企業プレゼン - Hamt.jp

企業プレゼン
企業プレゼンⅠ −メルク株式会社−
第1日目(9月20日) 第1会場 15:20〜15:35
司会:猪田 猛久(公益財団法人天理よろづ相談所病院 臨床検査部)
新型純水装置 AFS-E 〜この純水装置は臨床検査のニーズに応えます〜
金沢 旬宣
(メルク株式会社 メルクミリポア事業本部ラボラトリーウオーター事業部)
企業プレゼンⅡ −日本電子株式会社−
第2日目(9月20日) 第1会場 16:15〜16:30
司会:浜 英雄(地方独立行政法人明石市立市民病院 医療技術部臨床検査科)
生化学自動分析装置と臨床検査システムの融合 〜 CLALISリンクの御紹介〜
染谷 英明
(日本電子株式会社医用機器ソリューション営業本部MEソリューション販促室)
企業プレゼンⅢ −日本ベクトン・ディッキンソン株式会社−
第2日目(9月21日) 第2会場 10:30〜10:45
司会:市村 佳彦(大阪赤十字病院 検査部)
微生物検査の今後の展望 〜 BDキエストラシステムのご紹介〜
滝川 博之
(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 ダイアグノスティックシステム事業部)
企業プレゼンⅣ −ベックマン・コールター株式会社−
第2日目(9月21日) 第7会場 14:30〜14:45
司会:松川 裕一(独立行政法人地域医療機能推進機構滋賀病院 検査部)
PSA測定の現状と将来 〜新規マーカー proPSAを含めて〜
徳永 哲士
(ベックマン・コールター株式会社 ダイアグノスティックス学術統括部門)
企業プレゼンⅤ −シスメックス株式会社−
第2日目(9月21日) 第7会場 15:15〜15:30
司会:薮内 博史(奈良県立医科大学附属病院 中央臨床検査部)
糖鎖異性体による新しい肝臓バイオマーカーについて
坂井 礼(シスメックス株式会社 西日本営業本部免疫事業推進部)
− 221 −
企業プレゼン
新型純水装置 AFS-E
新型純水装置 AFS-E
新型純水装置 AFS-E
〜この純水装置は臨床検査のニーズに応えます〜
この純水装置は臨床検査のニーズに応えます
この純水装置は臨床検査のニーズに応えます
1) 1)
◎金沢
◎金沢
旬宣
旬宣
○金沢 旬宣 1) 1)
メルク株式会社
メルク株式会社
メルクミリポア事業本部
メルクミリポア事業本部
ラボラトリーウオーター事業部
ラボラトリーウオーター事業部
メルク株式会社 メルクミリポア事業本部 ラボラトリーウオーター事業部
【はじめに】
【はじめに】
適である。
適である。
AFS-E
AFS-E
シリーズは、生化学を代表とする臨床検査
シリーズは、生化学を代表とする臨床検査 【簡単メンテナンス】
【簡単メンテナンス】
自動分析装置などに接続する新しい純水装置である。
自動分析装置などに接続する新しい純水装置である。 従来のイオン交換方式では樹脂の飽和に伴う水質
従来のイオン交換方式では樹脂の飽和に伴う水質
1 時間に
1 時間に
40L~150L
40L~150L
製造、4
製造、4
機種をラインナップし、
機種をラインナップし、 劣化があり、ボンベの交換が必要であった。EDI
劣化があり、ボンベの交換が必要であった。EDI
はは
貯水した純水を
貯水した純水を
240L/時で自動分析装置に送水する
240L/時で自動分析装置に送水する 電気の力で樹脂の再生を連続的に行うため、負担が
電気の力で樹脂の再生を連続的に行うため、負担が
能力を持つ。主に中型からマルチモジュールを有す
能力を持つ。主に中型からマルチモジュールを有す 大きいボンベの交換が不要となる一方、プレフィル
大きいボンベの交換が不要となる一方、プレフィル
る大型の生化学自動分析装置を
る大型の生化学自動分析装置を
1 台でカバーできる
1 台でカバーできる ターの交換は弊社従来品と比べ、これまで以上に簡
ターの交換は弊社従来品と比べ、これまで以上に簡
能力がある。純水精製は、逆浸透膜(RO)-電気イオ
能力がある。純水精製は、逆浸透膜(RO)-電気イオ 単に交換できる仕様となった。検査室は女性の比率
単に交換できる仕様となった。検査室は女性の比率
ン交換(EDI)-外線殺菌(UV)方式を採用して水質の安
ン交換(EDI)-外線殺菌(UV)方式を採用して水質の安 が高いことが多く、検査技師の負荷を少なくするこ
が高いことが多く、検査技師の負荷を少なくするこ
定性と検査結果への安心に寄与する。また検査のニ
定性と検査結果への安心に寄与する。また検査のニ れらの機能はとても好評である。
れらの機能はとても好評である。
ーズを考慮した機能を有している。
ーズを考慮した機能を有している。
【停止時間の最小化】
【停止時間の最小化】
【検査結果に貢献する信頼の水質】
【検査結果に貢献する信頼の水質】
病院で使用する臨床検査自動分析装置は停止時間
病院で使用する臨床検査自動分析装置は停止時間
RO-EDI
RO-EDI
方式は従来の
方式は従来の
RO-イオン交換(DI)方式が
RO-イオン交換(DI)方式が
をできるだけ少なくすることが求められる。AFSをできるだけ少なくすることが求められる。AFS樹脂の飽和により水質変動があるのに比べて一定の
樹脂の飽和により水質変動があるのに比べて一定の E シリーズは、純水を水道水から精製する製造部と
E シリーズは、純水を水道水から精製する製造部と
水質を高いレベルで維持できることが大きな特徴で
水質を高いレベルで維持できることが大きな特徴で 精製した純水を分析装置に送り込む送水部について
精製した純水を分析装置に送り込む送水部について
ある。生化学分析では
ある。生化学分析では
Ca Ca
などのばらつきや精度が
などのばらつきや精度が 別々に運転・停止することができる。製造系のメン
別々に運転・停止することができる。製造系のメン
話題になることがあるが、RO-EDI
話題になることがあるが、RO-EDI
方式の純水装置
方式の純水装置 テナンスを行う場合でも、タンクに十分な量の水が
テナンスを行う場合でも、タンクに十分な量の水が
を使用することで、ばらつきが収束したという報告
を使用することで、ばらつきが収束したという報告 あれば、分析装置に送水を停止することなくメンテ
あれば、分析装置に送水を停止することなくメンテ
がある。
がある。
ナンスすることができる。
ナンスすることができる。
また
また
AFS-E
AFS-E
シリーズは
シリーズは
CLSI
CLSI
C3-A4
C3-A4
で規定されてい
で規定されてい
AFS-E
AFS-E
シリーズは緊急時バイパスを備えている。
シリーズは緊急時バイパスを備えている。
る臨床検査用水(CLRW)に完全対応した水質を生化
る臨床検査用水(CLRW)に完全対応した水質を生化 万が一、純水製造部が不具合を起こし製造できない
万が一、純水製造部が不具合を起こし製造できない
学自動分析装置に送水することが可能である。
学自動分析装置に送水することが可能である。
場合、水道水を緊急時用の接続に繋ぎかえるだけで
場合、水道水を緊急時用の接続に繋ぎかえるだけで
【操作性向上】
【操作性向上】
高純度イオン交換樹脂のみによる精製が行われる。
高純度イオン交換樹脂のみによる精製が行われる。
大型のタッチパネルディスプレイを採用して、必
大型のタッチパネルディスプレイを採用して、必 水道思惟を限られた樹脂量で処理するため長期間の
水道思惟を限られた樹脂量で処理するため長期間の
要な水質・運転状態などの情報やメンテナンスに関
要な水質・運転状態などの情報やメンテナンスに関 運転は難しいが、サービスが到着するまでイオン交
運転は難しいが、サービスが到着するまでイオン交
する情報や警報を的確に案内する。このディスプレ
する情報や警報を的確に案内する。このディスプレ 換水を供給し検査を続けることが可能になる。
換水を供給し検査を続けることが可能になる。
イはグラフィックアイコンを用いておりストレスな
イはグラフィックアイコンを用いておりストレスな
表 AFS-E
表 AFS-E
シリーズ仕様
シリーズ仕様
く直感的な操作を行うことができる。
く直感的な操作を行うことができる。
AFS-40E
AFS-40E AFS-80E
AFS-80E AFS-120E
AFS-120E AFS-150E
AFS-150E
【水質・装置情報の管理】
【水質・装置情報の管理】
EDIEDI
製造量
製造量
40 40
80 80
120120
150150
(L/時
10℃)
10℃)
AFS-E
AFS-E
シリーズは、毎日の水質や運転情報を記憶
シリーズは、毎日の水質や運転情報を記憶 (L/時
水質
EDIEDI
水質
して現在の情報のみならず過去の情報も遡ってディ
して現在の情報のみならず過去の情報も遡ってディ
≦0.2
≦0.2
(μS/cm)
(μS/cm)
スプレイにて確認することができる。さらに
スプレイにて確認することができる。さらに
タンク容量
タンク容量
75 75
150150
(L) (L)
USB
USB
メモリーに指定した期間のすべての情報をコ
メモリーに指定した期間のすべての情報をコ
送水量
送水量
ピーして保管し、PC
ピーして保管し、PC
などでデータ整理なども簡単
などでデータ整理なども簡単
240240
(L/時)
(L/時)
に行える。毎日手書きで水質データの記録を行って
に行える。毎日手書きで水質データの記録を行って 送水純度
送水純度
≦0.1
≦0.1
いる病院や
いる病院や
CAP
CAP
に対応するため、水質データや運
に対応するため、水質データや運
(μS/cm)
(μS/cm)
転記録の管理が必須の検査センターなどの施設に最
転記録の管理が必須の検査センターなどの施設に最
− 222 −
企業プレゼン
生化学自動分析装置と臨床検査システムの融合
生化学自動分析装置と臨床検査システムの融合
生化学自動分析装置と臨床検査システムの融合
~CLALISリンクの御紹介~
~CLALIS
~CLALIS
リンクの御紹介~
リンクの御紹介~
1) 1)
◎染谷
◎染谷
英明
英明
○染谷 英明 1) 1)
日本電子株式会社
日本電子株式会社
医用機器ソリューション営業本部
医用機器ソリューション営業本部
ME ME
ソリューション販促室
ソリューション販促室
日本電子株式会社 医用機器ソリューション営業本部 ME ソリューション販促室
【はじめに】
【はじめに】
Fig-1
Fig-1
検査システム上で表示されるタイムコース例
検査システム上で表示されるタイムコース例
生化学の分野では早くから自動分析装置の普及が進み、
生化学の分野では早くから自動分析装置の普及が進み、
多項目の測定結果を短時間で得られるようになりまし
多項目の測定結果を短時間で得られるようになりまし
た。データ処理のためのコンピューターも劇的に進歩
た。データ処理のためのコンピューターも劇的に進歩
し、迅速に正確な報告をするためには無くてはならな
し、迅速に正確な報告をするためには無くてはならな
い存在です。
い存在です。
病院情報システムや
WebWeb
結果参照システムなどとの
病院情報システムや
結果参照システムなどとの
システム連携が導入されると、結果値の承認作業(送
システム連携が導入されると、結果値の承認作業(送
信確認)のために多くの時間を検査システムに費やす
信確認)のために多くの時間を検査システムに費やす
ことになります。
ことになります。
しかし、装置とコンピューターの間でやりとりされる
しかし、装置とコンピューターの間でやりとりされる
情報は測定データと付随する限られた情報にとどまっ
情報は測定データと付随する限られた情報にとどまっ
また、装置毎に異なるフォーマットの紙帳票に手書き
また、装置毎に異なるフォーマットの紙帳票に手書き
ているため、ひとたびイレギュラーが発生すれば検査
ているため、ひとたびイレギュラーが発生すれば検査
で記入していた試薬使用開始記録簿をコンピュータ処
で記入していた試薬使用開始記録簿をコンピュータ処
端末での作業を中断し、装置を操作して確認する必要
端末での作業を中断し、装置を操作して確認する必要
理することで
ISO15189
の要求事項により対応できる
理することで
ISO15189
の要求事項により対応できる
が生じます。
が生じます。
ようになった事例を紹介いたします。
また、病院機能評価や
ISOISO
の観点からは「正確な結
また、病院機能評価や
の観点からは「正確な結ようになった事例を紹介いたします。
果を迅速に報告する」ことはもちろん、その結果値が
果を迅速に報告する」ことはもちろん、その結果値が
【おわりに】
【おわりに】
どのような過程を経て得られたのかを記録し遡及でき
どのような過程を経て得られたのかを記録し遡及でき
このような連携機能を自動分析装置と臨床検査システ
このような連携機能を自動分析装置と臨床検査システ
ることも求められています。
ることも求められています。
ムの双方に組み込むことにより、日常業務での装置と
ムの双方に組み込むことにより、日常業務での装置と
これらの問題に対し、日本電子は「CLALIS
リンク」
これらの問題に対し、日本電子は「CLALIS
リンク」
システムの間の壁が低くなり、現場の負担軽減や検査
システムの間の壁が低くなり、現場の負担軽減や検査
を開発・提供しています。
を開発・提供しています。
結果の信頼性向上につながることを期待しています。
結果の信頼性向上につながることを期待しています。
大きな安心は小さな工夫の積み重ねから。日本電子は
大きな安心は小さな工夫の積み重ねから。日本電子は
【発表内容】
【発表内容】
生化学自動分析装置を土台に、臨床検査のソリューシ
生化学自動分析装置を土台に、臨床検査のソリューシ
「CLALIS
リンク」は日本電子製生化学自動分析装置
「CLALIS
リンク」は日本電子製生化学自動分析装置
TM シリーズと臨床検査情報処理システム
TM シリーズと臨床検査情報処理システム ョンのお手伝いをいたします。
ョンのお手伝いをいたします。
BioMajesty
BioMajesty
JCS-50L「CLALIS」が連携することにより、従来は
JCS-50L「CLALIS」が連携することにより、従来は
別々にしか管理できなかった情報も検査システムで一
別々にしか管理できなかった情報も検査システムで一
元的に管理できるようにする機能です。
元的に管理できるようにする機能です。
発表では、「CLALIS
発表では、「CLALIS
リンク」の3つのポイントや想
リンク」の3つのポイントや想
定するシーンでの使い方などを紹介致します。
定するシーンでの使い方などを紹介致します。
ポイント1~結びつける
ポイント1~結びつける
ポイント2~早く知る
ポイント2~早く知る
ポイント3~予測する
ポイント3~予測する
− 223 −
企業プレゼン
微生物検査の今後の展望
微生物検査の今後の展望
〜BDキエストラシステムのご紹介〜
BD キエストラシステムのご紹介
◎滝川 博之 1)
○滝川 博之 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 ダイアグノスティックシステム事業部 1)
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 ダイアグノスティックシステム事業部
微生物検査は臨床検査の中でも用手による工程が多
い検査である。これまで微生物検査の内、同定検査、
感受性検査、血液培養検査などが自動化され、検査効
率化の一翼を担ってきたが、依然として塗抹検査や培
養検査は用手法で実施されており、検査部内ローテー
ションによる熟練者と初級者との技術格差などが発生
している。
微生物検査数が年々増加していることに加え、近年
は本邦のみでなく、WHO が警鐘を鳴らしているよう
に世界各国で耐性菌の報告があり、耐性菌に関する検
査業務が複雑化・拡大し、またさらには最近では感染
防止加算により微生物検査担当技師が ICT の会議や
ラウンドに参加など業務が拡大している。加えて臨床
からの 24 時間検査の依頼の要望もあり、今後は欧米
にならって本邦においても 24 時間検査の要望が
徐々に増加してゆくことが想定される。しかしこうい
った状況ながら微生物検査に対する増員の機会は少な
く、検査の現場ではチャレンジングな状況が継続して
いる。
欧州各国はこの似た状況にすでに以前から直面して
おり、様々な工夫がなされてきた。ここで紹介する
BD キエストラシステムは、これらの諸問題を解決す
るべく、オランダのキエストラ社によって開発された
微生物検査システムである。BD キエストラはモジュ
ールと呼ばれる自動塗布機や撮影装置つきふらん器を
各施設の状況に合わせてシステムとして構築し、それ
ら各モジュール同士をレーンで接続して構築してゆく
システムの総称である。
自動塗布機はこれまでの白金耳に似た器具を用いず
に磁気ビーズを用いて検体を塗布する機構を有してお
り、用手法の検体塗布と比較して数倍の単独コロニー
を得たという報告*もあり、難しいとされていた検体
塗布の標準化にも寄与することが期待されている。
*High amount of separated bacterial colonies with InoqulA.
