供託法

供託法
【第一編
《第一章
〈第一節
(第一款
◇ 管轄
原則
例外
供託の制度】
供託所及び供託物》
供託の種類と管轄(土地管轄)〉
弁済供託)
債務履行地の供託所(民495Ⅰ)
債務履行地に属する最小行政区(市区町村)内に供託所がないときは、債務履行
地の属する行政区画(都道府県)内の最寄りの供託所(昭23.8.20民甲2378号)
◇
可分債権については各債権者の住所地の供託所に、不可分債権についてはいずれか1人
の債権者の住所地の供託所に供託することができる(昭36.4.8民甲816号)。
◇
持参債務において、『債権者不確知』を理由とする弁済供託する場合に、債権者の住所が
不明であるときには債権者の 最後の住所地の管轄供託所に供託する。
◇
持参債務である売掛代金債権につき甲又は乙のいずれに支払うべきか不明なため、『債権
者不確知』を理由に供託する場合には、甲又は乙のいずれかの住所地の供託所に供託する
(昭38.6.22民甲1794号)。
◇
持参債務において、債務者の責めに帰すことのできない事由によって債権者が当初から全
く不明であるため、『受領不能』を原因として弁済供託をする場合、債務者の住所地の供託所
に供託することができる(昭33.3.27民甲635号)。
◇
債務者の住所地を債務の履行地として家賃の弁済供託をしている途中で、債権者が住所を
移転した場合には、以後の供託は債務者の住所地の供託所に供託することができる(昭36.5.
10民甲1092号、民485参照)。
◇
債務の履行地でない供託所になされた弁済供託が誤って受理された場合、その供託は無
効であり、取戻請求ができるが、その請求があるまでに被供託者が供託を受諾し、又は還付請
求をしたときは、その供託は有効なものとして取り扱う(昭39.7.20民甲2594号)。
※管轄外の供託所に供託の申請がされたときは、供託官は、これを却下しなければならず、民
事訴訟法における管轄違いの訴えのように移送という措置がとられることはない(規38)。
(第二款 執行供託)
◇ 第三債務者がなす執行供託は、差押えに係る金銭債権の債務履行地の供託所に供託しな
ければならない(民執156ⅠⅡ)。
(第三款 保証供託)
◇ 宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければなら
-1-
ない(宅建25Ⅰ)。
※旅行業者(旅行業8Ⅶ)、許可割賦販売業者(割賦販売16Ⅰ)も同じ。
◇
裁判上の担保供託における管轄
民事訴訟法上
発令裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託
の担保供託
所(民訴76・259・400Ⅰ)
民事執行法上
発令裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管
の担保供託
轄区域内の供託所(民執15Ⅰ)
原則 発令裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所
民事保全法上
の管轄区域内の供託所(民保4Ⅰ)
の担保供託
保全命令については、裁判所の許可により、裁判所が相当と認める
例外 地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所(民保14Ⅱ)
※仮差押解放金・仮処分解放金については例外規定不準用。
※管轄区域内であれば、いずれの供託所でも可。
(第四款 没収供託)
◇ 商号の仮登記の供託に関しては、管轄につき別段の定めはなく、日本全国どこの供託所に
供託してもかまわない。
※金銭による供託に限られる(商登35の3)。
◇
選挙供託も、全国どこの供託所にでも供託することができる。
〈第二節 供託物の種類と管轄(事物管轄)〉
◇ 供託物の種類と管轄(事物管轄)
金銭・有価証券
法務局又は地方法務局又はその支局もしくは法務大臣の指定する出
張所(1)
原則 法務大臣が指定した倉庫業者又は銀行(5Ⅰ)
金銭・有価
下記の場合には、弁済者の請求により、債務履行地の地方裁判所が供
証券以外の 例外 託所の指定及び供託物保管者の選任を行う(民495Ⅱ、非訟81Ⅰ)。
物品
①その地域に指定倉庫業者等がない場合
②倉庫業者等が供託申請を拒否した場合
不動産
裁判所が、弁済者の請求により、個々の供託ごとに供託所の指定及び
供託物保管者の選任をなす(民495ⅠⅡ、非訴81・82)
◇
金銭をもって供託すべき場合に、これに代えて銀行の振り出した自己宛小切手を供託するこ
とが認められている。
◇
外国の通貨は、『 物 』として法務大臣が指定した倉庫業者又は銀行に供託する(5Ⅰ)。
◇
休眠担保権の登記を抹消するためになされる供託は、金銭によってしなければならず、有価
-2-
証券をもってすることはできない。
◇
商号の仮登記をするには、政令で定める額の金銭を供託しなければならない(商登35の3)。
◇
執行供託は、原則として、金銭に限られるが、船舶に対する強制競売及び担保権実行として
の競売手続の取消しのための供託の場合には、金銭又は執行裁判所が相当と認める有価証
券をもって供託することができる(民執117Ⅴ・15Ⅰ・189)。
⇔不動産の強制執行において、配当等を受けるべき債権者の債権が停止条件付である場合
に裁判所書記官がする供託は、金銭に限られる(民執91Ⅰ①)
◇
旅行業者のなす営業保証供託は、金銭のほか、運輸省令の定めるところにより、国債証券、
地方債権その他運輸省令で定める有価証券ですることができる(旅行8Ⅶ)。
※宅地建物取引業者の営業保証供託も同じ(宅建25Ⅲ)。
◇
裁判上の保証供託として供託する場合の供託物は、金銭又は裁判所が相当と認める有価
証券である(民訴76、民執15、民保4Ⅰ等)。
⇔仮差押解放金・仮処分解放金は金銭に限られる(民保22Ⅰ・25Ⅰ)。
◇
選挙供託は、金銭のほか国債証券をもって供託することができる(公選93Ⅰ)。
《第二章 供託当事者》
〈第一節 供託当事者能力〉
◇ 供託当事者能力を有する者
①すべての自然人
※成年被後見人等の意思無能力者も可。胎児は不可。
②法人
※健康保険組合等、登記されていない法人もOK。
③法人格なき社団又は財団
※代表者又は管理人の定めがあるものに限る。
④法人格のない民法上の任意組合
※供託書の供託者名に組合名を表示し、組合長何某と記載して供託する場合には、契
約書・規約・委任状等によってその者の代理権の存在を確認することができれば、当
該供託は受理される(昭26.10.30民甲2105号)。
〈第二節 供託行為能力〉
◇ 供託行為能力
供託行為能力を有しておらず、法定代理人によってのみ供託が可能
未成年者 原則 ※未成年者自らなした供託は、たとえ法定代理人の同意を得ていたとして
も、無効であり、取消し得べき供託ではない
例外 営業の許可(民61Ⅰ)、婚姻擬制(民753)により、供託行為能力を取得
-3-
成年被後見人
被保佐人
自ら有効な供託をなしえず、成年後見人によってのみ供託が可能
※被後見人自らなした供託は、たとえ後見人の同意を得ていたとしても、無
効であり、取消し得べき供託ではない(民訴31参照、民9・120Ⅰ対照)
