港湾概要(バンコク港・レムチャバン港) 組織 Port Authority of Thailand(PAT:タイ港湾公社) タイ港湾公社(Port Authority of Thailand) は、タイ運輸省の管轄下にあり 1951 年に港湾公社 法に基づき独立した港湾管理団体として組織され ました。 同公社は、国際港であるバンコク港、レムチャ バン港に加え、地方港を監督する権限も与えられ ており、現在、内陸河川港であるチェンセン港、 チェンコン港、ラノン港の 3 港も管轄していま す。 概要 バンコク港 バンコク港は、チャオプラヤ川の河口から約 30~ 40 キロメートルに点在する大小 80 余りの岸壁で構 成された河川港であり、約 70 年の歴史をもつ国際的商業港です。 タイ港湾公社が管理する同港の公共ターミナルは、バンコク・クロントイ地区に隣接してお り、港から背後圏内への貨物輸送を効率的かつ経済的に行うことが可能です。 しかしながら、貨物量の増加に伴う船混みの激化、港湾の狭隘化とバンコク市内の交通渋滞 の緩和のため、現在、レムチャバン港を基幹航路のコンテナ船寄港地とする一方で、同港を近 海航路のコンテナ船寄港地及び内陸水運の拠点とする機能分担が進んでいます。 レムチャバン港 レムチャバン港は、バンコクの南東 135km のチョンブリ県に位置する大水深港で、バンコ ク港の代替港として 1991 年に開港したタイで最も重要な国際貨物港です。 国の経済社会発展計画に沿って発展してきたバンコク港は、喫水が 8.2m で制限されている ため国際海上物流における船舶の大型化に対応できず、またバンコク市内の交通渋滞の悪化 や人件費の上昇等の問題が深刻化しているため、レムチャバン港をバンコクの外港として開 発することが決定されました。 1976 年から 10 年かけて東部臨海開発計画が作成され、1986 年にレムチャバン港第一次開 発計画工事が着工、日本の海外経済協力基金の援助も得て、レムチャバン港は 1991 年 1 月 21 日に正式開港しました。 ターミナル運営については国際入札による民営化が進められ、現在 7 つのコンテナターミ ナルが民間オペレーターにより運営されています。 バンコクとは高速道路で約 2 時間の距離にあるほか、バンコク東部ラッカバンに位置する 内陸コンテナデポとは高速道路及び鉄道で結ばれています。 将来計画 タイにおいては、堅調に増加を続けるコンテナ貨物に対応するため、また、貨物の道路輸送 から鉄道輸送及び水上輸送への転換(モーダルシフト)を推進するため、主要港湾であるバン コク港及びレムチャバン港において以下の施設整備計画が進められています。 バンコク港 PAT が管理するクロントイ地区の公共ターミナルにおいて、コンテナ処理能力強化のための 新バース整備や CFS の整備が進められています。 レムチャバン港 レムチャバン港では第 1 期開発区域の A,B バース及び第 2 期開発区域の C バースが稼働中 で、現在は第 2 期開発区域の D バースの整備が進行しており、第 3 期については着手に向け た検討を進めています。 D バースにおける D1、D2、D3 ターミナルの整備及び運営は Hutchison Ports Thailand 社に より行われる予定であり、2016 年 11 月に着工しました。 その他に、SRTO と呼ばれる鉄道輸送ターミナル及びコンテナ貨物の沿岸(水上)輸送用タ ーミナルについても整備が進められています。 鉄道輸送ターミナル 整備予定地 第 2 期開発区域 (Phase2) 第 3 期開発区域 (Phase3) 第 1 期開発区域 (Phase1) 沿岸輸送用ターミナル 整備予定地 Basin3 Basin2 Basin1 統計(バンコク港) 貨物量 (2015 年(会計年度)) 寄航船舶数 総取扱貨物量 9,205 隻 合計 積 揚 T/S 21,848,000 トン 9,760,000 トン 12,088,000 トン ― 合計 コンテナ貨物量 積 1,558,000 TEU 638,000 TEU 世界コンテナ港ランキング:第 92 位 名古屋港との交易状況 ◆総取扱貨物量 揚 空コンテナ 922,000 TEU 43,000 TEU 69,000 TEU 【出典:Containerisation International】 (2015 年) 743,495 トン (Unit:F/T) 名古屋→バンコク 品種 トン数 鋼材 産業機械 完成自動車 その他化学工業品 