量子テレポーテーションにおける光子数−位相状態の操作 北川 晃,山本 克治 京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻 〒 606-8501 京都市左京区吉田本町 TEL:075-753-5830 FAX:075-753-5845 E-mail: [email protected], [email protected] あらまし : 光子数−位相状態をパラメータとする量子テレポーテーションにおいて,ボブは転送を完了させるためにアリス( 及び クレア )からの測定結果に応じて光子数の増減及び位相の変調を行わなければならない.本公演では原子系を用いたり, 光路の長さを適当に調節することでこれらの操作を行うことができることを示す. キーワード :量子光学,量子テレポーテーション,光子数−位相状態操作,位相変調,原子光学 Manipulation of photon number-phase state in quantum teleportation Akira Kitagawa, Katsuji Yamamoto Department of Nuclear Engineering, Kyoto University Kyoto 606-8501, Japan TEL:075-753-5830 FAX:075-753-5845 E-mail: [email protected], [email protected] Abstract: In the quantum teleportation of photon number-phase state, Bob needs to manipulate the output state according to the information from Alice (and Clare) to complete the transfer. We show that we can perform these operation with atoms and photon path adjustment. Keywords: quantum optics, quntum teleportation, photon number-phase state manipulation, phase shift, atomic optics 1 はじめに により MESS が準備され るが,2-3 間のベル 測定結果が 近年,量子情報技術に関する研究が広く行われているが, (N, m) であったとすると,アリスとボブは EPR 状態とし て |N, −m14 を共有する. 量子テレポーテーションはその中でも最も進んだ分野の一 つである. 次にアリスが T-1 間でベル測定を行い,結果が (N , m ) であったとすると,これによりボブの手元の状態 4 は次の 量子テレポーテーションの概念は,1993 年,ベネット ように収縮する. らにより提案された [2].このプ ロトコルは 二準位状態す なわち光子の偏光状態を用いて量子ビットの転送を行うも |ψ out のであったが,後に連続量(光の直交位相成分)を転送す = = [4, 5, 6] も提案された. 我々はこれまでに,真空のスクィーズド 状態を2つ用い, N ∗ [(ωN+1 )m α∗]k √ |N − ka ⊗ |kb . N +1 k=0 |N, mab = (1) また,この EPR 状態を用いることにより,光子数−位相 状態の量子テレポーテーションを行うことができる. , m |[|ψT ⊗ |N, −m14 ] N exp[−iφ(N, m, N , m )(n − ∆N )] √ √ N + 1 N + 1 n=max[0,∆N] ×[(ωN +1 )m α1T ]∆N cn |n − ∆N 4 , これらの間で光子数和−位相差を測る(ベル測定)ことに (MESS, Maximally Entangled State via Swapping) を積 極的に生成できることを示した [1]. るもの [3, 4],離散量( 光子の個数状態)を転送するもの より,光子数−位相状態に関して最大限に絡み合った状態 1T N (3) ここで ∆N ≡ N − N ,また φ(N, m, N , m ) ≡ arg[(ωN +1 )m α∗1T (ωN+1 )m α14 . (4) モード 4 の状態に対して 0 ≤ n − ∆N ≤ N より,和は (N ≤ N ) 0, · · · N (5) n= ∆N, · · · N (N > N ) の範囲でとる. Output state Classical channel Quantum channel の測定結果をもとに,手元の状態にユニタリ変換を行う. Unitary transformation Alice Number-phase measurement T ボブは転送を完了させるために,アリス及びクレアから |ψout Bob (N , m ) 1 Input state = U∆N Uφ |ψ out = [(ωN +1 )m α1T ]∆N √ √ N + 1 N + 1 MESS Clare |ψT |ψout 4 (N, m) Number-phase measurement 2 Squeezed 1-2 × 3 N cn |n4 , (6) n=max[0,∆N] Squeezed 3-4 ここで 図 1: MESS を用いた量子テレポーテーション Uφ = exp[iN̂4 φ(N, m, N , m )] (7) U∆N = exp[−iφ̂(K,4) ∆N ], K ≥ max[N, N ] (8) 光子数−位相状態の量子テレポーテーションを行うに当 たって,光子数和−位相差測定(ベル測定)及びその結果 に基づくユニタリ変換が困難な操作であると考えられ る. 本公演では,特にユニタリ変換,すなわち光子数の増減及 である.位相の変換は個数演算子に,個数の変換は位相演 算子に依存する. び位相の変調について考察を行う. 3 2 量子テレポーテーション ボブはユニタリ変換を行うことでアリスが送りたかった 状態を再現することができる.しかし,このユニタリ変換 光子数状態が |ψT = ユニタリ変換 ∞ n=0 cn |nT , ∞ は入射状態のパラメータ,たとえば 光子数など に依存する |cn |2 = 1 (2) n=0 べきではない.ボブがユニタリ変換を施す状態は光子数に 関して重ね合わせ状態であるため,この操作が入射光子数 のように展開できるとする.各個数状態の確率振幅 cn は に依存して行われた場合,測定を行っていることに相当し, 未知で,規格化条件のみ定められているとする.クレア 量子論的な重ね合わせ状態が破壊されてし まうからである. ユニタリ変換は,次のような操作を行う. U∆N wn |n = wn |n + ∆N n Uφ = (9) wn |n = n exp[inφ]wn|n (10) wn (|g, n + 0 · |e, n − 1) . (13) n=n0 n N̄ |g, n の状態は,入射光によってラビ 振動を起こし ,光 子を吸収して |e, n − 1 の状態に遷移する.系には原子が n すなわちいかなる光子数状態が入力されても,一定時間の 1つだけ含まれていると仮定しているので,ラビ振動の過 後に光子数が増やされて,あるいは減らされて出力された 程では |g, n と |e, n − 1 の状態間でのみ遷移が起こる.ま り,光子数に比例した位相変調がなされて出力されるよう た,|e, n − 1 は十分速く,第3の準位 |l, n − 1 へ自発的 なデバイスが必要となる. に崩壊をする. これらの過程を解析するために,原子の昇降演算子を次 4 のように導入する. 光子数の増減 D+ |g = |e, D− |e = |g, 1 [D+ , D− ] = D0 = [|ee| − |gg|] 2 ユニタリ変換のうち,光子数の増減を行うことを考える. もっとも基本的なものは,光子を1個,減らしたり増やし たりする操作である.光子を n 個減らす場合は,1個減ら これを用いて,系のハミルトニアンは以下のように書ける. す装置を n 個並べることで実現が可能となる. H = HP + HA + Hint , (14) HP = (15) HA = Hint = h̄ωa† a, 1 γ 0 h̄ω0 D + − ih̄ |ee|, 2 2 † − † h̄Ω a D + aD . まず,光子を1個減らすための装置を実現するために , Λ 型のエネルギ ー準位配列を持つ原子を利用することを考 える. δ ω0 |g |e (16) (17) ハミルトニアン第1項 HP は,光子のエネルギーを表す. ω 第2項 HA は原子の持つエネルギ ーを表す項で,虚数で与 えられる部分が自発崩壊を起こす過程を記述している.そ |l して第3項 Hint は原子と光子の相互作用を記述する項で, 回転波近似を適用している.