保佐人の同意を得て自ら供託可(民12Ⅰ④、民訴32参照)
〈第三節 供託当事者適格〉
◇ 供託当事者適格
当事 者 が 反 対の 意思 表示 たとえ利害関係があっても、第三者供託不可
弁済供託 をしている場合(民474Ⅰ)
債 務 者 の 意 思 に 反 す る 場 法律上の利害関係を有する第三者は供託可
合(民474Ⅱ)
仮差押解放金・仮処分解放金は、たとえ仮差押等
執行供託
の目的たる不動産の第三取得者であっても、債務
者以外の第三者は供託不可 (民保22・25)。
⇔みなし解放金(民保50Ⅲ)
営業保証供託
第三者供託 不可(昭38.5.27民甲1569号)。
保証供託
第三者も裁判所の許可を得て本人に代わって供
裁判上の保証供託
託可(大判大2.1.30)
※相手方の同意は不要。
【第二編 弁済供託の要件】
《第一章 債務の現存性・確定性》
◇ 未発生の賃料について、受領拒絶を理由に予め供託不可(昭28.11.28民甲2277号)。
⇒毎月末日払いの特約のある家賃は、当月末日に債権として発生するため、それ以前には債
務者の期限の利益も具体化しておらず、期限の利益を放棄して供託することはできない
(昭36.4.4民甲808号)。
⇔毎月末日までに当月分の家賃を支払う旨の特約のある場合は、その月に入れば賃借人
は末日の到来以前に弁済の提供をし、その受領を拒否されたときには、『受領拒否』を理
由に供託することができる。
◇
家賃等の 増額請求 を受けた賃借人は借地借家法32条により、自己が相当と考える賃料を
支払えば、債務不履行とはならず、その受領が拒否されれば供託することができる。
◇
電気料金等の公共料金の値上げは確定的なもので、これに不服のある者が値上げ前の料
金を提供し、その受領を拒否されたとしても、供託することは認められない(昭26.10.23民甲
2055号、昭50.3.17民四1448号)。
⇔公営住宅の家賃値上げの場合には供託可
◇
家賃の 減額請求 権を行使した賃借人が相当と認める額に減じた額を提供し、その受領を拒
否されても、その金額を拒否することはできない。
-4-
※賃貸人が相当と認める額を供託することができる。
※増額請求・減額請求において、請求を受けた側が相当と認める額を供託すれば足りる。
◇
交通事故の加害者は、損害賠償債務として任意に算定した額に、不法行為時から提供の日
までの遅延損害金を付した金銭を提供し、受領を拒否されたときは、『受領拒否』を理由として
供託することができる(昭32.4.15民甲710号、昭41.7.5民甲1749号)。
◇
売買契約の買主が、売主に対して有する不法行為による損害賠償債権の債権額を争い控
訴中である場合、買主は一審判決認容額をもって売買代金債務と相殺し、その残額を供託す
ることはできない。
※不法行為による損害賠償債権の債権額は、控訴審で訴訟が係属中であり確定しておらず、
相殺適状にないため、当該債権を自働債権として相殺することはできない。
◇
買主が代金債務の支払いのため約束手形を振り出した場合において、供託書に反対給付
の要件として手形の変換を記載して、代金の弁済供託可(昭35全国供託課長合同会議)。
※原因債権と手形債券は併存する。
《第二章 供託原因の存在》
〈第一節 受領拒否〉
◇ 債権者が弁済と同時履行の関係にある受取証書の交付をしないときは、債務者は『受領拒
否』を理由として供託することができる(昭38.5.25民甲1570号)。
⇔債権者が債権証書の返還請求に応じないときでも、債務者は『受領拒否』を理由に供託する
ことはできない(昭54.5.22民甲3160号)。
◇
取立債務の場合、口頭の提供があれば債務の本旨に従った弁済の提供となるため、口頭の
提供により受領を催告したにもかかわらず、債権者が受け取りに来ない場合には、『受領拒否』
を理由として弁済供託することができる(昭45.8.29民甲3875号、民493但書)。
⇔弁済期日に債権者が取立てに来ないことを受領拒否として、直ちに供託することはできない。
◇
債権者の連絡場所が不明であることによって、債務者が口頭の提供さえできない場合には、
債務者は、『受領不能』を理由として直ちに供託することができる。
◇
借主が期限の利益を放棄して弁済する場合、弁済期までの利息をも併せて支払えば債務
の本旨に従った弁済となり、これを拒否された場合には、『受領拒否』を理由に弁済供託をする
ことができる(昭39.2.3民四43号)。
◇
債権者の死亡により、可分債権たる金銭債権が各共同相続人の相続分に応じて承継された
場合、債務者は各共同相続人の相続分に応じて、それぞれに弁済の提供をしなければならず、
共同相続人の一部の者に対し全額の弁済の提供をしても、債務の本旨に従った弁済とはなら
ず、これを拒否されても債権全額の弁済供託をすることはできない(昭36.4.4民甲808号)。
-5-
⇒数人が共同して賃借人の地位にある場合:賃料債務は不分割債務(大判大11.11.4)
数人が共同して賃貸人の地位にある場合:賃料債権は可分債権(民427)。
◇
借主が、貸主に対して、数カ月滞納している家賃のうち1カ月分とこれに対する遅延損害金
を併せて弁済の提供をしたが、その受領を拒否された場合は、他に遅延家賃があっても、『受
領拒否』を理由として弁済供託することができる(昭38.5.18民甲1505号)。
◇
土地の一部について明渡請求を受け、当該部分の賃料の受領を拒否された場合、『受領拒
否』を理由に賃料の全額について供託することができる(昭40.12.6民甲3406号)。
◇
賃貸人が必要な修繕をしない場合に、賃借人が代わりに修繕し、当該修繕費を家賃から控
除した残額について提供し、その受領を拒否された場合は、『受領拒否』を理由として弁済供
託することができる(昭41.11.28民甲3264号)
◇
滞納家賃を供託する場合、賃貸人に手渡している敷金を控除した額を提供しても債務の本
旨に従った弁済とはならず、その受領を拒否されても、受領拒否を理由に弁済供託することは
できない(昭37.5.31民甲1485号)。
※賃貸人が賃料の支払いを怠った場合、賃貸人は、賃貸借の継続中でも、敷金を賃料に充当
することができるが、賃借人(又は保証人)の側からは充当の主張不可(大判昭5.3.10)。
◇
債務者が、利息制限法の制限を超過する金銭消費貸借上の利息及び損害金を任意に支払
った後、その利息及び損害金のうち制限を超える金銭を残存元本の額より控除した金額を債
権額とし、これに利息制限法による損害金を付して債権者に提供したところ、受領を拒否され
たとしてなされた弁済供託は受理される(昭39.12.21民甲4001号)。
※債務者が任意に支払った利息制限法の制限超過の利息・損害金は、当然に残存元本に充
当される(最判昭39.11.18)。
〈第二節 受領不能〉
◇ 受領不能
事実上の受領不能 ①交通途絶等によって債権者が履行現場に現れない場合
②債権者が不在又は住所不明の場合(但し、持参債務の場合)
法律上の受領不能 ①債権者が死亡したが相続人がいない場合
②債権者が未成年でかつ法定代理人がいない場合
◇
持参債務において、債権者が不在のため弁済の受領をすることができないときは、『受領不