Jenny Rydback, Ingela Thernberg and Mats Walder. 2010
− 224 −
企業プレゼン
PSA
PSA
測定の現状と将来 -新規マーカー
測定の現状と将来 -新規マーカー
proPSA
proPSA
を含めて-
を含めて-
PSA測定の現状と将来
〜新規マーカー proPSAを含めて〜
1) 1)
◎徳永
◎徳永
哲士
哲士
○徳永 哲士 1) 1)
ベックマン・コールター株式会社
ベックマン・コールター株式会社
ダイアグノスティックス学術統括部門
ダイアグノスティックス学術統括部門
ベックマン・コールター株式会社 ダイアグノスティックス学術統括部門
PSAPSA
は、1979
は、1979
年 Wang
年 Wang
らによって発見された分子量
らによって発見された分子量 このような状況において、我々は
このような状況において、我々は
PSAPSA
前駆体であり
前駆体であり
34,000
34,000
の糖蛋白質であり、237
の糖蛋白質であり、237
アミノ酸配列により構
アミノ酸配列により構
前立腺癌でより多く分泌される
前立腺癌でより多く分泌される
proPSA
proPSA
に着目した。
に着目した。
成されている。また
成されている。また
PSAPSA
は、前立腺の腺上皮細胞にて
は、前立腺の腺上皮細胞にて
proPSA
proPSA
は数種存在するが、その中でも
は数種存在するが、その中でも
PSAPSA
よりも
よりも
2 2
分泌され、前立腺疾患において血中に漏れ出てくるこ
分泌され、前立腺疾患において血中に漏れ出てくるこ
アミノ酸配列の多い[-2]proPSA
アミノ酸配列の多い[-2]proPSA
測定キット(以下
測定キット(以下
p2 p2
とから、もっとも優れた血中前立腺疾患マーカーであ
とから、もっとも優れた血中前立腺疾患マーカーであ
PSA)の開発に着手・完成し、今年の
PSA)の開発に着手・完成し、今年の
5 月51月日より研
1 日より研
る。
る。
究用試薬として発売している。現在、p2PSA
究用試薬として発売している。現在、p2PSA
は国内外
は国内外
血中マーカーとしての
血中マーカーとしての
PSAPSA
測定の歴史は、Tandem-R
測定の歴史は、Tandem-R
において試薬性能の研究検討を実施中である。
において試薬性能の研究検討を実施中である。
PSA(ベックマン・コールター社製)キットが
PSA(ベックマン・コールター社製)キットが
1986
1986
年 年
当日は、PSA
当日は、PSA
測定によって得られた成果と問題点、
測定によって得られた成果と問題点、
に世界初の
に世界初の
PSAPSA
測定キットとして
測定キットとして
FDA(米国食品医薬
FDA(米国食品医薬
及び新規前立腺疾患マーカー測定キット
及び新規前立腺疾患マーカー測定キット
p2PSA
p2PSA
につ
につ
品局)承認されたことから始まった。臨床利用として
品局)承認されたことから始まった。臨床利用として
いて発表を行う。
いて発表を行う。
は、1994
は、1994
年 Dr.Catalona
年 Dr.Catalona
らがベックマン・コールタ
らがベックマン・コールタ
ー社製
ー社製
PSAPSA
測定キット(Tandem-R
測定キット(Tandem-R
PSA)による前立腺
PSA)による前立腺
癌カットオフ値
癌カットオフ値
4.0ng/mL
4.0ng/mL
を発表した。このカットオ
を発表した。このカットオ
フ値
フ値
4.0ng/mL
4.0ng/mL
は、臨床判断において現在もまったく
は、臨床判断において現在もまったく
揺らぐことの無い前立腺癌の判断指標となっている。
揺らぐことの無い前立腺癌の判断指標となっている。
前立腺から血中に漏れ出た
前立腺から血中に漏れ出た
PSAPSA
の存在形態は、①単
の存在形態は、①単
独で遊離している遊離型
独で遊離している遊離型
PSA(以下フリー
PSA(以下フリー
PSA)、
PSA)、
②α1-アンチキモトリプシンと結合し複合体を形成す
②α1-アンチキモトリプシンと結合し複合体を形成す
る PSA-ACT、③α2-マクログロブリンと結合し複合体
る PSA-ACT、③α2-マクログロブリンと結合し複合体
を形成する
を形成する
PSA-MG
PSA-MG
の 3の種である。この3種の形態の
3 種である。この3種の形態の
うち、抗体を用いて測定することが可能な形態は①お
うち、抗体を用いて測定することが可能な形態は①お
よび②であり、③は全形態中
よび②であり、③は全形態中
1~2%であるため、測定
1~2%であるため、測定
が不可能でも問題が無いとされている。すなわち総
が不可能でも問題が無いとされている。すなわち総
PSA(以下トータル
PSA(以下トータル
PSA)は、①および②を測定する
PSA)は、①および②を測定する
ことである。
ことである。
前立腺疾患血中マーカーとして非常に有用性の高い
前立腺疾患血中マーカーとして非常に有用性の高い
トータル
トータル
PSAPSA
は、検診/診断(スクリーニング)や治
は、検診/診断(スクリーニング)や治
療指標(モニタリング)として用いられているが、役
療指標(モニタリング)として用いられているが、役
割として完全とは言えない。それは、前立腺癌鑑別に
割として完全とは言えない。それは、前立腺癌鑑別に
おいて明確な指標になりえない点である。トータル
おいて明確な指標になりえない点である。トータル
PSA4~10ng/mL
PSA4~10ng/mL
のグレイゾーンにおいて癌の可能性は
のグレイゾーンにおいて癌の可能性は
平均
平均
25%であり、前立腺生検を実施した場合は
25%であり、前立腺生検を実施した場合は
4 人中
4 人中
3 人が無駄な生検を実施したことになる。
3 人が無駄な生検を実施したことになる。
よって前立腺癌診断効率を上昇させるためトータル
よって前立腺癌診断効率を上昇させるためトータル
PSAPSA
を上回る新規マーカーが待ち望まれている。その
を上回る新規マーカーが待ち望まれている。その
中で現在、臨床検査に用いられている検査は、フリー
中で現在、臨床検査に用いられている検査は、フリー
PSAPSA
をトータル
をトータル
PSAPSA
で割ったフリー
で割ったフリー
PSA/トータル
PSA/トータル
PSAPSA
比等があるが、臨床診断の要求を満たすには至っ
比等があるが、臨床診断の要求を満たすには至っ
ていない。
ていない。
− 225 −
企業プレゼン
糖鎖異性体による新しい肝臓バイオマーカーについて
糖鎖異性体による新しい肝臓バイオマーカーについて
糖鎖異性体による新しい肝臓バイオマーカーについて
◎坂井
◎坂井
礼 1)
礼 1)
1)○坂井 礼 1)
シスメックス株式会社
シスメックス株式会社
西日本営業本部
西日本営業本部
免疫事業推進部
免疫事業推進部
シスメックス株式会社 西日本営業本部 免疫事業推進部
<背景・成果>
<背景・成果>
<測定装置の主な仕様>
<測定装置の主な仕様>
日本で最大の感染症はウイルス性肝炎で、約
日本で最大の感染症はウイルス性肝炎で、約
300300
万 万
機種名:全自動免疫測定装置
機種名:全自動免疫測定装置
HISCL-5000
HISCL-5000
人が感染しているといわれている。ウイルス性肝炎は、
人が感染しているといわれている。ウイルス性肝炎は、
測定原理:化学発光酵素免疫測定法
測定原理:化学発光酵素免疫測定法
感染した状態を放置すると急性肝炎、慢性肝炎、肝硬
感染した状態を放置すると急性肝炎、慢性肝炎、肝硬
同時測定項目数:最大
同時測定項目数:最大
24 項目
24 項目
変そして肝細胞がんへ進行する可能性があるなど重篤
変そして肝細胞がんへ進行する可能性があるなど重篤
検体処理能力:200
検体処理能力:200
テスト/時間
テスト/時間
な病態を招く疾患である。
な病態を招く疾患である。
反応時間:約
反応時間:約
17 分
17 分
C C
型肝炎の治療効果判定や肝硬変、肝細胞がんハイ
型肝炎の治療効果判定や肝硬変、肝細胞がんハイ
検体架設数:最大
検体架設数:最大
100100
検体
検体
リスク群のより精度が高い判定には肝線維化の程度を
リスク群のより精度が高い判定には肝線維化の程度を
所要検体量:10~30μL
所要検体量:10~30μL
把握することが重要になる。慢性肝炎から肝細胞がん
把握することが重要になる。慢性肝炎から肝細胞がん
サイズ:W1,725mm×D840mm×H1,300mm
サイズ:W1,725mm×D840mm×H1,300mm
へ進行する過程で、線維に富んだ組織が肝臓に蓄積し
へ進行する過程で、線維に富んだ組織が肝臓に蓄積し
肝臓の機能が徐々に損なわれていく。ウイルス性慢性
肝臓の機能が徐々に損なわれていく。ウイルス性慢性
<HISCL
<HISCL
M2BPGi
M2BPGi
試薬の主な仕様>
試薬の主な仕様>
肝炎の治療プロセスにおいては、肝炎ウイルスの持続
肝炎の治療プロセスにおいては、肝炎ウイルスの持続
使用目的:血清中の
使用目的:血清中の
M2BP
M2BP
糖鎖修飾異性体の測定
糖鎖修飾異性体の測定
感染により進行する肝臓の程度を判定することが重要
感染により進行する肝臓の程度を判定することが重要
(肝臓の線維化進展の診断補助)
(肝臓の線維化進展の診断補助)
であり、その検査は肝臓組織を採取して行う肝生検が
であり、その検査は肝臓組織を採取して行う肝生検が
容量:100
容量:100
テスト
テスト
主流となっている。ただ、肝生検は高侵襲的であり、
主流となっている。ただ、肝生検は高侵襲的であり、
対象検体:血清のみ(10μL)
対象検体:血清のみ(10μL)
入院や出血事故のリスクを伴う検査法である。そのた
入院や出血事故のリスクを伴う検査法である。そのた
測定範囲:0.10~20.00
測定範囲:0.10~20.00
C.O.I(半定量法)
C.O.I(半定量法)
め、厚生労働省の「肝炎研究
7 ヵ年戦略」では「線維
め、厚生労働省の「肝炎研究
7 ヵ年戦略」では「線維
判定方法:陰性(C.O.I<1.00)
判定方法:陰性(C.O.I<1.00)
化の進展を非観血的に評価できる検査法の開発」が提
化の進展を非観血的に評価できる検査法の開発」が提
陽性
陽性
1+(1.00≦C.O.I<3.00)
1+(1.00≦C.O.I<3.00)
示されている。
示されている。
慢性肝炎判定カットオフ
慢性肝炎判定カットオフ
独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)糖鎖医
独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)糖鎖医
陽性
陽性
2+(C.O.I≧3.00)
2+(C.O.I≧3.00)
工学研究センターと共同で、独立行政法人新エネルギ
工学研究センターと共同で、独立行政法人新エネルギ
肝硬変判定カットオフ
肝硬変判定カットオフ
ー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト
ー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト
成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用
成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用
<まとめ>
<まとめ>
いて血液検査により判定する試薬を開発した。共同開
いて血液検査により判定する試薬を開発した。共同開
糖鎖マーカー測定技術の実用化により、採血のみで
糖鎖マーカー測定技術の実用化により、採血のみで
発した試薬は、肝線維化の重症度によってよく動く
発した試薬は、肝線維化の重症度によってよく動く 迅速に測定することができるため、ウイルス性慢性肝
迅速に測定することができるため、ウイルス性慢性肝
WFA
という藤の種から取れるレクチンを用いて、
WFA
という藤の種から取れるレクチンを用いて、 炎の治療における患者の負担軽減が期待される。
炎の治療における患者の負担軽減が期待される。
Mac-2
binding
protein
糖鎖修飾異性体(M2BPGi)を捉
Mac-2
binding
protein
糖鎖修飾異性体(M2BPGi)を捉
え、化学発光酵素免疫反応により
M2BPGi
量に応じ
え、化学発光酵素免疫反応により
M2BPGi
量に応じ
た発光強度を検出する検査技術であり、肝臓の線維化
た発光強度を検出する検査技術であり、肝臓の線維化
の進行の度合いが反映される。このような検査技術は、
の進行の度合いが反映される。このような検査技術は、
これまでのタンパク質ベースでの検査では実現できな
これまでのタンパク質ベースでの検査では実現できな
かった、線維化病態における
M2BPGi
表面上の質的
かった、線維化病態における
M2BPGi
表面上の質的
な変化(糖鎖構造変化)を捉えることが可能となる点
な変化(糖鎖構造変化)を捉えることが可能となる点
で、より有用性の高い検査と考えられる。基礎研究の
で、より有用性の高い検査と考えられる。基礎研究の
段階では測定に約
18 時間を要していたが、今回医療
段階では測定に約
18 時間を要していたが、今回医療
機関の臨床検査室で実施する診断システムとして開発
機関の臨床検査室で実施する診断システムとして開発
した結果、わずか
17 分程度での測定を実現すること
した結果、わずか
17 分程度での測定を実現すること
に成功した。なお、糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維
に成功した。なお、糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維
化検査技術の実用化は、世界初である。
化検査技術の実用化は、世界初である。
− 226 −
ランチョンセミナー
ランチョンセミナー
第1日目 9月20日(土) 12:00〜13:00
■セミナーⅠ (第3会場 4F401) 和光純薬工業株式会社
これまでの胃がん検診の問題点とABC分類について
〜新たなH.ピロリ抗体試薬の評価から得られた知見をふまえて〜
座長:坂東 雅彦(大阪中央病院 中央検査部)
講師:志和 正明(公益財団法人 香川成人医学研究所)
■セミナーⅡ (第4会場 4F402) 協和メデックス株式会社
凝固・線溶検査のなやましさ 〜検査で遭遇するアーチファクト〜
講師:末久 悦次(大阪大学医学部附属病院 医療技術部 検査部門)
■セミナーⅢ (第5会場 4F403) 積水メディカル株式会社
可溶性フィブリンによる早期DICの診断とrTMによる先制治療
〜 SFによる早期DIC診断〜
座長:中西 加代子(京都大学医学部附属病院 検査部)
講師:池添 隆之(高知大学医学部 血液・呼吸器内科)
■セミナーⅣ (第6会場 5F501) シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
ビタミンD 最新の話題 〜活性型ビタミンDだけではビタミンD不足は分からない〜
講師:荻原 貴裕(シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 CAI事業部ケンタウルス製品グループ)
■セミナーⅤ (第7会場 5F502) 株式会社LSIメディエンス
救命救急センターの臨床における敗血症診断バイオマーカーの役割
司会:林 伸英(神戸大学医学部附属病院 検査部)