糸及び紡績半製品 その他 合計 コンテナ合計 (個数) 内航・鉄道 バンコク→名古屋 シェア 品種 42.7 木材チップ 9.5 製造食品 192,685 42,869 9.1 41,105 6.5 29,283 5.1 23,030 122,428 27.1 451,400 100.0 224,512 トン (12,224 TEU) トン数 88,537 シェア 47,620 16.3 電気機械 17,778 6.1 その他化学工業品 14,145 4.8 米 13,289 4.5 その他 110,726 38.0 合計 コンテナ合計 (個数) 292,095 100.0 190,369 トン (8,016 TEU) 30.3 統計(レムチャバン港) 貨物量 (2015 年(会計年度)) 寄航船舶数 総取扱貨物量 コンテナ貨物量 完成自動車 8,562 隻 合計 73,451,000 トン 合計 6,780,000 TEU 合計 1,245,372 台 積 45,135,000 トン 積 3,369,000 TEU 積 1,188,866 台 世界コンテナ港ランキング:第 21 位 揚 27,471,000 トン 揚 1,878,000 TEU 揚 56,506 台 T/S 846,000 トン 空コンテナ 1,533,000 TEU ― ― 【出典:Containerisation International】 名古屋港との交易状況 ◆総取扱貨物量 (2015 年) 3,874,420 トン (Unit:F/T) 名古屋→レムチャバン 品種 トン数 自動車部品 660,474 完成自動車 236,767 鋼材 206,450 産業機械 117,848 その他化学工業品 50,233 レムチャバン→名古屋 品種 トン数 完成自動車 1,070,074 自動車部品 184,961 電気機械 178,579 輸送用容器 142,194 その他化学工業品 117,630 シェア 42.5 15.2 13.3 7.6 3.2 282,191 18.2 その他 1,553,963 100.0 合計 1,494,701 トン コンテナ合計 (73,458TEU) (個数) その他 合計 コンテナ合計 (個数) シェア 46.1 8.0 7.7 6.1 5.1 627,019 27.0 2,320,457 100.0 1,249,970 トン (56,730TEU) 寄港状況(バンコク港) 航路 サービス 運航事業者 寄港回数 B1 (JABCO1) 川崎汽船 /*INTERASIA /*SITC /*MCC 週 1 回(木) JTX CNC /*T.S.LINES /*YANG MING /*CMA CGM /*INTERASIA /*EMC /*MCC 週 1 回(木) JHT T.S.LINES /*CNC /*MCC /*APL 週 1 回(金) VTX2 SITC /*NOS /*SINOTRANS 週 1 回(金) JTT WAN HAI LINES 週 1 回(金) JTC YANG MING /CNC /*EMC 週 1 回(土) バンコク *はスペースチャーター 寄港状況(レムチャバン港) 航路 サービス 運航事業者 寄港回数 B1 (JABCO1) 川崎汽船 /*INTERASIA /*SITC /*MCC 週 1 回(木) CBE 商船三井 /*CNC 週 1 回(火) JTV APL /*OOCL /*T.S.LINES 週 1 回(火) JTX CNC /*T.S.LINES /*YANG MING /*CMA CGM /*INTERASIA /*EMC /*MCC 週 1 回(木) PHX1 日本郵船 /*MCC 週 1 回(金) JHT T.S.LINES /*CNC /*MCC /*APL 週 1 回(金) IA2 MCC /*日本郵船 /*APL /*EMC /*T.S.LINES /*CNC /*WAN HAI LINES /*HMM 週 1 回(金) VTX2 SITC /*NOS /*SINOTRANS 週 1 回(金) JTT WAN HAI LINES 週 1 回(金) JTC YANG MING /CNC /*EMC 週 1 回(土) KTX2 OOCL /*COSCON /*APL 週 1 回(土) JVT COSCON 週 1 回(水) バンコク *はスペースチャーター
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