意見を述べる

Ⅰ
コミュニケーション
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意見を述べる
賛成する・反対する・保留する
会話例 1 社内 賛成
A: 今回のカタログだけど、今までの N 印刷ではなく、別のところに替
えてみようかと思うんだけど。
①
B : そうですね。② 前回はかなりミスも多かったし、その割に値引きも
強い口調や断定的な言葉で相手を言い負かすことではありません。たとえ意
見が異なっていても、相手の意見を尊重しながら、自分の意見を述べることが
大切です。
少なかったですしね。
A: 小さいところだけど、M 印刷はどうだろう。あそこは営業ががんば
っているようだし。
B : ええ、賛成です。③ 以前、庶務にいた時に、お願いしたことがありま
すけど、何よりも仕事は速いし、ノーミスでしたね。
●
賛成する場合
A: じゃあ、次の会議で変更を提案してみよう。
ただ賛成を表明するだけではなく、何らかのコメントをつけて相手の意見を
要約したり、具体例を挙げきちんと理解をした上での賛成であることを示した
方がよいでしょう。
注①:賛成を表明します。他に「いいですね」
「私も A さんの意見に賛成です」
「そう思います/そう思っていました」のような表現があります。
注②:賛成する理由を述べます。
●
反対する場合
注③:賛成する理由を別の観点から述べます。
できるだけ理由を付け加えた方がよいでしょう。理由だけ述べたり、根拠を
述べてから質問の形で反対の意見を述べたり、相手の意見を認めながら根拠を
述べたり、疑問点を挙げて反対の意思を相手に気づかせるなど、いろいろな進
め方があります。
会話例 2 社内 反対
A: B 部長、装丁のサンプルが あがってきたんですが、どうでしょうか。
B : うーん、① 正直なところいうとね。もう少し落ち着いてる色がいいね。
A: ② 落ち着いた色ですか。
気をつけること
特に反対する場合は、相手の立場やプライドを傷つけるような、直接的
B : 今の色だと、軽すぎるように思うんだけど。
A: 軽すぎる。
な反対はしない方がよいでしょう。直接的な反対をされると、意見ではな
B : うん。もう少し濃い色にして、和の雰囲気を出した方がいいと思うよ。
く、人格を全て否定されたと受け取る人も多いからです。
A: 和の雰囲気ですね。わかりました。③ もう一度デザイナーと相談して
みます。
注①:単刀直入な表現で、上司・部下という関係ならば使用可能です。
注②:相手の表現を用いて、確認しましょう。
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