講師:村井 映(福岡大学病院 救命救急センター)
■セミナーⅥ (第8会場 5F504・505) オックスフォード・イムノテック株式会社
結核感染診断検査T-スポット®.TB について ~特徴、測定方法、結果判読~
司会:三浦 靖史(神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域 准教授)
講師:藤本 一満(ファルコバイオシステムズ総合研究所 )
− 227 −
第2日目 9月21日(日) 12:00〜13:00
■セミナーⅦ (第3会場 4F401) ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
バセドウ病と臨床検査
座長:上田 一仁(市立芦屋病院 臨床検査科)
講師:窪田 純久(くぼたクリニック)
■セミナーⅧ (第4会場 4F402) 東ソー株式会社
抗酸菌の迅速検査 ~当院での取り組み~
講師:有村 泰晃(独立行政法人国立病院機構刀根山病院 臨床検査科)
■セミナーⅨ (第5会場 4F403) 富士レビオ株式会社/
オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社
ルミパルス肝炎マーカーの有用性
〜HBc抗体検出試薬と高感度HBs抗原定量試薬の特長とその有用性/C型肝炎ウイルス検査の結果解釈〜
講師:江川 孝則/金子 武行
(富士レビオ株式会社 学術サービス部/
オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 学術部)
■セミナーⅩ (第6会場 5F501) アボットジャパン株式会社
心筋トロポニンⅠ 高感度測定の意義
講師:土田 貴彦(アボットジャパン株式会社 学術情報室)
■セミナーⅪ (第7会場 5F502) シスメックス株式会社
NAFLD/NASHの現状と将来展望
司会:林 伸英(神戸大学医学部附属病院 検査部)
講師:岡上 武(吹田医療福祉センター総長・京都府立医科大学 特任教授)
■セミナーⅫ (第8会場 5F504・505)栄研化学株式会社
感受性測定プレートDP192‘栄研’と測定装置DPS192iXを使用した感受性検査の
臨床への応用
座長:幸福 知己(一般財団法人住友病院 臨床検査技術科)
講師:中村 竜也(国立大学法人神戸大学医学部附属病院 検査部)
− 228 −
ランチョンセミナー
これまでの胃がん検診の問題点と
これまでの胃がん検診の問題点と
ABC
ABC
分類について
分類について
これまでの胃がん検診の問題点とABC分類について
〜新たなH.ピロリ抗体試薬の評価から得られた知見をふまえて〜
新たな
新たな
H.ピロリ抗体試薬の評価から得られた知見をふまえて
H.ピロリ抗体試薬の評価から得られた知見をふまえて
1) 1)
◎志和
◎志和
正明
正明
1) 1)
公益財団法人
公益財団法人
香川成人医学研究所
香川成人医学研究所
○志和 正明 公益財団法人 香川成人医学研究所
1983
1983
年に
年に
Helicobacter
Helicobacter
pylori
pylori
(H.pylori
(H.pylori
)が発見さ
)が発見さ
用いた。(内訳:上部消化管内視鏡検査で赤斑・萎縮
用いた。(内訳:上部消化管内視鏡検査で赤斑・萎縮
れて以来、胃炎や胃・十二指腸潰瘍のみならず、胃が
れて以来、胃炎や胃・十二指腸潰瘍のみならず、胃が
を認めず、ペプシノゲン法において陰性であった
を認めず、ペプシノゲン法において陰性であった
H.pylori
H.pylori
感染が関
感染が関H.pylori
H.pylori
感染陰性群
感染陰性群
51 例、鏡検法にて
51 例、鏡検法にて
H.pylori
H.pylori
陽 陽
んを含む様々な疾患の発症には、
んを含む様々な疾患の発症には、
H.pylori
H.pylori
感染陽性群
感染陽性群
49 例)更に、
49 例)更に、
連することが明らかとなった。胃粘膜萎縮や胃粘膜炎
連することが明らかとなった。胃粘膜萎縮や胃粘膜炎
性であった
性であった
ABC(D)分類の評価を行うにあたり、人間ドック受診者
ABC(D)分類の評価を行うにあたり、人間ドック受診者
症は胃がんのハイリスクと考えられ、胃がんの発生に
症は胃がんのハイリスクと考えられ、胃がんの発生に
H.pylori
H.pylori
感染は必要条件と位置づけられている。ま
感染は必要条件と位置づけられている。ま333333
例を用いた。(内訳:「異常無し」15
例を用いた。(内訳:「異常無し」15
例、「萎縮
例、「萎縮
H.pylori
H.pylori
感染
感染性胃炎」134
た、胃がんの
た、胃がんの
99%は現在または過去の
99%は現在または過去の
性胃炎」134
例、「胃潰瘍」8
例、「胃潰瘍」8
例、「その他(びらん性
例、「その他(びらん性
H.pylori
H.pylori
感染検査
感染検査胃炎、胃ポリープなど)」176
胃から発生することが報告され、
胃から発生することが報告され、
胃炎、胃ポリープなど)」176
例)その結果、H.ピロリ
例)その結果、H.ピロリ
陽性者に対しては除菌療法を勧めることで、胃がん撲
陽性者に対しては除菌療法を勧めることで、胃がん撲
抗体検出試薬
抗体検出試薬
3 法の精度は同等ではなく、用いられて
3 法の精度は同等ではなく、用いられて
滅へ繋がることが期待されている。
滅へ繋がることが期待されている。
いる抗原の違いなどにより、反応性に差異が認められ
いる抗原の違いなどにより、反応性に差異が認められ
我が国における胃がん検診は、胃がん死亡減少効果
我が国における胃がん検診は、胃がん死亡減少効果
た。SL-HP
た。SL-HP
・ J・の判定は臨床診断とよく一致した結果
J の判定は臨床診断とよく一致した結果
が唯一証明されている
が唯一証明されている
X 線検査を中心に行われてきた
X 線検査を中心に行われてきた
であり、胃がんのリスクを有する萎縮性胃炎患者の見
であり、胃がんのリスクを有する萎縮性胃炎患者の見
が、検診受診率は低迷しているのが現状である。一方
が、検診受診率は低迷しているのが現状である。一方
逃しが少ない試薬であることが示唆された。
逃しが少ない試薬であることが示唆された。
で、近年では内視鏡検査が普及し、受診者は増加して
で、近年では内視鏡検査が普及し、受診者は増加して
最後に、SL
最後に、SL
HP ・
HPJ・は胃がんのリスクが高い
J は胃がんのリスクが高い
H.pylori
H.pylori
既感染者をより捉えることが可能であり、
既感染者をより捉えることが可能であり、
いるが、内視鏡専門医の不足や医療機関側のキャパシ
いるが、内視鏡専門医の不足や医療機関側のキャパシ
ティの問題などから、検診対象者全員を内視鏡で検査
ティの問題などから、検診対象者全員を内視鏡で検査
ABCABC
分類の意義を明確に出来るものと考えられた。
分類の意義を明確に出来るものと考えられた。
することは現実的ではない。
することは現実的ではない。
ABCABC
分類の精度を高めることにより、画像検査との
分類の精度を高めることにより、画像検査との
そこで、胃がんに対する血清学的スクリーニングと
そこで、胃がんに対する血清学的スクリーニングと
組み合わせで鑑別能が高くかつ効率的な胃がん検
組み合わせで鑑別能が高くかつ効率的な胃がん検
して、血清
して、血清
H.ピロリ抗体の測定とペプシノゲン法を
H.ピロリ抗体の測定とペプシノゲン法を診が成立することを期待できる。
本評価のデータ詳
本評価のデータ詳
診が成立することを期待できる。
細については、セミナーにて紹介する。
細については、セミナーにて紹介する。
組み合わせた胃がんのリスク評価「ABC
組み合わせた胃がんのリスク評価「ABC
分類」が、人
分類」が、人
間ドックを中心として急速に普及してきている。
間ドックを中心として急速に普及してきている。
ABCABC
分類は、胃の健康度を
分類は、胃の健康度を
A ・AB・・BC・のC3の群(あるい
3 群(あるい
は Aは・AB・・BC・・CD・のD4の群)に分類し、胃がんのリスク
4 群)に分類し、胃がんのリスク
を評価するものであり、ハイリスク群の絞込みにより
を評価するものであり、ハイリスク群の絞込みにより
内視鏡検査などの画像検査を効率よく実施できること
内視鏡検査などの画像検査を効率よく実施できること
から、ABC
から、ABC
分類と画像検査を統合させた検診システム
分類と画像検査を統合させた検診システム
は、経済的な対策型検診として現在注目されている。
は、経済的な対策型検診として現在注目されている。
その一方で、本来、胃がんのリスクが低いとされてい
その一方で、本来、胃がんのリスクが低いとされてい
H.pylori
H.pylori
既感染
既感染
る Aる群に、胃がんリスクの高い人(
A 群に、胃がんリスクの高い人(
者)が混在する場合があるという問題点もある。
者)が混在する場合があるという問題点もある。
そこで、和光純薬工業より新たに発売された血中
そこで、和光純薬工業より新たに発売された血中
H.ピ
H.ピ
ロリ抗体検出試薬
ロリ抗体検出試薬
スフィアライト H.ピロリ抗体・
スフィアライト H.ピロリ抗体・
J (以下
J (以下
SL SL
HP ・
HPJ)について、カットオフ値の妥当性
・ J)について、カットオフ値の妥当性
および臨床診断との一致率の評価を行った。測定機器
および臨床診断との一致率の評価を行った。測定機器
は自動化学発光酵素免疫分析装置
は自動化学発光酵素免疫分析装置
SphereLight
SphereLight
Wako
Wako
を用いた。また、比較対照試薬は、スフィアラ
を用いた。また、比較対照試薬は、スフィアラ
イト H.ピロリ抗体および
イト H.ピロリ抗体および
A 社品とした。
A 社品とした。
カットオフ値の妥当性および臨床診断との一致率の
カットオフ値の妥当性および臨床診断との一致率の
評価には、内視鏡所見により診断がなされた
評価には、内視鏡所見により診断がなされた
100100
例を
例を
− 229 −
ランチョンセミナー
凝固・線溶検査のなやましさ
凝固・線溶検査のなやましさ
凝固・線溶検査のなやましさ
〜検査で遭遇するアーチファクト〜
検査で遭遇するアーチファクト
検査で遭遇するアーチファクト
1) 1)
◎末久
◎末久
悦次
悦次
1) 1)
大阪大学医学部附属病院
大阪大学医学部附属病院
医療技術部
医療技術部
検査部門
検査部門
○末久 悦次 大阪大学医学部附属病院 医療技術部 検査部門
現在、血液凝固・線溶検査は、数多くの検査項目が
現在、血液凝固・線溶検査は、数多くの検査項目が
による原因がある場合が考えられる。検体側における
による原因がある場合が考えられる。検体側における
測定されており、その精度も向上しているが、日常検
測定されており、その精度も向上しているが、日常検
非特異反応の要因は異好性抗体、リウマチ因子、
非特異反応の要因は異好性抗体、リウマチ因子、
査において理屈に合わない測定結果に遭遇する。検査
査において理屈に合わない測定結果に遭遇する。検査
M 蛋白、乳び検体などに散見されるが、異好性抗体
M 蛋白、乳び検体などに散見されるが、異好性抗体
結果が病態とは合致しないことが確認もしくは可能性
結果が病態とは合致しないことが確認もしくは可能性
のなかでもマウスに対する抗体
のなかでもマウスに対する抗体
HAMA(human
HAMA(human
anti-antiが検査室側で判断できる場合は、その対処はある程度
が検査室側で判断できる場合は、その対処はある程度
mouse
mouse
antibody)がよく知られている。また近年、がん、
antibody)がよく知られている。また近年、がん、
可能であり、臨床側へ連絡をとることでインシデント
可能であり、臨床側へ連絡をとることでインシデント
関節リウマチ、感染症などの治療薬として、抗体医薬
関節リウマチ、感染症などの治療薬として、抗体医薬
を防ぐことができる。
を防ぐことができる。
品が使用されるようになりマウスモノクローナル抗体
品が使用されるようになりマウスモノクローナル抗体
検査結果が真値であるか否かの判断は、他の項目と
検査結果が真値であるか否かの判断は、他の項目と
を導入した抗体医薬品の使用は生体内でマウス
を導入した抗体医薬品の使用は生体内でマウス
の項目間チェック、前回値チェック、パニックチェッ
の項目間チェック、前回値チェック、パニックチェッ
IgGIgG
に対する抗体を獲得することがあり、免疫学的測
に対する抗体を獲得することがあり、免疫学的測
クなどが多くの施設で使用され、検査値の信頼性を保
クなどが多くの施設で使用され、検査値の信頼性を保
定法を原理とする測定法では、試薬として用いる抗体
定法を原理とする測定法では、試薬として用いる抗体
持する上で重要なチェック方法であるが、これら検査
持する上で重要なチェック方法であるが、これら検査
の多くは、マウスモノクローナル抗体であるため、
の多くは、マウスモノクローナル抗体であるため、
値のチェック方法から逃れた偽値が存在することも事
値のチェック方法から逃れた偽値が存在することも事
HAMA
HAMA
が存在することにより偽値を呈することがあ
が存在することにより偽値を呈することがあ
実であり、また、再検査後の測定値が初検査値と変わ
実であり、また、再検査後の測定値が初検査値と変わ
る。
る。
らないからといって真値である保証はない。凝固・線
らないからといって真値である保証はない。凝固・線
3、投与薬剤の直接的な影響
3、投与薬剤の直接的な影響
溶検査のなかでこの偽値を呈する原因の多くは、検体
溶検査のなかでこの偽値を呈する原因の多くは、検体
血栓症などの凝固亢進状態に使用する抗凝固薬剤の
血栓症などの凝固亢進状態に使用する抗凝固薬剤の
採取までになんらかのアーチファクトを呈するきっか
採取までになんらかのアーチファクトを呈するきっか
中にはその薬剤が測定反応に直接影響をおよぼし、凝
中にはその薬剤が測定反応に直接影響をおよぼし、凝
けがある場合、もしくは検体自身に問題がある場合が
けがある場合、もしくは検体自身に問題がある場合が
固検査成績に影響を与えるものがある。ヘパリンが
固検査成績に影響を与えるものがある。ヘパリンが
多い。
多い。
APTT
APTT
を延長させることは良く知られているが、その
を延長させることは良く知られているが、その
1、検体採取(採血)時の影響
1、検体採取(採血)時の影響
他にもフィブリンを凝固終末点とする測定法の多くの
他にもフィブリンを凝固終末点とする測定法の多くの
凝固・線溶検査において、臨床と合致しない検査値
凝固・線溶検査において、臨床と合致しない検査値
項目(PT、ミキシングテスト、ループスアンチコア
項目(PT、ミキシングテスト、ループスアンチコア
を呈する
を呈する
1 番多く経験する一つは凝固検体による測定
1 番多く経験する一つは凝固検体による測定
グラントなど)に影響をおよぼす。また、新規合成
グラントなど)に影響をおよぼす。また、新規合成
結果のアーチファクトである。どこの施設においても
結果のアーチファクトである。どこの施設においても
Xa 阻害剤であるエドキサバン、リバロキサバン、ア
Xa 阻害剤であるエドキサバン、リバロキサバン、ア
検体提出後、または採血後から検査を実施するまでに
検体提出後、または採血後から検査を実施するまでに
ピキサバンや合成トロンビン阻害剤であるダビガトラ
ピキサバンや合成トロンビン阻害剤であるダビガトラ
検体が凝固していないかどうか肉眼的に凝血塊の有無