能』を原因として弁済供託をすることができる。
◇
債権者が精神障害者として強制入院させられている場合には、町長が当該債権者の保護義
務者となっていても、『受領不能』を原因として供託することができる。
⇔債権者が精神病院に入退院を繰り返している場合、債務者は『受領不能』を原因とする弁済
-6-
供託をすることはできない(昭42.1.21民甲175号)。
◇
債権者が破産宣告を受けた場合でも、破産管財人が破産財団に属する債権を管理するた
め、受領不能とはならない。
◇
銀行の預金債務について、債権者の所在が不明であって、既に弁済期が到来している場合
には、債務者は遅延損害金を付さずに『受領不能』を原因として供託することができる
(昭57.10.28民四6478号)。
※受領行為以外に債権者の協力を要しないことが社会的に確立・慣行化しているような性質を
有する取立債務である給与債権や銀行預金等については、受領催告を要せず、債務者は
予め支払の準備をしておくだけで遅滞の責を免れる(東京地判昭30.6.13、民493但書)。
〈第三節 債権者不確知〉
◇ 債権者不確知を理由に供託するためには、弁済者に過失なくして債権者が誰か確知し得な
いことが必要である(民494)。
◇
持参債務において、債権譲渡の効力に疑問があり、債権者が誰か確知できない場合には、
『債権者不確知』を原因として、債務者は譲渡人又は譲受人のいずれかの住所の管轄供託所
に供託することができる(昭38.6.22民甲1794号)。
◇
譲渡禁止特約のある債権が譲渡された場合、債務者は『債権者不確知』を理由として弁済
供託をすることができる(昭36.7.31民甲1866号)。
◇
譲渡禁止特約のある債権に対して転付命令が発せられた場合、かかる転付命令は有効で
あり、債権者は差押債権者に特定するので、『債権者不確知』を理由として、第三債務者は供
託することができない(昭45.10.21民甲4425号、最判昭45.4.10参照)。
※債務者が転付命令の確定を知らない間は、執行供託可(昭55.9.6民四5333号)。
◇
金銭債権につき処分禁止の仮処分がなされた場合、第三債務者は『 債権者不確知 』を理由
として供託することができる。
※『受領不能』を理由として供託することはできない。
◇
確定日付ある債権譲渡通知が 同時 に送達された場合、債務者はいずれかの債権者に対し
て弁済すれば足りるため、『債権者不確知』を理由として供託することはできない。
◇
妻名義の銀行預金につき、離婚後、夫が預金証書を、妻が印鑑をそれぞれ所持して、各自
が預金者である旨を主張して係争中である場合には、『債権者不確知』を理由として弁済供託
をすることができる(昭40.5.27民甲1069号)。
※銀行が預金債務の履行につき債権の準占有者への弁済として免責されるためには、届出印
と預金証書の両方を所持している者に対して弁済する必要がある(大判昭16.6.12)。
-7-
◇
労働組合の代表者甲名義でなされた銀行預金について、組合本部から甲に対する支払差
止の申出及び代表者変更の届出の提出があった後、甲から預金全額の払戻請求があった場
合、銀行としては変更後の代表者に弁済すればよく、『債権者不確知』を理由に供託すること
はできない(昭41.12.8民甲3321号)。
※この場合、銀行は、甲に支払をしても、債権の準占有者に対する弁済として有効とはならず、
免責されない(民478参照)。
◇
相続人を受取人とした生命保険契約の保険金は、後日特定人に渡す旨の遺言があった場
合でも、『債権者不確知』を理由に供託することはできない。
※相続人を受取人とした保険金請求権は相続財産を構成せず、保険金の受取りについてした
遺言は、遺言者に処分権限はなく無効であり、保険会社は保険契約の約旨に従い、保険契
約の受取人に支払えば足りる。
◇
相続人が誰であるか事実上知ることができない場合だけでなく、相続人の一部について判
明しない場合でも、『債権者不確知』を理由に供託をすることができる(昭37.79民甲1909号、
昭41.12.8民甲3325号)。
※債権者が死亡してその相続人が誰か不明な場合には、供託書の被供託者の表示を『何某
の相続人』と表示することができる(昭37.7.9民甲1909号)。
※相続人の一部について判明しない場合には、供託書の被供託者の表示を『何某相続人何
某、ほか相続人』と記載する(昭41.12.8民甲3325号)。
〈第四節 債権者の不受領意思明確〉
◇ 賃借物の明渡請求があった場合において、現に明渡訴訟が提起されているか、当事者間で
明渡しに関し係争中であるときには、賃借人は賃料の提供をしなくても直ちに弁済供託が可能
となる(昭37.5.31民甲1485号)。
※賃借人が支払日を数カ月経過した後に供託をするときであっても、履行期日から弁済供託
までの遅延損害金を付す必要はない(昭37.5.25民甲1444号)。
◇
賃貸借契約における賃料債務について、賃料先払契約のない場合には、賃貸人があらかじ
め賃料の受領を拒否する旨を明らかにしているときであっても、その履行期が到来するまでは
賃料を供託することはできない(昭24.10.20民甲2449号)。
《第三章 供託内容と債務の内容の同一性》
◇ 遅延損害金が発生している場合には、元本にこれを加えた金額を供託しなければならず、
たとえ遅延損害金の額が僅少であっても、元本のみを供託することはできない(昭38.5.27
民甲1569号、昭40.9.16決議)
⇔債務者が、債権額に足りない金額を提供し、債権者に受領を拒否されたため、『受領拒否』
を原因としてした弁済供託が誤って受理された場合、その不足額が僅少であれば供託は有
効となる(最判昭41.3.29)。
-8-
◇
債務の一部の弁済は、債務の本旨に従った弁済の提供とはいえず、債権者がこれに応じな
い場合でも『受領拒否』を理由に供託することはできず、誤って受理された供託は原則として無
効であるが、債務の一部ずつの弁済供託が繰り返され、最終的に供託の合計額が全債務額に
達した場合には、その全額について有効な供託がなされたものとされる(最判昭46.9.21)。
【第三編 供託手続】
《第一章 供託申請手続》
(第一節 供託書)
◇ 供託書その他供託に関する書面に金銭その他の数量を記載するには、アラビア数字を用い
なければならない(規6Ⅱ)。
※縦書きのときは、多角文字を用いなければならない(規6Ⅱ但書)
◇
供託書、供託通知書、代供託請求書、附属供託請求書、供託有価証券払渡請求書又は供
託有価証券利札請求書の記載事項うち、供託金額、有価証券の枚数及び総額面又は請求利
札の枚数については、訂正・加入又は削除をすることができない(規6Ⅵ)。
⇔ 供託金払渡請求書 に記載した供託金額については、訂正・加入・削除をすることができる。
◇
供託書には、供託者又はその代表者・管理人もしくは代理人が記名押印をしなければなら
ない(規13Ⅱ)。
◇
供託者が法人の場合には、その名称、主たる事務所及び代表者の氏名を供託書に記載し
なければならない(規13Ⅱ①)。
⇔被供託者が法人の場合は、その名称及び主たる事務所のみを記載すれば足りる(同⑥)。
◇
