって結論が変わる?
無事に商談を終えてパーキングに戻ってきた二人。話が
盛り上がったおかげで、予定時間をオーバーしました。
「30 分で戻ると思いましたけど、結構遅くなりました」
「それでも 40 分くらいだろ。10 分程度のオーバーなら
想定内じゃないか」
「まあそうですね。じゃ駐車場代の精算をしてきます」
精算機で料金を支払った若手営業マンは、少しけげんな
表情で戻ってきました。
「部長のアドバイスで“B パターン”の方を選びました
けど、これってホントに安いんですかね」
「何言ってるんだ。さっき説明しただろ」
「確かに 30 分なら“30 分 350 円”の方が安いですけど、
40 分だったら結論は変わってきませんか?」
「え?」
「40 分のときは“B パターン”の支払は 700 円ですけど
“A パターン”は 600 円ですみます」
「確かにそうだな。お前も分かってきたじゃないか!」
「おだててもダメですよ。ムダになった 100 円は部長に
負担してもらいますからね」
「それならあと 20 分で、飛び込み営業でもしてくるか」
(円)
800
700
600
500
400
300
200
100
0
Aが安い
Bが安い
30
60 (分)
若手営業マンの指摘のとおり、今回のケースは駐車時間
によって正解が変わります。選択肢が複数ある場合は、
表面的な条件だけで考えず、必要な量(例えば時間など)
をきちんとシミュレーションして結論を出しましょう。
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