検体が凝固していないかどうか肉眼的に凝血塊の有無
ン、アルガトロバンの投与においても凝固検査に影響
ン、アルガトロバンの投与においても凝固検査に影響
を確認し、検体の凝固が確認されれば検査から排除す
を確認し、検体の凝固が確認されれば検査から排除す
を与え、これら合成阻害剤は標的となる活性化因子に
を与え、これら合成阻害剤は標的となる活性化因子に
るという過程を踏んでいる。しかしながら、当然、肉
るという過程を踏んでいる。しかしながら、当然、肉
対して特異的に作用するため、測定試薬として使用す
対して特異的に作用するため、測定試薬として使用す
眼的に凝血塊の確認ができなくても採血管内での凝固
眼的に凝血塊の確認ができなくても採血管内での凝固
る酵素の種類(FXa,トロンビン)や濃度によって影響
る酵素の種類(FXa,トロンビン)や濃度によって影響
亢進が存在する可能性があり、この場合の厄介な問題
亢進が存在する可能性があり、この場合の厄介な問題
する場合がある。
する場合がある。
は、凝固進行状態で凝固因子の活性化を引き起こし、
は、凝固進行状態で凝固因子の活性化を引き起こし、
検体自体の問題による測定値のアーチファクトは、
PT,APTT
PT,APTT
などの凝固検査値が短縮することであり、
などの凝固検査値が短縮することであり、 検体自体の問題による測定値のアーチファクトは、
同じ検体で再検査しても同一結果を得ることが多く、
同じ検体で再検査しても同一結果を得ることが多く、
因子欠乏症を見落とす可能性がある。また、採血困難
因子欠乏症を見落とす可能性がある。また、採血困難
再検したからといって真値とは限らない。異常値を示
再検したからといって真値とは限らない。異常値を示
な患者については、往々にして、採血時の駆血時間が
な患者については、往々にして、採血時の駆血時間が
した場合や、前回値と極端に違う場合などは、検査結
長くなることによって
長くなることによって
t-PAt-PA
などの線溶活性化物質が
などの線溶活性化物質がした場合や、前回値と極端に違う場合などは、検査結
果を報告するまえに他の検査結果の比較や、投薬情報
果を報告するまえに他の検査結果の比較や、投薬情報
血管内皮より流入し、採血管内の凝固・線溶が同時に
血管内皮より流入し、採血管内の凝固・線溶が同時に
進行する場合には、FDP、Dダイマーなどが上昇し、
を含めた情報を収集し、アーチファクトの可能性があ
を含めた情報を収集し、アーチファクトの可能性があ
進行する場合には、FDP、Dダイマーなどが上昇し、
恰も生体内を反映しているかのような凝固・線溶検査
ると判断される場合には、臨床側にその可能性を連絡
ると判断される場合には、臨床側にその可能性を連絡
恰も生体内を反映しているかのような凝固・線溶検査
値を呈する。
することに加えて、検体の再採血が必要である場合に
することに加えて、検体の再採血が必要である場合に
値を呈する。
2、免疫学的測定法における非特異反応
はその注意点も伝えることが肝要であると考える。
はその注意点も伝えることが肝要であると考える。
2、免疫学的測定法における非特異反応
非特異反応の原因は、測定試薬構成や検体そのもの
非特異反応の原因は、測定試薬構成や検体そのもの
− 230 −
ランチョンセミナー
可溶性フィブリンによる早期
可溶性フィブリンによる早期
DIC
DIC
の診断と
の診断と
rTM
rTM
による先制治療
による先制治療
可溶性フィブリンによる早期DICの診断とrTMによる先制治療
〜SFによる早期DIC診断〜 SF による早期
SF による早期
DICDIC
診断
診断
1) 1)
◎池添
◎池添
隆之
隆之
1) 1)
高知大学医学部
高知大学医学部
血液・呼吸器内科
血液・呼吸器内科
○池添 隆之 高知大学医学部 血液・呼吸器内科
播種性血管内凝固症候群(DIC)は様々な基礎疾患
播種性血管内凝固症候群(DIC)は様々な基礎疾患
が、SF
が、SF
は高値を示し、またフィブリノゲンが増加し
は高値を示し、またフィブリノゲンが増加し
のもと過凝固状態が誘発され、全身性に微小血栓が多
のもと過凝固状態が誘発され、全身性に微小血栓が多
ていることから、背景にある感染症や骨髄生着に伴う
ていることから、背景にある感染症や骨髄生着に伴う
発する致死的疾患である。基礎疾患によって過凝固の
発する致死的疾患である。基礎疾患によって過凝固の
サイトカインなどの炎症が
サイトカインなどの炎症が
DICDIC
の発症に関与してい
の発症に関与してい
程度とそれに反応して生じる二次線溶亢進の程度は異
程度とそれに反応して生じる二次線溶亢進の程度は異
ると考えられた。これらの
ると考えられた。これらの
DICDIC
患者を
患者を
rTMrTM
で治療し
で治療し
なり、従って凝血学的検査値は基礎疾患によって異な
なり、従って凝血学的検査値は基礎疾患によって異な
た結果、経時的に
た結果、経時的に
FDPFDP
や Dやダイマーが有意に低下し
D ダイマーが有意に低下し
る。また、血栓による臓器障害が主体になったり、出
る。また、血栓による臓器障害が主体になったり、出
て,それに相関して
て,それに相関して
DICDIC
スコアも改善した。全体と
スコアも改善した。全体と
血症状が主体になったり、DIC
血症状が主体になったり、DIC
の臨床像も基礎疾患に
の臨床像も基礎疾患に
して
して
rTMrTM
投与終了翌日の
投与終了翌日の
DICDIC
離脱率は
離脱率は
68%であり,
68%であり,
よって異なる。例えば、敗血症性
よって異なる。例えば、敗血症性
DICDIC
では線溶系は
では線溶系は第 III
第相臨床試験や市販後第5回安全性定期報告と比
III 相臨床試験や市販後第5回安全性定期報告と比
むしろ抑制され、微小血栓による臓器障害が主体とな
むしろ抑制され、微小血栓による臓器障害が主体とな
較して、ほぼ同等の離脱率を達成可能であった。副作
較して、ほぼ同等の離脱率を達成可能であった。副作
るし、急性前骨髄球性白血病(APL)では線溶系が非
るし、急性前骨髄球性白血病(APL)では線溶系が非
用は全
用は全
195195
例中
例中
10 例(5.1%)に認められ、何れも出
10 例(5.1%)に認められ、何れも出
常に活性化しており出血症状が顕著となる。
常に活性化しており出血症状が顕著となる。
血に関するものであったが幸い死に至る重篤なものは
血に関するものであったが幸い死に至る重篤なものは
DIC
DIC
は進行すると死亡率が高くなるため、早期に診
は進行すると死亡率が高くなるため、早期に診
なかった。
なかった。
断して治療介入を行うことが重要である。我々は白血
断して治療介入を行うことが重要である。我々は白血
rTM
rTM
の効果、安全性を評価する第
の効果、安全性を評価する第
III 相臨床試験に
III 相臨床試験に
病や造血細胞移植後に合併する
病や造血細胞移植後に合併する
DICDIC
を診断するため
を診断するためAPLAPL
は含まれていなかった。そこで我々は
は含まれていなかった。そこで我々は
APLAPL
に合
に合
に旧厚生省の
に旧厚生省の
DICDIC
診断基準を主に用いているが、可
診断基準を主に用いているが、可併した
併した
DICDIC
患者(n=9)を対象とし,rTM
患者(n=9)を対象とし,rTM
治療群の臨
治療群の臨
溶性フィブリン(SF)を測定することで、より早期
溶性フィブリン(SF)を測定することで、より早期床効果を,rTM
床効果を,rTM
発売前の低分子ヘパリンや補充療法
発売前の低分子ヘパリンや補充療法
に過凝固状態をとらえ、DIC
に過凝固状態をとらえ、DIC
診断基準を満たしていな
診断基準を満たしていな
中心の治療群(n=8)をヒストリカルコントロールと
中心の治療群(n=8)をヒストリカルコントロールと
くても遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)
くても遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)
して比較した。コントロール群の
して比較した。コントロール群の
1 例は、治療開始
1 例は、治療開始
による先制治療を試みている。本セミナーでは当科で
による先制治療を試みている。本セミナーでは当科で
5 日目に小脳出血を発症し死亡した。コントロール群
5 日目に小脳出血を発症し死亡した。コントロール群
経験した
経験した
DICDIC
患者の基礎疾患別の血液凝固検査値の
患者の基礎疾患別の血液凝固検査値ののもう
のもう
1 例は治療開始
1 例は治療開始
3 日目に脳梗塞を発症しその後
3 日目に脳梗塞を発症しその後
特徴と、rTM
特徴と、rTM
による治療成績を紹介する。次に、線
による治療成績を紹介する。次に、線肺炎を併発して死に至った。rTM
肺炎を併発して死に至った。rTM
治療群においては
治療群においては
溶亢進型
溶亢進型
DICDIC
の代表格である
の代表格である
APLAPL
に合併する
に合併する
DICDIC
の の
出血,血栓塞栓症ともに発症する患者は
出血,血栓塞栓症ともに発症する患者は
1 例も認めな
1 例も認めな
特徴と
特徴と
rTMrTM
による治療成績を紹介する。最後に移植
による治療成績を紹介する。最後に移植かった。rTM
かった。rTM
群では経時的に
群では経時的に
FDPFDP
とフィブリノゲン
とフィブリノゲン
後に合併する
後に合併する
DICDIC
の基礎疾患、病態についてと、
の基礎疾患、病態についてと、 値が改善し、コントロール群と比較して統計学的に有
値が改善し、コントロール群と比較して統計学的に有
rTMrTM
の治療効果及びその作用機序について紹介する。
の治療効果及びその作用機序について紹介する。
意差を持って早期に
意差を持って早期に
DICDIC
からの離脱が可能であった。
からの離脱が可能であった。
また、血漿中のフィブリノゲン値を
また、血漿中のフィブリノゲン値を
150150
mg/dl
mg/dl
以上に
以上に
我々は
我々は
2008
2008
年 7年月から
7 月から
2013
2013
年 7年月までの
7 月までの
5 年間に
5 年間に
維持するために要した新鮮凍結血漿(FFP)の輸血量
維持するために要した新鮮凍結血漿(FFP)の輸血量
様々な基礎疾患に合併した
様々な基礎疾患に合併した
DICDIC
患者
患者
195195
名(白血病
名(白血病は、rTM
は、rTM
群で有意に少なかった。rTM
群で有意に少なかった。rTM
群では出血の
群では出血の
87 名、移植後の凝固異常症
87 名、移植後の凝固異常症
34 名、感染症
34 名、感染症
44 名、そ
44 名、そ有害事象は認めなかった。
有害事象は認めなかった。
の他
の他
30 名)に
30 名)に
rTMrTM
を投与して治療を行った。治療前
を投与して治療を行った。治療前
造血細胞移植後は類洞閉塞症候群(SOS)や生着症
造血細胞移植後は類洞閉塞症候群(SOS)や生着症
の凝固血液検査を比較した結果、基礎疾患ごとに
の凝固血液検査を比較した結果、基礎疾患ごとに 候群(ES)など致死的合併症を基礎疾患として
候群(ES)など致死的合併症を基礎疾患として
DICDIC
の特徴が明らかとなった。例えば
の特徴が明らかとなった。例えば
APL(n=12)
APL(n=12)DICDIC
を併発するが、rTM
を併発するが、rTM
の投与を受けた
の投与を受けた
23 名と、
23 名と、
に合併した
に合併した
DICDIC
では、FDP(フィブリン/フィブリ
では、FDP(フィブリン/フィブリ rTMrTM
の投与を受けなかった
の投与を受けなかった
18 名の全生存期間(OS)
18 名の全生存期間(OS)
ノゲン分解産物)や
ノゲン分解産物)や
PIC(プラスミン・
PIC(プラスミン・
α2 α2
プラスミ
プラスミを比較すると、rTM
を比較すると、rTM
の投与を受けた患者で有意に生
の投与を受けた患者で有意に生
ンインヒビター複合体)の高値に加え、SF
ンインヒビター複合体)の高値に加え、SF
と と
存期間が延長していることが明らかになった。
存期間が延長していることが明らかになった。
TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)が他の
TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)が他の
rTMrTM
の使用により
の使用により
SOSSOS
や ES
や も改善し
ES も改善し
day day
100100
の生存
の生存
基礎疾患に合併した
基礎疾患に合併した
DICDIC
よりも高値を示し、強い過
よりも高値を示し、強い過率が改善したことが
率が改善したことが
OS OS
の延長に寄与したと考えられ
の延長に寄与したと考えられ
凝固と線溶亢進状態が混在することが伺えた。また、
凝固と線溶亢進状態が混在することが伺えた。また、
た。
た。
造血細胞移植後の
造血細胞移植後の
DICDIC
では
では
FDPFDP
の増加は顕著でない
の増加は顕著でない
− 231 −
ランチョンセミナー
ビタミンD 最新の話題
ビタミンD 最新の話題
ビタミンD 最新の話題
〜活性型ビタミンDだけではビタミンD不足は分からない〜
活性型ビタミンDだけではビタミンD不足は分からない
活性型ビタミンDだけではビタミンD不足は分からない
1) 1)
◎荻原
◎荻原
貴裕
貴裕
○荻原 貴裕 1) 1)
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
CAICAI
事業部
事業部
ケンタウルス製品グループ
ケンタウルス製品グループ
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 CAI事業部 ケンタウルス製品グループ
現在ビタミンD
現在ビタミンD
の不足・欠乏は様々な疾患のリス
の不足・欠乏は様々な疾患のリス 治療においても、ビタミンDや関連類似物質は,乾
治療においても、ビタミンDや関連類似物質は,乾
クファクターであることが報告されており、近年社会
クファクターであることが報告されており、近年社会
癬,副甲状腺機能低下症,腎性骨ジストロフィ,そし
癬,副甲状腺機能低下症,腎性骨ジストロフィ,そし
問題化となりつつあります。慢性的なビタミン
問題化となりつつあります。慢性的なビタミン
D 不D 不て中には白血病,乳癌,前立腺癌,大腸癌に使用され
て中には白血病,乳癌,前立腺癌,大腸癌に使用され
足によって、高齢期に骨粗鬆症の発症リスクが高まる
足によって、高齢期に骨粗鬆症の発症リスクが高まる
ることがあり,免疫抑制にも使用されています。
ることがあり,免疫抑制にも使用されています。
事は多く報告されております。また、近年では、循環
事は多く報告されております。また、近年では、循環
一方でビタミン
一方でビタミン
D の充足状況ですが、欧米において
D の充足状況ですが、欧米において
器系、消化器系、内分泌・代謝系、泌尿器系、皮膚、
器系、消化器系、内分泌・代謝系、泌尿器系、皮膚、
は約
は約
70%前後がビタミン
70%前後がビタミン
D 不足と報告されており、
D 不足と報告されており、
成長、癌、歯等実に様々な疾患との関連性が次々と報
成長、癌、歯等実に様々な疾患との関連性が次々と報
日本人においても成人で
日本人においても成人で
70-80%もの人がビタミン
70-80%もの人がビタミン
告されてきております。
告されてきております。