弁済供託の場合において、その供託によって、質権・抵当権が消滅する場合には、その質
権又は抵当権の表示を記載しなければならない(規13Ⅱ⑦)。
◇
供託官が相当と認めるときは、当事者又は供託原因が異なる数個の供託を一括して1通の
供託書で供託することができる(準26の2)。
(第二節 供託書の添付書類・提示書類)
◇ 資格証明書
登記された法人
提示(規14Ⅰ前段)
登記されていない法人
添付(規14Ⅱ)
法人格なき社団・財団
添付(規14Ⅲ)
◇
法人格なき社団・財産については、代表者又は管理人の定めのあるものに限り供託当事者
となることができ、従って、そのことを証するために、定款又は寄付行為を添付する(規14Ⅲ)。
-9-
◇
供託申請において、代理権限証書は、添付書面ではなく、提示書面である(規14Ⅳ)。
⇔払渡請求の場合、代理権限証書は添付書面である(規27Ⅰ)。
◇
供託書に提出又は提示すべき代表者等の資格証明書、代理権限証書(官公署作成のもの
に限る)及び印鑑証明書は、作成後 3カ月以内でなければならない(規9)。
⇔代理権限証書が私文書のときは、有効期限はない。
◇
破産管財人が供託をする場合には、裁判所が作成した『破産管財人の選任を証する書面』
を資格証明書として 添付しなければならない。
◇
供託者が被供託者に供託の通知をしなければならない場合には、供託書に『供託通知書』
及び郵券を付した『封筒』を被供託者の数に応じて添付しなければならない(規16)。
※供託通知書の様式は法定されており、適宜の様式の書面によること不可。
※供託者の選択により普通郵便・書留郵便・配達証明郵便等により郵送する(準45Ⅰ)。
◇
被供託者の他に供託物について担保権を行使できる者がいる場合には、その者に対する
『供託通知書』も併せて添付する必要がある(準33)。
◇
債権者の行方不明により『受領不能』を理由に供託する場合には、供託通知書の送達が事
実上不可能であり、『供託通知書』を添付することを要しない(昭36.4.8民甲816号)。
※債権者の相続人不明により『債権者不確知』を理由とする供託の場合も同じ。
◇
◇
供託通知を欠く場合でも、直ちに供託が無効となるわけではない(大判大13.4.21)。
同一の供託所に対して同時に数個の供託をする場合において、供託書の添付書類に内容
の同一のものがあるときは、一個の供託書に一通添付すれば足りる(規15)。
※他の供託書には、その旨を記載する(不登法でいう前件添付)
〈第三節 受理手続〉
◇ 供託官の有価証券供託の受理の決定は、供託者が指定された納入期日までに供託物を日
本銀行に納入しないときは、その効力を失う(規18Ⅱ)。
《第二章 供託物払渡手続》
〈第一節 一括請求の可否〉
◇ 一括払渡請求の要件(規23)
①払渡請求権者 が同一であること
※払渡請求権者が同一人であれば、供託者が同一でなくても、一括払渡請求可
※払渡請求権者が異なる場合には、代理人が同一であっても一括払渡請求不可
②払渡の事由 が同一であること
※供託原因たる事実が同一である必要はない。
- 10 -
〈第二節 還付請求〉
◇ 供託受諾の意思表示は、撤回することができない(昭37.10.22民甲3044号)。
◇
供託金取戻請求権が差押えられている場合でも、供託受諾の意思表示をすることができる
(昭45.5.23民甲582号)。
◇
供託金還付請求権を差押えた者は、被供託者が供託を受諾しなくても、自ら受諾の意思表
示をすることができる(昭59会同決議)。
⇒供託金還付請求権の転付債権者や債権者代位権を行使する一般債権者も供託受諾の意
思表示をすることができる。
⇔供託金還付請求権の 仮 差押債権者は、取立権がなく、供託受諾の意思表示をすることがで
きない(昭38.2.4民甲351号)。
◇
被供託者は、供託金を受諾するには反対給付の履行をすることを要する場合であっても、供
託の受諾をするには反対給付の履行をすることを要しない(10、規37)
◇
数ヶ月分の家賃が一括して弁済供託されている場合に、そのうち一部の月の家賃について
のみ供託受諾して、還付請求をすることができる(昭38.6.6民甲1675号)。
◇
賃貸借の当事者間で賃料の額につき争いがあり、『受領拒否』を理由として弁済供託がされ
た場合に、被供託者は、賃料の一部である旨を留保して供託受諾の意思表示をすることがで
きる(昭35.3.30民甲775号)。
※債権額について争いがある場合にのみ留保付還付請求ができるが、賃料として供託したも
のを性質の違う賃料相当の損害金として受諾し、還付請求をする場合等、供託物の性質自
体に争いがあるときには認められない(昭38.6.6民甲1669号)。
◇
被供託者の地位を承継した相続人が複数存する場合、各相続人は、自己の相続分につい
てのみ還付請求をすることができるにすぎず、保存行為として、1人の相続人が債権全額の還
付請求をすることはできない(昭35全国供託課長会同決議)。
◇
家賃の弁済供託の被供託者が死亡した場合に、供託の目的となっている賃貸家屋を相続し
た者が当然に還付請求権をも相続するものではない(昭41.9.22民甲2586号)。
◇
供託有価証券の払渡請求権者の相続人うちの1人から払渡請求があったときは、有価証券
が不可分であれば、全部払渡してよい(昭42.4.22民甲976号)。
◇
未成年労働者の『受領拒否』を理由として供託した労働賃金の弁済供託について還付請求
を為す場合、被供託者が未成年者であるため、印鑑証明書の交付を受けることができない場
合には、その法定代理人から還付請求をすることができる(昭41.9.22民甲2587号)。
- 11 -
※未成年者の給料債権は親権者又は後見人が代わりに受け取ってはならない(労基59)
◇
債権者の行方不明により『受領不能』を理由に供託された場合において、行方不明者が未
成年者である場合には、法定代理人から還付請求をすることができ、また、行方不明者が成年
者の場合には財産管理人から還付請求することができる(昭37.8.15民甲2308号)
◇
共同代表の定めのある株式会社を被供託者としてなされた供託につき、代表取締役の1人
が単独で還付請求を行使することはできない。
〈第三節 取戻請求〉
◇ 供託者は原則としていつでも供託物の取戻請求をすることができるが、被供託者が供託所
に対し『供託受諾の旨を証する書面』又は『供託を有効と宣告した確定判決の謄本』を提出し
たときは、以後、取戻請求をすることができない(規37、民496Ⅰ)。
※被供託者が供託を受諾する旨を口頭で申し出た場合には、供託者は、不受諾を理由として
取戻請求することができる。
◇
供託が錯誤によってなされた場合には、被供託者が供託を受諾する旨を記載した書面を供
託所に提出した後でも、供託者は『錯誤』を理由として取戻請求可。
⇔供託を有効と宣告した判決が確定した場合、既判力により、供託者は『錯誤』を原因として取
戻請求することはできない。
◇
被供託者が、供託金還付請求権を譲渡し、その旨を供託所に通知したときは、被供託者の
受諾の意思表示と解され、供託者はもはや『供託不受諾』を理由として供託金の取戻請求をす
ることができない(昭36.10.20民甲2611号)。