回転波近似により省略されて いる項は,エネルギ ー保存則を満たさないが,不確定性関 図 2: Λ 型のエネルギ ー準位配列を持つ原子 係を考慮すれば,これらのタイムスケールは大変短いため 原子は ω0 だけ隔てられた |g,|e の2準位系であると し ,加えて |e は十分な速さで第3の準位 |l へ自発的に 崩壊するものとする.このような原子を1つ,|g の状態 に,実際には平均化されてし まい寄与がなくなる. 以上のハミルトニアンに従って,状態 (18) の時間発展 を考える.時刻 t だけ経過したときの状態は で準備する.この原子に,周波数 ω ω0 + δ を持つ準共 |ψ(t) = 鳴の光子状態 |ψP が入射する. |ψP = N̄ wn |n. (11) いま,光子数状態は n = 0 を含んでいないと仮定する.こ れは,アリス及びクレアからの測定結果によりユニタリ変 換を行う際,系から光子を引かなければならない場合,ボ ブの手元の状態が |0 を含んでいないことと矛盾しない. また,原子は |g で準備されているから, |ψA = |g + 0 · |e. 以上より,系の初期状態は = N̄ n=n0 (n) wn p(n) (18) g (t)|g, n + pe (t)|e, n − 1 n=n0 n=n0 |ψin N̄ wn |n ⊗ (|g + 0 · |e) (12) のように表すことができる.先にも述べたように,この系 はラビ 振動の過程で |g, n と |e, n − 1 の間の遷移のみが 起こっていると考えているから,(18) 式の各項は独立に解 析することができる.そこで第 n 項において基底を 1 0 |g, n = , |e, n − 1 = (19) 0 1 のようにとると,時間発展方程式は次のように書ける. √ (n) (n) nΩ nω pg pg d i = . √ (n) (n) dt pe nΩ nω − δ − i γ2 pe (20) この方程式は δ = 0 のときは解析的に解くことが可能であ ∆ω=x×(γ/4) る( → 付録 A ). 1 また,|e, n − 1 が崩壊して第3の準位 |l, n − 1 にいる を, (n) 2 (n) 2 2 |p(n) g | + |pe | + |pl | = 1 (21) |p(n) l | (n) 確率振幅 pl :x=0 :x=±0.1 :x=±0.2 :x=±0.5 :x=±1.0 0.5 (n) により定める.これを pl (n) pl −iφn = −ie について解くと, (n) (n) 1 − |pg |2 + |pe |2 . (22) 0 ここで位相 φn は |e, n − 1 → |l, n − 1 の過程において変 0 図 4: γ/4 = φn = (n − 1)ωt + ϕ. (23) 以上のように定式化した系を,δ = 0 の場合も含めて数 値計算により解析を行う.各パラメータは次のように仮定 した. –10 4×10 –10 t (sec) 化する量だから,光子数状態の時間発展を表す部分以外は n には依存しない. 2×10 √ nΩ の場合の数値計算結果 この結果より,デチューニングが小さいほど ,速く収束 することがわかる. (n) 以上の結果より,一定時間の後に |pl | → 1 が実現され ることがわかるが,これはすなわち最初 |g, n にあった状 態が,すべて |l, n − 1 に遷移してしまうことを意味する. • frequency: ω = 3.767 × 10 15 s −1 (λ = 500 nm), • dipole moment: d 1.6 × 10−29 C · m, • effective volume: V = 1.0 × 10−18 m3 (= [1 µm]3 ), 以上をふまえ,再び n についての重ね合わせ状態を考え れば,この系を通過した後,状態は N̄ |ψout = −ie−iϕ wn |n − 1 ⊗ |l (24) n=n0 • coupling: Ω 2.3 × 1010 s−1 . √ δ = 0 の場合で, γ/4 と nΩ の大小関係を変化させて みた結果は以下の図 3 の通りになる. となり,光子が1個減じられた状態が得られる.この過程 により,wn は変更を受けないので,従って確率分布,コ ヒーレンスはともに保たれたままであることがわかる. 光子状態はさまざ まな光子数のものが量子論に重ね合わ Ωn=g×γ/4 せられた状態で入射してくるため,各状態すべてが最適化 1 された過程をとることができるようにすることは,原理的 に不可能である.