D 不足の可能性があるとの報告もあります。
D 不足の可能性があるとの報告もあります。
このビタミン
このビタミン
D は、血中では様々なビタミンD代
D は、血中では様々なビタミンD代 この様なビタミン
この様なビタミン
D は、海外では既に測定法の標
D は、海外では既に測定法の標
謝物が存在し、現在このうちの
謝物が存在し、現在このうちの
25(OH)D(=トータ
25(OH)D(=トータ準化整備されてきており、近い将来日本国内において
準化整備されてきており、近い将来日本国内において
ルビタミン
ルビタミン
D)と
D)と
1,25(OH)2D(活性型ビタミン
1,25(OH)2D(活性型ビタミン
D)D)
も、日常的に欠かすことのできない測定項目になるも
も、日常的に欠かすことのできない測定項目になるも
はキット測定が可能であり、この両者を測定すれば、
はキット測定が可能であり、この両者を測定すれば、
のと思われる。今回はその様なビタミン
のと思われる。今回はその様なビタミン
D に関して
D に関して
臨床的にビタミンD代謝評価がほぼ可能になります。
臨床的にビタミンD代謝評価がほぼ可能になります。
の、国内外の最新の知見を紹介させて頂きます。
の、国内外の最新の知見を紹介させて頂きます。
しかしながら、今回ご紹介させて頂く
しかしながら、今回ご紹介させて頂く
25(OH)D
25(OH)D
は は
日本国内ではまだ保険適用がされておらず、現在国内
日本国内ではまだ保険適用がされておらず、現在国内
で保険適用されている血中
で保険適用されている血中
1,25(OH)2D
1,25(OH)2D
濃度の測定
濃度の測定
では、ビタミンD代謝の評価ができず、ビタミン
では、ビタミンD代謝の評価ができず、ビタミン
D 欠乏・不足症の診断ができないというのが実情です。
D 欠乏・不足症の診断ができないというのが実情です。
例えば重症ビタミン
D 欠乏は、くる病・骨軟化症
例えば重症ビタミン
D 欠乏は、くる病・骨軟化症
をもたらしますが、必ずしも血中
1,25(OH)2D
が低
をもたらしますが、必ずしも血中
1,25(OH)2D
が低
下するわけではありません。むしろ高いことも左程稀
下するわけではありません。むしろ高いことも左程稀
なことではないのです。国際的な診療指針においては、
なことではないのです。国際的な診療指針においては、
続発性副甲状腺機能亢進症で最も頻度の高い原因がビ
続発性副甲状腺機能亢進症で最も頻度の高い原因がビ
タミン
D 欠乏・不足であるため、副甲状腺機能亢進
タミン
D 欠乏・不足であるため、副甲状腺機能亢進
症においては
25(OH)D
測定は必須であり、
症においては
25(OH)D
測定は必須であり、
25(OH)D
が低値の場合は、ビタミン
D 不足是正後
25(OH)D
が低値の場合は、ビタミン
D 不足是正後
に、PTH
分泌を再評価すべきであることが明記され
に、PTH
分泌を再評価すべきであることが明記され
ています。
ています。
このほか、低
Ca 血症の鑑別診断、くる病・骨軟化症
このほか、低
Ca 血症の鑑別診断、くる病・骨軟化症
の鑑別診断においても、1,25(OH)2D
とともに
の鑑別診断においても、1,25(OH)2D
とともに
25(OH)D
を評価することが必要不可欠と考えられ
25(OH)D
を評価することが必要不可欠と考えられ
ております。
ております。
この様に、ビタミンD不足・欠乏の診断は、血清
この様に、ビタミンD不足・欠乏の診断は、血清
25(OH)D
を測定しない限り、不可能に近いのが現状
25(OH)D
を測定しない限り、不可能に近いのが現状
です。一方で、ビタミンDは多くの臓器系に影響を与
です。一方で、ビタミンDは多くの臓器系に影響を与
えており、主に小腸からのカルシウムやリン酸吸収を
えており、主に小腸からのカルシウムやリン酸吸収を
高め,正常な骨形成や石灰化を促進していることが明
高め,正常な骨形成や石灰化を促進していることが明
らかとなっています。
らかとなっています。
− 232 −
ランチョンセミナー
救命救急センターの臨床における敗血症診断バイオマーカーの役割
救命救急センターの臨床における敗血症診断バイオマーカーの役割
救命救急センターの臨床における敗血症診断バイオマーカーの役割
1) 1)
1) 1)
◎村井
◎村井映 映
、石倉
、石倉宏恭
宏恭
1)1)
福岡大学病院
福岡大学病院救命救急センター
救命救急センター
○村井 映、石倉 宏恭 福岡大学病院 救命救急センター
本邦の
本邦の
ICUICU
患者を対象とした疫学調査によれば、
患者を対象とした疫学調査によれば、
重 重 度(敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック)や
度(敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック)や
SOFA
SOFA
症敗血症患者の院内死亡率は
29.5%と依然高値である。スコアとの間に有意な正の相関関係がみられた。
スコアとの間に有意な正の相関関係がみられた。
症敗血症患者の院内死亡率は
29.5%と依然高値である。
また、DIC
の合併は重症敗血症患者の院内死亡に関す
炎症反応と凝固反応は同時進行性の病態であり、相
炎症反応と凝固反応は同時進行性の病態であり、相
また、DIC
の合併は重症敗血症患者の院内死亡に関す
る独立した予後予測因子であり、オッズ比は
1.546
互連関している。我々は炎症性マーカーと凝固・線溶
る独立した予後予測因子であり、オッズ比は
1.546
で で 互連関している。我々は炎症性マーカーと凝固・線溶
あった。
系のマーカーを用いて敗血症性DIC
系のマーカーを用いて敗血症性DIC
の診断が可能であ
の診断が可能であ
あった。
重症敗血症患者の転帰改善のためには、早期診断と
るという仮説を立てた。
るという仮説を立てた。
重症敗血症患者の転帰改善のためには、早期診断と
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
早期治療介入が極めて重要であり、早期診断に寄与す
対象と方法:入院時の
対象と方法:入院時の
SIRS
SIRS
項目が
項目が
1 項目以上であ
1 項目以上であ
早期治療介入が極めて重要であり、早期診断に寄与す
る point
testing(POCT)は有用性が高い。我々救 った症例を対象とした。対象症例の入室時に、炎症性
った症例を対象とした。対象症例の入室時に、炎症性
る point
of of
carecare
testing(POCT)は有用性が高い。我々救
急・集中治療の現場で働く臨床医が
POCT
に期待する マーカー(Presepsin、PCT、IL-6、WBC、CRP)と凝
マーカー(Presepsin、PCT、IL-6、WBC、CRP)と凝
急・集中治療の現場で働く臨床医が
POCT
に期待する
条件とは1.迅速性(サンプルの量が少なくて済み、前 固・線溶系マーカー
固・線溶系マーカー
(Protein
(Protein
C (PC)、
C (PC)、
Thrombomodulin、
Thrombomodulin、
条件とは1.迅速性(サンプルの量が少なくて済み、前
処置に時間がかからない、測定時間が短い)2.精度(敗 Antithrombin(AT)、血小板数、PT
Antithrombin(AT)、血小板数、PT
比、D-Dimer)を測定
比、D-Dimer)を測定
処置に時間がかからない、測定時間が短い)2.精度(敗
血症の診断能が高い、敗血症を早期のフェーズで捉え した。
した。
血症の診断能が高い、敗血症を早期のフェーズで捉え
うる、重症度および治療効果を反映する、予後予測が 結果:
結果:
82 82
症例が登録された。炎症マーカーを用いた
症例が登録された。炎症マーカーを用いた
うる、重症度および治療効果を反映する、予後予測が
可能)3.使いやすさ(研修医でも簡単に測定でき、手 DICDIC
の有無に対する多重ロジスティック回帰分析の結
の有無に対する多重ロジスティック回帰分析の結
可能)3.使いやすさ(研修医でも簡単に測定でき、手
技によるばらつきが少ない、定量評価が可能、低コス 果、唯一
果、唯一
Presepsin
Presepsin
が抽出され、その
が抽出され、その
cut-off
cut-off
値は
値は
技によるばらつきが少ない、定量評価が可能、低コス
ト)が挙げられる。
899pg/ml
899pg/ml
であった。一方、凝固系マーカーを用いた
であった。一方、凝固系マーカーを用いた
ト)が挙げられる。
貪食細胞の膜表面抗原タンパクである
CD14
は細菌 Sepsis
Sepsis
の有無に対する多重ロジスティック回帰分析
の有無に対する多重ロジスティック回帰分析
貪食細胞の膜表面抗原タンパクである
CD14
は細菌
の貪食に伴い
phagosome
へ取り込まれる。その後 では、唯一
では、唯一
Protein
Protein
C が抽出され、その
C が抽出され、その
cut-off
cut-off
値は
値は
の貪食に伴い
phagosome
へ取り込まれる。その後
Cathepsin
D による分解消化を受け可溶性サブタイプ 47%であった。さらに、Presepsin
47%であった。さらに、Presepsin
と Protein
と Protein
C の両者
C の両者
Cathepsin
D による分解消化を受け可溶性サブタイプ
である
soluble
CD14
subtype(sCD14-ST)が形成される。 を用いて
を用いて
ROCROC
解析を実施したところ、敗血症に関する
解析を実施したところ、敗血症に関する
である
soluble
CD14
subtype(sCD14-ST)が形成される。
血中へ放出された
sCD14-ST
がプレセプシンである。 AUC=0.911、DIC
AUC=0.911、DIC
に対する
に対する
AUC=0.913(共に
AUC=0.913(共に
p<0.001)で
p<0.001)で
血中へ放出された
sCD14-ST
がプレセプシンである。
プレセプシンは全血
100μl
を用いて約
分間で定量 あった。
あった。
プレセプシンは全血
100μl
を用いて約
17 17
分間で定量
評価が可能な測定機器および試薬が市販されている。
新規敗血症診断マーカーであるプレセプシンは、敗
新規敗血症診断マーカーであるプレセプシンは、敗
評価が可能な測定機器および試薬が市販されている。
我々はプレセプシンの敗血症診断における
POCT
血症診断の
POCT
POCT
として有用である。さらに我々はプ
として有用である。さらに我々はプ
我々はプレセプシンの敗血症診断における
POCT
と と 血症診断の
しての有用性を評価する目的で臨床検討を実施した。 レセプシンを用いた敗血症性DIC
レセプシンを用いた敗血症性DIC
の診断基準を新たに
の診断基準を新たに
しての有用性を評価する目的で臨床検討を実施した。
対象と方法:入院時に
SIRS
項目1項目以上を満た 作成し、臨床的有用性と妥当性の検討を行っている。
作成し、臨床的有用性と妥当性の検討を行っている。
対象と方法:入院時に
SIRS
項目1項目以上を満た
した症例全例を対象とし、入院時(第
1 病日)および第
した症例全例を対象とし、入院時(第
1 病日)および第
8 病日にプレセプシン、
プロカルシトニン(PCT)、
2, 4,2,6,4,86,病日にプレセプシン、
プロカルシトニン(PCT)、
IL-6、CRP
の測定と敗血症重症度評価を行った。加え
IL-6、CRP
の測定と敗血症重症度評価を行った。加え
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
て、入院
28 日目の転帰を評価した。
て、入院
28 日目の転帰を評価した。
結果
84 症例が登録された。
登録時、
18 症例が
SIRS
結果
::
84 症例が登録された。
登録時、
18 症例が
SIRS
のみ、42
症例が敗血症であった。敗血症の診断能を評
のみ、42
症例が敗血症であった。敗血症の診断能を評
価するために入院時の各バイオマーカーを
ROC
解析
価するために入院時の各バイオマーカーを
ROC
解析
し、AUC(area
under
curve)を算出したところ、プレ
し、AUC(area
under
the the
curve)を算出したところ、プレ
セプシンが
と最大であり、以下
(0.89)、PCT
セプシンが
0.920.92
と最大であり、以下
IL-6IL-6
(0.89)、PCT
(0.88)、
CRP
(0.83)であった。
今回の
ROC
解析から敗血
(0.88)、
CRP
(0.83)であった。
今回の
ROC
解析から敗血
症診断プレセプシンのカットオフ値は
647pg/mL
であ
症診断プレセプシンのカットオフ値は
647pg/mL
であ
った。
( 感度
92.9%,
特異度
83.3%,
95%
信頼区間
った。
( 感度
92.9%,
特異度
83.3%,
95%
信頼区間
0.805-0.985)。さらに、プレセプシン値は敗血症の重症
0.805-0.985)。さらに、プレセプシン値は敗血症の重症
− 233 −
ランチョンセミナー
(R) (R)
結核感染診断検査T-スポット
結核感染診断検査T-スポット
.TBについて
.TBについて
結核感染診断検査T-スポット®
.TB について
~特徴、測定方法、結果判読~
~特徴、測定方法、結果判読~
~特徴、測定方法、結果判読~
1) 1)
◎藤本
◎藤本
一満
一満
1) 1)
ファルコバイオシステムズ総合研究所
ファルコバイオシステムズ総合研究所
○藤本 一満 ファルコバイオシステムズ総合研究所
結核発病リスクが高い者および発病後感染拡大リスクが高
結核発病リスクが高い者および発病後感染拡大リスクが高
4ウェルに
4ウェルに
25 万個ずつ
25 万個ずつ
PBMC
PBMC
を分注し、ESAT-6、
を分注し、ESAT-6、
CFP10
CFP10
を加え
を加え
16~20
16~20
時間反応させる。3.ウェルを洗
時間反応させる。3.ウェルを洗
い者に対する潜在性結核感染症(LTBI)の治療の有効性
い者に対する潜在性結核感染症(LTBI)の治療の有効性
浄したのち、ALP
標識抗
標識抗
IFN-γ
IFN-γ
抗体を加え反応させ
抗体を加え反応させ
が確立し、結核感染診断の重要性は増した。LTBI
が確立し、結核感染診断の重要性は増した。LTBI
の の浄したのち、ALP
る。4.ウェルを洗浄して非結合の抗体を除去後、基質
絶対基準がないため、LTBI
絶対基準がないため、LTBI
に対して感度、特異度は
に対して感度、特異度はる。4.ウェルを洗浄して非結合の抗体を除去後、基質
試薬を加える。5.基質が分解されるとウェル底の膜に
試薬を加える。5.基質が分解されるとウェル底の膜に
直接推測することはできないが、従来、結核感染診断
直接推測することはできないが、従来、結核感染診断
暗青色のスポットとして染みつき、IFN-γ
暗青色のスポットとして染みつき、IFN-γ
を産生した
を産生した
方法として行われてきたツ反は過去の
方法として行われてきたツ反は過去の
BCG
BCG
接種や非
接種や非
結核性抗酸菌等の影響を受けるため特異度に問題があ
結核性抗酸菌等の影響を受けるため特異度に問題があ
エフェクターT
エフェクターT
細胞の存在を表す(ELISPOT
細胞の存在を表す(ELISPOT
法)。6.
法)。6.