※供託金還付請求権を譲渡するには、債権者たる被供託者から債務者としての地位にある供
託所に対し、譲渡の通知をなす。
◇
供託書に供託により消滅すべき質権又は抵当権の記載がある場合には、その質権又は抵
当権は消滅し、供託者は取戻請求をすることができない(民496Ⅱ、規13⑦)。
※供託が錯誤であった場合には、質権又は抵当権が消滅しないことになるので、供託者は、
取戻請求権を行使することができる。
◇
金銭債権たる供託金取戻請求権を差押えた債権者は、差押命令が債務者たる供託者に送
達された時から 1週間を経過したときは、払渡請求をすることができる(民執155Ⅰ)。
※『供託書正本』の添付を要せず、催告払いの問題も生じない
◇
本店移転に係る商号の仮登記をしている会社が商号を変更した場合等、会社が商号の仮
登記の抹消を申請しなければならないときは、会社又は発起人等は供託金を取り戻すことがで
きず、供託金は国庫に帰属する(商登41ⅠⅡ)。
※会社が供託金を取り戻せるのは予定期間内に本店移転等の登記がなされた場合のみ。
- 12 -
◇
営業保証金は、営業の継続中に取り戻すことができない。
※営業保証金の取戻請求権を差押えた者も、その供託金の払渡請求不可。
◇
旅行業法により登録を受けた旅行業者がその業務を廃止した場合、 6カ月 を下らない一定
期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内に申出がなかった場合でなければ供託金を取
り戻すことはできない(旅行9Ⅷ、17Ⅰ)。
◇
有価証券による営業保証供託又は裁判上の保証供託がなされている場合において供託有
価証券の償還期間が到来したとき、あるいは、供託中の金銭が必要となり手持ちの有価証券を
金銭の代わりに供託するといった場合には、監督官庁又は裁判所の許可を得て、新たな供託
をして従前の供託物を取り戻すことができる(供託物の差替え)。
⇔保管替えの対象は、営業保証供託のみ。
◇
払渡請求権について差押え等がなされている場合、差押えの効力により、第三債務者たる
供託所は弁済を禁止されるため、差替えをすることはできない(昭36.7.19民甲1717号)。
※保管替え(供託所を変えること)も同様であると解されている(実務供託法入門P423)。
〈第四節 供託物の払渡手続〉
◇ 供託に関する手続は、登記法のように条文上出頭主義が採られていないため、郵送による
申請・払渡手続も認められている(昭42全国供託課長合同会議)。
◇
代理人により供託金の払渡請求をする場合、特に請求がなければ、記名式持参人払い小切
手を振り出して、代理人に交付することができる(昭39全国供託課長合同会議)。
⇔隔地払い、他店支払いを請求したときは、請求者本人に払い渡す(隔地払いの場合)か、請
求者本人の口座に振り込む(他店支払いの場合)ことになる(昭59全国供託課長合同会議)。
(供託書正本又は供託通知書)
◇供託所正本又は供託通知書の添付
還付請求
原則 『供託書正本』又は『供託通知書』を添付(規24①本文)
『供託書正本』又は『供託通知書』の添付を要しない場合(規24①但書)
①利害関係人の承諾書を添付した場合
②供託通知書の発送ができなかった場合
例外
③供託物払渡請求権に対する強制執行、担保権の実行もしくは行使
又は滞納処分に基づく場合
※以上の場合には、還付手続において、供託書正本又は供託通知書を
添付できなくても、催告払いによることを要しない。
原則 『供託書正本』を添付(規25①本文)。
『供託書正本』の添付を要しない場合(規25①但書)
①利害関係人の承諾書を添付した場合
- 13 -
取戻請求
◇
例外
②供託物払渡請求権に対する強制執行、担保権の実行もしくは行使
又は滞納処分に基づく場合
※以上の場合には、還付手続において、供託書正本又は供託通知書を
添付できなくても、催告払いによることを要しない。
催告払い(規30)
還付請求
『供託書正本』又は『供託通知書』を添付できない場合
取戻請求
『供託書正本』を添付できない場合
◇
『供託書正本』又は『供託通知書』以外の書面(還付を受ける権利を有することを証する書面
等)を添付することができない場合には、催告払いによること不可(昭41.4.14民甲1107号)。
◇
営業保証供託について、営業廃止による『供託原因消滅』を理由として取戻請求をする場合、
一定の公告が必要とされており、催告払いの手続をしなくても利害関係人を害することがない
ので、『供託書正本』を添付することができないときであっても、催告払いによることを要しない
(昭35全国供託課長合同会議)。
⇔裁判上の保証供託の取戻請求において『供託書正本』が添付できないときには、催告払い
の手続による(昭57全国供託課長合同会議)。
◇
債権者の行方不明による『受領不能』を原因として弁済供託された供託物を、債権者が還付
請求する場合、『供託書正本』又は『供託通知書』の添付ができない場合であっても供託通知
書の発送されない供託であるので、催告払いの手続によることを要しない。
⇔供託者が、『供託不受諾』を理由として、供託物の取戻請求する場合には、原則どおり『供託
書正本』の添付を要し、添付できないときには、催告払いによることを要する。
◇
供託物の還付請求権が時効で消滅した場合でも、供託者が取戻請求をする場合に『供託書
正本』を添付できないときは、原則として催告払い手続による(昭41.12.8民甲3325号)。
(払渡請求権を証する書面)
◇ 供託書の記載により還付を受ける権利を有することが明らかである場合には、『還付を受ける
権利を有することを証する書面』の添付を要しない(規24②但書)。
◇
供託物払渡請求権者の氏名又は住所が供託所の被供託者の表示と附合しない場合には、
供託物払渡請求書に『還付を受ける権利を有することを証する書面』の添付を要する(昭41.
10.5民甲2828号)。
◇
債権者不確知による弁済供託の還付請求において、『還付を受ける権利を証する書面』とし
て、『確定判決』、『調停調書』あるいは『他方の承諾書』等を添付する(規24②)。
※供託者の承諾書は不可。
- 14 -
◇
供託物払渡請求権を譲渡した場合、譲渡人から供託所に対して譲渡通知をしなければなら
ず、従って、供託書において譲受人が誰であるか明白であり、供託物払渡請求権を譲り受けた
ことを証する書面の添付は不要。
◇
被供託者が反対給付をしなければ還付請求することができない場合には、供託物払渡請求
書に『反対給付があったことを証する書面』を添付しなければならない(10、規24③)。
◇
被供託者が死亡した場合には、還付を受ける権利を有する書面として、相続人を特定する
ために、『相続を証する書面』を添付する(規24②)。
⇒具体的には戸籍謄本であるが、供託所の被供託者の住所が被相続人の本籍地と一致しな
い場合には戸籍の付票又は住民票も併せて添付する(昭37.6.19民甲1622号)。
◇
被供託者の債権者が、債権保全のため、供託物還付請求権を代位行使する場合には、還
付を受ける権利を有する書面として、『債権を有する事実を証する書面』のほか、債権の保全を
必要とする書面として『債務者が無資力であることの証明書』を添付しなければならない(昭38.
