1 業務の内容 地方公務員の年金制度の健全な運営を維持していくため、年金の財政単位を一元化し、年 金財政基盤の安定化を図るとともに、共済組合の長期給付に係る業務の適正かつ円滑な運営 を図るため、次の事業を行っている。 (1) 共済組合の長期給付に係る業務に関する技術的及び専門的な知識、資料等を共済組合に 提供すること。 (2) 共済組合の長期給付(基礎年金拠出金に係る負担を含む。)に係る組合員の給料と掛金 との割合及び組合員の期末手当等と掛金との割合を定めること。 (3) 長期給付積立金を管理すること。 (4) 財政調整拠出金を拠出し、受け入れること。 (5) 基礎年金拠出金を納付すること。 (6) 共済組合から預託された業務上の余裕金を運用すること。 (7) 介護保険料特別徴収に係る納入金の納入の経由に係る業務を行うこと。 (8) 国民健康保険料(税)特別徴収に係る納入金の納入の経由に係る業務を行うこと。 (9) 後期高齢者医療保険料特別徴収に係る納入金の納入の経由に係る業務を行うこと。 (10) 個人住民税特別徴収に係る納入金の納入の経由に係る業務を行うこと。 (11)その他その目的を達成するために必要な事業。 2 3 事業所の所在地 東京都港区赤坂8丁目5番26号 役員の状況 (1) 定 数 理事長 理 事 監 事 (2) 任 期 2 年 1人(常勤) 8人(常勤2人、非常勤6人) 3人(常勤1人、非常勤2人) (平成20年4月1日~平成22年3月31日) (3) 平成21年度末における役員の状況は、次のとおりである。 氏 役 職 名 経 理事長 松 本 英 昭 理 事 白 崎 徹 理 事 佐々木 順 司 理 事 久保田 勇 也 (非常勤) 理 事 佐 藤 英 彦 髙 部 正 男 徳 永 中 村 讓 矢 野 重 典 歴 自治事務次官 (財)自治総合センター理事長 (財)地域創造常務理事 本州四国連絡高速道路株式会社常務取締役 衆議院文部科学調査室首席調査員 大阪大学理事・事務局長 全国市町村職員共済組合連合会理事長 警察共済組合理事長 (非常勤) 理 事 (非常勤) 理 事 地方職員共済組合理事長 秀 昭 全日本自治団体労働組合中央執行委員長 (非常勤) 理 事 日本教職員組合中央執行委員長 (非常勤) 理 事 公立学校共済組合理事長 (非常勤) ― 1 ― 役 職 氏 監 事 大 監 事 経 名 園 猛 志 浅 野 喜久夫 (非常勤) 監 事 小 澤 正 明 (非常勤) 歴 岐阜県警察本部長 中国管区警察局長 日本都市交通労働組合中央副執行委員長 札幌市職員共済組合理事長 (札幌市副市長) (4) 役員会の開催状況 4 開催日 会 議 平成21年6月23日 第94回役員会 ・平成20年度決算(案) 平成21年7月13日 第95回役員会 ・長期給付に要する費用の再計算 平成21年7月30日 第96回役員会 ・地方公務員共済組合連合会定款の一部変更(案) 平成22年2月4日 第97回役員会 ・平成22年度事業計画及び予算(案)の大綱(案) 平成22年3月24日 第98回役員会 ・平成22年度事業計画及び予算(案) 職員の定数及びその増減 定 数 52人 5 議 題 本 年 度 増 減 増減なし 地方公務員共済組合連合会の沿革 地方公務員共済組合連合会は、昭和59年4月1日に地方公務員の年金制度の健全な運営 を維持していくため、89の共済組合で組織し設立された。 その後、平成2年度から公立学校共済組合及び警察共済組合が加入したことにより、すべ ての地方公務員共済組合をもって組織する連合体となった。 なお、平成22年3月31日現在の地方公務員共済組合連合会を組織する共済組合の数は 65組合である。 6 設置根拠法 地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号) 7 主務大臣 総務大臣 ― 2 ― 8 運営審議会の概要 (1) 委員定数 ① 組合員を代表する者以外の者である委員 11人 ② 組合員を代表する者である委員 11人 (2) 運営審議会の議を経る事項 ① 定款の変更 ② 運営規則の作成及び変更 ③ 毎事業年度の事業計画並びに予算及び決算 ④ 重要な財産の処分及び重大な債務の負担 (3) 任期 2年 (平成20年4月1日~平成22年3月31日) (4) 平成21年度末における運営審議会委員の状況は、次のとおりである。 