エリスポットリーダーおよび目視確認にてスポット数を計測する。
った。これに対して結核特異抗原の刺激によって
った。これに対して結核特異抗原の刺激によって エリスポットリーダーおよび目視確認にてスポット数を計測する。
7.一定の判定基準に従い、スポット数から結核感染の
7.一定の判定基準に従い、スポット数から結核感染の
リンパ球から遊離されるインターフェロン-γ(IFN-γ)を測定する
リンパ球から遊離されるインターフェロン-γ(IFN-γ)を測定する
有無を判定する。
有無を判定する。
IFN-γ
IFN-γ
遊離試験(IGRA)は、高特異度、信頼できる
遊離試験(IGRA)は、高特異度、信頼できる
[測定結果の判定法]
[測定結果の判定法]
客観的な測定法、被験者の再診不要等からツ反に比べ
客観的な測定法、被験者の再診不要等からツ反に比べ
1.(ESAT-6
1.(ESAT-6
のスポット数)-(陰性コントロールのスポット数)
のスポット数)-(陰性コントロールのスポット数)
有利な点をもつ。現在、IGRA
有利な点をもつ。現在、IGRA
として
として
2009
2009
年に
年に
を①とする。(CFP10
を①とする。(CFP10
のスポット数)-(陰性コントロールの
のスポット数)-(陰性コントロールの
クォンティフェロン®TB
クォンティフェロン®TB
ゴールド(QFT)、2012
ゴールド(QFT)、2012
年に
年に
T- Tスポット数)を②とする。2.陽性:①および②の両方、
スポット®TB(T-SPOT)が健康保険に収載され、両方法と
スポット®TB(T-SPOT)が健康保険に収載され、両方法とスポット数)を②とする。2.陽性:①および②の両方、
あるいは片方のスポット数が
あるいは片方のスポット数が
6 以上の場合。陰性:①お
6 以上の場合。陰性:①お
も広く利用されている。
も広く利用されている。
よび②の両方のスポット数が
よび②の両方のスポット数が
5 以下の場合。3.判定保
5 以下の場合。3.判定保
今回、T-SPOT
今回、T-SPOT
の特徴、測定方法および結果判読等に
の特徴、測定方法および結果判読等に
留:①および②の両方の最大スポット数が
留:①および②の両方の最大スポット数が
5~7
5~7
の場合。
の場合。
ついて報告する。
ついて報告する。
4.判定不可:陰性コントロールのスポット数が
4.判定不可:陰性コントロールのスポット数が
11 以上の場合。
11 以上の場合。
[結核の感染と発病]
[結核の感染と発病]
陽性コントロールのスポット数が
陽性コントロールのスポット数が
20 未満の場合。
20 未満の場合。
感染とは、結核菌に感染し体内に菌はいるが免疫で
感染とは、結核菌に感染し体内に菌はいるが免疫で
封じ込まれて活動せず潜伏している状態、発病とは、
封じ込まれて活動せず潜伏している状態、発病とは、
感染した後に免疫力低下、免疫抑制剤の使用などで体
感染した後に免疫力低下、免疫抑制剤の使用などで体
の抵抗力が弱くなり、結核菌が活動し始めて体の中で
の抵抗力が弱くなり、結核菌が活動し始めて体の中で
増殖している状態をいう。
増殖している状態をいう。
[T-SPOT
[T-SPOT
の特徴]
の特徴]
1.採血管:ヘパリン血
1.採血管:ヘパリン血
1 本。2.採血から検査までの
1 本。2.採血から検査までの
図 T-SPOT
図 T-SPOT
測定結果(陽性例)
測定結果(陽性例)
時間:最大
時間:最大
32 時間。3.検体保存温度:18~25℃。
32 時間。3.検体保存温度:18~25℃。
[結果分布]
4.結核特異抗原:ESAT-6、CFP10
4.結核特異抗原:ESAT-6、CFP10
の 2の種。5.測
2 種。5.測[結果分布]
当社に
T-SPOT
T-SPOT
の依頼のあった
の依頼のあった
21,266
21,266
検体(2013
検体(2013
年 年
定対象:25
定対象:25
万個の末梢血単核球(PBMC)当たりの
万個の末梢血単核球(PBMC)当たりの
IFN-IFN- 当社に
2 月~2014
2 月~2014
年 4年月)の結果分布をみたところ、陽性
4 月)の結果分布をみたところ、陽性
γ 産生細胞数。6.検出法:
γ 産生細胞数。6.検出法:
ELISPOT
ELISPOT
法。7.検査
法。7.検査
8.1%、陰性
8.1%、陰性
87.3%、陽性域の判定保留
87.3%、陽性域の判定保留
1.5%、陰性域
1.5%、陰性域
日数:2
日数:2
日。8.検査の自動化率:およそ
日。8.検査の自動化率:およそ
10%。9.
10%。9.
の判定保留
の判定保留
1.1%、判定不可
1.1%、判定不可
1.8%、PBMC
1.8%、PBMC
規定値未満
規定値未満
感度、特異度:感度は活動性結核患者
感度、特異度:感度は活動性結核患者
80 名中
80 名中
78 名が
78 名が
0.2%であった。
陽性
陽性
97.5%、特異度は結核感染リスクの低い
97.5%、特異度は結核感染リスクの低い
111111
名中
名中 0.2%であった。
[まとめ]
[まとめ]
110110
名が陰性
名が陰性
99.1%(試薬添付説明書より引用)。10.
99.1%(試薬添付説明書より引用)。10.
T-SPOT
は、PBMC
は、PBMC
の洗浄およぶ細胞数の調製をす
の洗浄およぶ細胞数の調製をす
QFTQFT
との相関性:結核菌感染リスクの高い被験者による
との相関性:結核菌感染リスクの高い被験者による T-SPOT
ることで安定した検査結果が得やすく、感度および特
陽性一致率は
陽性一致率は
75/76(98.7%)、結核菌感染リスクの低い被
75/76(98.7%)、結核菌感染リスクの低い被ることで安定した検査結果が得やすく、感度および特
異度が高いことから、結核感染者の特定が可能となる。
異度が高いことから、結核感染者の特定が可能となる。
験者による陰性一致率は
験者による陰性一致率は
97/97(100.0%)。
97/97(100.0%)。
当日は、よくある質問に対する回答を紹介する。
当日は、よくある質問に対する回答を紹介する。
[T-SPOT
[T-SPOT
の測定方法]
の測定方法]
連絡先
連絡先
0774-46-1010
0774-46-1010
1.全血から
1.全血から
PBMC
PBMC
を分離し、規定の細胞数に調製
を分離し、規定の細胞数に調製
する。2.抗
する。2.抗
IFN-γ
IFN-γ
抗体を固相したマイクロプレートの
抗体を固相したマイクロプレートの
− 234 −
ランチョンセミナー
バセドウ病と臨床検査
バセドウ病と臨床検査
◎窪田 純久 1)
くぼたクリニック 1)
○窪田 純久 くぼたクリニック
甲状腺疾患の診断学の発展は臨床検査の進歩による
ところが大きい。中でも甲状腺ホルモン、甲状腺刺激
ホルモンという微量物質が測定できるようになったこ
とにより飛躍的に進んだ。ホルモンの濃度はプール一
杯の水の量中のスプーン一杯の物質の濃度として例え
られ、微量物質だけに検査の正確性は完全ではない。
甲状腺ホルモンは血中ではほとんどがタンパクと結合
しており、そのため遊離ホルモンの測定はさらに難し
い。甲状腺遊離ホルモンは平衡透析法が最も真の値に
近いと推測されるが臨床レベルでは使用できない。ま
た現在市販されている様々な甲状腺ホルモン測定キッ
トにもそれぞれに特徴がある。ほとんどの場合はキッ
トによる測定値を真の値ととらえても問題はないが、
時折判断に迷うことがある。
バセドウ病は TSH レセプター抗体(TRAb)の出現に
よって甲状腺ホルモン(FT4, FT3)が上昇し、同時に甲
状腺刺激ホルモン(TSH)が減少するという疾患である。
同時に代謝状態の変化により種々の生化学検査値に変
化を生じる。また抗甲状腺薬の重篤な副作用に薬剤性
無顆粒球症があるため、注意深く血算をモニターする
必要がある。このようにバセドウ病は血液臨床検査が
なければ診療できない疾患である。講演ではバセドウ
病の診断と治療とともに診療にあたって必要な検査項
目とその解釈について述べる予定である。
− 235 −
ランチョンセミナー
抗酸菌の迅速検査~当院での取り組み~
抗酸菌の迅速検査~当院での取り組み~
抗酸菌の迅速検査
~当院での取り組み~
1) 1)
◎有村
◎有村
泰晃
泰晃
1) 1)
独立行政法人
独立行政法人
国立病院機構
国立病院機構
刀根山病院
刀根山病院
臨床検査科
臨床検査科
○有村 泰晃 独立行政法人 国立病院機構 刀根山病院 臨床検査科
わが国の結核罹患率は減少傾向にあるが、未だ年間
わが国の結核罹患率は減少傾向にあるが、未だ年間
在の標準法は
在の標準法は
1%小川培地を用いた比率法だが、結果
1%小川培地を用いた比率法だが、結果
2 万人以上の結核患者が新たに登録されており、世界
2 万人以上の結核患者が新たに登録されており、世界
を得るまでに長期間を要する。「結核検査指針
を得るまでに長期間を要する。「結核検査指針
的に見ても依然として結核中蔓延国である。一方、非
的に見ても依然として結核中蔓延国である。一方、非
2007」においても日常検査法においては迅速性に優れ
2007」においても日常検査法においては迅速性に優れ
結核性抗酸菌症(NTM
結核性抗酸菌症(NTM
症)は年々増加傾向にある。
症)は年々増加傾向にある。る液体培地を用いた検査法が推奨されている。当院は
る液体培地を用いた検査法が推奨されている。当院は
疫学的調査によると、毎年新規の肺
疫学的調査によると、毎年新規の肺
NTM
NTM
症患者は約
症患者は約
これらの薬剤感受性試験に加え、結核菌群の
これらの薬剤感受性試験に加え、結核菌群の
RFPRFP
耐 耐
8,000
8,000
人と推測されている。
人と推測されている。
性遺伝子検査を実施している。RFP
性遺伝子検査を実施している。RFP
耐性結核菌の約
耐性結核菌の約
当院での
当院での
2013
2013
年の抗酸菌検査総依頼件数は
年の抗酸菌検査総依頼件数は
95%は
95%は
rpoB
rpoB
遺伝子中に変異が認められており、その変
遺伝子中に変異が認められており、その変
13,000
13,000
件以上あり、外来患者件数だけでも約
件以上あり、外来患者件数だけでも約
7,800
7,800
件 件
異の有無は
異の有無は
RFPRFP
感受性診断の指標として有用とされ
感受性診断の指標として有用とされ
あった。今や抗酸菌検査は診断の補助だけでなく、院
あった。今や抗酸菌検査は診断の補助だけでなく、院
ている。「ジェノスカラー
ている。「ジェノスカラー
Rif Rif
TB」(ニプロ)は材料か
TB」(ニプロ)は材料か
内感染や集団感染を未然に防ぐためにも結果の正確性
内感染や集団感染を未然に防ぐためにも結果の正確性
ら直接
ら直接
rpoB
rpoB
遺伝子内の変異を検出するキットである。
遺伝子内の変異を検出するキットである。
のみならず、迅速性も求められている。
のみならず、迅速性も求められている。
RFPRFP
耐性結核菌の
耐性結核菌の
80%以上は他の薬剤にも耐性を持
80%以上は他の薬剤にも耐性を持
以上の環境を踏まえ、当院での抗酸菌検査は塗抹・
以上の環境を踏まえ、当院での抗酸菌検査は塗抹・
つとされており、これを検出することは治療方針の早
つとされており、これを検出することは治療方針の早
培養検査に加え、核酸増幅検査・核酸同定検査・結核
培養検査に加え、核酸増幅検査・核酸同定検査・結核
期決定や治療成功率の向上に役立つ。また、2012
期決定や治療成功率の向上に役立つ。また、2012
年 年
菌群
菌群
RFPRFP
耐性遺伝子検査及び薬剤感受性検査を実施
耐性遺伝子検査及び薬剤感受性検査を実施12 月には
12 月には
PZAPZA
耐性遺伝子検査、2013
耐性遺伝子検査、2013
年 10
年月には
10 月には
している。すべての検査は基本的に「結核検査指針
している。すべての検査は基本的に「結核検査指針 INHINH
耐性遺伝子検査の診療報酬点数が認められた。
耐性遺伝子検査の診療報酬点数が認められた。
これらを併用することで薬剤感受性検査の結果を待た
これらを併用することで薬剤感受性検査の結果を待た
2007」(財団法人結核予防会)に基づいて行っている。
2007」(財団法人結核予防会)に基づいて行っている。
ずとも抗結核薬の主要薬剤に対する感受性結果や、多
ずとも抗結核薬の主要薬剤に対する感受性結果や、多
核酸増幅検査は月1回の診療報酬点数が認められて
核酸増幅検査は月1回の診療報酬点数が認められて
剤耐性結核菌の早期発見に貢献できると考える。
剤耐性結核菌の早期発見に貢献できると考える。
以来、目覚ましく発展、普及しており、迅速診断法と
以来、目覚ましく発展、普及しており、迅速診断法と
これまでの抗酸菌検査は操作が煩雑なうえに長期間
これまでの抗酸菌検査は操作が煩雑なうえに長期間
して大変有用な検査である。現在、体外診断薬として
して大変有用な検査である。現在、体外診断薬として
を要していた。しかし、近年、種々の簡便かつ迅速な
を要していた。しかし、近年、種々の簡便かつ迅速な
承認・市販されている検出試薬は、検出可能な菌種や
承認・市販されている検出試薬は、検出可能な菌種や
検査法が開発されている。本セミナーでは、以上のよ
検査法が開発されている。本セミナーでは、以上のよ
原理の違いにより様々である。当院で実施しているの
原理の違いにより様々である。当院で実施しているの
うな抗酸菌迅速検査の運用について当院での取り組み
うな抗酸菌迅速検査の運用について当院での取り組み
は Transcription
Reverse-transcription
Concerted
は Transcription
Reverse-transcription
Concerted
を紹介する。
を紹介する。
reaction(TRC
法)である。これは一定温度下で
reaction(TRC
法)である。これは一定温度下で
RNA
を増幅しリアルタイム検出する核酸増幅法であ
RNA
を増幅しリアルタイム検出する核酸増幅法であ
り、感度・迅速性に優れている。TRC
法を原理とす
り、感度・迅速性に優れている。TRC
法を原理とす
る体外診断用医薬品の「TRCRapid
M.TB」及び
る体外診断用医薬品の「TRCRapid
M.TB」及び
「TRCRapid
MAC」(東ソー)は、それぞれ結核菌群と
「TRCRapid
MAC」(東ソー)は、それぞれ結核菌群と
M.avium
complex
を高感度に検出できる試薬であるが、
M.avium
complex
を高感度に検出できる試薬であるが、
その反面、核酸抽出が用手法であること、使用時に試
その反面、核酸抽出が用手法であること、使用時に試
薬の随時調整が必要であること、及び
M.avium
と と
薬の随時調整が必要であること、及び
M.avium
M.intracellulare
の鑑別ができない、等の課題も有して
M.intracellulare
の鑑別ができない、等の課題も有して
いた。この度、これらの問題点を改良した新システム
いた。この度、これらの問題点を改良した新システム
が同社により開発され、当院でも評価する機会を得た
が同社により開発され、当院でも評価する機会を得た
ので、その結果についても紹介する。
ので、その結果についても紹介する。
薬剤感受性試験は抗酸菌症の適切な治療において必
薬剤感受性試験は抗酸菌症の適切な治療において必
要不可欠な検査である。2009
年 2年月に施行された新
要不可欠な検査である。2009
2 月に施行された新
しい結核医療の基準では、培養検査を実施した場合は
しい結核医療の基準では、培養検査を実施した場合は
必ず薬剤感受性検査を実施することが定められた。現
必ず薬剤感受性検査を実施することが定められた。現
− 236 −
ランチョンセミナー
ルミパルス肝炎マーカーの有用性
ルミパルス肝炎マーカーの有用性
ルミパルス肝炎マーカーの有用性
HBc
HBc
抗体検出試薬と高感度
抗体検出試薬と高感度
HBs
HBs
抗原定量試薬の特徴とその有用性/C
抗原定量試薬の特徴とその有用性/C
型肝炎ウイルス検査の結果解釈
型肝炎ウイルス検査の結果解釈