5.25民甲1570号)。
※登記の場合と異なり、代位権の転用の場面ではないので、被代位者の無資力要件が必要。
◇
裁判上の保証供託の被供託者が直接取立権を行使する場合、還付を受ける権利を証する
書面として、『被担保債権(損害賠償請求権)の存在を証する書面』を添付する。
※具体的には、確定判決、和解調書、認諾調書、調停調書、確定した仮執行宣言付支払督促
又は公正証書等の公文書のほか、印鑑証明書・資格証明書等が添付され、真正が担保され
ている場合には、供託者の債務確認書等の私文書でもよい。
◇
差押債権者が、直接取立権を行使する場合には、供託物の払渡しを受ける権利を有するこ
とを証する書面として、『差押命令が債務者に送達された日から1週間が経過したことを証する
書面』を添付しなければならない(昭55.9.6民四5333号)。
※金銭債権に対して単発の差押えをした債権者は、債務者 に対して差押命令が送達された日
から 1週間 が経過したときは、その債権を取り立てることができる。
◇
営業保証供託の還付請求をする場合、還付請求権を有することを証する書面として、確定
判決、和解調書、調停調書のほか事業者作成の『債務承認書(印鑑証明書付)』を添付可。
◇
商号の仮登記のためにした供託金の取戻請求をする場合、供託原因が消滅したことを証す
る書面として、登記官から交付される『登記所作成の書面』を添付する(商登規58Ⅰ)。
(印鑑証明書)
◇ 供託物の払渡しを請求する者は、『供託物払渡請求書』又は委任による『代理人の権限を証
する書面』に押された印鑑につき市区町村長又は登記所の作成した『印鑑証明書』を添付しな
ければならない(規26Ⅰ)。
- 15 -
◇
印鑑証明書の添付
払渡請求者自身又は任意代理人による払渡請求
本人の印鑑証明書を添付
(規26Ⅰ)
法定代理人・支配人その他登記のある代理人、法人も それらの者の印鑑証明書を添付
しくは法人格なき社団・財団の代表者もしくは管理人、 (規26Ⅱ)
会社更生法による管財人もしくは保全管理人が本人の
ために払渡請求
◇
印鑑証明書の添付を省略することができる場合
①簡易確認ができる場合(規26但書)
還付請求 ②還付請求権者が官公署であるとき(規26Ⅲ①)
③払渡請求書に供託書正本及び供託通知書を添付する場合(規26Ⅲ④)
①簡易確認ができる場合(規26但書)
②還付請求権者が官公署であるとき(規26Ⅲ①)
③供託者等が供託書に押した印鑑と供託物払渡請求書又は委任による代理
権限証書に押した印鑑とが同一の場合(規26Ⅲ②)
取戻請求 ④供託時に提示した委任状で、供託物払渡請求書又は委任による代理権限
証書に押されている印鑑と同一の印鑑が押されているものを添付した場合
(規26Ⅲ③)
※③又は④の場合において、たとえ代表者の印鑑が同一であっても、代表者
が異なるときは、印鑑証明書の添付を省略することはできない(昭38.2.4
民甲351号)。
(代理権限証書)
◇ 代理人の権限を証する書面
任意代理人による払渡請求
支配人その他登記のある代理人 原則
による払渡請求
例外
添付(規27Ⅰ)
提示(規27Ⅰ但書)
簡易確認可(規27Ⅱ、規14Ⅰ後段)
《第三章 供託金の利息》
◇ 利息は、供託受入れの月及び払渡しの月については、付されない(規33Ⅱ)。
◇
◇
供託金の金額が1万円未満のときはその全額に対して、また供託金に1万円未満の端数が
あるときはその端数金額に対しては利息は付されない(規33Ⅱ)。
利息の払い渡し
原則 供託金の利息は元金と 同時 に払い渡す(規34)。
①元金の受取人と利息の受取人とが異なる場合等、元金と利息を同時に払い渡
すことができないときは、元金を払い渡した後 で利息を払い渡す(規34但書)。
- 16 -
例外
◇
※利息請求権は元金の払渡しのときから 10年 の経過により時効消滅する
②保証供託として金銭を供託した場合には、毎年、供託した月に応答する月の末
日後に同日までの利息を払い渡すことができる(規34Ⅱ)。
支払委託による供託金の利息の払渡し
配当実施前 利息は執行債務者の財産として配当原資に組み入れられて配当実施さ
れ、支払委託手続によって支払われる(大14.4.21民四2802号)。
配当実施後 利息は当然に配当債権者の財産であり、別に支払委託をすることなく配当
債権者の請求により配当金の割合に応じて、利息が支払われる(昭55.
6.9民四3273号)。
【第四編 民事執行にかかわる供託】
《第一章 金銭債権に対する強制執行等》
〈第一節 金銭債権に対する(仮)差押〉
◇ 民事執行法上の第三者がする執行供託は、債務履行地の供託所になす(民執156ⅠⅡ)。
◇
単発の(仮)差押えがなされた場合、第三債務者は差押金額又は債権全額を供託すること
ができる(民執156Ⅰ、権利供託)。
※差押金額と債権全額の範囲内で任意に算定した金銭を供託することはできない。
◇
滞納処分による差押のみがなされた場合には、供託根拠法令が存しないので供託不可。
◇
給料債権について差押えがあった場合、第三債務者は差押にかかる部分(給料債権の4分
の1を限度)又は差押禁止部分を含む全額を供託することができる(民執156Ⅰ、権利供託)。
◇
第三債務者が、弁済期後に 権利 供託をする場合には、弁済期から供託日までの遅延損害
金を加えた額を供託しなければならない。
◇
執行官が配当等を実施する場合において、配当等を受けるべき債権者の債権が仮差押債
権者の債権である場合には、執行官は配当金を交付することはできず、その額に相当する金
銭を供託し、『供託書正本』及び『事件の記録』を添付して執行裁判所に『事情届』をしなけれ
ばならない(民執141Ⅰ、民執規131Ⅱ)。
◇
金銭債権の全額について転付命令が送達され、当該転付命令が確定したときは、単に差押
債務者から差押債権者に被差押債権が譲渡されたのと同様の状態となり、第三債務者は差押
債権者に対して弁済すれば足り、供託することはできない。
◇
第三債務者は、執行供託をした場合は、『供託書正本』を添付して執行裁判所に『事情届』
をしなければならない(民執156Ⅲ)。
- 17 -
◇
金銭債権の一部が差押さえられた場合において、第三債務者が差押えに係る金銭債権全
額に相当する金銭を供託するときは、供託書に被供託者(債務者)宛の『供託通知書』及び郵
券を付した『封筒』を添付する(昭55.8.6民四5333号)。
※差押金額を超える部分については、差押の効力は及ばず、弁済供託の性質を有する。
◇
金銭債権の全額又は一部について仮差押えの執行がされた場合において、第三債務者は、
仮差押債務者を被供託者とし、供託書に被供託者(仮差押債務者)宛の『供託通知書』及び郵
券を付した『封筒』を添付して供託する(平2.11.13民四5002号)。
※仮差押債権者には取立権がなく、第三債務者のなす供託は弁済供託の性質を有する。
◇
執行供託において、支払委託による払渡手続がなされる場合、執行裁判所の書記官は、各
債権者又は債務者に配当すべき金額を供託金から払渡すべき旨を記載した『支払委託書』に
『供託書正本』を添付して供託所に送付し、同時に各債権者又は債務者に対して供託金から
