6.7 The Drift Chamber 6.8 The Time Projection Chamber ・電離によって発生する電子のdrift速度の測定 → 空間的な(位置)情報 粒子が通過した時間(trigger)とdrift速度(u)が 分かっている場合 (6.45) ・時間と距離の線形関係 : drift速度が一定、つまり電場が一様であればよい (6.19) このような構造のDrift chamberは MWPCのすぐ後につくられ、粒子 物理学の分野で現在まで使用さ れている。 ・driftする距離が50cmまでならこの単純な構造は使用可能 ―しかし大抵のdrift領域は5-10cmのdrift領域を持つ Driftする距離が短くなるほど 拡散の効果が小さくなる 高電圧の使用が抑えられる ・典型的なdrift速度(5 cm/μs)でのdrift時間は”1~2μs” ← chamberの”記録時 間” ・広い面積を覆うために、多くの隣接するdrift cellsが使われる。 数mの長さのDrift chamberはこの方法で構成されている。 ・ある粒子の飛跡をいくつか得たい: ワイヤー方向の異なるいくつかのDrift chamberを積み重ねて使う。 MWPCに用いられていたchamberの構造は、大体drift chamberにもまた用いられている。 ただ、ワイヤー間隔はより良いdrift時間を得るために大きくする ・しかし、アノード間に不均一な電場がある これを補正するために一般的にアノードの間に field wiresが加えられる ・高分解能が得られるよう 最適化した例 円筒形のDrift chamberもつくられた。 ・粒子の飛跡のrとφの情報が得られる((r,φ,z)円筒形座標?) ・数学的なfitを行うことなく粒子の飛跡を視覚化することが出来る(加速器で使用) このとき軌道上の多くの点を測定したい → ワイヤー密度を高くする 結果として、複数の飛跡やその交点の分解能もよくなる Drift chamnerの有利な点 ・必要なワイヤーと電子回路の数が相対的に少ない ・より広い面積を覆うことが出来る ・一般的に動作させることが容易 → しかし、良い分解能を得るには 充填ガス 電場の均一性 に注意 MWPCと同様に計数率の上限はおよそ MWPCに比べてワイヤー数が少ないため、Drift chamberの係数率の上限はさらに低い 6.7.1 Drift Gases Drift速度の正確な情報が必要 : 充填ガスの選択が非常に重要 ガスの選択はMWPCと大抵同じだが、特別な注意が必要 ・ガスの純度(特に電気的に陰性なガスの存在) : drift距離が長いほど良い純度が必要 ・ある程度の電場でdrift速度の飽和が起こるガス : 安定した動作 ・drift速度の大きさ : 高計数率の場合 、速いdrift速度 で不感時間を短 く 位置分解能を良くする場合、 遅いdrift速度で時間誤差を小さく 6.7.2 Spatial Resolution 速い:hydrocarbon quencher 遅い:DME 6.7.2 Spatial Resolution 位置分解能 drift時間と空間変数の関係どのくらい分かっているか diffusionの合計 : drift距離による drift速度一定の場合、(6.14)より (6.46) ※誤差は 5cmのdrift距離で分解能は100μmのオーダー → drift chamnerの本来の精度は5mmのdrift距離で50μm 最近では非常に位置分解能の良い(50μm以下)ものが開発されようとしている (高エネルギー実験) ・低いdiffusion ・低drift速度のガス ・新しいchamberの設計や考え方 高圧力下でdiffusionを減らすものや、 avalamcheによるシンチレーション光をトリガーにするもの 6.7.3 Operation in Magnetic Fields ・粒子物理学の実験では検出器が磁場の影響下にあるのが普通 drift距離やdrift速度はLorentz力によって変化する drift時間と位置を求めるために磁場の正確な情報が必要 磁場の効果を補正するために、電場の方向を調節することも必要 6.8 The Time Projection Chamber (TPC) 現在最も高度な電離検出器 多くの飛跡上の点の情報 Energy loss比(dE/dx) 三次元の飛跡を検出可能 → electronic 泡箱として注目された 高エネルギーでの電子-陽電子加速器実験で重要な役割 最近、多くの異なる種類の実験での使用が提案されている ・MWPCとDrift chamberの両方のidea ・高エネルギー加速器実験では 数mの大きさ ・加速器実験ではTPCの中心が interaction pointになるようにする → TPCはほぼ4πの立体角を囲む ・長いdrift距離 → diffusion(特に横方向)が問題になる 電子を(drift方向に対して)らせん軌道に制限する平行磁場によって解決 ※但し、電場と磁場は完璧に直線で一様でなければならない (the drift zone down to about one part in 10^4 ?) ・avalancheで発生した陽イオンがcentral cathodeに戻ることで空間電荷の蓄積が起こる → 電場のひずみを引き起こす anodeワイヤーの前にgroundの格子を置くことで解決 (この格子によってavalanche領域とdrift領域が分けられ独立した操作が可能に) ・TPCの終端に集まる電荷はenergy lossに比例 → anode信号の大きさは粒子のdE/dxの情報を与える 例:磁場による軌道の曲率 → 粒子の運動量 → 粒子の識別 ※この方法では十分なenergy loss測定分解能が必要 → 要するに難しい (電子吸着、ワイヤー増幅率の違い(x,t)、ワイヤーの校正、飽和効果、ガスや圧力,etc) TPCでは大量のデータを扱う → データの読み出し、取得システムが重要 SLACでのPEP(電子-陽電子衝突)実験では charged-coupled devices(CCDs):取得 遅いADC(analog to digital コンバータ):読み出し CCD:時間とパルス高を記録できるアナログシフトレジスター CCDは外部クロックで決まる周期(およそ15MHz)でTPCからの信号を連続的に取り込む trigger 無し:情報は破棄される trigger 来る:クロックが(計数100)で遅れ、 CCDにデータが読み込まれ ADCでデジタル化される。 → 情報はコンピュータへ伝えられ、粒子の飛跡が再構成される もう一つの方法 : flash ADC ・TPCに直接つなげて使う ・動作が十分速く、複数のワイヤーから1つのADCに多重送信できる 詳しくは[6.31]
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