日本と海外の少子化対策

日本と海外の少子化対策
大貫研究室 中野泰典
先進諸国の少子化の現状
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2004/html-h/html/g1630010.html
育児と仕事の両立支援
日本
・育児休業期間は1年
・育児休業中の所得保障は賃金の40%
・企業内保育所の設置、勤務時間短縮など
正規社員と非正規社員の間に格差
海外
http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/06/post_2.html
・育児休業期間は3年(仏、独)、18ヶ月(スウェーデン)
・所得保障は80%(スウェーデン)
仏、独、蘭などは原則無給だが育児休業期間中にパートタイム就労を
認める国も(仏)
正規社員と非正規社員の均等待遇が普及
保育サービス
日本
待機児童を減らすため保育所の増設などの政策
↓
まだ希望者に対して保育所の数が不足している他、
定時に子供を預けることができないなどの
問題が解決されず、女性の就労の妨げに
海外
http://www.newsdigest.de/newsde/content/view/64/33
・利用者の事情に合わせた時間に保育施設が利用可能(デンマーク)
・在宅での保育サービスを利用する人も多い(仏の認定保育ママ制度など)
・バウチャー制度を利用し、私立保育所の参入を促しサービスを多様化さ せている国もある(スウェーデン)
・ドイツ、イタリアなどは保育サービスの整備が遅れている
経済的負担軽減措置
日本
・扶養控除・・・こども1人のつき38万円
・児童手当・・・12歳まで、所得による制限あり
家族政策のGDPに対する割合は0.6程度
海外
http://www.newsdigest.de/newsde/content/view/64/33
・児童手当
・・・所得による制限なく、義務教育が修了する16-18歳までとする国が 多い
・フランスではその他に保育所などの育児費用の税控除や、N分N乗方式 といった家族除数制度も行っている
家族政策財政支出のGDP割合
家族政策財政支出とは、児童手当、育児休業手当等の現金給付と保育所等サービス給付の合計
1.57
1.89
1.63
1.36
1.23
1.33
1.19
OECD Public Social Expenditure(2001)より
教育費の私費負担とTFRの関係
GDPに対する私費負担教育費の割合(2003)
1.19
1.29
1.71
1.71
1.29
1.89
1.34
OECD, Education at a Glanceより
日本と海外の高等教育への進学率
日本では男性の進学率のほうが高い
海外では一般的に女性の方が高等教育への進学率が高い
日本の高等教育への進学率の推移
文部科学省「教育指標の国際比較」(平成18年版)より
まとめ
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出生率の上昇には女性の就業率の上昇が不可欠
そのためには女性のための両立支援だけでなく、労働の
均等待遇などの社会的な改革が必要
また旧来の家族観から、より男女平等な家族観への意識
改革も必要
その一つの指標として女性の大学進学率が挙げられる