スライド 1 - うめもとこどもクリニック

たんぽぽ新聞
第66号
うめもとこどもクリニック
子育てはお母さんだけでは無理ですよ
外来をしていて感じることは、お母さんが一人で子育てを悪戦
苦闘していることです。一人の人間を、たった一人の大人だけ
で立派に育てるのは到底無理なことだと思っています。あるお
母さんが言われた言葉です。「独身の頃なら、人付き合いで難
しいと思えば、その人と離れることはできました。でも自分の子
どもができたら、そういうわけにはいかない。ちょっと息抜きで
離れたいと思っても、できるものではない。四六時中、その子
どもと向き合っていかないといけないのです」
私は、子育ては少なくとも5人くらいの大人が子どもの周
りにいて、いろいろお世話をしてやらないと、情緒的に健康な
子どもはできないのではないかと思っています。それだけ、人
間一人を育て上げるのは大変な苦労がいると思います。
子どもの成長からみると、小さいうちは大人と付き合って
育ちます。そのうち、年長の子どもと付き合うようになります。最
後に付き合うのが、同世代の子ども(同級生)です。同級生とう
まくやっていくには、集団のなかでの自分の立場、位置を理解
しないとうまくやっていけません。
小学校の高学年以上になって、うまくなじめない子ども
さんの多くは、自分の視点を周囲の同級生に移動し、他人の
視点に立って自分をみるということが苦手のようです。それが
できないと、人間関係はうまくいかないようです。その社会性を
多く教えるには、小さいときに多くの大人がいて、子どもにスキ
ルを教えることが必要ではないかと思っています。皆さん、そう
いう意味で新米ママをどうぞ応援し、見守ってください。子ども
を育てるということは、私たちの未来を育てることと同じことです。
7/25/2011
津市塔世橋よこ
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6/24から数日間、クリニックのエアコンが故障しました。
当院では、ガスエアコンを使用しているために室外機
が故障すると、すべての部屋のクーラーが使用できま
せん。たまたま急に暑くなった日と重なりました。来院さ
れた方々には本当にご迷惑をおかけしました。それに
もかかわらず、お母さん方からは「これって、エコじゃな
いんですか?」と暖かいお言葉をいただきました。この
経験でわかったことは、私にとってあまりにも環境が悪
い(暑すぎる)と、大脳皮質の働きが鈍り、極端にストレ
スがたまるということでした。診察後、普段の何倍も疲れ
ました。避難所生活の方々のご苦労がわかりました。
お盆休みのお知らせ
8月12日(金)−15日(月)まで
お休みを頂きます。
たくさんの予防接種が出てきました
本当にたくさんの予防接種が登場してきました。
特に、1歳までにしなくちゃいけないものがたく
さんあります。みんな大事なものばかりです。
それさえすれば、大きな病気にならないですみます。たとえば、
DPT(三種混合)をすることによって、百日咳が予防できます。H
ibと肺炎球菌ワクチンによって、重篤な髄膜炎が予防できます。
この夏以降、ロタウイルスワクチンもでてきそうです。ポリオと同じ
ように飲むワクチンです。自費になりますが、これさえしておけば、
小さい子がひどい胃腸炎にならなくてすみます。
予防接種は同時接種をおすすめしますが、不安な方は、
ひとつづつでもいいのでしていって下さいね。接種時にご相談
にのりますからね。
それと、もうひとつ。予防接種はそれをした人を守るだけ
でなく、社会に暮らす周りの子どもも、間接的に守っていることを
ご理解くださいね。たとえば、保育園に行っているお子さんは、
保育園で、みんながその予防接種をしている割合が高いほど、
自分のお子さんも守られているということです。保育園、幼稚園
で園児を募集する時、「うちの園ではいつも高い予防接種率を
誇っていますので、それだけ感染症に対しても安心です」といっ
たキャッチフレーズを作ったらどうかなとも思います。
津市中央保健センター活用のおすすめ
リージョンプラザ1階の保健センターのことです。
私は、津市の乳幼児健診の仕事もしています。
4ヶ月、10ヶ月健診は各医療機関ですが、1歳半、3歳半健診は保
健センターでしますよね。津市は30万人都市ですが、ここの保健
師さん、スタッフはとても熱心な方が多く、お母さん方の悩みや相
談にのっていただけると思います。いつでも行ってみてください。
たとえば、母乳栄養のこと、夜泣きのこと、子どもさんの体重
のこと、お母さん自身の体調のこと、兄弟のこと、発達のこと、ご家
族のこと、ご主人との関係のこと、保育園についての情報のことな
ど、すべてOKです。
子育ての上で、ぜひ避けたいことは、お母さん自身が 孤独
になることです。悩みや心配事があれば、多くの人に打ち明
けて聞いてもらい、みんなで考え、解決策をさぐってください。
以前ですと、家族やその地域の方々がみえましたが、今は核
家族の時代ですので、孤独になりがちです。そんなときはこ
の保健センターの利用が一番です。保健センターから、私の
方へご連絡が来る場合もあります。 気楽に相談 が一番で
すよ。
人が他の哺乳類と違う点はなんでしょうか
いろいろあると思いますが、もっとも大事なのは2つあります。
まず、人は他の人と共感することができます。社会性とも言い
ますが、平たく言えば、 他人の経験と自分の経験を重ね合わ
せ、吟味することができる ということだと思います。さらに大事
なことは、人は他の人とのかかわりの中で喜びを感じることが
できるということです。社会の中で生きてきて、これまでに一番
嬉しいことは何かと聞かれ、「人に貢献できたことです」と言わ
れる人が多いのは、こういった事情によるものだと思います。
2つめの違いは、人は言葉を使うことができるということで
す。人が言葉を使うことによる利点とは何でしょうか。3つあると
思います。①人とコミュニケーションをとることができます。②言
葉を使って頭の中でいろいろ考え、それによって自分自身の
思っていることが整理できます。③言葉を頭の中で考え、行動
に移すことができます。たとえば「今日はいっぱい本を読もう」
と思って、図書館に行って本を借りてくることができます。
子育てのお話になりますが、最初の共感性ということと、2
つ目の言葉の発達に関して考えてみましょう。お母さんが子ど
もを育てるときに、これらは同時に赤ちゃんの頭の中に染み入
るように入っていくという事実があります。お母さんは子どもを
あやしながら、同時に言葉がけをしながら、育てています。ある
程度の年齢になると、子どもは大好きなお母さんから教えても
らった言葉を使って、自分の行動をコントロールしていきます。
外来で、泣いている赤ちゃんをあやすお母さんの姿をみてお
りますと、その大切さが切にわかります。