従ってすべての過程がなるべく速く進行 |p(n) l | するためには,最適なパラメータで系を準備することが必 0.5 :g=0.2 :g=0.5 :g=1.0 :g=2.0 :g=4.0 要になる. 次に,同様の手法を用いて光子を1つ増やす系について 考察する.この場合は,図 5 のような Σ 型のエネルギー 準配列を持つ原子系を考え,これを1つ,|e の準位で準 0 0 2×10 –10 4×10 –10 t (sec) 備する.また, |e から ω だけ隔てられた準位 |g は十分 速く第3の準位 |l へ崩壊するものとし ,ここへ状態 (11) が入射する場合を考える.すると入射光子が誘導放出の過 図 3: δ = 0 の場合の数値計算結果 この数値計算結果より,γ/4 = √ 程を引き起こし ,原子は入射光子と同じ 大きさ,同じ 方向 の運動量を持つ光子を放出し ,|e → |g と遷移する. nΩ のときに一番速く (n) |pl | → 1 に収束する,すなわち最適化されていることが ができる.しかし 今回は一般に |0 を含む場合もあり得る わかる. ので,n0 = 0 ととるべきである.しかし 入射光子の |0 の √ nΩ のとき,δ を動かしてみた結果は次 の図 4 の通りである. また,γ/4 = この場合も先の光子を減ずる系と同様の解析を行うこと 部分は誘導放出過程を起こすことができず,この項に光子 位相が回転する時間を調節するために,光路の長さを変 δ ω0 |e 化させる. |g ∆l = c∆t = ω c φ(N, m, N , m ) ω (28) として,光路を ∆l だけ長くした場合は, exp[−inω(t + ∆t)]|n = exp [−iφ(N, m, N , m )] |n(t) (29) |l となり,位相は遅れる.また逆に,∆l だけ短くした場合, 図 5: Σ 型のエネルギー準位配列を持つ原子 exp[−inω(t − ∆t)]|n = exp [iφ(N, m, N , m )] |n(t) (30) となり位相は進む.ここで (29) 式と (30) 式の右辺で,通 を加えることができない. |ψP in = N̄ 常の時間発展因子は |n(t) に含めた.いずれも入射してく wn |n n=0 ⇒ |ψP out = w0 |0 + る光子状態の個数に比例して自動的に変調が行われ,デコ N̄ wn |n + 1 (25) n=1 ヒーレンスを起こすことなく位相変調が行われていること がわかる.これは (7) 式のユニタリ変換を実現する系であ ると考えられる. すなわち,原子の自発的崩壊のみを利用する方法では,光 子を加える場合に n = 0 の点で問題が出てくる.現在この 6 困難を克服すべく検討中である. まとめ 光子数−位相状態に関する量子テレポーテーションにお 5 位相の変調 いて,必要とされるユニタリ変換について考察を行った. これには光子入力状態の個数分布及びコヒーレンスを損な 次に位相の変調について考える.ここでいう位相の変調 とは,光子の入射状態 |n に対して,その光子数に比例し て位相を進めたり,遅らせたりする操作のことである.す なわち,重ね合わせ状態で入力される光子数の各状態は, それぞれ異なった分だけ位相の変調を受ける. 散量をとる [7].ボブがユニタリ変換を行って変調しなけ ればならない位相の量も離散的なものであり,その単位量 φ は (7) 式のようにアリス及びクレアの測定結果 (N, m), (N , m ) に応じて決まる( φ = φ(N, m, N , m ) ). 各光子数状態は,次のシュレディンガー方程式に従って 時間発展する. d ih̄ |n = HP |n, (26) dt ここで HP は,(15) で与えられる光子状態のハミルトニア ンである.これを解くことにより,各光子数状態は 光子を1つ減ずるデバイスとして,Λ 型エネルギ ー準位 配置を持つ原子を1つ準備し ,これに光子を吸収させる方 収するが,再び同じモード の光子を誘導放出しないために, 励起した準位が十分速く第3の準位に自発的に崩壊してし まうことで,この過程に非線形な性質を与えている.この 方法では光子数分布及びコヒーレンスともに損なわれるこ となく光子を1個取り除くことができると考えられる.