役 職 氏 経 名 歴 会 長 菅 原 秀 夫 東京都職員共済組合理事長(東京都副知事) 会長代理 大 門 正 彦 全日本自治団体労働組合特別中央執行委員 会長代理 横 尾 俊 彦 佐賀県市町村職員共済組合理事長 委 員 石 原 茂 雄 静岡県市町村職員共済組合理事長 委 員 大 原 正 行 東京都教育委員会教育長 委 員 幸 田 雅 治 地方職員共済組合理事 委 員 齊 藤 孝 司 東京都八王子市立第六中学校長 委 員 佐 藤 晴 邦 全日本自治団体労働組合千葉県本部執行委員長 委 員 四牟田 修 三 日本教職員組合中央執行委員 委 員 土 居 正 公立学校共済組合理事 委 員 豊 島 和 治 全日本自治団体労働組合香川県本部副執行委員長 委 員 中 田 智 志 警察共済組合警視庁支部総務課長 委 員 中 山 幸 男 日本教職員組合中央執行委員 委 員 西 川 晋 司 東京都労働組合連合会書記長 委 員 藤 盛 敏 弘 全日本自治団体労働組合北海道本部副執行委員長 委 員 古 谷 幸 治 地方職員共済組合神奈川県支部副支部長 委 員 松 島 裕 子 日本教職員組合中央執行委員 委 員 水 谷 達 也 名古屋市職員共済組合理事 委 員 山 田 勝 麿 北海道都市職員共済組合理事長 委 員 山 田 雅 雄 名古屋市職員共済組合理事長 委 員 吉 田 登 群馬県職員労働組合中央執行委員長 委 員 和 田 康 敬 警察共済組合理事 ― 3 ― (5) 運営審議会開催状況 開 9 催 日 会 議 議 題 平成21年6月24日 第95回運営審議会 ・平成20年度決算(案) 平成21年7月16日 第96回運営審議会 ・長期給付に要する費用の再計算 平成21年7月31日 第97回運営審議会 ・地方公務員共済組合連合会定款の一部変更(案) 平成22年2月12日 第98回運営審議会 ・平成22年度事業計画及び予算(案)の大綱(案) 平成22年3月26日 第99回運営審議会 ・平成22年度事業計画及び予算(案) その他の連合会の概要 (1) 連合会を組織する共済組合数及び組合員数の状況(平成21年4月1日現在) 65 組合 ① 共済組合数 2,913,103 人 ② 組合員数 (共済組合別組合員数) 地方職員共済組合 317,708 人 公立学校共済組合 964,810 人 警 察 共 済 組 合 289,534 人 東京都職員共済組合 125,662 人 指定都市職員共済組合 176,890 人 市町村・都市職員共済組合 1,038,499 人 (2) 事務局組織 総 務 課 総 務 部 企 画 課 企画管理課 事 務 局 資 金 運 用 部 運用第一課 運用第二課 年 金 課 年 金 業 務 部 数 理 課 業 務 課 ― 4 ― 10 当該事業年度における業務の実施状況 (1) 長期給付に係る技術的及び専門的な知識、資料の提供 ① 年金事務機械処理標準システム等の提供 年金事務機械処理標準システム等について、公務員共済年金のお知らせ(いわゆる 地共済ねんきん定期便)作成、社会保険庁保有の組合員記録の整備などのシステムの 追加開発等を行い、システムを利用する共済組合にプログラム提供を行った。 ② 組合員等現況調査 長期給付に要する費用の算定基礎資料及びその他長期給付に関する基礎資料を把握 するため、組合員及び組合員であった者について、年齢、組合員期間及び給料等につ いての調査を実施し、その状況の取りまとめを行った。 ③ 研修・会議の開催 共済組合の長期給付に係る業務の適正かつ迅速な執行を図るため、事務担当者を対 象に年金事務担当者研修会及び年金制度説明会を開催した。 また、年金制度について理解を深めるため、幹部職員を対象に年金問題セミナーを 開催した。 ④ 地方公務員共済年金制度改正関係資料集の作成 地方公務員共済年金制度について、制度及び関係法令等の改正に係る国会での審議 状況を取りまとめた「平成7年度~平成19年度改正(会議録編)」を作成し、共済組 合へ提供した。 (2) 平成21年財政再計算 地方公務員共済組合の長期給付に要する費用の再計算は、少なくとも5年ごとに行 うこととされており、平成21年は前回の財政再計算から5年目にあたっている。 国家公務員共済組合と財政単位が一元化されていることから、地方公務員共済年金 と国家公務員共済年金全体に係る保険料率の算定及び財政の見通しの作成を行い、平 成21年9月に財政再計算を実施した。 