2004.2.1 号 昨年(平成 15 年)はじめてアパートを新築した人のための確定申告講座 必要経費にするか 取得価額にするか それが問題だ・・・ 平成15年中にはじめてアパートを新築し、いよいよはじめての確定申告 にチャレンジする方へ。もうそろそろ重い腰を上げなければならない時期 です。支払った費用が、必要経費か取得価額か??? いざ申告書を作成 しようとすると迷ってしまうものも多いはず。今回は迷いがちな費用を ピックアップして簡単にご説明します。 ★まずは基本から 例えば・・・ ①~⑧ 各々10 万円合計 80 万円 家賃収入 1,000 万円/年 その他の経費(減価償却費、修繕費等) 500 万円/年 建物の法定耐用年数 20 年 不動産所得=アパートの賃貸収入-必要経費 不動産所得に対して税金がかかります。アパートの 賃貸収入は、入居者より支払われる家賃の合計です からそんなに迷うことはないと思います。問題は必 要経費。毎月支払が生じる不動産店などへの管理料 や共用部分の水道光熱費はもちろん必要経費に含ま 初年度 れます。 ★アパート完成前に支払った費用 ここからが本題。アパートを建築すると建築費以外 にも何かと費用がかかるものです。建築費は取得価 額として毎年減価償却します。では、建築費以外の 費用はどのように処理すればよいのでしょうか? 必要 経費 ① 地鎮祭、上棟式の費用 ② 完成後の竣工式の飲食代等 ③ 完成前に支払った借入金の利息 取得 価額 ○ (司法書士への報酬も含む) ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 建物を取得した不動産取得税 地盤調査費用 建築確認申請費用 借入金を担保するため債権者を 保険金受取人とした 生命保険契約の保険料 2年目~ 家賃収入 1,000 万円 20 年目 必要経費 502万円※2 不動産所得498万円 20 年目 以降 家賃収入 1,000 万円 必要経費 500 万円 不動産所得500 万円 ※1 10 万円×4(②+④+⑤+⑧) +(10 万円×4(①+③+⑥+⑦))÷20 年+500 万円 ※2 (10 万円×4(①+③+⑥+⑦))÷20 年+500 万円 ※実際には必要経費の額は毎年変動しますし、とく に法定耐用年数が過ぎた 20 年目以降は減価償却費 ○ ○ (はじめてアパート経営を はじめた人の場合) ④ 建物の表示登記や保存登記費用 家賃収入 1,000 万円 必要経費 542万円※1 不動産所得458万円 がなくなるので必要経費の額が減り、不動産所得が 多くなる=税金が多くかかります。 ★こんな費用は・・・ ○ 一括払いした長期火災保険料やローン保証料は建物 ○ ○ ○ の取得価額に含めず前払費用として処理し、その期 間中に按分した額を毎年経費に算入します。 ★応用編 ... 左の表は建物の必要経費や取得価額として処理する ○ 必要経費⇒初年度の必要経費に全額含めます 費用です。古家付きの土地を購入し、ただちに古家 取得価額⇒耐用年数中、建物の取得価額に含めて毎 を解体してアパートを新築した場合の古家の取得費 ... は、土地の取得価額として処理します。ただし、土 年定額ずつ必要経費にします 地の取得価額は、建物の取得価額のように経費とし て控除できません。 松下電工株式会社 住建分社 住宅システム事業推進部 協力:監修 編集 公認会計士・税理士 金田一広幸 株式会社ELハウジングカンパニー CFP 記載内容は平成16年1月現在のものです。 高坂繁樹 ※無断転載を禁止します
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