B-2 虚血性脳血管障害超急性期の CT 診断の標準化について 分担研究者:畑澤 順(大阪大学大学院医学系研究科生体情報医学講座 トレーサ情報解析学) 共同研究者:下瀬川恵久、佐々木信夫 (秋田県立脳血管研究センター 放射線科) 脳血管障害超急性期の画像診断には、多くの施設で X 線 CT が第一に行われている。 虚血性脳血管障害における超急性期血栓溶解療法は、出血性病変の除外、発症3時間以 内を基準として行った場合、予後の改善が認められる。一方、CT で広範な虚血性病変 が認められる場合は出血性梗塞の発症等により、予後不良となる。したがって、脳実質 虚血性病変の範囲を診断することが重要である。 X 線 CT の超早期虚血性病変は、皮質髄質境界の消失、基底核辺縁の不鮮明化、脳溝 の不鮮明化・消失などのいわゆる early CT sign として描出される。これらは微細な変化 であり、X 線 CT の機種、撮像条件、画像再構成法により影響を受ける。今年度は、CT 診断の標準化を目指して試作ファントムによる最適撮像条件、最適画像再構成について、 以下の手順で検討する。 1) 脳虚血ファントムの作成(京都科学との共同開発) 2) 試作ファントムの評価 3) 最適撮像条件、画像再構成法の検討 4) 主要機種おける評価 5) 多数の施設における脳虚血ファントムの撮像と結果の解析 6) 標準化案の作成 以上の結果を公表し、国内における虚血性脳血管障害超急性期の CT 診断の標準化を図 る。
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