〜HBc抗体検出試薬と高感度HBs抗原定量試薬の特長とその有用性/C型肝炎ウイルス検査の結果解釈〜
1)1)
2)2)
◎新妻
◎新妻幸子
幸子
、金子
、金子武行
武行
1)
2)
1)
1)
2)2)
○新妻 幸子 学術サービス部
、金子 武行
富士レビオ株式会社
富士レビオ株式会社
学術サービス部
、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社
、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社学術部
学術部
1)富士レビオ株式会社 学術サービス部、2)オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 学術部
【B
【B
型肝炎】
型肝炎】
【C
【C
型肝炎】
型肝炎】
HBV
HBV
の感染様式は母子感染と水平感染があり、
成人
CC
型肝炎ウィルスの検査は抗体検査から始まります。
型肝炎ウィルスの検査は抗体検査から始まります。
の感染様式は母子感染と水平感染があり、
成人
の水平感染は殆どが一過性感染でHBs
HBs抗原は陰性化
抗原は陰性化 抗体検査は少量の検体による検査が可能であり、簡便
抗体検査は少量の検体による検査が可能であり、簡便
の水平感染は殆どが一過性感染で
し回復しますが、
HBV
は一旦感染すると回復後も長期 であるため検診および診断用として広く普及しており
であるため検診および診断用として広く普及しており
し回復しますが、
HBV
は一旦感染すると回復後も長期
間肝細胞内に
HBVcccDNA
として潜伏することが近年 ます。しかしながらウィルスそのものを検出するわけ
ます。しかしながらウィルスそのものを検出するわけ
間肝細胞内に
HBVcccDNA
として潜伏することが近年
わかってきており、これまで完治したと考えられてい
ではないため「HCV
ではないため「HCV
抗体陽性=HCV
抗体陽性=HCV
感染ではない」
感染ではない」
わかってきており、これまで完治したと考えられてい
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
た既往感染者からの臓器移植で
HBV
感染が起こった ということから、
ということから、
HCV
HCV
抗体検査の結果解釈は簡単では
抗体検査の結果解釈は簡単では
た既往感染者からの臓器移植で
HBV
感染が起こった
り、既往感染者の免疫が抑制されると潜在的なHBV
HBV ないのが実情です。
ないのが実情です。
り、既往感染者の免疫が抑制されると潜在的な
が再活性化し、
novo
B 型肝炎を発症する例が報告さ
が再活性化し、
dede
novo
B 型肝炎を発症する例が報告さ
れています。免疫抑制・化学療法等を施行する前には
単に
単に
HCV
HCV
抗体陽性といってもその陽性例の中には
抗体陽性といってもその陽性例の中には
れています。免疫抑制・化学療法等を施行する前には
全例でHBs
HBs抗原検査を高感度の試薬で確認すること
抗原検査を高感度の試薬で確認すること イムノアッセイの宿命とも言うべき非特異反応はもち
イムノアッセイの宿命とも言うべき非特異反応はもち
全例で
が重要です。さらに、HBs
抗原が陰性の場合は感染既 ろんのこと、感染既往例における残存抗体、交叉抗原
ろんのこと、感染既往例における残存抗体、交叉抗原
が重要です。さらに、HBs
抗原が陰性の場合は感染既
往の有無を確認するため、
HBs
抗体および
HBc
抗体を に起因する交叉性抗体等が含まれております。また
に起因する交叉性抗体等が含まれております。また
往の有無を確認するため、
HBs
抗体および
HBc
抗体を
確認します(免疫抑制・化学療法により発症する
B 型 個々の試薬原理の違い、各試薬に使用されている抗原
個々の試薬原理の違い、各試薬に使用されている抗原
確認します(免疫抑制・化学療法により発症する
B型
肝炎対策ガイドライン)
の種類の差異によっても反応が異なり、試薬間で判定
の種類の差異によっても反応が異なり、試薬間で判定
肝炎対策ガイドライン)
。。
今回は
HBc
抗体検出試薬と昨年
9 月発売の高感度 が乖離することも少なくありません。
が乖離することも少なくありません。
今回は
HBc
抗体検出試薬と昨年
9 月発売の高感度
HBs
抗原測定試薬をご紹介いたします。
HBs
抗原測定試薬をご紹介いたします。
HCV
HCV
抗体陽性例の中には、
抗体陽性例の中には、
これら様々な症例が包含
これら様々な症例が包含
【ルミパルス
HBc
抗体検出試薬のご紹介】
されておりますが、それぞれの特徴について概説させ
されておりますが、それぞれの特徴について概説させ
【ルミパルス
HBc
抗体検出試薬のご紹介】
製品名「ルミパルス
HBcAb-N」
ていただきます。
ていただきます。
1) 1)製品名「ルミパルス
HBcAb-N」
「ルミパルスプレスト
HBcAb-Ⅲ」
「ルミパルスプレスト
HBcAb-Ⅲ」
特長
2) 2)特長
①陰性/陽性の分布が明確
①陰性/陽性の分布が明確
②200
倍等の希釈をせずに、高力価の判定が可能
②200
倍等の希釈をせずに、高力価の判定が可能
③従来の試薬と異なりIgG
IgG
HBc
抗体のみを検出
③従来の試薬と異なり
型型
HBc
抗体のみを検出
B 型急性肝炎例では低値に、B
型慢性肝炎例では
B 型急性肝炎例では低値に、B
型慢性肝炎例では
高値に出力され、臨床診断にも有用性が高いと評
高値に出力され、臨床診断にも有用性が高いと評
価されました。
価されました。
あああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ
【ルミパルス
HBs
抗原定量試薬のご紹介】
【ルミパルス
HBs
抗原定量試薬のご紹介】
製品名「ルミパルス
「ルミパルス
HBsAg-HQ」
1) 1)製品名
HBsAg-HQ」
特長
2) 2)特長
①定量試薬
①定量試薬
②変異株に強い
②変異株に強い
③高感度である
③高感度である
既存の定量試薬より約
倍高感度で、
エスケープ変
既存の定量試薬より約
1010
倍高感度で、
エスケープ変
異株も、より検出しやすい原理を採用しております、
異株も、より検出しやすい原理を採用しております、
B 型肝炎のモニタリングや
novoB 型肝炎対策に有
B 型肝炎対策に有
B 型肝炎のモニタリングや
dede
novo
用です。
用です。
− 237 −
ランチョンセミナー
心筋トロポニンI高感度測定の意義
心筋トロポニンI高感度測定の意義
心筋トロポニンⅠ高感度測定の意義
1) 1)
◎土田
◎土田
貴彦
貴彦
1) 1)
アボット
アボット
ジャパン株式会社
ジャパン株式会社
学術情報室
学術情報室
○土田 貴彦 アボットジャパン株式会社 学術情報室
急性心筋梗塞を発症すると心筋細胞中からの逸脱酵
急性心筋梗塞を発症すると心筋細胞中からの逸脱酵
が報告され、急性冠症候群においては心筋トロポニン
が報告され、急性冠症候群においては心筋トロポニン
素やタンパク質が血中で検出されるようになる。 こ
素やタンパク質が血中で検出されるようになる。 こ
濃度が高いほどその後の死亡率が高いことが示された。
濃度が高いほどその後の死亡率が高いことが示された。
れらの心筋マーカーは、ミオグロビンや
れらの心筋マーカーは、ミオグロビンや
H-FABP、総
H-FABP、総
今後も、心筋トロポニン定量測定が広く臨床応用さ
今後も、心筋トロポニン定量測定が広く臨床応用さ
CK、CK-MB
CK、CK-MB
や心筋トロポニン等で臨床の場で測定さ
や心筋トロポニン等で臨床の場で測定さ
れていくと考えられる。
れていくと考えられる。
れている。 中でも心筋トロポニンは、急性心筋梗塞
れている。 中でも心筋トロポニンは、急性心筋梗塞
近年では、心筋トロポニン濃度の正常上限値として、
近年では、心筋トロポニン濃度の正常上限値として、
と不安定狭心症に分類される急性冠症候群の診断にお
と不安定狭心症に分類される急性冠症候群の診断にお
健常人の
健常人の
99 パーセンタイル値が使われ、望ましい感
99 パーセンタイル値が使われ、望ましい感
いて心筋細胞障害を最も反映するバイオマーカーとし
いて心筋細胞障害を最も反映するバイオマーカーとし
度を有する検査試薬としては、この健常人上限値が
度を有する検査試薬としては、この健常人上限値が
て広く臨床応用されている。
て広く臨床応用されている。
CV10%未満の実効感度の精度を有する試薬であると
CV10%未満の実効感度の精度を有する試薬であると
トロポニンは筋肉を構成するタンパク質の一つであ
トロポニンは筋肉を構成するタンパク質の一つであ
されている。この心筋トロポニン検査の高感度測定は、
されている。この心筋トロポニン検査の高感度測定は、
り、トロポニン
り、トロポニン
I、トロポニン
I、トロポニン
T、トロポニン
T、トロポニン
C で複
C で複2000
2000
年並びに
年並びに
2007
2007
年に心筋梗塞の診断のガイドライ
年に心筋梗塞の診断のガイドライ
合体を形成し、ミオシンやアクチン等と共に筋収縮に
合体を形成し、ミオシンやアクチン等と共に筋収縮に
ンの再定義として公表され、その中で心筋トロポニン
ンの再定義として公表され、その中で心筋トロポニン
関与している。 トロポニン
関与している。 トロポニン
I とITとは、心筋と骨格筋
T は、心筋と骨格筋
の高感度測定が重要視されている。 急性冠症候群な
の高感度測定が重要視されている。 急性冠症候群な
とではアイソフォーム(立体構造)が異なるため、心
とではアイソフォーム(立体構造)が異なるため、心
どのような緊急性の高い疾患を診療する上で、短時間
どのような緊急性の高い疾患を診療する上で、短時間
筋トロポニン
筋トロポニン
I および
I および
T に特異的なモノクローナル抗
T に特異的なモノクローナル抗
に且つ高感度に心筋トロポニン測定を行うことは臨床
に且つ高感度に心筋トロポニン測定を行うことは臨床
体を測定系に用いることにより、心筋に特異性の高い
体を測定系に用いることにより、心筋に特異性の高い
上極めて有用である。
上極めて有用である。
トロポニン測定が可能となった。
トロポニン測定が可能となった。
2009
2009
年、Keller
年、Keller
らは心筋梗塞が疑われ救急外来を受
らは心筋梗塞が疑われ救急外来を受
現在心筋トロポニン測定は、主に急性心筋梗塞の診
現在心筋トロポニン測定は、主に急性心筋梗塞の診
診した症例より、各種心筋マーカーの比較検討を実施
診した症例より、各種心筋マーカーの比較検討を実施
断時に、緊急検査項目として実施されている。 しか
断時に、緊急検査項目として実施されている。 しか
し、心筋トロポニンの高感度測定により心筋梗塞患者
し、心筋トロポニンの高感度測定により心筋梗塞患者
し、簡易法や従来からの
し、簡易法や従来からの
WHO
WHO
診断基準に基づいたカ
診断基準に基づいたカ
の早期診断への寄与に関して報告した。 本検討では、
の早期診断への寄与に関して報告した。 本検討では、
ットオフ値では、心筋梗塞発症後数時間という極めて
ットオフ値では、心筋梗塞発症後数時間という極めて
高感度トロポニン
高感度トロポニン
I の臨床感度は胸痛後
I の臨床感度は胸痛後
3 時間以内の
3 時間以内の
早期の段階での診断感度は必ずしも十分とは言えず、
早期の段階での診断感度は必ずしも十分とは言えず、
発症後早期の患者群において
発症後早期の患者群において
84.0%と、ミオグロビン
84.0%と、ミオグロビン
ミオグロビンや
ミオグロビンや
H-FABP
H-FABP
等のような早期に検出され
等のような早期に検出され の 61.9%、通常の感度のトロポニン
の 61.9%、通常の感度のトロポニン
T のT55.2%に比
の 55.2%に比
る心筋マーカーと組み合わせた測定が実施されている。
る心筋マーカーと組み合わせた測定が実施されている。
較して優れていることが報告されている。 較して優れていることが報告されている。 心筋トロポニンの高感度定量測定の臨床的意義は、
心筋トロポニンの高感度定量測定の臨床的意義は、
一方、心筋トロポニンの高感度測定により、急性冠症
一方、心筋トロポニンの高感度測定により、急性冠症
急性心筋梗塞患者の早期診断のための高感度測定、急
急性心筋梗塞患者の早期診断のための高感度測定、急
候群のみでなく、心筋傷害を有することが想定される
候群のみでなく、心筋傷害を有することが想定される
性冠症候群患者のリスク評価のための定量測定である。
性冠症候群患者のリスク評価のための定量測定である。
疾患では、心筋トロポニンの濃度上昇が認められるこ
疾患では、心筋トロポニンの濃度上昇が認められるこ
とがある。 今後は、これらの疾患のリスク因子とし
とがある。 今後は、これらの疾患のリスク因子とし
不安定狭心症(UA)と診断される症例のおよそ
30%
不安定狭心症(UA)と診断される症例のおよそ
30%
て臨床応用されることも期待されている。
て臨床応用されることも期待されている。
程度は、心電図異常や
CK-MB
異常の認められない微
程度は、心電図異常や
CK-MB
異常の認められない微
心筋トロポニン測定は、免疫検査システムの自動化
心筋トロポニン測定は、免疫検査システムの自動化
小梗塞を有する非
ST 上昇型心筋梗塞(NSTEMI)で
小梗塞を有する非
ST 上昇型心筋梗塞(NSTEMI)でに伴い高感度で短時間な測定が可能となった。 今後
に伴い高感度で短時間な測定が可能となった。 今後
あることが判明しており、ACC/AHA
による
あることが判明しており、ACC/AHA
による
はこれらの迅速高感度検査が普及していくものと考え
はこれらの迅速高感度検査が普及していくものと考え
UA/NSTEMI
ガイドラインにおいてもこれらの症例を
UA/NSTEMI
ガイドラインにおいてもこれらの症例を
られる。
られる。
検出するのに心筋トロポニン検査が有用であることが
検出するのに心筋トロポニン検査が有用であることが
述べられている。 特に健常人の心筋トロポニン濃度
述べられている。 特に健常人の心筋トロポニン濃度
上限値と比較して明らかな心筋トロポニン濃度上昇が
上限値と比較して明らかな心筋トロポニン濃度上昇が
認められる症例の予後は、濃度変化の認められない症
認められる症例の予後は、濃度変化の認められない症
例に比較して数倍不良であることが報告された。
例に比較して数倍不良であることが報告された。
また、1996
年には、Elliott
らにより心筋トロポニン
また、1996
年には、Elliott
らにより心筋トロポニン
定量測定値による急性冠症候群患者の予後評価の意義
定量測定値による急性冠症候群患者の予後評価の意義
− 238 −
ランチョンセミナー
HAFLD/NASH
HAFLD/NASH
の現状と将来展望
の現状と将来展望
NAFLD/NASHの現状と将来展望
◎岡上
◎岡上
武 1)
武 1)
○岡上 武 1)
1)
吹田医療福祉センター総長・京都府立医科大学特任教授
吹田医療福祉センター総長・京都府立医科大学特任教授
吹田医療福祉センター総長・京都府立医科大学特任教授
日本の
日本の
4 大肝疾患は以下のとおりである。
4 大肝疾患は以下のとおりである。
例して
例して
NAFL/NASH
NAFL/NASH
患者は増加し、近年、我が国、
患者は増加し、近年、我が国、
・ B・型肝炎:約
B 型肝炎:約
130130
万人(急性肝炎、慢性肝炎、肝
万人(急性肝炎、慢性肝炎、肝米国、オーストラリアなど先進国では最も頻度の高い
米国、オーストラリアなど先進国では最も頻度の高い
硬変、肝癌)
硬変、肝癌)
肝疾患として注目されている。 肝疾患として注目されている。 ・ C・型肝炎:約
C 型肝炎:約
170-200
170-200
万人(急性肝炎、慢性肝炎、
万人(急性肝炎、慢性肝炎、
最近は
最近は
NASH
NASH
肝癌症例も増加しており、現在では肝
肝癌症例も増加しており、現在では肝
肝硬変、肝癌)
肝硬変、肝癌)
臓臨床では最も重要な肝疾患で、今後さらにその重要