これにより、平成21年9月から平成25年9月の引上げに係る長期給付の掛金率 (給料と掛金との割合及び期末手当等と掛金の割合)を定めた。 また、組合員及び各共済組合への周知については以下のとおり実施した。 ・全組合員へリーフレットを配布(計2回) ・連合会ホームページ、連合会広報誌PAL及び各共済組合の広報誌に関連記事を 掲載 ・平成21年財政再計算結果などを会議などで説明 (3) 長期給付積立金の管理・運用 長期給付積立金に充てるため、毎年、各共済組合の積立金の増加見込額の30%相 当額の払込みを受け、平成21年度末における長期給付積立金は16兆円余となって いる。 この積立金の一部は、地方債及び地方公共団体金融機構債券の取得並びに財務省財 政融資資金への預託による運用が義務付けられており、残りは自主運用として信託等 ― 5 ― による委託運用をはじめ、国債、地方債等各種債券の取得などを行い、安全かつ効率 的な運用に努めている。 (4) 財政調整拠出金の納付等 国家公務員共済組合との財政単位の一元化により財政調整拠出金の拠出並びに受入が行 われることとなった。 平成21年度においては、算定の結果、地方公務員共済組合連合会が、国家公務員共済 組合連合会へ884億円納付することとなり、3月30日に納付した。 (5) 基礎年金拠出金の納付等 ① 共済組合から基礎年金拠出金負担金を収納し、年金特別会計へ納付した。 基礎年金拠出金の額 1兆2,560億円 年金特別会計から基礎年金交付金を受け入れ、共済組合へ交付した。 基礎年金交付金の額 2,751億円 ② 厚生年金保険に対して納付する年金保険者拠出金を年金特別会計へ納付した。 年金保険者拠出金の額 145億円 (6) 共済組合からの預託金運用 平成21年度末における地方公務員等共済組合法施行令第16条第7項の規定による 総務大臣の定めに基づく共済組合からの預託金の状況は、9組合、879億円となって いる。 (7) 保険料(税)特別徴収に係る情報交換及び収納・納付 介護保険法等の規定に基づき、介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療 保険料及び個人住民税(以下「保険料等」という。)の年金からの特別徴収に関する情 報交換について、経由機関と共済組合との間の経由業務を行った。 また、徴収した保険料等の市区町村への納入金について、市区町村と共済組合との間 の経由業務を行った。 ・ 介護保険料の収納・納付額 168億円 ・ 国民健康保険料(税)の収納・納付額 2億円 ・ 後期高齢者医療保険料の収納・納付額 313億円 ・ 個人住民税の収納・納付額 79億円 (8) その他その目的を達成するために必要な事業 諸外国との間における社会保障協定業務 ドイツ連邦共和国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメ リカ合衆国等に一時的に派遣される地方公務員等に対する適用証明書の交付及び年 金加入期間通算業務に係る経由等の事務を行った。 ― 6 ― 11 前事業年度までにおける業務の実施状況 (1)長期給付経理年度別収支状況の推移 (単位:百万円) 収 入 区 分 年 度 組合払込金 平 成 12 年 度 平 成 13 年 度 平 成 14 年 度 平 成 15 年 度 平 成 16 年 度 平 成 17 年 度 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 216,517 185,371 135,503 107,729 104,788 107,352 114,023 56,489 4,846 平 成 21 年 度 829 支 出 長期給付 業務経理 年金保険者 財 政 調 整 利息及び 積 立 金 その他 雑 費 配当金 拠出金等 拠 出 金 へ繰入 67,843 0 2,283 1,322 12,997,427 360,985 23,582 1,899 1,271 13,400,271 0 240,426 1,509 19,788 1,268 13,725,544 0 209,318 1,327 14,019,968 1,687 0 21,299 