払渡しを受けるべき金額を記載した『支払証明書』が交付され、実際に払渡しを受けようとする
者は、供託金払渡請求書に、還付を受ける権利を証する書面として、執行裁判所書記官から
交付を受けた『支払証明書』を添付して還付請求をする(民執規61、規32ⅠⅡ)。
※『供託書正本』は、第三債務者が執行裁判所に『事情届』をする際に添付(民執156Ⅲ、民
執規138Ⅱ)。
◇
金銭債権の一部が差押えられた場合において、第三債務者が差押にかかる債権の全額に
相当する金額を供託したときは、供託金のうち差押金額を超える部分については弁済供託とし
て扱われるので、被供託者たる執行債務者(本来の債権者)は供託を受諾して還付請求するこ
とができる(昭55.9.6民四5333号参照)。
◇
金銭債権の一部が差押えられた場合において、第三債務者が差押にかかる債権の全額に
相当する金額を供託したときは、供託金のうち差押金額を超える部分については弁済供託とし
て扱われるので、供託者が『供託不受託』を理由として取戻請求をすることができるが、第三債
務者は裁判所に対する『事情届』の際に『供託書正本』を添付しており、供託者は供託書正本
を所持しておらず、供託物払渡請求書に執行裁判所が作成した『供託書正本の保管を証する
書面』を添付し、催告払いよることを要しない(昭55.9.6民四5333号)。
◇
執行供託がなされた後、差押命令の申立てが取り下げられ、または差押命令を取り消す決
定がなされた場合、 差押債務者 は、『差押命令の申立てが取り下げられたことを証する書面』、
または『差押命令を取り消す決定が効力を生じたことを証する書面』と『供託書正本』及び『供
託書正本下付証明書』を添付して払渡しを受けることができる。
◇
金銭債権に対する(仮)差押えの執行を原因として、第三債務者が執行供託をした後、(仮)
差押えが取下げられた場合でも、(仮)差押金額に相当する供託金の払渡しは、被供託者たる
債務者の還付請求によってなされ、 第三債務者は『供託原因消滅』を理由に取戻請求をするこ
とはできない(昭55.9.6民四5333号)。
- 18 -
⇔(仮)差押金額を超える部分は、弁済供託と解され、供託者たる第三債務者は、『供託不受
諾』を理由に、供託金払渡請求書に執行裁判所の『供託書正本の保管を証する書面』を添
付して取戻請求をすることができる。
◇
供託金還付請求権について転付命令を得た場合でも、当該還付請求権に対して他に差押
えまたは仮差押えの執行がなされておらず、かつ、転付命令の確定前であれば差押債権者は
差押命令に基づく取立権を行使して供託金の払渡しを請求することができる
(民執155Ⅰ、昭55.9.6民四5333号)。
※転付命令は、執行裁判所の決定により、券面額で、差押えられた金銭債権を差押債権者に
移転するものであり、転付命令はそれが第三債務者に送達されるときまでに転付命令にか
かる金銭債権について他の債権者が差押え、仮差押えまたは配当要求をすると効力を失い、
また、確定しなければその効力を生じない(民執159ⅠⅢⅤ)。
〈第二節 (仮)差押えの競合〉
◇ (仮)差押えの競合
差押えと差押えの競合
差押えと仮差押えの競合
(先行・劣後は問わない)
仮差押えと仮差押えの競合
債権全額を供託しなければならない
(民執156Ⅱ、義務供託)
債権全額を供託しなければならない
(民執156Ⅱ、民保50Ⅴ、義務供託)
債権全額を供託することができる
(民保50Ⅴ、民執156Ⅰ、権利供託)
◇
差押えられた金銭債権について更に差押命令又は仮差押命令を受けたことにより、第三債
務者が供託した場合の事情届は、先に送達された差押命令を発した裁判所に対してしなけれ
ばならない(民執156Ⅲ、民執規41Ⅱ)。
◇
金銭債権に対する仮差押えの執行に基づき第三債務者が供託をした供託金還付請求権に
対して他の債権者から差押がされ、仮差押の執行と差押えとが競合した場合、供託官は、執行
裁判所に対して『事情届』をしなければならない(民保50Ⅴ、民執156Ⅲ)。
※供託所を第三債務者と同視する
〈第三節 差押に対する配当要求〉
◇ 差押えの後に配当要求があった場合、配当要求の対象は、先になされた差押え部分に限
定されるため、差押えと配当要求の競合の範囲も差押え部分に限定され、第三債務者は被差
押債権の差押え部分に相当する金額を供託しなければならない(民執156Ⅱ)。
※被差押債権全額を供託することもできる。
《第二章 金銭債権に対する強制執行と滞納処分》
◇ 滞納処分による差押えと強制執行による(仮)差押えと競合
第三債務者は、その債権全額を供託することができる
- 19 -
滞納処分による差押え(先行) (滞調20の6Ⅰ、権利供託)。
強制執行による差押え(劣後) ※第三債務者は、供託正本を添付して 徴収職員等 に
事情届をする(滞調20の6Ⅱ)。
第三債務者は、その債権全額を供託しなければなら
強制執行による差押え(先行) ない(滞調36の6Ⅰ、義務供託)。
滞納処分による差押え(劣後) ※第三債務者は、供託正本を添付して 執行裁判所 に
事情届をする(滞調36の6Ⅱ)
滞納処分による仮差押え
第三債務者は、その債権全額を供託することができる
強制執行による差押え
(滞調20の9・36の12・20の6Ⅰ、権利供託)。
(先行・劣後を問わず)
※第三債務者は、供託正本を添付して 徴収職員等 に
事情届をする(滞調20の9・36の12・20の6Ⅱ)。
◇
滞納処分による差押えがなされた後、強制執行による差押えがなされている金銭債権に対
して、更に滞納処分による差押えがなされ、これらが競合した場合には、先行する滞納処分に
よる差押えがなされた金額を差し引いた残額に相当する金銭又は金銭債権全額を債務履行
地の供託所に供託しなければならない(滞調36の6Ⅰ)。
◇
滞納処分による差押に続き強制執行による差押がされた場合、供託金のうち滞納処分によ
る差押の金額に相当する部分については、第三債務者が『供託書正本』を添付して徴収職員
等に事情届をしているので、徴収職員等が供託金払渡請求書に『供託書正本』を添付して、直
接供託所に対して還付請求することができる(昭55.9.6民四5333号)。
※滞納処分(先行)と強制執行(劣後)とが競合する場合には、第三債務者は債権全額を供託
することができる(滞調20の6Ⅰ、権利供託)。
⇔強制執行が先行する場合は、義務供託となり、第三債務者は債権全額を供託しなければ
ならない(滞調36の6Ⅰ)。
【第五編 民事保全にかかわる供託】
《第一章 仮差押解放金の供託》
〈第一節 仮差押解放金(執行債務者が供託をなす)〉
◇ 仮差押解放金の供託をする場合には、金銭でしなければならず、金銭に代えて有価証券で
供託することはできない(民保22Ⅰ)。
※仮処分解放金も同じ(民保25Ⅰ)。
◇
仮差押解放金の供託は、仮差押命令を発した裁判所または保全執行裁判所の所在地を管
轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託しなければならない(民保22Ⅱ)。
※裁判上の担保供託に認められる例外規定は適用されない(平2.11.13民四5002)。
◇