臓臨床では最も重要な肝疾患で、今後さらにその重要
・アルコール性肝障害(ALD):
・アルコール性肝障害(ALD):
約 250
約 250
万人(脂肪肝、
万人(脂肪肝、
性が増すことは間違いない。
性が増すことは間違いない。
肝線維症、肝炎、肝硬変、肝癌 )
肝線維症、肝炎、肝硬変、肝癌 )
・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):1,500~
・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):1,500~ 肝疾患のスクリーニング検査としては、原因検索が
肝疾患のスクリーニング検査としては、原因検索が
2,000
2,000
万人(非アルコール性脂肪肝(NAFL):
万人(非アルコール性脂肪肝(NAFL):
必要であり、身長、体重、CBC,
必要であり、身長、体重、CBC,
一般肝機能検査,
一般肝機能検査,
血 血
1,200~1600
1,200~1600
万人
万人
、 、
非アルコール性脂肪性肝炎
非アルコール性脂肪性肝炎 糖、血清脂質、腹部超音波検査、またウイルス性肝炎
糖、血清脂質、腹部超音波検査、またウイルス性肝炎
(NASH):300~00
(NASH):300~00
万人(肝硬変、肝癌))
万人(肝硬変、肝癌))
が疑われる場合については、肝炎ウイルスマーカー
が疑われる場合については、肝炎ウイルスマーカー
(HAV,
(HAV,
HBV,
HBV,
HCV,
HCV,
HEV)、また
HEV)、また
肝炎ウイルス以外の
肝炎ウイルス以外の
NAFLD
NAFLD
とは、非飲酒者でありながらアルコール性
とは、非飲酒者でありながらアルコール性ウイルスマーカーとしては、自己抗体(ANA,
ウイルスマーカーとしては、自己抗体(ANA,
anti-SMA,
anti-SMA,
肝障害類似の肝組織所見を呈するもので非アルコール
肝障害類似の肝組織所見を呈するもので非アルコール
AMA)、免疫グロブリン、
AMA)、免疫グロブリン、
鉄、フェリチン、銅、セ
鉄、フェリチン、銅、セ
性脂肪性肝疾患(nonalcoholic
性脂肪性肝疾患(nonalcoholic
fattyfatty
liverliver
disease:
disease:
ルロプラスミン等の検査がある。 ルロプラスミン等の検査がある。 NAFLD)と称し、NAFLD
NAFLD)と称し、NAFLD
の中で進行性で予後不良の
の中で進行性で予後不良の
病態検査も、ウイルス増殖マーカー(HBeAg,
病態検査も、ウイルス増殖マーカー(HBeAg,
HBeAb,
HBeAb,
ものを非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic
ものを非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic
HBV
HBV
DNA
DNA
量、HBcrAg,
量、HBcrAg,
HCV
HCV
RNA
RNA
量)と遺伝子型
量)と遺伝子型
steatohepatitis:NASH)、炎症や線維化を伴わない予
steatohepatitis:NASH)、炎症や線維化を伴わない予(HBV,
(HBV,
HCV,
HCV,
HEV)、肝線維化マーカー(ヒアルロン酸、
HEV)、肝線維化マーカー(ヒアルロン酸、
後良好なものを非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic
後良好なものを非アルコール性脂肪肝(nonalcoholicP-Ⅲ-P、Ⅳ型コラーゲン
P-Ⅲ-P、Ⅳ型コラーゲン
7S、M2BPGi)
7S、M2BPGi)
、アンモニア、
、アンモニア、
fattyfatty
liver:NAFL)と定義している。
liver:NAFL)と定義している。
プロトロンビン時間、腫瘍マーカー(AFP,
プロトロンビン時間、腫瘍マーカー(AFP,
PIVKAⅡ,
PIVKAⅡ,
CEA
CEA
など)、肝生検(腹腔鏡検査)、画像検査(内視
など)、肝生検(腹腔鏡検査)、画像検査(内視
我が国の人間ドックでの健診受信者の肝障害の頻度
我が国の人間ドックでの健診受信者の肝障害の頻度
鏡検査、造影エコー、CT,
鏡検査、造影エコー、CT,
MRI,
MRI,
MRCP,
MRCP,シンチ、ア
シンチ、ア
は年々増加し、2011
は年々増加し、2011
年には
年には
33.3%にまでなっている。
33.3%にまでなっている。
男性では
男性では
30 歳代から
30 歳代から
70 歳代まではおおむね
70 歳代まではおおむね
40%前
40%前ンギオ)が検査項目として有効性に高い検査項目であ
ンギオ)が検査項目として有効性に高い検査項目であ
後が肝障害を有し、若い成人女性の肝障害の頻度は
後が肝障害を有し、若い成人女性の肝障害の頻度は る。
る。
10%前後であるが高齢になると女性の肝障害の頻度は
10%前後であるが高齢になると女性の肝障害の頻度は
30%前後にまで上昇する。すなわち
30%前後にまで上昇する。すなわち
NAFLD
NAFLD
は男性に
は男性に
本講演では日常臨床において役立つ情報とともに
本講演では日常臨床において役立つ情報とともに
多い疾患であるが、女性では閉経を過ぎると
多い疾患であるが、女性では閉経を過ぎると
NAFLD/NASH
NAFLD/NASH
の基礎と臨床のトピック、将来展望
の基礎と臨床のトピック、将来展望
NAFLD
NAFLD
患者、特に
患者、特に
NASH
NASH
患者が急激に増加すること
患者が急激に増加すること
について紹介する。
について紹介する。
が特徴的である。近年ウイルス性肝炎患者は減少傾向
が特徴的である。近年ウイルス性肝炎患者は減少傾向
にあり、アルコール性肝障害や自己免疫性肝疾患患者
にあり、アルコール性肝障害や自己免疫性肝疾患患者
は横ばい状態であることから、健診の結果から
は横ばい状態であることから、健診の結果から
NAFLD
NAFLD
患者が増加していることは間違いない。また、
患者が増加していることは間違いない。また、
小児の脂肪肝も増加しており、これらを加味すると我
小児の脂肪肝も増加しており、これらを加味すると我
が国の現在の
が国の現在の
NAFLD
NAFLD
罹患者は
罹患者は
1,500~2000
1,500~2000
万人と推
万人と推
定される。従来
定される。従来
NAFLD
NAFLD
の 10%が
の 10%が
NASH
NASH
と考えられ
と考えられ
ていたが、最近では
ていたが、最近では
20%(300~400
20%(300~400
万人)前後が
万人)前後が
NASH
NASH
と推定されている。NAFL/NASH
と推定されている。NAFL/NASH
の多くは肥
の多くは肥
満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を
満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を
背景にしていることから、このような患者の増加に比
背景にしていることから、このような患者の増加に比
− 239 −
ランチョンセミナー
感受性測定プレート
感受性測定プレート
DP192‘栄研’と測定装置
DP192‘栄研’と測定装置
DPS192iX
DPS192iX
を使用した感受性検査の臨床への応用
を使用した感受性検査の臨床への応用
感受性測定プレートDP192
‘栄研’と測定装置DPS192iXを使用した
感受性検査の臨床への応用
1) 1)
◎中村
◎中村
竜也
竜也
1) 1)
国立大学法人
国立大学法人
神戸大学医学部附属病院
神戸大学医学部附属病院
○中村 竜也 国立大学法人 神戸大学医学部附属病院
近年、MALDI
近年、MALDI
TOF-MAS(以下
TOF-MAS(以下
TOF-MAS)が微生
TOF-MAS)が微生 さらにこの機械は
さらにこの機械は
1 時間ごとにプレートの画像を測
1 時間ごとにプレートの画像を測
物検査領域においても活用され、迅速な菌種同定が可
物検査領域においても活用され、迅速な菌種同定が可
定するため、経時的に発育状況の確認が可能である。
定するため、経時的に発育状況の確認が可能である。
能となった。しかし、薬剤感受性検査においては今の
能となった。しかし、薬剤感受性検査においては今の
最終判定は
最終判定は
CLSI
CLSI
標準法に準拠するため
標準法に準拠するため
16~20
16~20
時間
時間
ところ
ところ
TOF-MAS
TOF-MAS
の同定と同等のスピードで正確な結
の同定と同等のスピードで正確な結
での判定となるが、菌株によっては
での判定となるが、菌株によっては
4~5
4~5
時間で発育
時間で発育
果を測定できる方法は開発されていない。そのため、
果を測定できる方法は開発されていない。そのため、
の確認が可能となることが確認できた。この機能を利
の確認が可能となることが確認できた。この機能を利
TOF-MAS
TOF-MAS
で得られた迅速同定結果を臨床に有効に報
で得られた迅速同定結果を臨床に有効に報
用することにより臨床に対して効果のない薬剤の迅速
用することにより臨床に対して効果のない薬剤の迅速
告する方法を現在でも模索している状況である。その
告する方法を現在でも模索している状況である。その
な報告が可能である。今回さらに、特定の薬剤濃度ウ
な報告が可能である。今回さらに、特定の薬剤濃度ウ
中でも、従来法で詳細な
中でも、従来法で詳細な
MICMIC
値を測定した上でアン
値を測定した上でアンエルの発育パターンから短時間で耐性菌の確認が可能
エルの発育パターンから短時間で耐性菌の確認が可能
チバイオグラムを作成し、迅速に薬剤の有効性を報告
チバイオグラムを作成し、迅速に薬剤の有効性を報告
であるかの検討を行った。ESBL、MDRP、MRSA、
であるかの検討を行った。ESBL、MDRP、MRSA、
しようとする方法が注目されている。
しようとする方法が注目されている。
VRE
VRE
等の耐性菌で迅速に耐性菌の判定について検討
等の耐性菌で迅速に耐性菌の判定について検討
今回評価を行った、感受性測定装置
今回評価を行った、感受性測定装置
DPS192iX
DPS192iX
は は を行ったので、その結果を報告する。
を行ったので、その結果を報告する。
192192
ウエルのプレートを使用するため、多くの薬剤で
ウエルのプレートを使用するため、多くの薬剤で
また、血流感染症は重篤な症状を引き起こす可能性
また、血流感染症は重篤な症状を引き起こす可能性
幅広い希釈段階を測定すること可能である。施設での
幅広い希釈段階を測定すること可能である。施設での
があり、菌名の確定有効な薬剤の選択が必要となる。
があり、菌名の確定有効な薬剤の選択が必要となる。
感受性データを集積することで菌ごとの
感受性データを集積することで菌ごとの
MICMIC
値分布
値分布今回、血培陽性検体からの
今回、血培陽性検体からの
TOF-MAS
TOF-MAS
での直接同定と
での直接同定と
を作成することができる。このデータも用いてアンチ
を作成することができる。このデータも用いてアンチ
192192
プレートでの感受性検査の検討を実施したので合
プレートでの感受性検査の検討を実施したので合
バイオグラムを作成し、TOF-MAS
バイオグラムを作成し、TOF-MAS
の同定結果を組み
の同定結果を組み
わせて報告する。
わせて報告する。
合わせることで臨床医がエンピリックセラフィーを考
合わせることで臨床医がエンピリックセラフィーを考
える際の有用な情報となり得る。このように
える際の有用な情報となり得る。このように
DPS192iX
DPS192iX
は感染症治療に対して有用な情報を提供す
は感染症治療に対して有用な情報を提供す
るのに適した機械であると思われる。
るのに適した機械であると思われる。
− 240 −
企 業 展 示
第2会場
− 241 −
学会協賛企業一覧
広 告 掲 載
株式会社アイディエス
ノバルティスファーマ株式会社
アステラス製薬株式会社
バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社
アッヴィ合同会社
日立アロカメディカル株式会社
アボットジャパン株式会社
フクダ電子兵庫販売株式会社
アルフレッサファーマ株式会社
富士レビオ株式会社
株式会社イムコア
ブリストル・マイヤーズ株式会社
栄研化学株式会社
ベックマン・コールター株式会社
エーディア株式会社
宮野医療器株式会社
株式会社LSIメディエンス
武藤化学株式会社
オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社
株式会社やよい
小野薬品工業株式会社
ヤンセンファーマ株式会社
関東化学株式会社
ユーシービージャパン株式会社
協和メデックス株式会社
ラジオメーター株式会社
極東製薬工業株式会社
サクラファインテックジャパン株式会社
参天製薬株式会社
株式会社三和化学研究所
シスメックス株式会社
株式会社シノテスト
積水メディカル株式会社
第一三共株式会社
大日本住友製薬株式会社
田辺三菱製薬株式会社
中外製薬株式会社
株式会社テクノメディカ
テルモ株式会社
デンカ生研株式会社
東芝メディカルシステムズ株式会社
日水製薬株式会社
ニットーボーメディカル株式会社
ニプロ株式会社
日本電子株式会社
− 242 −
展 示 企 業
企業プレゼン
アークレイマーケティング株式会社
シスメックス株式会社
アジア器材株式会社
日本電子株式会社
アボットジャパン株式会社
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
栄研化学株式会社
ベックマン・コールター株式会社
株式会社カイノス メルク株式会社 メルクミリポア事業本部
シスメックス株式会社
株式会社常光
積水メディカル株式会社
株式会社テクノメディカ
バナー広告
東芝メディカルシステムズ株式会社
東ソー株式会社
富士フイルムメディカル株式会社
シスメックス株式会社
株式会社ミズホメディー
シーメンス・ジャパン株式会社 超音波ビジネス本部
ラジオメーター株式会社
フクダ電子兵庫販売株式会社
和光純薬工業株式会社
ランチョンセミナー
アボットジャパン株式会社
栄研化学株式会社
株式会社LSIメディエンス
オックスフォード・イムノテック株式会社
協和メデックス株式会社
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
シスメックス株式会社
積水メディカル株式会社
東ソー株式会社
富士レビオ株式会社
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
和光純薬工業株式会社
− 243 −
平成26年度日臨技近畿支部医学検査学会(第54回)委員
学 会 長
中 町 祐 司
実 行 委 員 長
真 田 浩 一
実 行 委 員
松 田 武 史 井 垣 歩 綿 貫 裕 浜 上 明 久
竹 川 啓 史 渡 辺 浩 志 鳥 居 良 貴 藤 井 誠 治
山 中 陽 子 佐藤 伊都子 中 島 正 之 藤 原 美 樹
内 川 昭 文 坂 本 秀 生 小 西 和 吾 澁 谷 雪 子
衣 笠 愛 二 池 本 純 子 富 永 博 夫
西 光 佳 代 林 晶 子
プログラム企画
芝 原 裕 和 狩 野 春 艶 直 本 拓 己 川 村 道 広
委
大沼 健一郎 千 田 園 子 坊 池 義 浩 丸 岡 隼 人
員
綿 貫 裕 上 野 英 三 中 筋 幸 司 福 岡 恵 子
三 村 喜 彦 渡 辺 浩 志 真 田 浩 一
平成26年度日臨技近畿支部医学検査学会(第54回)抄録集
平成26年9月20日発行
発 行 人 中町祐司
編集企画 渡辺浩志 佐藤伊都子 真田浩一 鳥居良貴
発 行 所 公益社団法人 兵庫県臨床検査技師会
〒651-0085 兵庫県神戸市中央区八幡通4丁目1-38 東洋ビル4F
TEL(078)271-0255 FAX(078)271-0256
印 刷 所 コベルコビジネスサポート株式会社
− 244 −