207,634 1,290 14,245,501 29,911 15,491 0 207,283 70,828 3,088 28,502 1,130 14,806,940 0 597,874 117,243 0 27,224 80,781 1,299 15,571,784 0 760,125 0 1,296 16,163,236 24,608 62,443 0 623,310 13 22,149 71,385 5,083 1,127 16,336,173 267,821 0 240,098 14,462 88,420 210 0 16,474,008 (注) ① 収入の部「その他」は有価証券売却益、償還差益又は雑収入であり、平成13年度 までは債券引受手数料が含まれている。 ② 支出の部「年金保険者拠出金等」の平成12年度分には返還金が含まれている。 (2) 基礎年金拠出金経理年度別収支状況の推移 (単位:百万円) 区 分 年 度 収 基礎年金拠 出金負担金 入 支 基礎年金 交 付 金 利息及び 配当金等 平 成 12 年 度 平 成 13 年 度 平 成 14 年 度 平 成 15 年 度 平 成 16 年 度 平 成 17 年 度 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 970,296 986,087 1,010,750 1,055,669 1,123,499 1,122,555 1,115,898 1,168,716 1,199,466 479,621 454,478 424,928 394,630 391,007 371,781 334,234 311,915 291,172 13 平 成 21 年 度 1,256,041 275,147 基礎年金 拠 出 金 出 基礎年金交付 金支払金等 9 3 2 0 1 0 0 0 970,302 986,094 1,010,753 1,055,670 1,123,499 1,122,556 1,115,898 1,168,716 1,199,466 479,629 454,480 424,929 394,631 391,007 371,781 334,234 311,915 291,172 0 1,256,041 275,147 (注) ① 収入の部「利息及び配当金等」には、前年度繰越基礎年金拠出金 負担金充当金を含む。 ② 支出の部「基礎年金交付金支払金等」には、次年度繰越基礎年金 拠出金負担金充当金を含む。 - 7 - (3) 預託金管理経理預託金の状況 (単位:千円) 指 定 都 市 預 託 金 支 払 利 息 年 度 平成12年度 297,896 8 組 合 47,295,412 平成13年度 280,314 9 組 合 60,593,308 173,294 平成14年度 9 組 合 65,873,623 平成15年度 290,532 9 組 合 67,046,916 平成16年度 560,483 9 組 合 67,337,448 平成17年度 2,042,313 9 組 合 67,897,932 平成18年度 76,779,335 6,044,712 9組合 平成19年度 3,848,720 9 組 合 82,824,047 平成20年度 1,178,459 9 組 合 86,672,767 平成21年度 9 組 合 87,851,226 備 考 1,111,992 (注) 預託金は年度末の残高である。 12 13 資金の調達状況 (1) 借 入 金 該当なし (2) 財政融資資金 該当なし (3) 国庫補助金等 該当なし 子会社及び関連会社並びに関連公益法人等に関する事項 該当なし 14 連合会が対処すべき課題 (1) 長期給付積立金の運用に当たっては、今後益々増大する年金給付に適切に対応し、 かつ、現役世代の負担の増加をできるだけ緩和していくために、資産を安全かつ効率 的に運用していくことが重要である。 (2) 平成22年3月、内閣総理大臣を議長とした関係閣僚による「新年金制度に関する 検討会」が設置され、新年金制度の基本原則をまとめるとされていることから、その 動向を的確に把握し適正に対処していくこととする。 - 8 -
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