複 数の光子を減らし たいときは,これらのデバイスをいくつ か準備することで可能となる. また,光子を増加させるデバイスとして Σ 型エネルギー 準位配置を持つ原子を利用することを考えたが,こちらは 入力状態が |0 の寄与分について,誘導放出過程が起こり えないために,この部分は不具合が残る.現在対策を検討 (27) なる時間発展を行うことがわかる.すなわち,光子は元来, その光子数に比例し て位相が変化する性質を持っている. これを利用し ,ここで必要な位相変調を行うことができる と考えられる. ばならない. 法について検討を行った.原子はラビ振動により光子を吸 位相状態は光子数状態の物理共役な量であり,従って離 |n(t) = e−inωt |n. うことなく光子数の増減,あるいは位相変調を行わなけれ 中である. また位相変調に関しては,光路長をアリスとクレアの測 定結果をもとに調節することにより,各光子状態に比例し た位相量の変調を行うことが可能となる. 以上のデバイスを組み合わせることにより,光子数−位 相状態の量子テレポーテーションにおけるユニタリ変換が 実現できる. A 時間発展方程式 (20) の解析解 方程式 (20) は,δ = 0 のときは解析的に解くことが可能 √ である. nΩ ≡ Ωn とおくと, (n) (n) nh̄ω h̄Ωn pg pg d ih̄ = . (n) (n) dt pe h̄Ωn nh̄ω − ih̄ γ2 pe (31) ハミルトニアン H= nh̄ω h̄Ωn h̄Ωn nh̄ω − ih̄ γ2 (32) は γ/4 = Ωn の点を除いて対角かが可能であるから,これ を利用して解を求めると次のようになる. (n) pg 1 −inωt −γt/4 e e = (n) K pe n γ sinh Kn t + Kn cosh Kn t 4 × , −iΩn sinh Kn t ただし Kn = γ2 − Ω2n . 16 [3] S. L. Braunstein and H. J. Kimble, Phys. Rev. Lett. 80, 869 (1998); L. Vaidman, Phys. Rev. A 49, 1473 (1994). [4] G. J. Milburn and S. L. Braunstein, Phys. Rev. A 60, 937 (1999). [5] P. T. Cochrane, G. J. Milburn and W. J. Munro, Phys. Rev. A, 62, 062307 (2000). [6] P. T. Cochrane and G. J. Milburn, Phys. Rev. A, 64, 062312 (2001). [7] D. T. Pegg and S. M. Barnett, Phys. Rev. A 39, 1665 (1989); S. M. Barnett and D. T. Pegg, Phys. Rev. A 42, 6713 (1990). (33) (34) これを用いれば,第3の準位 |l, n − 1 の確率振幅は, γ2 (n) −iφn −γt/2 1− pl (t) = −ie 1−e 16Kn2 1/2 γ γ2 + sinh 2Kn t + cosh 2Kn t (35) 4Kn 16Kn2 (n) となる.この値は十分時間がたったとき,|pl | → 1 とな るが,γ/4 > Ωn の場合は一様に収束し ,逆に γ/4 < Ωn の場合は振動しながら収束する.この振動はラビ振動に起 因するものである. また,γ/4 = Ωn ,すなわち Kn = 0 のときはハミルト ニアン (32) は対角化不可能であるが,ジョルダン標準系 に変形することにより解を求めることができる.この解が 与える曲線は, (35) 式において Kn → 0 の極限の場合が 与える曲線と同じになる. 参考文献 [1] A. Kitagawa and K. Yamamoto, LANL e-print archive quant-ph/0202154 (2002); A. Kitagawa and K. Yamamoto, QIT2002-6(2002). [2] C. H. Bennett, G. Brassard, C. Crepeau, R. Jozsa, A. Peres and W. K. Wootters, Phys. Rev. Lett. 70, 1895 (1993).
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