仮差押解放金が供託された場合、仮差押えの 執行 は取消され、仮差押の効力は仮差押債
務者の取得する仮差押解放金の取戻請求権の上に移行する(民保51)。
※仮差押債権者が被供託者として還付請求権を取得するのではなく、仮差押債権者は、本案
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の債務名義を取得し、仮差押えの手続に移行させることによって、自己の債権を回収する。
◇
仮差押債権者が本執行として差押命令を得た場合、債務者に対して差押命令が送達され
た日から1週間経過した後、取立権を行使して仮差押解放金の取戻請求をすることができ、こ
の場合、供託原因が消滅したことを証する書面として、『仮差押えの被保全債権と差押えの執
行債権が同一であることを証する書面』を添付する(規25Ⅱ)。
※転付命令を得た場合も同じ。
※供託書正本の添付不要。
〈第二節 みなし解放金(第三債務者が供託をなす)〉
◇ 第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭債権の額に相当する金銭を供託した場合、仮
差押債務者が仮差押命令に記載された仮差押解放金を供託したものとみなす(民保50Ⅲ)。
※第三債務者は、執行裁判所に対して『事情届』を要する(民保50Ⅴ、民執156Ⅲ)。
◇
第三債務者がなすべき供託書には、供託者として 第三債務者 を、被供託者として 仮差押債
務者 を記載する(平2.11.13民四5002号)。
※この場合、仮差押債務者宛の『供託通知書』及び郵券を付した『封筒』を添付しなければな
らない(平2.11.13民四5002号)。
◇
仮差押債権者が、仮差押えの執行に係る部分について払渡請求をする場合、支払委託に
よる払渡しとなる(平2.11.13民四5002号)。
◇
仮差押えの執行が取り下げられた場合、仮差押債務者は払渡しを受けることができるが、供
託者たる第三債務者は、供託原因消滅を理由として払渡し不可(平2.11.13民四5002号)。
《第二章 仮処分解放金の供託》
〈第一節 一般型仮処分解放金〉
◇ 一般型仮処分解放金の場合、仮処分債権者は本案勝訴判決確定を停止条件として仮処分
解放金の還付請求権を取得し、仮処分の本案の勝訴判決が確定したときは、直接供託所に対
して供託金の還付請求をすることができる(平2.11.13民四5002号)。
※仮処分解放金の供託により、仮処分の執行が取り消されたとしても仮処分債権者は、本案の
勝訴判決を得るまでは供託金の還付請求をすることはできない。
※還付請求において執行文不要
◇
仮処分解放金の供託後本案判決確定前に仮処分の申請が取り下げられた場合、供託者た
る債務者は、供託金の取戻請求をすることができる(平2.11.13民四5002号)。
〈第二節 特殊型仮処分解放金(詐害行為の受益者が供託をなす)〉
◇ 特殊型仮処分解放金については、詐害行為の債務者(被供託者)は当該供託金について
仮処分の本案勝訴判決が確定することを停止条件とする還付請求権を取得し、仮処分債権者
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はこの還付請求権に対して強制執行する(平2.11.13民四5002号)。
※本案の勝訴判決が確定しても、仮処分債権者は供託所に対し直接払渡請求をすることがで
きず、裁判所の配当手続によるため、執行文を付することを要する(民執27Ⅰ)。
⇔供託者(受益者)が取戻請求をする場合には、還付請求権が発生しないことが確定したこ
とを立証すれば足り、執行文を付することを要しない。
【第六編 供託物払渡請求権の変動】
《第一章 供託物払渡請求権の消滅》
◇ 弁済供託における供託金払渡請求権は、これを行使し得る時から 10年 の経過によって時効
により消滅する(昭7.6.21民甲597号、民167Ⅰ)。
◇
弁済供託における供託物払渡請求権の消滅時効の起算点は、当事者間に紛争等がある場
合には、紛争等の解決によって供託当事者による払渡請求権の行使を現実に期待することが
できるようになった時点である(最判昭45.7.15、昭45.9.22民甲4112号)。
◇
受領不能(債権者の所在不明)を原因とする弁済供託金の払渡請求権の消滅時効は、供託
をした日から進行し、10年 の経過をもって完成する(昭60.10.11民四6428号)。
※債権者が供託の事実を知ったときからではない。
◇
不法行為による損害賠償債務の弁済供託における供託金払渡請求権は、不法行為の時か
ら3年ではなく、その権利を行使できるときから10年の経過により消滅する(最判昭45.7.15)。
◇
裁判上の保証供託における供託金利息の払渡請求権は民法169条の定期給付金にあた
り、その権利を行使し得る時から 5年の経過によって消滅する(昭4.7.3民甲5618号)。
※時効の起算点は供託した翌年の供託した月の応答月の翌月1日から起算する(規34Ⅱ)。
◇
裁判上の保証供託における有価証券の払渡請求権は、所有権に基づく返還請求権である
から時効にかかることはない(昭4.7.3民甲5618号)。
◇
一括してされた弁済供託の供託金の一部について取戻請求があり、これが払い渡されたとき
は供託金の残額の取戻請求権について時効が中断する(昭39.11.21民甲3752号)。
◇
弁済供託の被供託者が、供託官から『供託証明書』の交付を受けた時は、供託金還付請求
権の時効は中断する(昭18.3.15民甲131号)。
※被供託者から提出された供託受諾書を供託所が受け取ったのみでは、還付請求権の時効
は消滅しない(昭36.1.11民甲62号)。
◇
供託金還付請求権に対する差押えがなされた場合、差押債権者が執行債務者(被供託者
たる還付請求権者)に対して有する債権については時効は中断されるが、被供託者が供託所
に対して有する還付請求権のついては、消滅時効は中断されない(昭44.3.3民甲345号)。
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【第七編 審査請求】
◇ 供託官の処分に対する審査請求は、監督法務局又は地方法務局の長に対してなすが、審
査請求書は 供託所に提出しなければならない(1の5、行服9Ⅱ)。
※審査請求をしようとする者は、正副2通の審査請求書は 供託所に提出する。
◇
供託の審査請求は、審査請求することにつき利益の存する限りいつでもすることができる
(1の8、行服14不準用)。
◇
審査請求は代理人によってすることができ、代理人は当該審査請求に係る一切の行為をな
すことができるが、その取下げには、特別の委任を要する(行服12ⅠⅡ)。
◇
審査請求人が会社その他の法人であるとき又は代理人によって審査請求するときは、その
代表者又は代理人の資格を証する証明書を提出しなければならない(行服13Ⅰ)。
◇
供託の申請又は払戻請求の却下処分に対する審査請求については、還付された供託書又
は払渡請求書の添付書類一式も添付することを要する。
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